future×feature  vol. 2

Interview

『べっぴんさん』さくら役で芯のある演技が大絶賛の井頭愛海の今

『べっぴんさん』さくら役で芯のある演技が大絶賛の井頭愛海の今

多くのメディアが注目、これからの活躍が期待される俳優、女優を紹介する“future×feature”。現在放送中の朝ドラ「べっぴんさん」で愛くるしくも芯のあるさくらを演じている井頭愛海が登場!

連続ドラマ初出演にして、NHK朝の連続テレビ小説『べっぴんさん』でヒロイン・すみれ(芳根京子)の娘・さくら役を得た井頭愛海。劇中では15歳からスタートし、東京への大学進学とアメリカ留学を経て、両親が立ち上げた会社<キアリス>へ入社。やがて幼馴染の健ちゃんと結婚し、子供を産み、40歳まで演じた彼女。撮影当時、若干15歳だった彼女が初めてだらけの現場で見つけたものとは——。

取材・文 / 永堀アツオ 撮影 / 荻原大志


自分を見つめ直すいい機会にもなった「べっぴんさん」の現場

ドラマ『べっぴんさん』の撮影を終えた感想から聞かせてください。

15歳から40歳までを演じることができ、本当にいい経験をさせていただいたなと思ってます。最初はすごい難しかったり、苦戦したことが多かったんですけど、終えてみたら、自分が強くなれた実感もありますし、この作品に関われたことが自分にとって、かけがえのない財産になったなって思っていて。
撮影が始まる前のお稽古から含めると、約5ヶ月間くらい、この作品に関わらせていただいて。連続ドラマをやらせていただくのも初めてだったので、最初は本当にもう、訳のわからない感じで入ったんですけど、現場の雰囲気がすごい良くて。どのスタッフさんもたくさん声をかけてくださったりして。もちろん、うまくいかなくて、泣いた時もあったけど、そういう自分を乗り越えられたからこそ、成長できたかなっていう部分があります。

泣いた時もあった?

10回くらい心が折れました(笑)。撮影に入る前に、まず、4日間くらいの強化レッスンと2週間の稽古期間があったんですけど、そこまでに映像を見ずに、台本だけでさくらはどういう子で、どういう状況で育ってきたのかをノートに書き出して。6歳から15歳までの期間は描かれていないので、台本に書いてあることだけじゃなく、その間に何があったのか、裏設定も考えたりして。そうやって考えることは難しい反面、楽しいことでもあったんですけど、他にも、自分のおばあちゃんに戦争時代の話を聞いて、みんなの前で発表する課題もあって。ヤバイヤバイ、やらないといけないって追い込まれてしまって、台本を覚えても飛んじゃったりしてて。
セリフが出てこなかったりすると、自分が情けなく感じるし、うまくいかないことが続くと、もう行きたくないなって思ってしまって。でも、今思えば、その期間があったからこそ撮影までに持ち直せたというか。何もないままで撮影に入っていたら絶対に失敗して終わっていたと思うので、その期間を設けてもらったことをありがたく感じるし、改めてもっとちゃんとしなきゃいけない、よし頑張ろう!って思うことができたんじゃないかなと思います。

実際に現場に入ってからはどうでした?

それでもやっぱり、うまくいかないこともたくさんありましたね。衣装部屋の鏡の前に座って、自分の顔を見ていたら涙が出てきたりして。すごく辛かった時もあったんですけど、もっとお芝居が上手くなりたいっていう気持ちが強かったし、周りの人たちもすごく温かくて。みんなが楽しそうにやっているのに自分がこんなに暗い顔をしてちゃいけないなって。みんなといると楽しいですし、弱い自分に負けたくないなっていう気持ちでいて。そういう意味では、さくらの状況ともすごく似てたと思うんですね。

似ていると感じたのはどんな部分ですか?

さくらは真面目で芯が強くて、自分の意見は貫き通す子なんですけど、1つのことに集中したら周りが見えなくなっちゃうタイプなんですね。そこは自分とも似てるのかなと思うし、さくらは心の中にずっと、いい子でいなくちゃいけないっていう葛藤を抱えてて。それが、家出という形で爆発しちゃうんですけど、大学に進学して、アメリカに留学したことが自分の自信に繋がっていって。
私も最初の頃は緊張していたし、撮影が進んでいく中でも、ずっと自分の殻を破りたいなって思っていたんですね。一番最初の芳根さんとのシーンが、ナイトクラブでさくらとすみれが対峙するシーンだったんですけど、私と芳根さんがお互いに探り合うように、さくらとすみれも本当の心ではどう思ってるんだろうって探っているような感じだったと思うんですね。時が流れるにつれて、すみれが成長して、親や家族のありがたみを感じていくように、私の中でも成長があったのかなと思う。
さくらが楽しければ、私も楽しいですし、さくらが苦しい時は私も苦しかった。本当に、現実の世界と『べっぴんさん』の世界が同時進行している感じがしてましたね。

朝ドラの撮影はハードだという評判ですから、肉体的な大変さもあったのでは?

そうですね。特に、最初の頃は出番がすごく多かったので、香盤表に朝から晩まで、さくらの“さ”っていう字があって。毎日、家に帰った瞬間にバタンて倒れて、お風呂にいけないくらい大変でした。いつもお母さんに、お風呂場まで引きずられてたんですけど(笑)、そういう辛い時があったからこそ、今の自分がいるのかなって思いますし、15歳という年齢で、こんなにたくさんのいい経験をさせていただいたこととは本当に貴重というか。今までの自分がとっても甘かったなって感じた部分も多かったので、自分を見つめ直す、いい機会にもなったと思いますね。

心が折れまくりだった時期を支えてくれた家族の大切さ

15歳(取材時)とは思えないほど、発言がしっかりされてますね(笑)。自分では経験してない年齢を演じることに関してはどう感じてました?

不安が大きかったですけど、たくさんの大人の方とお話をさせていただいて。例えば、20代は10代の時よりも自信が付いてきて、仕事でも自分が自分がっていう主張が強くなるとか。30代になると自分自分ではいけないんだなって気づく瞬間があるとか。現場でも周りの大人を見ながら、常に何か吸収したいなっていう構えでいましたね。
あとは、お母さんにも話を聞いて。『自分の人生について悩むときも多かった』って言ってたんですね。私は昨年の4月から、高校入学と同時に上京して、半年間は離れて暮らしてて。親のありがたみをそのとき実感したんですけど、また半年間は実家に戻って、みんなで毎日、食事を囲めるなんて幸せだなと思ってて。クランクアップした日に、大阪から東京に向かう新幹線の中でお母さんからメールが届いたんですね。『ちょっとカバンの中を見て』ってかいてあって。見たら、手紙が入ってて。もう号泣して。

どんなメッセージが書かれてました?

心が折れまくりだった頃のことですね。このままでは役を変えられてしまうな、さくら失格だなって、自分じゃできないなって思うこともたくさんあって。放り出したくなるときもあったんですね。本当に演技が下手すぎて、自分が情けなくなるときがたくさんあったけど、そういう辛かった時に一番支えてくれたのはお母さんで、一緒に乗り越えてくれたっていう思いがあって。
それに、毎日、どんなに遅くに帰ってきても、ご飯を作ってくれたし、食堂での外食ばかりはダメだっていうことで、毎日、早起きしてお弁当も作ってくれて。海苔で顔を作ってくれたおにぎりをみたりすると、落ち込んでたらダメだなと思ったし、いつも応援してくれる親にも恩返しできる人になりたいと思ってたんですね。
そういう感謝の気持ちを忘れないでいたいっていう初心にかえれたような気がしたし、そこまで支えてくれたからこそ、このお仕事ももっと好きだなって感じられたし、いつか恩返しもしたいなって思うようになった。大阪にいた4ヶ月は、すごく濃い時間で、大阪から東京に通っていた時よりも家族とずっと近くにいれたし、新幹線に乗った瞬間に、幸せだったんだな、これからまた一人の生活に戻るとさみしいな、でも、頑張らないといけないんだっていう、いろんな感情になりましたね。

今、「初心にかえれた」とありましたが、昔からずっと女優さんになりたかったんですか?

小さい頃はなりたい職業がいっぱいあって。お医者さん、看護師さん、保育園の先生、パイロット……。いろんな仕事がしたかったんですね。いろんな仕事ができる職業ってなんだろうって考えたときに、俳優さんなら、いろんな仕事を経験できるし、自分にとってもプラスになるし、経験した仕事の中から趣味も見つけていけるかもしれない。1つの可能性として、そういうものがあるんだって知ったときに、やりたい! ってすごく思って。

「全日本国民的美少女コンテスト」審査員特別賞受賞からの未来像

11歳の時に「全日本国民的美少女コンテスト」を受けて、審査員特別賞を受賞されてます。

小学校6年生だったので、ちょうどキリがいいって。ずっと夢を捨てられなかったので、親から『このオーディションで落ちたら、最後にしなさいよ』って言われて受けたら、受かっちゃって。オーディションの会場でも、お父さんはお母さんに“これ、ちょっとやばいんじゃないか”って話してたみたいです(笑)。夢は応援してくれてましたけど、親的には、夢ばかり見ないで現実も見て欲しいって、諦めさせるために受けさせたところもあったんですよね。でも、自分としては、この夢は諦めたらきっと後悔するだろうなっていう思いで受けて。今、5年前の自分では想像できない環境にいますけど。

当時はどんな未来像を思い描いてました?

テレビに出れたらいいなって思ってたけど、絶対に手が届かないと思ってました。ましてや東京なんて、テレビでしか見たことない場所だったけど、今は東京に住むことが当たり前の生活になってるし、いろんなチャンスをいただいている。他人の人生を一から考えて、作り上げて、終わった時に味わう達成感は他に変えられない楽しさがあるし、本当に恵まれた環境においていただいているっていうことを感謝して、もっと初心の気持ちを忘れないでいきたいなって思いますね。

ちなみに、オーディション合格後に結成されたX21としての活動はどう捉えてました? 

演技ではないけど、体を使って表現する、その表現という部分では一緒なんじゃないかなって思っていて。それに、リリースイベントをしたときとかに、『べっぴんさん見てるよ』っていう生の声をたくさんいただける場所でもあって。
それに、ドラマでしか見せれられてない部分、X21では素の自分でいれるというか。自然体でみんなと一緒に頑張れているし、切磋琢磨ができるグループだと思っているんですね。悩むときはみんなで悩むし、助け合えるときはみんなで助け合うし。一人だったら孤独感とか一人で背負っちゃうけど、みんなで背負えるのがすごくいいことだなと思っていて。辛くて泣きあったりしたこともありましたけど、パフォーマンスをもっと高めたいという思いがあるし、このグループももっともっとたくさんの人に知っていただきたいなって思いますね。

井頭さんが好きな俳優さんというのは?

満島ひかりさんが憧れですね。いろんな作品を見たんですけど、同じ人に見えない魅力があって。笑うお芝居だけでも100パターンくらいあるんじゃないかなって思うんですよね。私ももっと、そういう引き出しをたくさん作りたいなと思って、最近、毎日、映画を1本観るようにしてて。その時間が今、一番楽しいので、テストの時でも、絶対に1本は借りて観てて。

それはいいんですか!? テスト中でもやめてない?

観ちゃいたいので、やりたいっていう心に任せようかなって。ま、言い訳なんですけど、昨日は『悪人』を見ました。永山さんが出ているので、『あ、お父ちゃんだ』って思いながら(笑)。

あはははは。グループ活動で素を出すことに抵抗ないですか?

ないですね。さくらとは違う表情を見せられるのは面白いじゃないかと思ってます。自分が好きな俳優さんでも、その方の素を見てみたいなと思うので、露出できる部分があるのであれば、もっと知っていただきたいなって思います。それに、『べっぴんさん』を見て、イベントに来てくださる方もたくさんいて。生の声を、普段聞くことがそんなにないので、やっぱり、『よかったよ』って直接、言ってもらえると嬉しいし、励みにもなりますし、頑張って良かったなって思える瞬間でもありますね。

X21のニューアルバムの発売日が16歳の誕生日なんですよね。

そうなんですけど、劇中でも16歳のお誕生日を祝ってもらったので、自分の中では16歳の誕生日はもう終わってる感じで(笑)。40歳まで年をとったので、今、自分が何歳だっけ? って年齢不詳になってるんですよね。私、本当に15歳かなって思っちゃいます。

あはははは。アルバムに収録された自己紹介ソングでは、<度胸満点、プロのいたずらっ子>と歌われてます。素の井頭さんは?

本当に人にイタズラを仕掛けるのが大好きなんですよ。ファンクラブの企画で、びりびりペンを作ってもらったんですけどそれをいただいて、学校でもやりまくったりして(笑)。ブーブークッションとか、みんなの驚くのを見るのが好きなんですよね。あと、周りの友達からは、明るくて社交的って言われます、人見知りもそんなにしないタイプなので、温泉で出会った知らないおばあちゃんとも普通に仲良くなれるし、『べっぴんさん』の現場でも、『友達の年齢層が広いよね』って言われて。撮影現場には20代から50代までいらっしゃったんですけど、みなさんと仲良くお話しさせていただいて。どの年代の方とも仲良くなれるっていうのが自慢の1つですね(笑)。

(笑)最後に今後の目標を聞かせてください。

2016年は弱い自分に負けそうな時が多かったので、2017年は自分に勝つ年にしたいなと思って。とにかく、今できることを精一杯にやって、悔いのない人生にしたい。人生一度きりなので、1日1日を大切に、チャンスが来た時にすぐにつかめるようにしたいです。逃しちゃうと悔しいし、悔しいでは終われないですから。もっといろんな幅の——学園ものからサスペンスまで、いろんなジャンルを演じられるようになりたいし、将来はみんなから憧れられるような素敵な女優さんになりたい。そのためにも、今、目の前にあることを精一杯頑張って、これからも一直線に、前に進んでいきたいと思います!

井頭 愛海(いがしら まなみ)

生年月日:2001年3月15日
出身地:大阪府
身長:157㎝
趣味:読書
特技:バレエ・ピアノ

連続テレビ小説「べっぴんさん」出演中!

【放送】NHK
【日時】毎週月曜~土曜 08:00-08:15/(再放送)毎週月曜~土曜 12:45-13:00



【放送】NHK BSプレミアム
【日時】毎週月曜~土曜 07:30-07:45/(再放送)毎週月曜~土曜 23:00-23:15/(1週間分)毎週土曜 09:30-11:00
オフィシャルサイトhttp://www.nhk.or.jp/beppinsan/

X21ライブ情報

NEXT FUTURE STAGE AKIBA Season vol.3 ~It’s a Beautiful X~
【日時】2017年3月30日(木)18:30開場 19:00開演
【会場】東京・秋葉原:AKIBAカルチャーズ劇場
【出演メンバー】吉本実憂・小澤奈々花・末永真唯・泉川実穂・長尾真実・籠谷さくら・井頭愛海・山木コハル・白鳥羽純・田中珠里・上水口萌乃香・松田莉奈
X21オフィシャルサイトhttp://x21.oscarpro.co.jp/

第15回全日本国民的美少女コンテスト応募受付中!

詳しくは公式ホームページまで。
オフィシャルサイトhttps://beamie.jp/contest2017.html

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