Interview

斬新な表現に世界も注目!和太鼓エンターテインメント集団、DRUM TAOのロックな新作

斬新な表現に世界も注目!和太鼓エンターテインメント集団、DRUM TAOのロックな新作

伝統的な日本楽器というイメージが強い和太鼓。その固定概念を取り払い、他に類を見ないパフォーマンスで世界に通用するエンターテインメントショーを作り上げてきた和太鼓エンターテインメント集団・DRUM TAOが、2017年新作舞台『ドラムロック 疾風』(Zeppブルーシアター六本木7月19日~30日)であらたな挑戦に挑む。世界23ヵ国、500都市で公演を行い、700万人を超える観客総動員数を記録している彼らの舞台の魅力、DRUM TAOが目指すエンターテインメントとは何なのかを、フランコドラオ(演出/監督)、キャストを代表して西亜里沙(座長)、岸野央明、江良拓哉に聞いた。

取材・文 / 松浦靖恵 撮影 / 冨田望 ライブ写真 / ©DRUM TAO


日本の楽器で世界に通用するカッコいいエンターテインメントを作る

和太鼓は日本の伝統楽器、伝統文化でありながら、多くの日本人はお祭りや盆踊り以外でその演奏を見聞きする機会がほとんどありません。鉢巻を巻き、半被姿や褌姿で演奏する楽器だと思われている方が多いのではないかと思いますが、いかがですか?

フランコドラオ たしかにおっしゃるとおりだと思います。ただDRUM TAOの成り立ちは、すべて逆転の発想で形成されていると言いますか……日本の伝統文化である和太鼓和楽器奏者はこうでなければならないというような決まりごとはひとつもないんですよ。例えば、和太鼓奏者は髪を五厘刈りか坊主にしなければいけないというような決まりごともないので、彼らのような長髪もいますし(笑)。

江良拓哉 メンバーには金髪もいますしね(笑)。

フランコドラオ 太鼓はどうしても大きな音が出るものなので街中での稽古はなかなか難しい。これも逆転の発想のひとつですが、だったら、人里離れた場所で稽古すればいい、と。ただ、遠方から通うのは大変なので、“TAOの里”(大分県竹田市)という場を作り、そこでみんなで集団生活をしています。

岸野央明 集団生活と聞くと、欲を捨てた生活をしているイメージがあるかもしれませんが、お酒も飲みますし(笑)。

フランコドラオ それと、みなさんにも楽しんでもらえる複合施設、みなさんが訪れたいと思うリゾート施設にしたいという構想も最初から僕の中にあったので、そのTAOの里には稽古場やメンバーの宿舎だけではなく、レストランやスパなども作ったんです。やっぱり、世界に通用する日本の新しいエンターテインメントを目指すからには、まず和太鼓の魅力やDRUM TAOのことを知ってもらえる“きっかけ”を作ることが大事だと思っているので。

西亜里沙 今では日本のみならず世界各国の方たちがTAOの里を訪れてくださるようになりました。

フランコドラオ しかも、その世界に通用する日本のエンターテインメントを目指すからには、まずは憧れられるカッコいい存在にならなければいけない。なので、僕はみんなにカッコいいエンターテイナー、憧れられるアーティストになって欲しいんです。現在の僕らは、憧れの存在を作っていくという第一段階にいると思っています。

DRUM TAO

座長の西さんご自身も、DRUM TAOの公演を観て、「自分もやりたい!」と思って加入されたそうですね。

西 はい。私自身もそれまで和太鼓に対して鉢巻を巻いたいかつい男たちが叩く楽器というイメージを持っていたんですけど、TAOの舞台は照明をふんだんに使っていたり演出に凝っていたり、とても美しくて。和太鼓にはこんなにもバリエーション豊かな叩き方や表現やリズムがあることを初めてDRUM TAOで知りました。“魅せる”“感じる”という両方の部分を表現した斬新な舞台に感銘を受けて、「私もやってみたい!」とすぐに思いましたね。

海外に通用する日本のエンターテインメントを発信したいという部分で言うと、すでに海外公演を23ヵ国で行っていますし、大きな反響があるので、すでに手応えを感じていらっしゃると思いますが。

江良 たしかに和太鼓で年間通して300公演を行えるその規模、どの会場も満席状態という状況に手応えを感じています。僕たちはノンバーバルなスタイルなので、どの国に行っても同じ表現で通用するのが特権なんだなということを、海外に行くとすごく感じますし、公演中に和太鼓界ではなかなかないお客さんからの黄色い声援が起こるというのもTAOならではだなと思いますね。

フランコドラオ どの国に行ってもTAOを待ってくれているお客さんがいてくれて、次の公演のオファーが必ずあるんです。来年はスペインで2ヵ月、イタリアで2ヵ月、アメリカで5ヵ月、アジアで2ヵ月の公演も決まっていますし。

岸野 ありがたいことに、僕らは日本にほとんどいない状態なんです(笑)。

フランコドラオ 嬉しいことに、すでに2班では回りきれない状況になってきてます。

DRUM TAO 舞台『ドラムロック 疾風』

これまでに米米CLUBやDANCE EARTH PARTY(EXILE・USA、TETSUYA、Dream・Shizukaから成るユニット)などと、積極的にコラボレーションも行っています。

西 カッコいいな、憧れるなと思ってもらえるものがエンターテインメントだと思うので、自分たちもいろいろな体験をして、そこで勉強したものを、自分たちの舞台に積極的に取り入れています。

岸野 コラボで取り込んだものを自分たちの音楽やパフォーマンスにアウトプットしていくことで新しいものができるので、コラボするたびにTAOが成長していますね。

DRUM TAO

コラボレーション時の印象的なエピソードはありますか?

岸野 DANCE EARTH PARTYとの収録時に、USAさんが和太鼓を叩いて興奮していらっしゃったのが印象的ですね。

江良 USAさんが和太鼓を叩いたのが初めてだったのかどうかはわからないんですけど、出音の迫力や音の振動に驚いてらっしゃいましたね。

西 和太鼓の音とリズムでUSAさんとTETSUYAさんが時間制限なしでダンスをしてくださったことも、とても印象深いです。なにしろ時間制限なしでやっていたので、終わったときはみんなヘトヘトでした(笑)。

フランコドラオ EXILEさんチームは自分たちのショーに和太鼓や三味線、新体操を取り入れたりもしていますし、新しい日本のエンターテインメントを世界にも発信していきたいという想いを強く持っていらっしゃる。その想いが我々とも共通しているので、TAOに興味を持ってくださったんだと思いますし、お互いにどんどんやっていきましょうと言っています。我々がやっていることが、それこそ2020年に開催される東京オリンピック、パラリンピックに繋がっていけば、と。

DRUM TAO 舞台『ドラムロック 疾風』

昨年に行った公演『舞響-Bukyo-踊る WA 太鼓』は“踊り”がテーマでしたが、2017年公演『ドラムロック 疾風』のテーマは“ROCK”です。なぜこのテーマを選ばれたのですか?

フランコドラオ 日本の楽器で世界に通用するカッコいいエンターテインメントを作るために、これまでにも宮本亜門さんに演出をしていただいたりして、いろいろなチャレンジをしてきました。昨年は“踊る”をテーマにパフォーマンスの要素を強めた公演をしたんですけど、それでもまだどこか和を、伝統芸能というものを引きずっていたような気がしたんですね。なので、ここまでやっちゃダメだというような考え、固定観念を100パーセントぶっ壊そう、と。そのためには指針となるような音楽が欲しかった。それがロックだったんです。各年代のロックミュージック、ロックバンドの曲をたくさん聴いて、レクチャーも受けて、我々がこの時代に未来的な和太鼓を表現してみようというところから“ドラムロック”というテーマが決まりました。

岸野 これまでにもロックを意識した楽曲を作った公演はあるので、初めてのトライではないんですけど、公演全体を象徴するテーマで“ロック”と掲げたのは初めてなので、どれだけ自分たちの表現でロックに挑んでいけるのか、その挑戦が楽しみです。

西 ひと言で“ロック”といっても、メンバーそれぞれ捉え方も違うし、音楽的なアプローチだけではなく、立ち姿、舞台セット、衣装など、すべてにロックを感じていただけるような、パッションのあるステージになると思っています。

江良 タイトルに音楽のジャンルを付けているショーをするのは初めてなので、いままでとは違うアプローチがあるステージになることは間違いないです。

フランコドラオ 新しいことに挑戦し続けている姿を、ぜひ観ていただきたいです。

DRUM TAO

先程、2020年の東京オリンピックに繋がっていければとお話をされていましたが。

フランコドラオ TAOの中では1964年の東京オリンピックを知っているのは僕だけなんですね。で、そのとき釘付けで観ていた競技の中で僕が一番カッコいいと思ったのが器械体操で、「自分もやりたい!」と思って体操を始めて高校1年までやっていたんです。それはオリンピック選手になりたいというよりも、カッコいいから自分もやりたいという想いだけで始めたことでしたけど、好きな女の子や友達の前で宙返りや大車輪、バク転をして遊んでいましたね(笑)。そんなふうに、2020年の東京オリンピックの場で、和太鼓のカッコいいところをみなさんに見ていただけたら、和太鼓の印象、日本の楽器や日本芸能に対する考え方ががらりと変わるはずです。僕らがもっともっと頑張って活躍すれば、全身全霊で叩く和太鼓、カッコいいドラムというものが日本にはあるんだよってことをみなさんに知っていただけるし、叩いているカッコいい姿や演奏に憧れて、若い方にも挑戦したいと思ってもらえる。そこで初めて、日本の新しいエンターテインメントや和太鼓が世界に対する市民権を取れると思っているので、そこを目指していきたいですね。

DRUM TAO「ドラムロック 疾風」

2017年7月19日(水)〜7月30日(日)Zepp ブルーシアター六本木
【チケット一般発売】好評発売中 チケットぴあ

舞台『ドラムロック 疾風』

【演出・制作】フランコドラオ
【衣装デザイン】コシノジュンコ
【出演】DRUM TAO

オフィシャルサイト

DRUM TAO

1993年に結成。大分県竹田市久住町を拠点に活動。2004年より海外公演も行い、世界観客総動員数は700万人を超える。2016年には、EXILE USA、TETSUYA、Dream Shizukaのユニット“DANCE EARTH PARTY feat. banvox+DRUM TAO”でシングル「NEO ZIPANG〜UTAGE〜」に参加するほか、片岡愛之助、湘南乃風らとコラボレーションも果たす。2017年は5月より全国にて「ドラムロック 疾風」を開催、全65公演にもおよぶヨーロッパツアーも敢行する。

オフィシャルサイト

■DANCE EARTH PARTY feat. banvox+DRUM TAO「NEO ZIPANG〜UTAGE〜」

編集部のおすすめ