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『ゴースト・イン・ザ・シェル』監督・キャスト一同に「日本のファンの期待裏切れない」とプレッシャーを明かす

『ゴースト・イン・ザ・シェル』監督・キャスト一同に「日本のファンの期待裏切れない」とプレッシャーを明かす

スティーヴン・スピルバーグやジェームズ・キャメロンといった巨匠監督も熱狂した、士郎正宗によるSFコミック『攻殻機動隊』をハリウッドで実写化した映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』。4月7日に日本公開を控え、主要キャストと監督が来日。スカーレット・ヨハンソンとビートたけし、ピルー・アスベック、ジュリエット・ビノシュ、ルパート・サンダース監督が記者会見に出席した。日本発のコンテンツであり、全世界で人気を誇る作品を映画化するにあたって「プレッシャーがあった」と心境を明かしながら、それぞれが撮影時のエピソードや当時の意気込みを述懐し、本作の魅力を語った。


多くの報道陣がつめかけた『ゴースト・イン・ザ・シェル』の記者会見。メガホンをとったルパート・サンダース監督とジュリエット・ビノシュ、ピルー・アスベック、ビートたけし、そしてスカーレット・ヨハンソンが登壇すると、会場は大きな拍手に包まれた。

本作の主人公〈少佐〉を演じたスカーレットは、「東京に来られて嬉しく思います。そしてこの作品をみなさまにご紹介できることを大変嬉しく思っています。非常に長い旅となりましたが、本作をお披露目する最初の都市が東京であることはふさわしく、とても興奮しています」と挨拶した。

エリート捜査組織・公安9課の課長〈荒巻〉に扮したビートたけしは、「やっと幸福の科学からも出られて、今度は統一教会に入ろうかと。でもこの映画のためには、創価学会が一番いいんじゃないか、という気がしないでもないんですけども」と時事ネタを絡めたブラックユーモアを交えてコメントし会場を沸かせながら、「本格的なハリウッドのCGを駆使した、すごく大きなバジェットの映画に初めて出て、自分にとってもすごく良い経験でした。改めて、役者という仕事をやるときにはどう振る舞うべきか、というのをスカーレットさんによく教えていただいた。さすがにこの人はプロだと、日本に戻ってつくづく思っております。素晴らしい映画が出来たと思っています」と語った。

〈少佐〉の相棒〈バトー〉を演じ、今回が初来日となるピルー・アスベックは、「初来日ですが、日本が大好きになりました。こうしてみなさんと接することが出来るのであれば、また日本に来たいです」と語り、「僕たちは本当に努力して、この作品を作り上げました、みなさんと分かち合えること、とても嬉しいですし、光栄に思っております」と笑顔でコメント。また、「押井(守)さんの映画版が世界公開されたときに観て、14歳の頃から『攻殻機動隊』のファンだった」というピルー。出演が決定したときの心境を「日本から生まれた最も素晴らしい物語の一つに参加することは、もちろん怖い想いはありました。〈バトー〉は特に愛されているキャラクターであり、ファンの期待を裏切れない、という想いもありましたが、素晴らしいチームに恵まれて、そんな不安も吹き飛びました」と振り返り、「もちろん道のりは簡単ではありませんでしたが、ここにいるキャストと監督と共に仕事できたことは、大きな喜びでした」と笑顔で語った。

一方、「正直、初めて脚本を読んだとき、暗号書を解読しているようで、理解するのがなかなか難しかった」と語る〈オウレイ博士〉役のジュリエットは、「この作品の発祥の地である日本に戻ってこられて本当に嬉しいです」と挨拶。そして、ジュリエットにとってあまり馴染みのないSF作品である本作への出演を決めた理由について、「映画関係の仕事をしている息子がもともと原作の大ファンで、『これは本当に素晴らしい作品だから、ぜひ出たほうがいいよ』と言われたんです」と、息子のアドバイスがきっかけだったことを明かした。また、自身が演じたキャラクターについては「多層的で複雑なキャラクターで、演じがいがありました。この映画をとおして、SFの撮影現場で、映画作りの新しい側面に触れることができて、非常にエキサイティングな体験でした」と撮影を振り返った。

そして監督は、「この素晴らしいレガシーの一部になれて光栄です。美術学校の学生だったときに原作に出会いましたが、本当に素晴らしく、想像力を掻き立てられました。実写版を作るのであれば、『僕が作りたい!』とそのときに思っていたんですが、スティーヴン・スピルバーグが作ると聞いて、1回諦めたんです。でも、非常に幸運なことに、私が作ることになりました」と喜びの表情で語った。

一方、初めてアニメーションを観たとき、「当初、どう実写化していくかということがはっきり見えていなかったんです。ちょっと気持ち的に怖気づいてしまって」と当時の心境を明かしたスカーレット。「アニメ版は詩的で夢のようなものでした。その中で、このキャラクターに対してどう入っていくのか。自分としてはとても興味があって、心と頭の中に残っていたんです。そして監督が集めた様々な資料を見せてもらいました。監督の中には、原作に敬意を払いながら、さらに独自の要素も取り入れた世界観があったんです。監督といろいろと話していく中で、自分の頭からこの作品がますます離れなくなって。そして、監督と一緒に、未知の世界にまた大きく一歩を踏み出す形になりました」と続けた。さらに「これだけ愛されている作品なので、光栄に思いながら、とても責任を感じています。この役に自分の息を吹き込むことは、感情的にも肉体的にも大変な経験でしたが、人としても役者としても、この映画から多くのことを学びました。私自身、この役で成長を体感できたと思っています」と熱くスピーチし、会場は大きな拍手に包まれた。

たけしは「実写版というのは必ず原作のコミックやアニメと比べられて、文句を言われるというのは定説」と前置きしながら、「この作品は忠実でありつつ、なおかつ新しいものが入っている。もしかすると、アニメの実写版で最初に成功した例ではないか、という意見もある。そのくらい見事な作品だと思っているし、監督がいかにこの作品にかけているかがよくわかった。大きなスクリーンで観ていただければ、ディテールまでこだわっているかがよくわかると思います」と本作に太鼓判を押した。また、記者からの“邦画とハリウッド作との違い”について聞かれたたけしは「自分が監督のときは、ワンテイクが多いし、最高でも3カメなんだけど、ハリウッド映画はカメラの台数も5~6カメあって。監督に『グッド!』って言われて良かったのかなと思ったら『ワンモア』って。『ナイス!』『ワンモア』、『ベリーグッド!』『ワンモア』、『エクセレント!』『ワンモア』、『ジーニアス!』『ワンモア』という具合で、歩くシーンだけでも30カットくらいあるというくらいの撮り方をして。これはお金かかるわとつくづく思いました」とジョークを交えながら撮影現場を振り返った。

一方の監督は「映画というのはプレッシャーがある。多くの人に観られて、判断されるんです。この作品は、世界中にたくさんのファンがいますし、士郎さんや押井さんといったクリエイターのみなさんのためにも、良いものを作らなければならない。プレッシャーは大きかったですし疲労困憊していましたが、最高のものを作るんだという、全力でやり尽くすという気持ちでいました。世界中の多くの人に観ていただきたいです」とファンに向けてアピール。さらに、ファンからの厳しい目が向けられる漫画やアニメの実写化について、「この作品を作るというのは大きなチャレンジでした。アニメを実写化するのは、表現が難しいこともある。〈バトー〉の目も、〈荒巻〉の髪型も、滑稽にならないように、そして〈少佐〉のスーツもちゃんと再現しないと、映画としてはよくない」と真摯な表情で語った監督。続けて「カットのスタイルやペースは、日本映画を意識しています。『酔いどれ天使』と『ブレードランナー』が出合ったような世界観です」と日本映画の影響を告白。そして「技術革新が進む世界で、何が人間たるものかという比喩になっていると思います。士郎さんが発表した当時はインターネットや携帯電話のない時代でしたが、本作は非常に、今日的なテーマ。多くの観客にこの作品を観てほしいです」と、本作にかける熱い想いを語っていた。

映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』

2017年4月7日公開

人間とテクノロジーの境界線が曖昧となった近未来。悲惨な事故から命を助けられ、世界を脅かすサイバーテロリストを阻止するために生まれ変わった〈少佐〉は、脳以外は全身義体の世界最強の戦士だった。しかしテロ犯罪は、脳をハッキングして操作するという驚異的なレベルに到達。〈少佐〉率いるエリート捜査組織・公安9課は、サイバーテロ組織と対峙し、捜査を進めていく。しかしその過程で、〈少佐〉は自分の記憶が操作されていたことに気付く。

【原作】士郎正宗
【監督】ルパート・サンダース
【脚本】ジェイミー・モス、ウィリアム・ウィーラー、アーレン・クルーガー

【出演】スカーレット・ヨハンソン、ビートたけし、マイケル・ピット、ピルー・アスベック、チン・ハン、ジュリエット・ビノシュ、桃井かおり 他

 【配給】東和ピクチャーズ

オフィシャルサイトhttp://ghostshell.jp/

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原作本 攻殻機動隊

攻殻機動隊 1巻 THE GHOST IN THE SHELL

士郎正宗 (著)
講談社