Report

のんが”直線裁ち”の洋服作りに挑戦!『暮しの手帖』澤田編集長とお裁縫トーク

のんが”直線裁ち”の洋服作りに挑戦!『暮しの手帖』澤田編集長とお裁縫トーク

『暮しの手帖』87 号の巻頭特集『直線裁ちでつくる春のはおりもの』と、連動企画『のんのはおりもの』 で撮影モデルを務め、また、誌上で服作りにも挑戦したのん。女優のんと、『暮しの手帖』編集長・澤田康彦による『のんの愛する洋服づくり』と題したトークイベントが4月10日に神保町の東京堂ホールにて行われた。
本イベントは、開催告知6時間後に満席になったという人気イベント。当⽇は、ラッキーにも席を手に入れた80 名を超えるファンや⼿芸好きの愛読者がのんを迎えた。大きな拍手のなか、のんは、誌上で制作したショート丈のはおりものに、紺と⽩のチェックのロングスカート姿で登場。柄x柄の難しいコーディネートをキュートに着こなしていた。
のんの素直なおとぼけトークを澤田編集長がやさしいフォローで盛り上げ、序盤から和やかにスタート。のんの創作意欲や⼿芸の楽しさについてのトークが繰り広げられた。

「この世界の片隅に」のワンシーンから〈もんぺ〉を創作

澤田 どんな少女時代でしたか?

のん わんぱくな女の子でした。田んぼにはいったり、まだ青い柿をとって怒られたり……(笑)。

澤田 (笑)。その頃からお裁縫には興味があった?

のん お裁縫は手縫いでできるものに興味があって、「なにに使うんだろう?」っていう使い道のない小物入れを作っていました(笑)。

澤田 洋服づくりをしていて、一番楽しい瞬間は?

のん 今までで一番きれいに縫えた、完成の瞬間ですね。

澤田 実はね、今日はのんさんがこれまでに制作された洋服を持ってきていただいています。作ったもの見せてください。この服の自慢ポイントはなんですか?

のん 大好きな布作家・nani IROさんのガーゼ布を使って作りました。ふわふわ袖がポイントです、流行ってる!

澤田 流行ってるんですか(笑)。では、このワンピースは?

のん オードリー・ヘップバーンが出演した 50 年代の映画をイメージして、 ラインにこだわって作った着やせ効果のあるワンピースです。ポイントは前後ろどっちで着てもいいところ。「あ、前後ろ逆だった!」ということがないので、急いでいるときにおすすめです! そして、これはまさに『暮しの⼿帖』の企画で matohu さんに直線縫いの服を教えていただいた後に作ったものなので、直線がとてもきれいに縫えてうれしかったです。今までは襟つけが難しくてできなかったんですが、挑戦できました。

澤田 映画「この世界の片隅に」という映画でのんさんは主人公の〈すず〉さんの声を担当されています。映画のなかで着物を切ってもんぺに作りかえるシーンがあるのですが、のんさんは実際やってみられたとか。見せていただいていいですか?

のん 実際にゆかたをリメイクしてつくったもんぺです。着物をリメイクするときはすべて糸をほどいて一枚布に返してから作るみたいなんですけど、すずさんはお腹部分で上下二分に裁断していて。映画やマンガのシーンそのままの情報で作りました。

澤田 声優さんだから演技をするわけじゃないですか。でも実際に、もんぺまで作ってみられたのは?

のん すずさんの生活に触れてみたいなと思ったんです。

澤田 すずさんの声をやるにあたり、一番意識したことは何ですか?

のん おとぼけてるところです。

澤田 …… あぁ、そうか。おとぼけなのに泣いてしまうという。

のん 監督が一番大事にされていたのは、すずさんのおとぼけてチャーミングなところでした。だから、「きれいな声をださなくていいんだ」って指導いただきました。

澤田 ちなみにすずさんの台詞で一番気に入ってるものは?

のん 「バレとりましたか……」です。

澤田 なんで、その台詞なの?

のん 10円ハゲができて落ち込んでるシーンをこんな風に表現することに、すごくびっくりしたんですよね。

澤田 そうですね。僕は「ここはどこね、いったい~!?」って、すごい勢いで言うところ。

のん (高い声で)ここはどこね~、いったい~!?

澤田 ありがとう(笑)。それではのんさんお気に入りの台詞も言ってみてください(笑)。

のん バレとりましたか……。

(会場から拍手)

澤田 似てる! (観客に)みなさん、今日は来て良かったでしょ?

のんの創作意欲が爆発! 「直線裁ちでつくるはおりもの」

澤田 次は、本誌春号で創作した“直線裁ちでつくる春のはおりもの”についてお話したいのですが。今回取材をした手芸材料店・オカダヤの方が、のんさんのことをよくご存じで「いつもとても奇抜なものを選ばれる」と仰ってました(笑)今回もやっぱりって。本誌では“メキシコ”っぽいと書いてますが、布の裏を見たら“チロル”って書いてて、実は“チロリアン”だったんですよね(笑)。この日は早朝から生地選びをしてたんですけど、これを見つけた時の彼女の眼の輝きが違ったんですよ。

のん 熱や水で縮みやすい、とても扱いにくい布だったみたいで。低温でアイロンかけしないといけなかったので、時間をかけて。模様あわせも今までしたことがなかったのでmatohuさんにがんばって教えていただきました(笑)。

澤田 教えていただいていかがでしたか?

のん とても勉強になりました。裁ちばさみは開いたまま落とすと刃の接合がゆるくなるので輪ゴムを巻いておくとか、刃先は手で触ると手の脂で錆びてしまうとか。大切に扱わないと、と思いました。そして、服作りにはアイロンが重要だということもわかりました。裾の三つ折りくらいしかアイロンを使ったことがなかったんですけど、アイロンでクセをつけるとスムーズに、きれいに縫えるんですね。

澤田 急がば回れってこのことですね。

のん ミシンを使うときにも目打ちをやりながら縫うときれいにできると教わりました。

澤田 今まではどうしてたんですか?

のん ダダダダダッといきおいで(笑)。下の布をひっぱりながら力技でミシンをかけていました。

澤田 この日は早朝の生地選びのあと、matohuさんのアトリエで夜10時くらいまで服作りをやったんですよね。僕らは疲れてくるんですけど、のんさんだけはずっとキラキラしていました。matohuさんもスタッフ育成のように教えてくださっていましたね。完成品についてはどう思いますか?

のん すごく素敵だな、と思いました。直線だけで作れるのは魅力的ですね。

澤田 春のはおりものっていいですよね。今回はロケバスで街に出てファッション撮影もしましたね。ファッション撮影はどうですか?

のん 楽しいです、好きです。

澤田 僕は『暮しの手帖』でマイクロバスを用意したのはじめてだったんで、とてもうれかったですね。朝早く集まって、それぞれのパートの人がきびきびと働いていて。

のん わたし、撮影の帰りに、通りがかりのパン屋さんでパン買って帰りました。

澤田 すみません。お弁当ださなくて(笑)。

のん いえいえ! ロケが楽しくて気分良くなっちゃって、うきうきしてパンを買ったんです。

澤田 『暮しの手帖』では創刊号から「直線裁ち」をやっていたのを知っていますか? 1948年です。創刊から自分の手でいいものを作ろうという精神でここまでやってきたんですが、20年、30年後も同じように受け継がれていくんだと思います。のんさん、『暮しの手帖』で次にやりたい企画はありますか?

のん 刺繍です。以前にチャレンジしたんですが、難しくて諦めてしまって。またやってみたいです。

澤田 ぜひやりましょう。

女優業にとどまらず、服作りや絵画など表現活動にも意欲的なのん。3月に発売された『創作あーちすと NON』(太田出版/1,800 円+税)では、表現者としてのスケールの大きさを見せている。のんは、「これからもそういう活動をたくさん、でも、ゆるゆるとしていきたい。ひらがなの“あーちすと”という肩書きには、そんな思いを込めています」と語った。

『暮しの手帖』87 号発売記念トークショー
『のんの愛する洋服づくり』
撮影 / ⻑野陽一

創作あーちすと NON

著者 :のん
出版社 :太田出版

「にぎやかに、はっちゃけながら作りました。最高に楽しい本です」(のん)

のん(女優、創作あーちすと)の、特大スケールの世界観が丸ごと楽しめる、ファン必携の1冊。
アクションペインティング、オリジナルドレス制作、憧れのあの人たちとの対談から、故郷への撮影旅行まで。
・アクション・ペインティング!の時間。
・そうだ、富士山行こう。
・憧れ対談1:桃井かおりさん×のん
・憧れ対談2:清水ミチコさん×のん
・憧れ対談3:矢野顕子さん×のん
・憧れ対談4:いのうえひでのりさん×のん
・宇野亞喜良さんのアトリエに突撃
・故郷の思い出を探しに

『暮しの手帖』87号巻頭&連動企画 「直線裁ちでつくる 春の はおりもの」「のんの はおりもの」

トップブランド matohu(まとう)監修のもと、誰にも似合う春のトップコートの作り方と、素敵な着こなしを紹介する手芸企画。本企画でのんは撮影モデルを務め、自ら服作りにも挑戦した。真剣な横顔や達成感溢れる笑顔̶̶。誌面では、のんの豊かな表情を捉えた多数のカットとともに、18ページに わたって、その制作⾵景を公開している。現在、本誌を購⼊された⽅のみを対象に数量限定で、ショート丈とミドル丈のはおりものの実物⼤型紙も販売中。(問い合わせ:グリーンショップ 03-5338-6018)

 

暮しの手帖 第4世紀87号

2017年4-5月号
3月25日発売

定価:926円(税込)

『暮しの手帖』最新号のお知らせ

編集部のおすすめ