LIVE SHUTTLE  vol. 123

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藤巻亮太が、3月9日という特別な日に行ったプレミアムライブで新曲を披露

藤巻亮太が、3月9日という特別な日に行ったプレミアムライブで新曲を披露

特定の暦がタイトルとなった曲といえば、お正月に歌われる「一月一日」が有名だが、J-POPということで最も有名なのが「3月9日」ではなかろうか。別れと出会いがドラマチックに交差するこの季節に、多くの人が思い出し、口ずさむ。実際、卒業記念に合唱した、という人も少なくないだろう。しかも昨年の12月から「カロリーメイト」のCMで新たにホーンを加えたアレンジのものがお茶の間に流れ、この歌は再評価もされている。そんななか行われたのが、今回のプレミアム・ライブである。お台場に行ってきた。

藤巻亮太 3月9日 PREMIUM LIVE

ステージに登場した藤巻亮太は、印象派絵画と墨絵を合わせたようなアートなデザインのシャツで登場。髪は前回観た時より長くなっている印象だ。センターマイク付近には織物が敷かれていて、これはなにか、彼にパワーを授ける存在なのだろうか…。オープニングは“♪時代に穴を開けに行くんだ”の歌詞が印象的な「ロックンロール」。バンドが奏でる“前傾姿勢なグルーヴ”が心地良い。
さらにはファンにはお馴染み、五拍子という大胆なアプローチの「かすみ草」。強さに“淡さ”も同居させる独特な世界観がクセになる。さらに続けて「ハロー流星群」という、スタートダッシュに成功した3曲が、見事にキマるのだった。

藤巻亮太 3月9日 PREMIUM LIVE

「3月9日 プレミアム・ライブに、ようこそお越しくださいましたーっ」

そんな第一声。それに続け、「いつも音楽聞いてくれて面白がってくれて(そんな彼の表現に会場がウケる)、いや面白がって、って、音楽を、だよ?」という、実に人柄が伝わってくる流れのMCを挟みつつ、「夏のナディア」では、エレキをアコギに持ち替える。歌の背景にある空気感が、心地良く伝わる作品だ。
そのあとメンバー紹介を。ドラムのよっち、ベースの御供信弘、ギターの設楽博臣、鍵盤の河野圭(ギターも弾く)。今日はそんな布陣である。実はこの日のライブは一般入場に併せ、学生の無料招待企画も行ったものだったので、そのことにも触れていた。

藤巻亮太 3月9日 PREMIUM LIVE

「大切な人」はギターをセミアコに持ち替えての歌唱。単なる伸びやかさとも違う、藤巻亮太ならではの“たわわな声”の魅力が届く。さらに「指先」。彼の作品のなかでも“セツナ名曲”ということでは筆頭クラスだろう。運動神経の良さを感じる瞬発的なノリも得意だが、心に感動が、徐々に徐々に堆積するかのような歌も得意な彼の、まさに本領発揮である。時空を超えイメージが交差する「永遠と一瞬」、さらに説明不要の「粉雪」と、文句ナシのセット・リストが続く。ステージ後ろのスクリーンに大きな彼のシルエットが揺れている。そんな照明も効果的だった。
そして昨年9月に開催された自転車イベント「ツール・ド・東北 2016」の公式テーマ曲として書き下ろした「LIFE」を披露する。自転車を漕いでいくスピードも意識して作ったというこの作品。“♪応援してるようで 応援されてたりして”という、このフレーズがすべてを物語っている気もする。「My Revolution」の時は、観客がワイパーでステージの熱演に応えていた。ロックの熱狂を和モダンなテイストに再構築したような「春祭」は、ここの最近のステージに不可欠なものである。

藤巻亮太 3月9日 PREMIUM LIVE

今宵はバンド編成でのライブだが、さらにここで、スペシャル・ゲストが登場する。「特別な仲間を…」と紹介されたのは、トランペットのタブゾンビとトロンボーンの滝本尚志。「ゆらせ」からの4曲は、ふたりを加えての演奏となった。
ホーンが加わることにより、バンドの音に輝きや温かみが加わる。音が醸し出す空間デザインも、別の高さの目線を加えた広いスペースのものになる。「花になれたら」など、その効果が出ていた。最後に「3月9日」を新たなアレンジで披露する。 この“プレミアム・ライブ”の目的は、この編成でこの曲を生で披露することでもあった。歌詞の重要ワードである“まぶたのうら”で感じるものが、ニュー・バージョンはまた特別な光量である気がした。演奏が終わっても余韻が長く残った。

藤巻亮太 3月9日 PREMIUM LIVE

アンコールは、いまの季節にぴったりの「Sakura」からスタートだ。世に“桜ソング”は数あれど、この歌は花吹雪が舞う中という、そんなシチュエーションである。そしてこの日は、最後の最後に重要なパフォーマンスが残されていた。出来たての新曲を披露してくれたのだ。タイトルは「北極星」。なんでも彼が、昨年の夏に実家の山梨に戻り、近くの公民館に器材を持ち込み、窓から見えた甲府盆地、さらに景色だけじゃなく、この地での出会いなどを様々に想起しつつ書いた作品だという。
一回初めてここで聴いただけなので、「こんな曲でした」と報告するのは尚早な気がするのでやめとくが、彼が見た景色と目の前の景色を重ね合わせつつ、再びじっくり噛みしめつつ聴いてみたい…、そんな作品に思えた。

藤巻亮太 3月9日 PREMIUM LIVE

取材・文 / 小貫信昭 写真/山川哲矢

藤巻亮太 3月9日 PREMIUM LIVE 2017 @Zepp DiverCity セットリスト

01.ロックンロール
02.かすみ草
03.ハロー流星群
04.アカシア
05.夏のナディア
06.Weekend hero
07.大切な人
08.指先
09.永遠と一瞬
10.粉雪
11.LIFE
12.My Revolution
13.春祭
14.ゆらせ
15.花になれたら
16.日日是好日
17.3月9日



En1.Sakura
En2.北極星(新曲)

リリース情報

藤巻亮太 3月9日

配信Single

3月9日

大塚製薬「カロリーメイト」CMソング
2017年3月1日(水)配信


藤巻亮太 日日是好日

日日是好日
2nd Album発売中

VICL-65039 ¥3,000+税

【収録曲】全12曲
01.花になれたら
02.Weekend Hero
03.回復魔法
04.日日是好日
05.8分前の僕ら(ネスレ「KIT MUSIC」第一弾ソング)
06.夏のナディア
07.My Revolution
08.大切な人(“NIVEAブランド” 2015年TV-CMソング)
09.かすみ草
10.春祭
11.おくりもの(AOKIフレッシャーズTV-CMソング)
12.ing

藤巻 亮太

2000年12月、小学校からの同級生3人で「レミオロメン」を結成。2003年、ミニアルバム『フェスタ』でデビュー。
特に『3月9日』、『粉雪』は、世代を超え支持され続けている代表曲である。
2012年、レミオロメンの活動休止を発表し、ソロ活動をスタート。
2016年3月23日、約3年半振りとなる待望の2ndアルバム『日日是好日』をリリース、大塚製薬「カロリーメイト」CMソングになっている「3月9日」が好評配信中。
オフィシャルサイトhttp://www.fujimakiryota.jp/

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