Interview

爽やかにポジティブに。MINT mate boxが軽やかに伝える10代の女の子の、ときめきと戸惑い

爽やかにポジティブに。MINT mate boxが軽やかに伝える10代の女の子の、ときめきと戸惑い

MINT mate box。その語感や連想されるイメージそのままの、愛らしいポップス・サウンドを聴かせる3人組だ。“SNS時代のファッションアイコン”やすだちひろが所属するバンドとしても注目を集めているが、ヤマモトショウ(ex,ふぇのたす)のサウンド・プロデュースを得た1st E.P.『present』は、10代の女の子のときめきと戸惑いを軽やかに伝えて、なんとも心地よい。
ここでは、メンバー3人にバンド結成のいきさつや初めてのレコーディング体験、そして今後の野望までをたっぷりと語ってもらった。

取材・文 / 兼田達矢 撮影 / 高木博史


インスタグラムで弾き語りの映像を上げてるmahoをみつけたんです。“めっちゃ、いいコがいる!”と思って

このバンドは、どんなふうに生まれたんですか。

やすだ わたしが声を掛けたんですけど、音楽をやりたいと思ったものの、音楽をやれそうなメンバーが身近にいるわけじゃなかったので“探さないと”と思ってたら、インスタグラムで弾き語りの映像を上げてるmahoをみつけたんです。“めっちゃ、いいコがいる!”と思って。歌ってる声が好き過ぎる感じだったし、ビジュアルも好みだったんで(笑)、「一緒にバンドをやりませんか?」と連絡をしたんです。

強引なナンパみたいな感じですね(笑)。

やすだ (笑)、そうです、そうです。そこから始まりました。

声をかけられたほうとしては驚いたでしょ。

maho びっくりはしましたけど、SNSのなかですごく有名な存在だったし、会ったことはなかったけれど、全然見ず知らずというわけではなかったのと、それにすごく面白そうだなと思ったんです。わたしも、東京で音楽活動をやりたいなと思って弾き語りの映像とかを上げていたので、これはいいチャンスかもしれないと思って、KJくんとは元々知り合いだったので「ギターなら、いるよ」という返事をして、KJくんも誘ってバンドを組んだんです。

MINT mate box

mahocato(GT.VO.)

KJさんにとっても、かなり唐突な話だったんじゃないですか。

KJ 話を聞いただけでは全然見えないというか(笑)、正直に言って、どうなるのかな?という感じではありました。でも、面白そうだなということは感じて。その頃は、自分も東京に来て、やりたいことがまだみつかってなかった時期だったんですよ。で、音楽は高校の頃から少しずつやってたんで、誘われたのはいい機会かなと思って。

「バンドを組みたてで、経験も何もないけど、曲もらえませんか」って(笑)

3人が集まったところで最初にどういうことから始めたんですか。

やすだ メンバーでは1曲を作り上げることが難しかったので、最初はコピーバンドをやることも考えたんですけど、でもやっぱり自分達の曲でメッセージを伝えたいという気持ちはあるじゃないですか。そこで、サウンド・プロデュースをやってくださってるヤマモトショウさんと出会ったので、お願いしてみようと思って連絡したんです。「バンドを組みたてで、経験も何もないけど、曲頂けないでしょうか」って(笑)。「余ってるのでも、なんでもいいんです。何がお願いできませんか」と話してみたら、そんな唐突に「曲くれ」なんて言ってくる人は多分いないから、ショウさんも“なんかコイツら面白いな”と思ってくれたみたいで、お願いしてから1週間後くらいに2曲くださったんです。それはショウさんがわたしたちを見て、“こういう音楽がいいんじゃないか”という提案も含めて作ってくださった曲だったんですけど、それがわたしたちにはピンと来たんですよ。“こういうのがわたしたちっぽいかもしれない”って。それまでは、まずは音楽をやりたい、バンドをやりたいという思いが先行していて、どういう感じが自分たちらしいのかもわからなかったんですけど、そこで“こういう音楽をやっていけばいいんだ”というふうに、ひとつ形が見えたというか。そこがすごく大きなポイントだったと思います。

MINT mate box

やすだちひろ(BA.)

バンド名はどのタイミングで、どういうふうに決めたんですか。

maho バンド名は集まった瞬間というか、もうそのときには決めていて、まずは自分たちのイメージ・カラーを決めたいなと思ったんです。それで、ミント・カラーにしようというのはすぐ決まって、“box”は単純にかわいかったからで(笑)、“MINT”と“box”の間に入る言葉は語呂とか5月に組んだのでMAYと掛けて、それで“mate”にしました。本当に気まぐれな(笑)、感覚で決めたんですけど、いまになってみるとMINTにして良かったなあと思うんです。本当に、MINTが自分たちのカラーになってきているので。

まだ知り合って間もない3人がバンドを始めるにあたって、“最初に自分たちのイメージ・カラーを決めよう”という発想はかなり珍しいですよね。

やすだ インスタグラムに写真を投稿したりするのも普通に生活の一部としてやってるなかで、どういう色のものを出していきたいとか、そういうことを考えるのは自然なことだから、このバンドでイメージ・カラーをまず考えたのもすごく自然な流れだったような気がします。

そういう流れのなかで3人が顔を見合わせたときに、自分たちはMINTだなと思ったわけですか。

maho ちょうどその頃、わたしたちのなかでMINTが流行ってなかった?

やすだ そうだったっけ?

maho ベースの色もMINTにしたいとか言ってたくらい、多分わたしたちのなかで流行ってたんだと思います。

やすだ 爽やかさとかポジティブさとか、そういうものを出したいというイメージもあったような気がします。

KJ(GT.)

3人のなかでMINTという色に対するイメージは、爽やかとかポジティブということだったんですね。

KJ そうですね。楽曲も、そういうものにしたいと思ってましたから。

maho 組んだばかりの頃は、それぞれのメンバーも性格もすべて把握していたというわけでもなかったので、MINTの色からイメージされる爽やかさとかポジティブさがわたしたちの個性だというふうに思っていたわけではないんですが、曲が揃ってきて、アルバムが徐々に出来上がっていくなかで、お互いの性格もわかってくると、“ポジティブなところが3人とも似てるな”とか“爽やかなところが共通してるかも”とか、自分たちのほうがMINTに寄っていった感じもありますね。

アルバムができてアルバム・タイトルが決まったところで、やっと自分たちらしさがわかったかなと思います

さて、出来上がったばかりの1stE.P.については、どんなふうに感じていますか。

やすだ このミニアルバムが出来上がって改めて聴いた時に、“自分たちらしい!これだ!”と思えたんですけど、最初は自分たちらしさというものを言葉にもできないような状態だったんですよね。それにSNSで知ってもらえることのほうが多くて、名前が先行してしまってる状態をコンプレックスに感じる時期もあったんですけど、そういうこともポジティブにとらえられるようになったいまのバンドの状態を伝えようって、タイトルを考えるなかで思えてきたんです。だから、『present』というタイトルは贈り物を届けるという意味と、バンドの現在という意味も掛け合わせて決めたんですけど、そのときに“自分たちらしさ”が自分たちのなかでまとまった瞬間だったような気がしたというか、アルバムができてアルバム・タイトルが決まったところで、やっと自分たちらしさがわかったかなと思います。

MINT mate box

レコーディングをいま振り返ると、どんなことが印象に残っていますか。

KJ レコーディングというもの自体初めてだったので、何をどうやっていいのかわからない状態でレコーディングに入ったんですね。自分なりにいろいろ準備していたつもりだったんですが、始めた時点で1日では無理だねという話になって、それで1週間時間をもらって、さらに練習したりしてようやくレコーディングできました。その間は本当に大変でしたけど、結果的にはすごくいいものが出来上がったと思います。

maho ボーカルとしては、聴いた一瞬でポジティブさとか元気さ、楽しさが伝わるものにしなきゃいけないという思いがあったんですね。なので、歌入れのときに笑顔で歌えるように心を整えていくということを2週間くらい前からやって、実際全曲笑顔で歌えたんですが、出来上がったものを聴いても笑顔で歌ってるなということが伝わってくる作品になったのは良かったなと思います。

それぞれにSNSで発信していて、フォロワーもたくさんいて、自分一人で発信できるのに、それでも3人で集まって音楽という形で発信するということをやってみて、何か感じることはありましたか。

やすだ めちゃくちゃありました! わたしは人に発信できる人間になりたいと思って上京して、SNSもやり始めたんですけど、それから3年やってきて“雑誌がなくてもSNSで発信できる”とか“自分のプロデュースした映像でいくらでも発信できる”と思ってたんです。でも、音楽を演奏してライブに集められるお客さんの数や一気に発信できる広がりにはどうしても勝てないなって思うんです。だから、音楽をやりたい気持ちが大きくなっていったということもあるんですよ。根本には音楽が好きということはあるんですけど、その上で音楽が発信できる力にすごく魅力を感じたというか、そこに入り込みたいなとあらためて思ってたんです。

そういう力を十分に持った音楽を、今回作れたと感じていますか。

やすだ いまはまだライブができていないという意味で、画面を通じてでしかないなというふうには思います。もちろん、ネットでの広がりが先行したバンドである分、自分たちの活動の場としてネットも大いに活用していきたいとは思っているんですが、直接伝えられる熱をもっと感じてもらいたいという思いがあるんです。ただ、発信できるモノができたという確信はあって、“これがあれば、広められる!”というモノができたのはすごく大きいなと感じています。

MINT mate box

MINT mate boxの曲を英語バージョンにして世界に広く届けたいというのが夢なので、まだまだこんなもんじゃないと思っています(笑)

最後に、今後の活動についての野望をそれぞれ聞かせてください。

KJ 今後プロデューサーと共に楽曲、そしてアルバムを作ってまずはアルバム全曲を自分たちで作って、そのアルバムを持ってライブをやれるようになるといいですよね。自分のギターがこの作品に入ったのはすごく誇らしいし、でもそこで終わらずに自分で全部作って弾いて、それを持って全国に届けていけたらいいなと思います。

maho わたしも広がっていくことをすごく思ってて、それは日本だけでなく海外にも持っていきたいなと思っています。わたしは4年ほど英会話の講師してたんですが、それは英語をツールにたくさんの人とコミュニケーションできるといいなと思ってたからなんですよね。それが、アーティストとしてさらに英語にツールにどんどん大きくなっていけたらいいなと思うし、MINT mate boxの曲を英語バージョンにして世界に広く届けたいというのが夢なので、まだまだこんなもんじゃないと思っています(笑)。

やすだ ネットと、ライブのような直接発信できる場と、両方を使っていままでにあるようなバンドの形にはとらわれずに活動の幅をどんどん広げていきたいなと思うんです。自分たちらしさをしっかり確立して、「MINTだったら、こういう発信の仕方もするよね」と思ってもらえるように、固定概念にはとらわれずに発信する場所や発信するやり方を自分たちでいろいろ考えて、日本中の人たちに愛されるバンドになりたいです。

MINT mate box

やすだちひろ(b)、mahocato(g&vo)、KJ(g)。
2016年5月、mahoとやすだちひろを中心に東京で結成。サウンド・プロデューサーに元ふぇのたすのヤマモトショウを迎えて楽曲制作を開始。同年8月に初音源「リサイクル」をYouTubeに発表。2017年1月現在の3人体制となり本格的始動。

オフィシャルサイトhttp://mintmatebox.com
オフィシャル twitterhttps://twitter.com/mintmatebox

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