Interview

童謡にアプローチし生みだす新感覚楽曲を提供するという#マジキズナヤバイがヤバい。

童謡にアプローチし生みだす新感覚楽曲を提供するという#マジキズナヤバイがヤバい。

演奏力ゼロを公言している3人組ユニット「#マジキズナヤバイ」。ユニット名からは想像できない音楽を展開している。多くの人の記憶に残っている童謡へアプローチし、枠に囚われない、ユニークな発想で新感覚のポップソングを披露している。
ベースにある耳馴染みのある童謡には懐かしさも感じつつ、いい意味で肩の力が抜けた楽曲に和んでしまうに違いない。

取材・文 / 土屋恵介 撮影 / 荻原大志


#マジキズナヤバイの、結成の経緯を聞かせてください。

D みんなレコード会社の社員で、それぞれが別の会社だったんです。同じプロモーター、宣伝って職種で、担当の局とかでよく一緒になったんです。

うぇい 会社の人よりも会う時間が長いので、それで自然とよく飲みに行くようになったんです。同じ新入社員の同期だし、グチも近くて(笑)。

そこから、去年の6月に軽井沢にバーベキュー旅行に行ったのがきっかけで結成されたと。

うぇい そうです。仲いいから普通にバーベキューに行って。

ピーチ その帰りの車の中で、いろんな音楽をかけまくってたんですよ。そしたら誰かが「バンドやりたくない?」って言って、誰も「え?」とかならずに、やろうってことになったんですよ。サービスエリアでランチしながらスタジオ押さえたよね。

うぇい で、次の週にはスタジオに入ったんです。

完全にノリですね。

D ほんと、文化祭ノリで始めました(笑)。

楽器は最初からできたんですか。

うぇい 一番できるのがピーチです。

ピーチ 私はずっとピアノをやってたんですよ。

うぇい ギターとベースとドラムをかじる程度でやったことがあって。それこそ文化祭で、ニルヴァーナ、フランツ・フェルディナンドとかやりました。パラモアのコピーバンドは一生懸命やってたんです。そういうバックグランドはありました。

D 僕も高校で1回ベースやったくらいで、それくらいだったんですよ。

ピーチ 最初はのんちゃんって子が、ドラムでいたんですけど、仕事が忙しくなって辞めることになって、この3人になったんです。

Dさんは、どういうきっかけでラップ担当になったんですか。

D これはほんとにわからなくて。僕ヒップホップとかわからないし。

ピーチ それは、私たちがカラオケとかドライブでも騒ぐんですよ。そのときに、Dが合いの手を入れてくるんです。じゃあ、合いの手みたいにラップ入れてよって言ったのがきっかけですね。

D だから、なんとなくのフロウが出てきてしまってる感じです(笑)。

(笑)。ちなみに、最初にスタジオ入ったときは、どんな感じだったんですか。

うぇい 私は、面白かったです。

ピーチ 私は、終わったと思いました(笑)。バンドスコアを3つ買ったんですよ。ガガガSPとロードオブメジャーとBUMP OF CHICKENの「天体観測」を。

D そしたら難しくて。自分たちのレベルもわからずで(笑)。

ピーチ この楽譜は無理だ、もっとやさしいものにしようということになり、童謡をカバーして行くって形になったんです。

中央:うぇい

童謡のカバーは、誰のアイディアだったんですか。

うぇい 私なんですけど、一応真剣に考えたんです。他のバンドに演奏力でかなわないから、特別な何かが欲しくて。キャンプの帰りに、「キャンプだホイ」をカバーしたいねって話が出てたので、じゃあ童謡を面白くしていく路線で行こうってなったんです。

なるほど。では、それぞれ、どんな音楽が好きかを聞かせてください。

ピーチ 私は、R&Bとクラシックです。

#マジキズナヤバイの音楽性と全然違いますよ(笑)。

ピーチ そうなんですよ(笑)。R&Bは女性のソロの人はみんな好きで、一番長く聴いてるのはビヨンセですね。日本人だと椎名林檎さんが好きです。クラシックはピアノをやってたのでずっと聴いてて、ショパンとメンデルスゾーンが好きです(笑)。

うぇい 私はもともとは、ピストルズとかパンクが好きで、U2、オアシスとかUKロックが好きでした。学生の頃は、ロック以外聴かないってこじらせてたけど、音楽の仕事を始めるようになって、いろんなかっこいい音楽があるんだって思って、今はいろいろ聴きますね。最近だと、マシュメロとかEDMも好きです。

ピーチ みんなEDM好きだよね。『ULTRA』にも行ったりして(笑)。

EDMもバンドに反映されてませんね(笑)。

うぇい ですね。唯一リミックスが出てます。

ピーチ 『ULTRA』に行ったあとに、マシュメロ感出したいねって、「ゆきやこんこ~迫り来る月曜~」のリミックスを私なりに作りました。

D えっと僕は、中学生の頃にすごいハマったのが、90年代のV系、X JAPANに始まり、LUNA SEA、DIR EN GREYとかいろいろ聴き漁って。高校のときに黒夢が好きで、人時さんのベースかっこいいって文化祭でベースをやったんです。大学になってからは、スピッツがずっと大好きですね。マサムネさんの詩的な歌詞が刺さって、それからずっと聴いてます。

右:ジョン・ピーチ

そもそも、#マジキズナヤバイってグループ名はどうやって決まったんですか。

ピーチ Dの名言なんです。私が会社を辞めたあと、結婚する前に実家に半年くらい帰ってたんです。しばらく東京に出て来ないつもりだったので、マジキズのみんながお別れ会をやってくれて。そのときの色紙に、Dが“オレらマジ絆ヤバい”って書いてくれてたんですよ。それがクサすぎて、超ツボって(笑)。

うぇい 逆に全然ヤバくなさそうって(笑)。

ピーチ 最初は、インスタとかツイッターで写真載っけるときに、#マジキズナヤバイってふざけて使ってたんです。で、バンドやろうってときに、じゃあ#マジキズナヤバイにしようって。

うぇい 自然に決まったよね。「ハッシュタグも入れるの面白いんじゃない?」「広がるかも?」って企みもありでこうなりました(笑)。

演奏力ゼロの音楽グループってキャッチが付いてますが、「どんぐりころころ~LIFE IS どんぐり~」「ゆきやこんこ~迫り来る月曜~」とか、サウンドは90年代のローファイ感があって面白いですよ。

全員 ありがとうございます。

歌詞はどうやって作るんですか。

うぇい 曲が出来てから、スタジオにみんなで集まって考えます。ラップのところはDの宿題です(笑)。

D 「どんぐりころころ~LIFE IS どんぐり~」だと、歌詞がケンカしてるから、ケンカっぽいラップをしてるんです。そもそも僕ラップしないから、なんとなく韻を踏んでたりするんですけど、あんま意味がなくて。

ピーチ グループラインのノート機能で、これよくない?って、ワードをボコボコ入れて、それをうまいことDがつなげてくれてるんです。

「どんぐりころころ~LIFE IS どんぐり~」の歌詞が、ふざけたようなところから感謝まで行くのが面白かったです。

うぇい そうですね。クラブで酔っ払ったり、当たり前の小さいことから感謝していこうって歌ですね。

左:D

「ゆきやこんこ~迫り来る月曜~」は切ない、自傷的な感じですね。

うぇい 方向性はそうです。みんなの闇を集めた感じを曲にしたいなって。

ピーチ 五月病みたいな。

うぇい 実話もちょっと含まれてるんですよ。私、すごいピアス開けてて。自分の嫌な部分も切り取りつつ書いたんです。で、最終的に、月曜日が来るのが嫌だって歌ですね。

そして、最新曲の「CHIKOKU」ですが。

ピーチ これは、「ぶんぶんぶん」を元にした曲ですね。

うぇい 働いてる人あるある的な、遅刻の言い訳を並べました(笑)。まさに遅刻しがちな人に聞いて欲しいですね。

メロディに関していうと、童謡が軸にありつつ、メロディをプラスするときはどのように作るんですか。

ピーチ メロディは、私がこんなのどうかな?って、みんながいるときに弾いたり、パソコンで送ったりしてます。で、私の家か、飲んでるときに聴いて、みんなでアイディア出してく感じです。マジキズは、飲んでの作業がほぼ100%です(笑)。

(笑)。あと、まだライブをやってないんですよね。

うぇい そうなんです。ライブについては、3人それぞれ思ってることが違うんですよ。

どういう違いがあるんですか。

ピーチ 私は全然無理だと思ってるんです。まず、うぇいがギターとドラム担当で物理的に無理だし、まだ生演奏では聴かせられない、ライブなんて夢のまた夢だなとって思ってます(笑)。

うぇい 私は、夢と思いつつ、同期とか最新技術を駆使すればいけるんじゃないかって。ちょっとライブやってみたいなって気持ちはありますね。私、エアギターが得意なので…自称なんですけど(笑)。弾いてる振りしつつ、演奏以外で見せられるかなって。

D 僕もわりと同じなんですよ。エアバンドもあるし、なんなら全同期でもいいんじゃないかくらいで(笑)。とりあえず、すごく小さいハコでやってみたいなって。

ピーチ 1回やろうとしたよね、船橋で。

うぇい 都内じゃ無理だよねって。

D 船橋なら僕の地元だし、誰か来るかなって。

うぇい 今のところ、ライブハウスのツイッターフォローして終わってます(笑)。

スタジオの演奏はどうしてるんですか。

うぇい パソコンで作った音を流して練習してます。

それ、そのままライブやるのもアリじゃないですか?

ピーチ アリですかね?

D やってみないとわからない。

うぇい やったら意外といけるかもって思うかもしれないし、もっとがんばろうって思うかもしれないし。

きっとピーチさんのスーパーダメ出しがあるのは100%だと思いますが(笑)。

ピーチ それは確実ですね(笑)。Dのリズム感がひどすぎて、独特のBPMを持ってるんですよ。

うぇい 逆にすごいよね。

ピーチ 最初は、肩をトントントンってリズム叩きながら、ここで弾くんだよって教えてたんです(笑)。でも、でも、今はレコーディングを重ねて上手になって。そう考えると、すごい成長だよね。

なるほど。では、グループのこれからの目標を聞かせてください。

D オリコンウィークリー1位です!

でも、CD盤は出てないですよね(笑)。

うぇい 配信だけで盤はないんですよ。

D あと、『紅白歌合戦』に出たい!

うぇい じゃあ私、『ROCK IN JAPAN』に出たい!

ピーチ じゃあ『Mステ』!

うぇい なので、CDを出して、年末は『COUNTDOWN JAPAN』からの紅白からの『カウントダウンTVスペシャル』に出たいですね。

野望だけやたらデカいですよ(笑)。

D そうなんですよ(笑)。でも、この3人なら面白いものを作っていけるかなって。

うぇい これからも童謡を楽しくやっていけたらうれしいです。で、リミックスはかっこよく作っていけたらなって。

ピーチ コツコツがんばっていきます!

リリース情報

CHIKOKU (touchably soft remix)
#マジキズナヤバイ
配信限定

#マジキズナヤバイ

うぇい(Vo、Gt、Ds)、D(B、ラップ)、ジョン・ピーチ(Vo、Key)の3人組。
元は、メンバーそれぞれがレコード会社に就職した事をきっかけに某ラジオ局で出会う。
当時はそこまで意気投合していなかったものの、ひょんなことからマジでキズナがヤバくなり、2016 年6 月に軽井沢旅行をした。
道中でメンバーの誰かが言った「バンド組もうぜ。」が実現化し、演奏力ゼロにして結成された。
オフィシャルサイトhttp://majikizu.com/