Interview

赤い公園、女の子の“きゅん”を注入したバンド史上最高のラブソング

赤い公園、女の子の“きゅん”を注入したバンド史上最高のラブソング

2017年2月、4月、6月でシングルリリースが決定している赤い公園。2017年に放つ第2弾シングルは、赤い公園としても異例とも言える、今世紀最大の“きゅん”を詰め込んだ、春を感じる胸キュンソングとなった。前作は、彼女達の持ち味である和テイストも持った痛快な楽曲であったが、今作は打って変わって切ない恋を歌った密やかでささやかなラブソングとなっている。
何故、今、こんな“きゅん”ソングを発表するに至ったのは、季節のせいなのか、それともバンド内で何か変化があったのか、その謎を解明すべく、佐藤千明(Vo)、津野米咲(Gt)の二人に話を訊いた。
季節にもピッタリな軽快なサウンドに、恋に寄り添う歌詞がピッタリの楽曲に魅了されるに違いない。

取材・文 / 山田邦子 撮影 / 森崎純子


アーティスト写真のシチュエーションとバンドでの飲み会の話題は?

今回のアー写として使われている部屋飲みの写真、かなり素な感じですよね(笑)。

津野米咲(Gt) そうなんですよ。珍しくもなんともない景色(笑)。これ、マジで飲んでますしね。今回ジャケットで使われている「恋と嘘」の缶も並んでますけど、中身は本物のレモンチューハイなんです。と言いながら、持参したワインもだいぶ減ってますけど(笑)。

佐藤千明(Vo) つまみもみんなで持ち寄ったんですよ。ベース(藤本ひかり)が角煮で、ドラム(歌川菜穂)が生春巻き。ちゃんとソースも作って。で、パイセン(※津野)が肉じゃがと…。

津野 しゃけの西京焼きと、チーズばりに濃厚な豆腐のサンドになってるやつ。

佐藤 私はキッシュ作ってきてって言われてたんだけど、たぶん前日に飲んで帰ってすっかり忘れてました(笑)。

アーティスト写真

(笑)。そもそも、今回はどうしてこういうビジュアルイメージになったんですか?

津野 「恋と嘘」は女子っぽい曲になってるんだけど、じゃあ私たちなりのナチュラルな女子っぽさって何だろうって考えた時に、女子会だなと。こういう感じでいつもやってるし。家は家で終わらないんだけど、店で飲む時も追っ払われるまで飲んでますからね。

佐藤 そうなんだよね。昨日だってあの店4時に閉まるんだけど、朝7時までいたからね(笑)。

最近はライブの後の打ち上げすらしないバンドマンが増えてる気がするんですけど、赤い公園は普段から鍛えてるんですね(笑)。

佐藤 すこぶる飲みます(笑)。

津野 ほんと、最近は男子の方が飲まないですよね。土地柄?それとも世代なのかなあ。だって、どのコミュニティーに行ってもいちばん飲む人になるもんね。

佐藤 我々がね。

津野 たまに飲める男子のバンドと一緒になったりした時は、もう完全に向こうが被害者になってるっていう(笑)。

メンバー4人で飲んでる時は、どういう話をするんですか?

津野 最近はもっぱら「坂口健太郎くんかっこいいよね」(笑)と、「ひげだん(Official髭男dism)の新譜よかったね」と、あとは普通に自分たちの曲の話とか。真面目なトーンではないけど、実は真面目な話をしてたりしますね。自然と。

女子が集まるとだいたい恋愛の話になったりしますけど。

津野 そういう感じは全然ないね。誰かが言い出したとしても、他の3人から総攻撃だと思う(笑)。

佐藤 だね(笑)。別にそういう恋愛話が苦手とかテレるからとかじゃなく…。

津野 そもそも、ないから!…あ、なんか寂しくなっちゃった(笑)。

(一同爆笑)。

津野 でも、結構アツいこと話してたりはするんですよ。「私、気づいた。私はこういう人間だ!」とか、「恋の仕方を忘れてしまいました」とか(笑)。あと、映画とかマンガとか音楽とか、いいと思うものを共有する交換会みたいな役割も果たしてる気がする。飲めば飲むほどそういう話になります。

佐藤 なんでそれがいいと思ったのかとか、そういう話がすごく楽しいんです。

「恋と嘘」が生まれた背景

「恋と嘘」も、そういうお酒の席の話から生まれたんですか?

津野 いや、これはこの前のアルバム(「純情ランドセル」)を出した直後に、リリースの予定とかも何も考えずに作ったんです。アルバムを出す頃って、いちばんニュートラルな状態なんですよ。時間もあるし、まず可愛がるべき曲たちが目の前にある状況で、肩肘張らずに曲を作れるゴールデンタイム。曲と歌詞がほぼ同時にできました。

赤い公園史上最高にきゅんきゅんさせられる曲だと思うんですけど、ここに着地するきっかけが何かあったんですか?

津野 リハが終わってこれからプロモーションに行くって時に、みんなで化粧してたんですよ。で、私の隣でちーちゃん(※佐藤)がマスカラしてたんです。メイクって、「今から可愛くするぞ」ってことだと思うんですけど、それと反比例して、ちーちゃんの靴下にめちゃくちゃ穴が空いてたんですよ(笑)。それ見た時に、あぁ、恋してる時ってそういう感覚になるよなって思ったんです。恋が日常の主役になってて、部屋のゴミ箱は意外と溢れてたりするじゃないですか。それぐらい恋とか、可愛いと思ってもらいたいみたいなことに、エネルギーを使ってるよなって。もうめちゃくちゃ女の子だぁ!!って思って、きゅんきゅんしたんですよ。ちーちゃんの靴下の穴は女の子!って。

佐藤 そこだったんだ(笑)。

津野 ほんとにそれがきっかけで出来たんです。歌詞では辛辣に「見栄」って言葉を使ってますけど、それってすごい可愛いことだって突然思ったんですよ。しかも、そこから少女マンガとかも読めるようになったし。自分の中では結構な転機だったんです。

佐藤 そうだよね。急に読むようになったもんね?

津野 うん。私は「Y氏の隣人」と「寄生獣」だけあれば生きていけると思ってたけど、今はもう少女マンガがないと生きていけない(笑)。

スイッチが入ったんですね。

津野 でもそのスイッチが入ったのが、自分の恋じゃないっていうね(笑)。だけど、すごい嬉しかったんです。自分のことじゃないけど、自分の視界に星とか花とか飛んでるみたいな気持ちになったし、ちょっと寂しい気持ちにもなったりして。自分にも、本当はこういう気持ちが今までにもあったなあって思い出しました。純粋な気持ちとか宝物が、私にもたくさんあったんだって。それまでは、バイトが辛かったとか、あそこは時給が高かったなとかそういうことしか思い出せなかったけど(笑)、思い出そうとしても思い出せなかったものをたくさん思い出せたり、新しく見えたりするようになったんですよね。

メンバー間ではこの歌詞について何か話をされました?

津野 最近は、「「昨日君の夢を見た」ってどういうつもりで言ってるの」ってとこ。

佐藤 みんな、マジわかるわーって。この話、私から津野さんにしたっけ?って思ったくらいですから。

津野 これ言われたらさ、「それどっち!?」ってなるよね。たぶらかしてやろうと思ってる人もいれば、天然で言ってる人もいるし。

佐藤 でもそれが出会いたてとか恋の始まりくらいだと、わかんないんだよね。本物のジゴロもいるし。

津野 天然ジゴロがいちばんタチ悪い!でもマンガでもあるよね。夢に出てきて意識しちゃう、みたいなの。

佐藤 そうそうそう!アレね!

あ、津野さんのスイッチが入ったことで、そういう会話も成立するようになったんですね。

津野 そうそう。なんだろうな?私、ちょっとホラーな恋愛ばっかりしてきたから(笑)、今ビギナーみたいな感じなんですよ。恋も、嘘も、愛も。すっごい半透明な恋愛してたから。

佐藤 どんどん純粋になっていってるよね。逆にね。

津野 吹き曝しの砂漠に、傷ついた男女が立ってるみたいな恋愛だったもんね。

佐藤 2人で水も探さねぇみたいな。

津野 メンヘラとして生まれてきたからそういうのばっかりで(笑)。たぶん、力んでたんですよね。あと物を作る人間だから、砂漠に酔いしれてないとやってらんない時もあったんだと思うし。でも今は心の制服着てますよ。スクールラブ(笑)!

佐藤 脱いで〜!もう25〜(笑)!

(笑)。

津野 砂漠時代は自分の経験のようで自分の経験じゃなかったというか、曲先行な感じだったんですよ。宿題みたいな部分もなんかあって。最近はそれが逆になってきたんですよね。

佐藤 いいことだね。

津野 自分にも、みんなとわーきゃー騒ぎたいような話題がある。そういう曲を書いていきたい。そんな風に思うようになりました。メンヘラは生まれつきなんで、砂漠はたぶん無くならないけど(笑)。でも私だけじゃなくて、みんな力が抜ける方向にちょっとずつ変わってきてるよね?

佐藤 そうだね。恋であれ何であれね。

バンドとしての更なる進化

そういえばこれまで常に真っ白だった衣装が、前作の「闇夜に提灯」でいきなりカラフルになりましたよね。そういうのも、バンドのムードとか精神的な変化の表れかなと思ったんですが。

津野 鎧を脱いだ感じはあります。自分たちで勝手に着てた鎧だけど。なんかさ、大学に進学する時ってこんな感じなのかなって思う。

佐藤 どういうこと?

津野 それまでずっと制服だったけど、自分をどう表現しようかわくわくしながら明日の服とか決めて寝るんだよ。そのうち決めなくなって、靴下に穴とか空くんだけど(笑)。

佐藤 そんなもんだよね(笑)。

津野 でもそういうさ、<はじまり>にまだいる感じはあるよね。

佐藤 うん、あるある。

それ、すごくいい状態じゃないですか。

津野 だと思います。実は次にリリースを考えてる曲も、我々自身、やっぱり赤い公園がすごい好きだなっていうのが伝わる感じになってるんですよ。みんなやっぱ、腐ってもバンドが好きなんだなってね(笑)。

佐藤 ザケんなよ!みたいな時もとりあえずスタジオ行って、今出るもの出しとこ!ってなるし。

津野 さんざんなことがあっても、むしろ面白くてしょうがないから(ネタとして)持ってきてくれるっていうね(笑)。今回のカップリングの「スーパーハッピーソング」も、「私なんて…」の最高潮の時、そこに卑屈とナルシストがプラスされてできた曲ですから(笑)。

意外!

津野 2011年くらいに不純な動機で作った明るい曲だけど(笑)、今やってみたら普通に明るくて泣けた。卑屈だろうと何だろうと、とりあえず曲は作っとくもんだなと思いましたよ(笑)。

今のこの赤い公園のフレッシュなモードが、この先の作品にどう表れてくるのかますます楽しみになりました!

津野 ありがとうございます。次はセルフプロデュースでやる予定なんですけど、きっと「うわぁ…、こいつらいいバンドだなぁ」って思ってもらえるようなものになっていくって、うん、そう信じてます。


6月21日 ニューシングル「journey」発売決定!

■初回限定盤(CD+DVD) UPCH-7323 ¥1,780+税
■通常盤(CD) UPCH-5914 ¥1,167+税
【収録曲】
01.journey
02.いっちょまえ

赤い公園

高校の軽音楽部の先輩後輩として出会い、佐藤、藤本、歌川の3名によるコピーバンドにサポートギターとして津野が加入。そのまま現在に至る。
2010年1月結成。東京:立川BABELを拠点に活動を始め、デモ音源「はじめまして」、ミニ・アルバム「ブレーメンとあるく」の2枚の自主制作盤をリリース。
2011年10月にはカナダツアー「Next Music from TOKYO vol.3」に参加。
2012年2月ミニ・アルバム「透明なのか黒なのか」をEMIミュージック・ジャパンより発売。
2012年5月ミニ・アルバム「ランドリーで漂白を」発売。約半年の活動休止を経て、2013年3月1日活動再開を発表。
2013年8月14日1st FULL ALBUM「公園デビュー」発売。2014年9月24日2nd FULL ALBUM「猛烈リトミック」発売。
2014年 第56回 輝く!日本レコード大賞「優秀アルバム賞」受賞。2016年3月23日3rd FULL ALBUM「純情ランドセル」発売。
ガールズバンドらしからぬ圧倒的な演奏力と存在感から、ブレイクが期待されるバンドとして高い評価を受けている。
また、作詞・作曲・プロデュースを務める津野の才能がアーティスト・クリエイターから注目を集めており、SMAP「Joy!!」の作詞・作曲等の楽曲提供を行うなど、活動の幅を広げている。
そして2017年赤い公園“にー、しー、ろー、でシングル出します!!”と発表し、2017年2月15日に「闇夜に提灯」を発売。、第二弾は4月19日に「恋と嘘」、第三弾は6月21日に「journey」を発売する。
オフィシャルサイトhttp://akaiko-en.com/


キュン仕草とキレッキレなダンス必見!!
女子高生・ゆりやんレトリィバァがイケメン同級生・竜星涼とキュンな恋に落ちる!?「恋する肌キュンmovie」公開!
挿入歌は赤い公園の『恋と嘘』!

「恋する肌キュン」スペシャルサイトhttp://jp.rohto.com/hadalabo/promo/k_hada_kyun/

編集部のおすすめ