Interview

フォークデュオ・さくらしめじも春から高校生。1stミニアルバムから伝わってくるふたりの成長期

フォークデュオ・さくらしめじも春から高校生。1stミニアルバムから伝わってくるふたりの成長期

ゆったりまったり。純度高く、どんな人の心も和ませるフォークデュオ、さくらしめじが1stミニアルバム『さくら〆じ』を発表した。この作品には、中学生から高校生としての春を迎える彼らの“今まで”と“これから”がパッケージ。さくらしめじの今と未来と。そんな『さくら〆じ』のテーマに想いを寄せながら、髙田彪我と田中雅功の現在の心のありかを語ってもらった。

取材・文 / 恒川めぐみ


中学生としての僕らの集大成を詰め込みながら、これからのさくらしめじに繋がってほしい作品(彪我)

『さくら〆じ』はどんな作品になりましたか?

彪我 僕たちの初めてのミニアルバムということで、タイトルの『さくら〆じ』が表しているとおり、中学生としての僕らの集大成を詰め込みながら、これからのさくらしめじに繋がってほしい作品になりました。

雅功 今までのシングルを集めたミニアルバムではなく、ライブで演奏している曲が中心なので、僕たち自身もすごく思い入れがある曲ばかりです。そういう曲たちを1枚に収めることができて、本当に嬉しいです!

田中雅功

さくらしめじの今までとこれからが詰まっている作品ということで、まず“今までのさくらしめじ”のど真ん中にある曲はどれだと思いますか?

雅功 それに関しては、僕はもう最初から決まっているんですよねぇ。

彪我 えっ、そうなんですか!? じゃあ先にどうぞ(笑)。

雅功 僕は「ひだりむね」が、もっともさくらしめじらしい曲だなと思っています。4枚目のシングルなんですけど、歌詞には甘酸っぱい中学生ならではの気持ちが詰まっていたり、曲調も明るくてポップで、さくらしめじの根本にあるポップさがいっぱい詰まっている曲だなと思っていて。だから「一番さくらしめじらしい曲は?」と聞かれたら、やっぱり僕は「ひだりむね」ですね。

彪我 僕は「みちくさこうしんきょく」も、らしさが色濃く出ているんじゃないかなと思います。“焦らず少しずつ前に進んでいこう”というメッセージを歌っている曲で、さくらしめじのモットーでもある“ゆったりまったり”という雰囲気に一番当てはまっている曲なのかなって。

雅功 そうですね。僕らの“ゆったりまったり”をたっぷり含んでいる、これからも長く歌っていけそうな曲ですよね。同時に「まだまだ進んでいける」という力強いメッセージも込めているので、大切にしていきたい曲です。

では“これからのさくらしめじ”を占っているような曲を挙げると?

雅功 これがですね! あ、また僕が先に言っちゃってもいいですか?

彪我 またですか(笑)。

雅功 たぶん彪我が感じているのとは違う曲を僕は考えていると思うんですよねぇ。どう?

彪我 じゃあ僕が先に話します(笑)。ええと……新曲の「ゆめがさめたら」です! この曲を初めて聴いたとき、曲調と歌詞が今までとはちょっと違うなっていう感じがして。歌詞はテーマが卒業の前の日の夜の気持ちを歌っていて、ちょっと切なくもあるんですけど、どこか前向きな気持ちにさせてくれる曲で。オケの演奏も含めて、聴き手に直接的に気持ちを伝えているところが新しいなと思いました。

髙田彪我

雅功 あと、こういう雰囲気のミディアムバラードは今までのさくらしめじにはあまりなかった気がするんですよね。もっとテンポが遅かったり、メロディの入り方とかの間が長めだったり。でも、この曲は意外とテンポが速く感じたり音数も多めだったりするのに、歌詞がゆったり聞こえてくるバラードの部類に入るんですよね。こういう絶妙な雰囲気の曲をどんどん演奏できるようになったら、もっともっとさくらしめじとしての表現の幅が広がっていくのかな。

彪我 そうなんですよね。でも、実際のテンポと聞いた感じの感覚にギャップがある曲は、演奏がちょっと難しかったりするので、たくさん練習しないと(笑)。

僕たちと田原中の4人のみなさんがいる場所は離れているけれど、気持ちは同じなんだなって(彪我)

その「ゆめがさめたら」は『僕たちと一緒に卒業ソングを歌いませんか?』という合唱企画で、岩手県の田原中学校へ行って生徒さんたちと一緒に歌って来たそうですね。

雅功 そうなんです! 全校生徒7人、そのうちの卒業生4人と合唱したんですけど、同じ時間と、卒業直前という同じ気持ちを共有して、同じ歌をみんなで歌う。そんな経験をしたことで「ゆめがさめたら」という曲にさらに深みが出たと思います。すごく楽しくて嬉しかったですね。

彪我 本当に。僕たちと田原中の4人のみなさんがいる場所は離れているけれど、気持ちは同じなんだなって感動しました!

では話を戻します。雅功くんが「新しいさくらしめじだな」と感じる曲は?

雅功 「おたまじゃくし」です! 僕らの前を歩く大人の背中を追いかけて、いつか立派なカエルになるぞ! と歌っている曲なんですけど、僕らもこれから高校生になるということで、ちょっとはお兄さんになって立派な大人に近づくぞ!……という気持ちではいるんです(笑)。それに、いろいろなアーティストさんを見てきて「ああなりたい」という憧れはたくさんあっても、やっぱり僕らはまだまだ“おたまじゃくし”だなと思うことは今までたくさんあったし、これからもたくさんあると思うんですよ。そういう心情を一番表している曲なんですよね。僕らが今の年齢にならないと歌えなかった曲だなと思っています。

僕らのことをまったく知らない人も、たった1曲でも巻き込んでいけるようなアーティストになりたい(雅功)

この先、2人はどんなアーティストになっていきたいですか?

雅功 1つ思うのは、今まではゆったりまったりしながら、まずは僕たちが音楽を楽しんだうえでファンの皆さんにも楽しんでもらいたいと思って進んできたんです。でも、これからはそこを1つ超えて、僕らのことをまったく知らない人も、たった1曲でも巻き込んでいけるようなアーティストになりたいなと。フォークデュオなんか聞いたことがないという人でも、一度でも僕らの曲に触れたり、ライブで見かけたりしたら「ん? 誰だろう」って興味を持ってもらえるような存在になりたいですね。

彪我 その感覚は僕もわかります。たとえば同じデュオとして活動されているゆずさんに僕らは憧れを持っているんですけど、ただ目指して頑張っていくのではなくて、これからの道のりで自分たちのオリジナリティを見つけていって、1つ1つの活動を大事に進んでいけるアーティストになりたいですよね。

雅功 このミニアルバム『さくら〆じ』は、その第一歩になる予感がします。

たくさんの人との出会いが詰まっていて、心がほんわかするMVになりました(雅功)

話は変わりますが、アルバムリード曲「かぜいろのめろでぃー」のMVの見どころを教えてください。

彪我 見どころはたっくさんありますよ~!

雅功 まず“わらしべ長者”をテーマに桜から物々交換をしていって、最後にはしめじが僕らの手に渡って、結果“さくらしめじ”になるというストーリーになっています。それまでにたくさんの人との出会いが詰まっていて、心がほんわかするMVになりました。その中で一部、僕らのお面をかぶった人が出てくるシーンがあるんですけど。

彪我 “スケジュールの都合によりスタッフが出演しています”っていうところですね!

雅功 あれ、実は僕たちがお面をかぶっているんですよ(笑)。

えっ!! お面の裏は本人!?

彪我 そうなんです(笑)。僕のお面をかぶっているのは僕で、雅功のお面をかぶっているのは雅功です!

雅功 他の人が演奏しているように見えるように「とにかく動きを気持ち悪くしよう」って打ち合わせをして。親も気づかなかったです(笑)。

そして4月23日には高校生になったばかりの2人のワンマンライブがありますね。どんな仕掛けでくるんだろう?

雅功 ええとですね、昨年の3回目のワンマンライブでは僕たち2人で一緒に作った曲を披露したんですけど、なんと! 今回は僕たちがそれぞれ1曲ずつ作った曲を演奏します!

彪我 実はそんなチャレンジがあるんですね〜。それぞれ曲テーマも決めて作っているので個性が出ています(笑)。

雅功 僕が彪我の曲を一言で表すなら……“髙田彪我!”です。彪我をそのまま歌ったような曲で、それを彪我が歌うからすごくいいはず! という意味で(笑)。

彪我 じゃあ、僕が雅功の曲を一言で言うと……“オシャレ!”。僕が使わないようなコードを多用していますし、歌詞の表現も独特。すごく良い曲ですよ! 今回は高校生になった僕らの初めてのワンマンライブなので、今までのさくらしめじの雰囲気も大事にしつつ、新しいさくらしめじも示せるようなライブにしたいと思います!

そこから、さくらしめじとしての音楽作りがどんどん加速していきそうですね!

雅功 そうですね。僕は歌詞ってすごく難しいなと思うんですよ。言葉1文字で相手に伝わるニュアンスはまったく変わってしまうので。それこそが作詞の面白さだとも思うので、これからたくさん曲を作っていく中で、僕は作詞の腕をもっと磨いていきたいですね。

彪我 僕は、曲を作るときにすごく大事なのは言葉とメロディのバランスだなと思っていて。1曲の中でその言葉を完璧に表現できるような、適したメロディを探し出して、言葉と組み合わせることを意識したいです。

雅功 あのー、最近、彪我の作り方を見ていてすごいショックを受けたんですよ。

彪我 な、なんですか!?

雅功 その歌詞にメロディをどう上手く乗せるかを、本当に上手く実現させているんですよ。たぶん彪我は曲全体をバランスよく捉えられるのかもしれないですね。

彪我 あ〜、そうだと嬉しいです。僕の作曲法はまずメロディを作って、それに合わせて歌詞を考えるんですけど、そのときに好きなアーティストさんを思い浮かべるんですよ。「このメロディにこの歌詞を付けて、○○さんが歌ったらどう聞えるのかな?」って想像しながら。

雅功 あっ、なんかその雰囲気はわかる! すごいね。彪我の曲を家族に聞かせたら、全員一致で「いい曲だね」って言ってましたよ。

彪我 あ、ありがとうございます(笑)。雅功は僕には思いつかないような言葉を乗せたりして表現の仕方が独特なので、それぞれの個性を武器に、2人の曲がこれからどんどん、さくらしめじの音楽になっていくといいですね!

ライブ情報

さくらしめじ 「春しめじのeat shun」 
4月23日(日)  TOKYO DOME CITY HALL

さくらしめじ

ふたり組のフォークデュオ。田中 雅功(たなか がく)2002年1月24日生まれ。/髙田 彪我(たかだ ひょうが)2001年10月23日生まれ。2014年6月14日「ガク&ヒョウガ」として結成。同年11月24日、日本青年館で開催された「EBiDAN39&KiDS 星男祭2014」にて、ユニット名が「さくらしめじ」となり、1stシングル「いくじなし / きのうのゆめ」をイベント会場限定発売し、のち2015年3月11日に全国発売へ。2015年7月から約1年3ヶ月をかけて、全都道府県を車で回ってフリーライブをする企画「さくらしめじニッポン列島菌活の旅〜広げよう“きのこの輪”」をおこなった。2017年、4月からそれぞれ高校に進学。

オフィシャルホームページhttp://sakurashimeji.com/