『ホライゾン ゼロ・ドーン』が一新する洋ゲーの事実  vol. 1

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機械の獣を弓で狩る! 浪漫全開な『ホライゾン ゼロ・ドーン』がアツい

機械の獣を弓で狩る! 浪漫全開な『ホライゾン ゼロ・ドーン』がアツい

2017年3月2日にリリースされ、完全新規タイトルながら発売後わずか2週間のうちに全世界での累計実売本数が260万本を突破したという快作、『ホライゾン ゼロ・ドーン』。『KILL ZONE』シリーズでもおなじみのゲリラゲームズが制作した本作は、巨大な機械の獣が歩き回る世界という激アツな設定、その設定を支える圧倒的なグラフィック、そしてスリリングなアクションなどで世界のユーザーから大きな支持を集めている。また、ダウンロードコンテンツがすでに開発中との報も出ており、これからの展開からも目が離せない。

本稿では、注目度抜群の『ホライゾン ゼロ・ドーン』の魅力とは何か、何がユーザーを強く惹き付けるのかを、テーマごとに追求していく。肌が合わず、洋ゲーには手を出したことがないという人にもオススメなポイントを挙げつつ、記事の最後には、敵でありながらメインキャラクターとも呼べる機械獣たちを紹介していくので、いろいろな角度から記事に目を通し、楽しんでほしい。

文 / 村田征二朗


世界設定だけでも100点満点級!

繊細な味と香りを堪能することができる和食と、ダイナミックな味わいが舌を楽しませてくれる洋食。この引用はさすがに大雑把すぎますが、食に限らず、洋の東西でさまざまな文化が大きく異なるのはいまさら言うまでもない事実です。ここ数年でゲームにおける和洋の差はいくぶんか埋まってきたようにも思えますが、いまだ日本国内では「洋ゲーはちょっと苦手」というイメージを持っている方が多いのもまた事実でしょう。

じつのところ、筆者も洋ゲーに対しては操作性やキャラクターデザインのクセが強いという印象を持っており、普段あまりプレイすることはありませんでした。しかし、そんな筆者を問答無用で魅了してくれたのが、『ホライゾン ゼロ・ドーン』なのです。発売後2週間で260万本を売り上げたという快挙を成し遂げた本作が教えてくれるのは、“良いゲームに和ゲーも洋ゲーもない”というシンプルな事実です。

Horizon Zero Dawn

▲画面はまさに洋ゲー、といったテイスト。それだけで食わず嫌いになるのはもったいない理由を説明します

本作のどこがそんなに魅力的なのかと言えば、本作の独自かつ浪漫全開な世界設定を第一に挙げないわけにはいきません。洋ゲーと言えば、実写かと思えるほどのリアリティ溢れるグラフィックで彩られた世界を舞台に、物語も映画のようなハード&シリアスな展開を見せる、というイメージがあります。筆者としては、そのリアル志向なスタイルに少し近づきがたい印象を持っていました。しかし、本作はリアルに浪漫を加えることで、非常に興味深い世界を形成しているのです

――『ホライゾン ゼロ・ドーン』の舞台となるのは、大厄災によって人間の文明が滅びた後、1000年が経過した世界。かつて人類の栄華を象徴していた建造物や人工物は朽ち果て、廃墟の上にうっそうと生い茂る緑が流れた時間の長さを物語る。そして高次の技術を失った人々は弓を持ち、槍を背負い、かつて原始的と呼ばれた生活へと戻っていた――。

Horizon Zero Dawn
Horizon Zero Dawn

▲世界に点在する建物や車といった人工物の残骸には、そこに広がっていた文明社会の景色を想像させられます

このような文明崩壊後の世界、いわゆるポストアポカリプスを舞台とした作品は数多く存在します。では本作の独自性、そして浪漫はどこにあるかと言えば、文明の廃墟の上に広がる大自然の中を闊歩する機械の獣たち、“機械獣”の存在です。科学が滅びた世界になぜ機械生命体が存在するのか、という謎もそうですが、機械という自然と相反する存在でありながら、自然が生んだ動物たちを思わずにはいられない姿、獣の姿でありながら金属の装甲やパイプといったメカメカしいパーツに包まれた浪漫溢れるビジュアルに興奮しないでいられるでしょうか、いや、興奮せずにはいられません!

Horizon Zero Dawn
Horizon Zero Dawn

▲人間をはるかに上回るそのサイズ、そして獣らしさを残しつつも機械であることを前面に押し出したそのデザイン。浪漫が溢れてとまらない存在です

この機械獣、物語が始まる数年前までは現実の獣たちと同様、人間が手出しをしなければ襲ってこないような存在でした。しかしある日を境に機械獣たちは人々を積極的に襲う恐ろしい存在へと変化します。そして、機械獣をより脅威的に見せてくれるのが、戦闘のシチュエーションです。巨大なメカと戦う、となればこちらも重火器で防・応戦するというのがセオリーですが、本作での基本武装は弓や槍といった原始的なもの。ゲーム序盤では小型(といっても成人した人間と同じくらいのサイズ)の機械獣と1対1で戦うのもひと苦労であり、機械獣の群れと戦おうものならまず勝ち目はありません。

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▲機械獣には兵器を装備しているものもおり、正面切って戦うのはまさに自殺行為

戦闘の詳細については別の記事で触れていきますが、道具や知識を駆使して戦うことで戦況を有利にすることができるという、“人vs獣”のスリルに満ちた戦いを体験できるのも本作の魅力です。文明の上に生い茂った大自然の中で、機械の獣を弓や槍で狩る、という激アツなシチュエーション。こんな世界でのゲーム体験ができるのは、世界広しと言えど『ホライゾン ゼロ・ドーン』ぐらいのものです!

なぜ、かつての人類は滅びたのか!?

文明崩壊後の世界を描く作品では、伝染病による人類の死滅、核戦争による地上の崩壊など、世界がかつて滅びた理由はさまざまです。では、本作の世界、文明はなぜ滅びてしまったのか。ゲーム本編では、この世界崩壊の謎に加えて、母なし子、異端者として育った主人公の女ハンター・アーロイの出生の謎に迫っていくことになります。この謎を解き明かしていくストーリーが、プレイヤーの知的好奇心をこれでもかと刺激してくれるのです!

アーロイは幼少時代にひょんなことから古代文明の遺跡に入り込んでしまい、そこで“フォーカス”という不思議な機械を手に入れます。このフォーカスは、マイクロソフトが開発した“HoloLens”に似たスキャニングデバイスで、起動することで周囲の機械の情報などを読み取ることができます。マンガ『ドラゴンボール』に出てくるフリーザが装着していた“スカウター”の超スゴイ版、と考えるとイメージしやすいかもしれません。

Horizon Zero Dawn

▲耳元に装着された白い三角形の物体がフォーカス。さまざまな情報をスキャンできます

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▲施設のギミックや敵の弱点が見えるというゲーム的要素を、フォーカスのスキャンで作品内のリアルとして消化している点も見事です

兎を狩り、木の実を摘んでいるような時代に、突然高レベルのAR(拡張現実)技術が飛び出してきたという衝撃! 当然フォーカスを見つけたアーロイはその大発見を育ての親である男、ロストに報告します。しかし、彼女が共に暮らす部族では機械獣や過去の技術は畏れの対象、禁忌であり、誰もその技術を理解しようとも、文明崩壊以前の世界を知ろうともしません。

やがて部族の村を出ていくこととなったアーロイは外の世界を冒険し、かつてどんな世界が広がっていたのか、機械獣はどこからきた存在なのか、どうして世界は滅びてしまったのか、そして何より、母なし子として育てられた自分は何者なのか、といった謎を解き明かしていくのです。

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▲ゲームタイトルにも含まれる“ゼロ・ドーン”の意味など、真実が明らかになっていく後半の展開は鳥肌ものです

世界や自身の出生の謎を追う中で部族間の争いに巻き込まれ、その戦いを通して人々と絆を紡いでいく様子、そして物語終盤でそれまでに助けた人々が集結する展開などは、海外の大作ドラマ顔負けのストーリーとなっており、続く展開が気になりすぎて止めどきを見失ってしまいます!

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▲ストーリーに登場する部族たちがバリエーション豊富なのも魅力的

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