Interview

高杉真宙『PとJK』で廣木組初参加。孤独で不器用な〈大神くん〉を熱演

高杉真宙『PとJK』で廣木組初参加。孤独で不器用な〈大神くん〉を熱演

P=POLICEの〈佐賀野功太〉と、JK=女子高生の〈本谷歌子(カコ)〉が周囲に内緒で結婚するという、累計310万部を突破した大ヒットコミック『PとJK』が、主演に亀梨和也、ヒロインに土屋太鳳を迎えて実写映画化。『仮面ライダー鎧武/ガイム』や『里見八犬伝』など、映像作品でも舞台でも実力を評価されており、今年は本作の他に5作の出演映画が公開予定の高杉真宙が、〈カコ〉の同級生で家庭に問題を抱える〈大神平助〉を好演。初の廣木隆一組参加の感想や函館ロケ、さらに高校時代のエピソードまでたっぷり聞いた。

取材・文 / 熊谷真由子 撮影 / キムラタカヒロ


まずは、完成作をご覧になった感想を教えてください。

どの作品でも最初の試写はいつもドキドキしながら観るんですが、どうしても自分の演技の反省ばかりになってしまいます。この作品だと、例えば、クランクインして最初の撮影が、僕が〈カコ〉を傷つけてしまうシーンだったんですが、緊張してガチガチだったので、もっとリラックスして臨みたかったと思いました。それと、廣木監督は現場や編集で変えていく方でしたし、僕がいないシーンはどうなっているのか気になっていたので、純粋にすごく楽しめた部分もあります。“すごい撮り方をした”と噂に聞いていたラストシーンは、僕はいなかったので、どういう風に撮ったの!? と新鮮な驚きがありました。

『ヴァイブレータ』(03)や『さよなら歌舞伎町』(15)などの廣木隆一監督組に初参加でしたが、演出はいかがでしたか?

最初、僕と(同級生〈永倉二郎〉役の)西畑大吾くんと(〈矢口三門〉役の)玉城ティナさんとの3人での本読みでお会いしたときに、僕がイメージしていた〈大神平助〉を演じたら、「違う、もう1回」と、ダメ出しされることが結構あったんです。その3日後くらいにもう1度、僕だけ呼ばれたので「これはヤバい……!」と思って、悔しくて。監督のおっしゃっていた言葉から、〈大神平助〉はもう少し不良っぽく作らないといけないと感じたので、どうにかしてOKをもらおうと思って再挑戦しました。そういうこともあって事前にしっかりキャラを作った後は、監督は現場では、わりと自由に演じさせてくださったので、楽しかったです。いつもカメラの横で芝居を見てくださっているんですが、本読みのときのダメ出しがあったからこそ、監督のOKは絶対に大丈夫ということなんだな、と信じられました。

2回目に監督のOKをもらうために、具体的にどんなことをされたんでしょうか?

2回目は金髪に染めて行ったので、1回目よりも自分の中で〈大神〉の雰囲気を掴めたと思います。もともと原作を読んでいたんですが、原作の印象では〈大神〉はそこまで不良っぽくないと思っていたので、1回目の本読みでは、原作に沿ったキャラクター作りをしていました。でも僕が演じるのは、あくまで映画の中の〈大神平助〉だから、脚本に沿って役作りをしないといけないと感じたので、もっと強めに演じるようにしました。

監督からOKをもらえるコツは掴めましたか?

いや、全然です(笑)。自分の中で精いっぱいがむしゃらにやっていましたけど、また現場でお会いしたらダメ出しをされるかもしれません。

漫画のキャラクターを演じる際は、原作ファンの期待などもありますよね。

自分自身、漫画が大好きなので、やっぱり原作ファンの方たちの気持ちはよくわかりますし、そのキャラクターをいただいたときに、自分でいいのかな、もっと他に相応しい人がいるんじゃないかな、と思ったりもします。でも、自分が役をいただけるのはやっぱりすごく嬉しいですし、どうにか原作に近づけたいとは思いますが、2時間の映画なりドラマなりの、作品全体の中で成り立つキャラクターとして作られた台本があるので、どうしても多少は原作と変わってくる部分があるのも理解していて。だから、まずは台本上でのキャラクターを作って、その後、漫画に近づけられるところは近づけたいと思っています。

ケンカシーンなど、アクションも多かったですよね。

最後のシーンが、アクションしながらセリフを言うシーンだったんですが、現場に行ってから動きを覚えてセリフのタイミングなどを調整していったので大変でした。舞台ではアクションとセリフを同時に言うことがありますが、映像だとカメラのアングルなどもあるので違いましたね。特にケガなどはなかったですが、僕が不良の子たちを追いかけるというシーンで、下に置いてあった照明機材を踏んで割ってしまったことがあって……。反省しています……。

孤独だった〈大神〉が友情に涙するシーンが印象的でした。

〈大神〉は結構複雑なキャラクターだったので、そういった感情を作り出すことには特に苦労はなかったですが、〈大神〉がどこまで感情を見せるのか、我慢して悟られないようにするのか、思わず涙がこぼれるという風に表現するのか、その塩梅が難しかったので監督と相談しました。やりすぎちゃったかなと思っていても、監督に「もっとやっていいよ」と言ってもらえたときは嬉しかったですね。

高杉さんご自身が印象に残っていたり、気に入っているシーンは?

僕は、〈大神〉と〈カコ〉が友達だと言って握手するシーンがすごく好きです。〈大神〉が初めて友達ができた瞬間で、握手して話せる相手ができたというのは〈大神〉の中で大きな出来事だったと思います。とても素敵ですし、背景も含めて全体的に綺麗なシーンになっていると思います。

背景と言えば、函館の風景も素敵でした。函館ロケのお話を教えてください。

案内できるくらい、いろいろな場所を観光しました(笑)。観光スポットが密集していて行きやすいので、いろいろな楽しみ方ができて、すっかり満喫してしまいました。函館山には2回行ったんですが、1回目は一人で、2回目は西畑大吾くんと一緒に行きました。特に印象に残っているのは西畑くんと一緒に行った五稜郭。バスに乗って行ったんですが、知らない土地なので緊張もあって、ちょっとした冒険気分でした(笑)。それに、五稜郭の星型を見て、どうやって作ったんだろうとか想像してワクワクして。とても好きな場所です。

西畑さんとはとても仲良くなったそうですが、何がきっかけだったんでしょうか?

僕、人見知りなのであまり自分から積極的に話しかけられないんですけど、西畑くんはフレンドリーですし、話しかけてくれたので仲良くなれて、いろいろなところに一緒に行きました。僕、撮影中に20歳の誕生日を迎えたんですけど、そのときに西畑くんがわざわざ(ホテルの)部屋に来て歌ってくれて、プレゼントもくれて。西畑くんとは同い年なんですけど、こんなかっこいいことをサラッとできる人が本当にいるんだ! とびっくりして(笑)。そういうことをなかなかできない僕からしたら、西畑くんはキラキラした、本当にかっこいい人だなと思いました。

高杉さんはオフの日はあまり外に出ないそうですが、函館では積極的に外に出られたようですね。何がそうさせたんでしょう?

普段の休みの日はあまり外出しないですが、知らない土地で散歩したり、電車やバスに乗ったりするのは結構好きなんです。道に迷ったら大変なんですけど、それもいいかなと思っていて(笑)。だから地方に行くとわりと出歩くことが多いです。でもさっきも言ったとおり、僕は漫画が大好きで、日々欠かせないんですが、1カ月の函館滞在中に漫画はかなり読んでいて、結果的に持ちこんだり新しく買ったりした漫画がすごい数になってしまいました。帰るときは一番大きなトランクには入りきらなくなって、箱に入れて東京に送りました(笑)。

高杉さん自身の高校時代で、友情が感じられるようなエピソードはありますか?

高校時代の友達とは今でも仲が良くて遊んでいるんですが、高校でそういう友達に出会えて良かったと思っています。この間、その中の一人と自転車で表参道から鎌倉まで行ってきたんです。行きは6時間くらい、帰りは5時間くらいかかって。途中で雨は降ってくるし、ハチャメチャな旅だったんですけど、そういうことができるのもその友達だからこそだなと思いました。ただ本当にきつくて、もう2度と自転車では行かないと思いましたけど(笑)。

亀梨和也さん演じる警察官の〈功太〉が〈大神〉に「もっと俺に頼れ」と声を掛けるシーンもありましたが、本作はそういった人の温かさを感じられる作品だと思います。高杉さんが誰かにありがたさを感じるのはどういうときですか?

人に相談されたときですね。誰かに相談するって、結構大変なことだと思うんです。他人にはなかなか言いにくい事情を話すのは信用しているからこそだろうし、自分を信じて話してくれているのもわかるし、だからこそどうにか解決したいし、僕も相談したいなと思う。実は僕は、仲が良くてもなかなか誰かに相談せずに、一人で解決しようとしちゃうタイプなんです。

高校時代にやり残したと思うことはありますか?

ありがちですけど、やっぱりもっと勉強しておけば良かったなと思っています。学生の頃は、大人から「大人になったら勉強したくなるから、勉強しといた方がいいよ」と言われるじゃないですか。でも、いやいや、勉強なんかしたくなるわけがない、と信じていなかったんですけど(笑)、やっぱり今になってもっと勉強しておけば良かったと後悔していて。あのときに言われたことは本当だったんだとわかりました。僕ももっと大人になったら年下の子たちに言うようになるかもしれませんね。

高校生の頃に特に苦手だった教科は?

英語が苦手でした。でも、「大人になったら勉強したくなる」という言葉が引っかかっていたのか、教科書や単語帳を残してあったんです。最近、また出してきてすぐ見直せる状況にしてあります(笑)。

高杉さんは普段から恋愛映画はご覧になるのですか?

もちろん観ますよ。少女漫画もよく読みますし、恋愛映画も観ます。それこそ、高校時代の男友達3人で、廣木監督の『ストロボ・エッジ』(15)を映画館に観に行きました。廣木監督とは、またぜひ、ご一緒したいです。

高杉真宙(たかすぎまひろ)

1996年生まれ、福岡県出身。2009年に舞台『エブリリトルシング’09』で俳優デビュー。『仮面ライダー鎧武/ガイム』(13~14/EX)で複雑なキャラクターを演じて、高く評価される。映画『ぼんとリンちゃん』(14/小林啓一 監督)では第36回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞。その他の主な出演作は【ドラマ】『35歳の高校生』(13/NTV)、『表参道高校合唱部!』(15/TBS)、【映画】『カルテット!』(12/三村順一 監督)、『渇き。』(14/中島哲也 監督)、【舞台】『里見八犬伝』(12)、『闇狩人』(16)など。今年は【映画】『ReLIFE リライフ』(4月15日公開/古澤健 監督)、『想影』(17年公開予定/加藤慶吾 監督)、『逆光の頃』(17年公開予定/小林啓一 監督)、『トリガール!』(9月公開/英勉 監督)、『散歩する侵略者』(9月9日公開/黒沢清 監督)と、多くの映画が公開待機中。2018年公開予定の映画『プリンシパル~恋する私はヒロインですか?~』(篠原哲雄 監督)への出演も決定している。

高杉真宙オフィシャルページ

映画『PとJK』

2017年3月25日公開

ひょんなことから出会った女子高生の〈カコ〉と警察官の〈功太〉。すぐに〈功太〉に惹かれた〈カコ〉だが、〈功太〉は〈カコ〉が女子高生とわかると態度が冷たくなる。しかしその後、自分を庇ってケガをした〈カコ〉の真っ直ぐな内面に惹かれた〈功太〉は、突然プロポーズ。女子高生の〈カコ〉といい加減な気持ちで付き合うよりも、結婚することが警察官としての彼の真剣な気持ちだった。最初は反対していた〈カコ〉の両親も、〈功太〉の真面目さを理解、条件付きで結婚を認め、二人の秘密の“新婚生活”がスタートする。 そんなとき、〈カコ〉のクラスの不良生徒〈大神〉が久々に登校。〈カコ〉は、本当は孤独で繊細な〈大神〉と話すうちに友達として仲良くなっていく。 学校生活を送りながら、〈功太〉との楽しくてラブラブな新婚生活を夢見ていた〈カコ〉。しかし、警察官と女子高生という立場の違いから、次第に気持ちのすれ違いが出てきてしまい……。

【監督】廣木隆一
【原作】三次マキ(講談社「別冊フレンド」連載)
【脚本】吉川菜美
【音楽】大橋好規
【出演】
亀梨和也 土屋太鳳
高杉真宙 玉城ティナ 西畑大吾(関西ジャニーズ Jr.) 村上淳 ともさかりえ 大政絢 田口トモロヲ
【配給】松竹

オフィシャルサイトhttp://ptojk.jp/

©2017「PとJK」製作委員会

劇中曲:ブルーノ・マーズ「Marry You」

原作コミック『PとJK』

PとJK
PとJK 1巻

三次マキ(著)
講談社
別冊フレンド

1巻無料!

 
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