Report

黒澤明の幻の名作✖️片岡愛之助の舞! 今年のTIFFも歌舞伎座スペシャルナイトを開催【TIFF2015】

黒澤明の幻の名作✖️片岡愛之助の舞! 今年のTIFFも歌舞伎座スペシャルナイトを開催【TIFF2015】

昨年の第27回東京国際映画祭で映画祭の新たな試みとして行われ、大いに好評を得た「歌舞伎座スペシャルナイト」が今年の『第28回東京国際映画祭』でも10月26日に開催される。昨年同様、人気歌舞伎役者の歌舞伎舞踊と名画を歌舞伎座という最高の舞台でいっぺんに楽しめるという、贅沢なスペシャルイベントが再び実現する。

DSC_0612

今年も「歌舞伎座スペシャルナイト」を開催

昨年は市川染五郎さんによる歌舞伎舞踊「石橋」(しゃっきょう)を上演、チャールズ・チャップリン監督作品の『街の灯』(1931)が上映されたが、2回目となる今年は、片岡愛之助さんによる歌舞伎舞踊「雨の五郎」を上演、日本映画の巨匠・黒澤明監督の幻の名作「虎の尾を踏む男達」(1945)がニュープリント、英語字幕付きで上映される。

ビデオメッセージで登場した片岡愛之助さんは「歌舞伎はもともと娯楽です。新しい映画が公開されるとみなさん映画館に行かれると思いますが、新しい歌舞伎には興味を持っていただけない。ぜひ、この機会に歌舞伎に興味をもっていただければ」と語った。

m_THEY_WHO_STEP_ON_THE_TIGER'S_TAIL

黒澤明監督「虎の尾を踏む男達」
©1945 東宝

「雨の五郎」片岡愛之助
©松竹

DSC_0613

ビデオメッセージで登場した片岡愛之助さん

Kabukiza_theatre_tiff_CMYK.jpg_rgb

歌舞伎座が一夜だけ映画館に
©2014 TIFF

「虎の尾を踏む男達」は能の「安宅」を基にした歌舞伎の十八番「勧進帳」を題材に、義経・弁慶一行の安宅の関所越えをミュージカルとして映像化した作品。能の地謡の部分をコーラス風にアレンジしており、大河内傳次郎演ずる弁慶の重厚さと対照的に榎本健一の強力の滑稽さが加わり、コメディとしてもパロディーとしても楽しめる。

黒澤初の時代劇映画として第二次世界大戦終盤に製作されたが、終戦直後、日本の検閲官が「勧進帳」の改悪として封印してしまった。その後、GHQの映画部門担当官が上映禁止を解除したことで、1952年に初上映されたといういわくつきの“幻の名作”。

また、「歌舞伎座スペシャルナイト」では、比類なき感性で「サムライ」のごとく、時代を切り開く映画を発信し続けてきた映画人に与えられる「サムライ賞」の授与式も行われる。今年のサムライ賞は山田洋次監督とジョン・ウー監督に授与される。前日の10月25日にはウー監督の若手映画人向けのセミナーも行われる。

DSC_0555

今年のサムライ賞は山田洋次監督とジョン・ウー監督に

最新の映画をいち早く楽しめる東京国際映画祭だが、「歌舞伎座スペシャルナイト」の他にも、過去の名作、監督にフォーカスしたイベントが行われる。黒澤明監督の「乱」や市川崑監督・三島由紀夫原作・市川雷蔵主演の「炎上」の4Kデジタル復元版や、ガメラシリーズの4Kデジタル・リストア版が上映される「日本映画クラシックス」をはじめ、追悼特集「高倉健と生きた時代」、「寺山修司生誕80年」、「生誕100年 オーソン・ウェルズ ー天才の発見」など、数々の名作がラインナップされた特集上映が行われる。

DSC_0598

4K復元された黒澤明監督の「乱」(1985)は必見。
湯浅憲明監督の「大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス」(1967)にも期待

DSC_0601

追悼特集「高倉健と生きた時代」

DSC_0602

寺山修司生誕80年

DSC_0603

生誕100年 オーソン・ウェルズ ー天才の発見

第28回東京国際映画祭オフィシャルサイト
http://2015.tiff-jp.net/ja/

取材・執筆 / チバヒデトシ