Interview

The Birthday の新曲はダイナミックなラブソング。チバユウスケが説く独自の色彩感とは?

The Birthday の新曲はダイナミックなラブソング。チバユウスケが説く独自の色彩感とは?

4ピースバンドの最高峰としてシーンをリードしてきたThe Birthdayが、ニュー・シングルを3月15日にリリースする。
非常にストイックなAメロと、ドラマティックなサビを持つ「抱きしめたい」は、クズ共から世界を奪い返すと力強く宣言するチバユウスケ流のダイナミックなラブソングだ。一方でカップリングの「木枯らし6号」は、よくスウィングする心躍るブギー。これまでのThe Birthdayにはなかったグルーブが楽しめる。

新作アルバムの制作が順調に進む中、発表された今回のシングルは、まだまだやりたいことが山積みのThe Birthdayのバンドのエネルギーを伝えてくれる。
今回はチバに加えて、ベースのヒライハルキの2人にインタビューした。The Birthdayのサウンドに野太いグルーヴと色彩感を与えるベーシストは、このシングルをどう捉えているのだろうか。

取材・文 / 平山雄一 撮影 / 鈴木圭


「『抱きしめたい』の歌詞は俺にしては早かったね。サビの歌詞が散文みたいな形であってさ、それがハマるんじゃないかなって思って」(チバ)

「抱きしめたい」っていうストレートなタイトルにビックリしました。ひとつ前のシングルのタイトルが「夢とバッハとカフェインと」ですからね。イメージが全然違う(笑)。

チバ どういうイメージだ(笑)。

いやいや(笑)。「抱きしめたい」の制作作業はいつ始まったんですか? 

チバ これはたぶんね、最初に合わせたのが一昨年の10月なの。

1年半ぐらい前ですか。何かきっかけがあって?

チバ 前のアルバム『BLOOD AND LOVE CIRCUS』のツアー用のリハをやってたときに、セッションしてたらサビの感じがまず出て来た。

ツアーのリハーサルの最中にセッションになることって、多いんですか? 

チバ そんなにないね……たまたまじゃないかな。

ヒライさんはこの「抱きしめたい」が出来たセッションのことって覚えてますか?

ヒライ 俺はあんまり覚えてないです。

チバ 俺は覚えてるんだよねえー。克明に覚えてる。って言っても、スタジオのイメージよりかは、家に帰ってリハの音源を聴いたときに思ったことを覚えてる。ツアーのリハーサルだからそのときは曲に仕上げなかったけど、アルバムに向けて曲を作ろうってなったときに、「あれ、あったよね」みたいな感じで、引っ張り出してきて、俺が作ってた他の曲の平歌(Aメロ)の部分が上手いこと合わさって出来ていった。

ヒライさんは、忘れちゃった曲を「仕上げよう」ってなったときって、どう対応するんですか?

ヒライ いいフレーズがセッションのときに出ていれば、なんとなく思い出しますね。それがないときは、家に持って帰って、けっこう苦労します。この曲に関しては平歌ではクハラ(カズユキ)さんのキックドラムがずっと同じリズムで鳴っているので、ベースはまずそれを支える。で、途中でフワッとしたフレーズが出てきたらいいなあっていうイメージが浮かんでいて。でも一回、弾いてみたら、今までの曲に似た感じになっちゃってたんで(苦笑)、面白いフレーズが出て来るまで時間がかかりましたね。

結果、フジイケンジさんのギターのフレーズとよく響き合うフレーズになってますね。

ヒライ ああ、フジケンさんのギターのフレーズは、メチャクチャ参考になりますよ。今回のは、パッと聴いたらどこがアタマかわからないっていう不思議なフレーズで。

ベースは、基本的にはずっと同じ音を弾いてますね。

ヒライ そうですねえ。曲に対してベースはルート(注:コードの基本になる音)を弾いてれば成り立つんですけど、やっぱり音を動かしたほうが表情を付けやすいし、付けたくなるんですよ。だから、こんだけ静かな曲でルートだけ弾いてるっていうのは、個人的にはけっこう勇気が要るんですね。それこそ少し前の自分だったら、なんかゴチャゴチャやろうとしていたかもしれないけども、そうでもなくなってきたんでしょうね、きっと。「ここ」っていう場所が自分の中にあれば、そこまでは耐えるというか。

ストイック&暴れるっていう美学は、すごくベーシストらしいですね。ちょっと話が外れますが、去年のストーンズのアルバム『Blue&Lonesome』もストイックで暴れてましたね。あの年齢で、改めてブルースのカバーアルバムを出すのが凄い! ああいうアルバムから、何か感じるものってありますか?

チバ いや、でも、彼らはあれを「今やりたかったんだろうなあ」っていう気はするけどね。今しかねえんだろうなっていうね。あれって、歌も一発録りなのかなあ? 新鮮でしたよね、あのアルバム。うん、すごいなあ。まったく同じことをやろうとは思わないけど、でもやっぱり刺激には絶対になると思うね。なると思うし、自分のどこかに残ってくんでしょうね。

そしてチバさんは、「抱きしめたい」ではギタリストとしてどんなアプローチをしたんですか? 特に曲の途中で、フジケンさんとの凄くカッコいいギターの絡みがある。

チバ あれは、「ピート・タウンゼントが2人いる」みたいな感じで。はははは!(注:ピート・タウンゼントは、ロック・レジェンド“ザ・フー”のギタリスト)

ピートが2人!

チバ ははは、そうです(笑)。 

ヒライ どっちも譲らないピートっていう。ははは!

「The Birthdayの曲って、俺、全部、色で例えられますよ。『抱きしめたい』は青ですね」(ヒライ)

「抱きしめたい」の歌詞は?

チバ 俺にしては早かったね。レコーディングの前には出来てた。

下手すると、レコーディング中に作ることもあるんですか?

チバ レコーディング中に作る、もちろん(笑)。んーとね、この曲に関しては、サビの歌詞が散文みたいな形であってさ、それがハマるんじゃないかなって思ってた。

♪海とコンクリートどちらが強いか♪っていう歌詞を聴いたとき、ドキッとしました。

チバ んー、俺の実家近くの港にさ、真っ直ぐ伸びてる防波堤があったんだけど、それが浸食されて無くなったっていう話があって。そのコンクリートの防波堤が、ほとんどなくなったんだって。俺がガキの頃にはあったんだけど、ほったらかしておいたら無くなったっていう話を何年か前に聞いたことがあって。

僕は♪海とコンクリートどちらが強いか♪って聴いて、津波のことを思い出してドキッとしました。

チバ うーん、そうも取れるか・・・まあ、聴いた人がどう受け取ってもらっても全然構わないけどね。

カップリングの「木枯らし6号」の歌詞と、けっこう重なるところがあるとも思ったんですけど。

チバ ふーん。

「抱きしめたい」には“SF映画”や“エイリアン”が出てきて、「木枯らし6号」には“スターシップ希望号”が出てくる。

チバ ああ、ほんとだ!

「ああ!」じゃないでしょ、自分で書いたんだから(笑)。

チバ (笑)

(笑)じゃあ、「木枯らし6号」の話に行きましょうか。

チバ あの曲自体は、けっこう前からあったんだよなあ……。去年、12本のショートサーキットの(「シャム猫の絶叫」)ツアーを、リリースなしでやったときに、博多でみんなに「こういうのをやりたいんだ」つって、歌詞もあって、聴かせた覚えはある。ただ、今とはリズムが全然違ってた。そっちもよかったんだけど、今回はこういうリズムにしたかったんだよね。

たとえば「ライブでこういうリズムの曲があるといいな」っていうことですか?

チバ いや、そこまで考えてないねえ。ただ、バンドの中で「そっちじゃなくて、こっちをやろうよ」っていう話になった。こういう感じの曲って、The Birthdayにはなかったかもしれないなあ……。

ヒライ ない、かな? うん。でも最初にやってたパターンより、俺はこっちの感じになって良かったなと思ってますね。

それはベーシストとしての面白さっていうことですか?

ヒライ 最初にこの曲をやり始めたときは、まったく違う楽器で弾いてた。アップライトベースを使ってやっていたんだけど、どうもしっくりこなくて。で、普通のエレキベースに持ち替えたら「ああ、やっぱこういう感じのほうがいいなあ」って単純に思えたので。

チバ スラップが入るまでは行かないけど、最初はアップライトベースのイメージがあったんだ。

ヒライ いやいや、俺、思いっきりスラップで頑張りましたけど(笑)。「そうやって弾いて」って言うから、アップライトベースでボンゴボンゴって、ガシガシやってましたよ。

チバ あ、そうだっけ? ホント? そんな時代あった? 忘れちゃったなあ(笑)

ははは!

ヒライ (笑)それがちょっと、俺にとってはしっくりこなかったんです。

じゃあ、楽器を変えてやってみようっていう話になって。

ヒライ 変えようというか、自然に持ち替えたんですけど。で、やってみたらリズムの感じもけっこう変わって、こっちのほうがやっぱりいいなっていう。

チバ ああ、そうだった(笑)。ちなみにアルバムにはカップリングは入らないから、「木枯らし6号」はこのシングルでしか聴けないからね。

さりげなく宣伝してますね(笑)。そういえば「抱きしめたい」と、前作シングルの歌詞も関連性があるんですか?

チバ 前のシングルって、「夢とバッハとカフェインと」?

はい。

チバ 関連性?(笑) まあでも、同じ時期に作ってるから。

「夢とバッハとカフェインと」は♪目に映るもの全てブルーに染まってる俺にレンズくれよ♪って歌ってて、「抱きしめたい」は♪それで青に還すんだ♪って歌ってるでしょ。 “青”は今、大事な言葉なんですか?

チバ ああ、出てきてる! ああーっ!!(←声がひっくり返ってる)

「ああーっ!!」って(笑)。

チバ しまったあ!!

え、なんで「しまった」なんですか?(笑) 今、そういうモードがあって、次のアルバムってそういう色がテーマになるのかとかいろいろ思ってたんですけど……。

チバ ……ダメじゃん……。

いいじゃん!(笑)


(一同笑い)

チバ あー……しくったぁー!

え、「しくった」になっちゃうの?(苦笑)

チバ いや、いや、いいです、いいです、大丈夫。いや、完璧です!

ヒライ ははははは。

チバ そっか、うわぁー、ビックリした……チッ(←舌打ち)。まあ、メンバーにも、色のイメージが多いっていうのはすごく昔っから言われます。

気が付いてました?

 

ヒライ うん!

チバ えっ!?

ヒライ うはは!

はははは!

ヒライ あの、俺、青が好きなんです、単純に(笑)。The Birthdayの曲って、俺、全部、色で例えられますよ。

へぇー!(笑) ちなみに「抱きしめたい」は何色?

ヒライ ああもう、青ですね(笑)。

チバ そりゃそうだ、ははは! 「赤です」って言われたら困っちゃう(笑)。

「木枯らし6号」は?

ヒライ 茶色っぽいかな。

「バッハ~」はどうだったんだろう。

ヒライ 「バッハ~」は、夕日っぽいオレンジというか、赤と朱色というか……。

じゃあチバさんが詞を書いてくると、「また色が出てきたなあ」と思って聴いてるんですか?

ヒライ そうですね、歌詞を聴くと。

ほら、みんな気が付いてますよ。

チバ くはははは……。

ヒライ 本人は全然気付いてない。(←小声)

そして、最後に、The Birthdayは5月から待望のツアーに出ますね。

チバ  そうそう。アルバムも録り終わったし、後はミックスだけ。その後、ツアーに出るから、みんな楽しみにしててくれよ。

ありがとうございました。

The Birthday –木枯らし6号(Music Video)

「抱きしめたい」MUSIC VIDEO

ライブ情報

5月27日(土)神奈川・横浜Bay Hall
6月2日(金)長野・長野CLUB JUNK BOX
6月4日(日)新潟・新潟LOTS
6月8日(木)埼玉・HEAVEN’S ROCKさいたま新都心VJ-3
6月11日(日)千葉・柏PALOOZA
6月16日(金)三重・四日市Club Chaos
6月18日(日)岐阜・岐阜CLUB ROOTS
6月20日(火)岡山・岡山CRAZYMAMA KINGDOM
6月21日(水)福岡・小倉FUSE
6月23日(金)宮崎・宮崎WEATHER KING
6月24日(土)大分・大分T.O.P.S Bitts HALL
6月29日(木)広島・福山Cable
7月1日(土)愛媛・松山W studio RED
7月2日(日)高知・高知H-pt.
7月6日(木)京都・京都磔磔
7月7日(金)兵庫・神戸CHICKEN GEORGE
7月9日(日)和歌山・和歌山SHELTER
7月15日(土)福島・郡山HIPSHOT JAPAN
7月17日(月)山形・酒田MUSIC FACTORY
7月21日(金)北海道・北見ONION HOLL
7月23日(日)北海道・釧路NAVANA STUDIO
and more…

The Birthday

チバユウスケ(Vo & G)、フジイケンジ(G)、ヒライハルキ(B)、クハラカズユキ(Dr)。
05年9月、チバユウスケ(Vo&G)が中心となって結成。2010年末から現在のメンバーに。結成10周年となる2015年には、ベスト・アルバム『GOLD TRASH』をリリースし3度目の日本武道館公演を成功に収める。
2017年3月シングル「抱きしめたい」をリリース。5月にニュー・アルバムをリリースして、全国ツアーがスタートする。

オフィシャルサイトhttp://www.rockin-blues.com/category/the-birthday

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