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小栗旬の熱い戦い!「とにかく大きすぎる」最新劇場にて『髑髏城の七人』開幕

小栗旬の熱い戦い!「とにかく大きすぎる」最新劇場にて『髑髏城の七人』開幕

アジア初となる客席が360度回転するシステムを持つ新劇場〈IHIステージアラウンド東京〉のこけら落とし公演『髑髏城の七人 Season 花』のプレスコールが同公演の初日となる3月30日に行われた。

取材・文 / 永堀アツオ 写真 / 田中亜紀


ほかに類を見ないエンターテインメント作品

この日、公開されたのは全部で4シーン。まず、“とある村”で略奪と殺戮を繰り広げる関東髑髏党の鉄機兵と沙霧(清野菜名)の殺陣が繰り広げられた。両脇のスクリーンにはススキが揺れている。また、舞台奥には小さな丘のようなものがあり、左右、前後だけではなく、上下動もあり、演者は激しく、広い動きを求められていることがわかる。やがて、その舞台奥の丘陵から派手な身なりの傾奇者・兵庫(青木崇高)を先頭にした関八州荒武者隊が登場し、大きなアクションを見せるもあえなく捕らえられてしまう。

そこに、主人公である捨之助(小栗旬)がふらりと現れ、鉄扇で鉄機兵を叩きのめす。やがて戦いが終わり、怪我をした沙霧を兵庫たちが“無界の里”に連れて行く。ひとり残った捨之助がステージ中央で口上を述べる際に、それまでステージを区切っていた左右のスクリーン/壁が開き、スケール感たっぷりのパノマラマティックな光景が広がった。捨之助に吹きすさぶ風を客席でも感じることができたし、だだっ広い草原にひとりで凛と立っている風景感と奥行きの広さはぜひ生で体験して欲しいところ。

髑髏城の七人

捨之助が兵庫たちの後を追うように歩き始めると同時にステージが閉じ、客席は左に回転。目の前のスクリーンが開くと、色里一と評判の極楽太夫(りょう)がいる“無界屋”へと舞台は移っていた。この間、数秒で、兵庫たちの道中の風景を映したスクリーンを観ていると、客席が動いていることに気づかない人もいるのではないかと思うくらい静かでスムーズだった。

無界屋でのひと騒動が終わると、再びスクリーンが閉じて、客席は右に回転。別のスクリーンが開くと、“無界屋の裏手にある広場”に。沙霧が御魂の儀式を行なっているところに鉄機兵が現れ、襲いかかろうとしたところで無界屋の主人・蘭兵衛(山本耕史)が木の陰から現れ、鉄騎兵を追い払う。捨之助と蘭兵衛が天魔王の正体について話している最中に、沙霧がいなくなったという知らせが届き、鉄騎兵に追われている沙霧の謎に気づいた捨之助は、蘭兵衛とともに沙霧を追いかける。沙霧をはじめ、キャストはスクリーン/壁の前の花道を走るのだが、この花道も360度の円周を描いており、その距離の長さが映像と相まると、まさに全速力で逃げているようなスピード感を感じさせてくれる。つまり、回転する客席を中心にして、花道、スクリーン/壁、舞台と4重の円で構成されている舞台となっているのだ。

アトラクション感覚でも楽しめるまったく新しいショー

続いて、客席は右に回転。スクリーンが開くと、そこは“無界の里の外”で、無界の門の前には異形の鎧で身を包んだ天魔王(成河)が現れ、次第に、捨之助と蘭兵衛、そして、天魔王の因縁が明らかになっていく。ここで、約40分に及んだプレスコールは終了。

劇団☆新感線の看板役者で、1990年の初演と1997年の再演、さらに2004年版の通称〈アカドクロ〉では捨之介と天魔王の二役を演じ、今回は山奥にこもる刀鍛治の贋鉄斎に扮する古田新太をまだ見ていないし、この日は大量の水が使われるという雨の演出も控えられていた。捨之助がクライマックスで見せる100人斬りの立ち回りはどんなものになり、この広い劇場で主演の小栗旬はどんな見得を切るのか? かつてより、派手な照明と音響が融合したダイナミックなチャンバラアクション大活劇と称されていた本作に、動く客席と巨大なスクリーン、4つの舞台セットというあらたな要素が加わった。ほかに類を見ないエンターテインメント作品であると同時に、アトラクション感覚でも楽しめるまったく新しいショーとなることだろう。この360度回転する客席と360度に巡らされたスクリーンをぜひ生で体験し、その新しい感覚を確かめてみて欲しい。

髑髏城の七人

2011年版で捨之助を演じ、今回が2回目の出演となる小栗旬は「とにかく大きすぎて、大変な劇場ですね。なかなか大変な舞台なので、ケガをしないように気をつけたいと思います。お客様は絶対に楽しめると思うので、期待を裏切らないように頑張ります」と初日を迎えるにあたっての心境を語った。

実際に劇場を体感しての感想を尋ねられた山本耕史は「客席が回転することもさることながら、スクリーンの効果で間口が広くなったり、狭くなったり、いろいろな表現ができる。新しい髑髏城を作り上げたいという気持ちが強くなりました」と話し、公演を楽しみにしているお客様に向けて「“観に来て”くださいと同時に、“感じに来て”いただければ嬉しいです」とメッセージを送った。

成河も「お客様にはぜひ、まっさらな気持ちで座っていただいて、自分だけの特別な体験を味わって欲しいと思います」と続け、「間違いなく観たことも味わったこともない、新しい劇場体験をすることになると思います。そして、最後はそれを忘れるくらい物語の中に没頭していただけることをお約束します。練りに練って作られた日本最高峰のステージエンターテインメントをどうか心ゆくまでお楽しみください」と力強く意気込みを語った。

そして、古田新太は「広すぎる。おいらたちはセットの外を移動しているので、一周300メートルくらいあるんじゃないか」と劇場の大きさに驚きながら、「面白い面白くないは別にして、なんかすげーなここ、と思いますよ」と実感のこもった感動を述べた。

なお、本公演は6月12日まで上演される。その後、阿部サダヲや森山未來の出演が発表されている〈Season 鳥〉が6月27日〜9月1日、〈Season 風〉が9月下旬から、〈Season 月〉が11月下旬からの上演予定。“花”“鳥”“風”“月”の4シーズン、1年3ヵ月にわたり、脚本、キャストや演出を変化させながら上演し続けるという前代未聞の企画となっている。

ONWARD presents 劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season 花 Produced by TBS

髑髏城の七人

2017年3月30日(木)〜6月12日(月)IHIステージアラウンド東京(豊洲)

STORY
天正18年。豊臣秀吉が天下を治めていた頃、都から離れた関東の村々は〈天魔王 / 成河〉率いる〈関東髑髏党〉に荒らされていた。そんななか、〈髑髏党〉に追われる〈沙霧 / 清野菜名〉というひとりの女がいた。彼女は〈天魔王〉の居城〈髑髏城〉の絵図面を手に逃げていたのだった。そんな〈沙霧〉が〈兵庫 / 青木崇高〉を筆頭とした〈関八州荒武者隊〉が〈髑髏党〉から村を守ろうと戦っていたところに飛び込んでくるのだが、〈兵庫〉は仲間の裏切りにより窮地に陥ってしまう。そこに浪人〈捨之介 / 小栗旬〉が現れ、助太刀を果たす。その後、難を逃れた3人は色里〈無界の里〉へ向かい、主〈蘭兵衛 / 山本耕史〉や〈極楽太夫 / りょう〉にかくまわれるも、ここにも〈天魔王〉の手が伸びていた。〈捨之介〉は〈天魔王〉を倒す決意を固め、〈贋鉄斎 / 古田新太〉に無敵の鎧を叩き斬ることのできる〈斬鎧剣〉の製造を依頼する──。〈捨之介〉〈天魔王〉〈蘭兵衛〉が抱える深い縁、それぞれの戦いの結末は。

【作】中島かずき
【演出】いのうえひでのり
【出演】小栗旬/山本耕史/成河/
りょう 青木崇高 清野菜名/
河野まさと 逆木圭一郎 村木よし子 磯野慎吾 吉田メタル 保坂エマ/
近藤芳正/古田新太 ほか
【企画・製作】
TBS
ヴィレッヂ 劇団☆新感線

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