LIVE SHUTTLE  vol. 132

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[Alexandros]ツアーファイナルを観て。次はスタジアムに立つロック・バンドとしての夢、そして少年たちの夢

[Alexandros]ツアーファイナルを観て。次はスタジアムに立つロック・バンドとしての夢、そして少年たちの夢

[Alexandros]、半年にわたり全国各地と香港・韓国・台湾を回った『EXIST!』のリリース・ツアー『-Tour 2016~2017 ~We Come In Peace~-』のファイナル、ソールドアウトで2万人を集めた幕張メッセ2デイズの2日目、4月23日日曜日。
以下、それについてのテキストなのですが、具体的な内容を追っていくようなライブレポは別媒体とかに素早くアップされているし、WOWOWの生中継も入っていたので、ここではこの日のライブを観て、自分が強く印象に残ったこと、ふたつについて書きます。

まずひとつめ。
バンドのスタジアム化が完了した、そのことを証明したライブだったこと。
アリーナ・サイズでのライブは以前もやっているし、その時もそのキャパ相応の演出や構成のショーになっていたが、今回は(最大キャパはまだアリーナクラスだが)この次に来るべきスタジアム・クラスの会場でのツアーを見据えたものになっていた。というか、これそのままスタジアムに持って行けるじゃん、というものになっていた。「この2万人をしっかり満足させられるものを」ではなく、この先4万人5万人になることを見越して、それに対応するショーにした、というような。

川上洋平

レコーディングにも参加しているRose(キーボード)と、村田泰子ストリングス(またの名を村田一族)のサポート・メンバー。「A-GIRLS」と名付けられたダンサーチーム。 映画仕様のオープニングとエンディングの映像。効果映像が出たり歌詞が出たり、メンバーが映ったり、時には川上洋平がハンディで自分を撮りながら歌うさまがアップになったりするLED画面。炎あり、爆発あり、紙吹雪あり、銀テープありの特効関係。

白井眞輝

[Alexandros]の[ ]がシンボルになっていて、ステージ両脇や花道の上空(曲によって上がったり下がったり色が変わったりする)等に配置されているセット。なおそのセット、「この曲のこのタイミングでメンバーはこの位置でこのアングルでぬくとキマる」ということまで込みで作られていることが、観ているとわかる。
中央に花道がドーン、上手と下手も端まで行けるようになっているステージの作り。曲によってフロントの3人はそれを活用。前半で川上洋平が花道を下りて歌う一幕も。
アンコールでは、フロア中央よりもやや後方に位置するサブステージが使われ、メンバーはオーディエンスの真ん中の通路を歩いてそこまで移動、それをカメラが追う──。

という大会場ならではの演出、いずれも見事にはまっていた。[Alexandros]のような、ボーカル&ギター、ギター、ベース、ドラムというシンプルな編成のバンドの場合、そういう派手で豪華で段取りの多い演出が似合わなかったりする場合もあるが、彼らにはごく自然になじんでいた。そのことに「ここまで来たんだなあ」とか「こういうのが似合うスケールのバンドだったんだなあ」という感慨を覚えるよりも、「ああ、この先を見据えているんだなあ」という未来への意志を感じる、そういうステージだった。

そしてもうひとつは。このバンドは、そのように巨大化していくのと同時に、少年たちのヒーローになったんだなあ、ということだ。
これはあくまで僕個人の主観なので「そんなことない」と言われたらおしまいなんだけど、でも、そう実感したので書かせてください。さかのぼって思い出すと、[Alexandros]って赤坂BLITZワンマンくらいまでは、女性ファンが多かった。それも10代よりも20代前半から後半ぐらいの、ロックよく知っていそうな、もののわかっていそうな感じのファンが多かった印象がある(くどいですが僕個人の印象です)。
で、ブレイクしていくにつれ、10代の若い女の子が増えていったわけだが、このツアーではそれに加えて、若い男の子の姿が目立つようになった気がした。4人に憧れの目線を注ぐ、「あんなふうにかっこよくなりたい」」という熱い目でステージを見つめている少年たちの姿が。

磯部寛之

男の子が好きなかっこいいもの、というジャンルがある。カブトムシとか。ロボットとか。クルマとか。バイクとか。エレキ・ギターとか、ロック・バンドとか、ロック・スターとか、ロック・ミュージシャンとか。
というの最新型、そのトップになったんだなあ、[Alexandros]は。という話だ。「男の子が好きなロック・バンド」ではなく(それならほかにもいる)、「男の子が憧れるロック・バンド」。昔でいうとTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTとか、そうでしたよね。
フロアの前の方で熱狂しているさまがカメラにぬかれるのは、大半が女の子だったが、フロアのまんなかからうしろにかけては、かなりの数の男の子がいた。これまででいちばん多かったんじゃないか。
本編とアンコールの間にトイレに行ったのだが、気がついたら、僕の左の子も右の子も斜め後ろの子も、黒のロングコート姿だった。「おおっ」ってなった。

庄村聡泰

そういうことかあ、そういうことだよなあ、と思いながら戻り、アンコールを観ていたところ。僕の目の前にいた、高校生もしくは卒業したばかりくらいの、ひとりで来ているっぽい男の子。周囲の、カップルで来てる子や友達と来ている子が踊ったり歌ったり腕を振り上げたりしている中、身体を揺することもなく、ただただボーッと突っ立って観ていたので、「まだライブとか不慣れなのかな、ぼっちなので気後れしてるのかな」と気になっていたのだが、アンコールの途中からリズムに合わせて身体を揺らし始め、腕を挙げ始め、歌詞を口ずさみ始め、曲終わりには拍手をし始め──。

なんか泣きそうになってしまった、そんな彼の幸せそうな表情を見て。夢あるわあ、[Alexandros]、と、つくづく思った。で、この夢にはまだまだ続きがある。その次の夢まで見越した内容のツアーだったし、先に書いたように。

あとひとつ。中盤のMCのあと、17曲目「今まで君が泣いた分取り戻そう」の時のこと。
この曲、「オアシス大好きだけどこのバンドにオアシス的な音楽性を取り入れてもよくならない」とバンド初期に気づいて方向を変えた彼らが、今ようやく「[Alexandros]流のオアシス遺伝子の昇華」をできた曲なのでは、と僕は思っているのだが、川上洋平、歌う前に、ギターをユニオンジャックシェラトンに持ち替えていた。ノエル・ギャラガーが使っていたやつですね。いいなあと思いました。

取材・文 / 兵庫慎司 撮影 / 高田梓・岸田哲平・西槇太一

[Alexandros] Tour 2016―2017  ~We Come In Peace~ セットリスト

01.ムーンソング
02.Burger Queen
03.For Freedom
04.Kaiju
05.Claw
06.Girl A
07.Kick&Spin
08.O2
09.Aoyama
10.Feel like
11.The & Tokyo 2pm 36 Floor
12.Buzz Off!
13.Stimulator
14.言え
15.Waitress, Waitress!
16.クソッタレな貴様らへ
17.今まで君が泣いた分取り戻そう ~ サテライト
18.Swan
19.Run Away
20.Starrrrrrr
21.NEW WALL
22.Adventure
―アンコール―
01.ワタリドリ(アコースティック)
02.SNOW SOUND
03.かえりみち
04.Dracula La
―ダブルアンコール―
01.Kaiju(アコースティック)
02.You’re So Sweet&I LOVE You
03.city


Blu-ray & DVD 2017年7月26日発売決定!

We Come In Peace
Tour & Documentary

■Blu-ray
(初回限定盤)UPXH-9021/2 ¥7,300 +税
DISC1:ツアーファイナル幕張メッセ公演
DISC2:ツアードキュメンタリー+初回特典映像:横浜アリーナ&岡山CRAZYMAMA KINGDOM公演から抜粋
(通常盤)UPXH-1052 ¥5,800+税
ツアーファイナル幕張メッセ公演、ツアードキュメンタリー
■DVD
(初回限定盤)UPBH-9541/2 ¥5,800+税
DISC1:ツアーファイナル幕張メッセ公演
DISC2:ツアードキュメンタリー+初回特典映像:横浜アリーナ&岡山CRAZYMAMA KINGDOM公演から抜粋
(通常盤)UPBH-1434/5 ¥4,800+税
DISC1:ツアーファイナル幕張メッセ公演
DISC2:ツアードキュメンタリー

ライブ情報

Premium V.I.P. Party

日程:2017年7月2日(日)
会場: 名古屋 日本ガイシホール

[Alexandros]

[Alexandros]は、2007年本格始動。2015年よりユニバーサルミュージックとグローバル契約を結び、3月に10th Single「ワタリドリ/Dracula La」をリリースし、オリコンウィークリーシングルランキング初登場5位を記録。6月には約2年ぶりとなる5枚目のフルアルバム「ALXD」をリリース、オリコンウィークリーアルバムランキング初登場3位を獲得。12月に11th Single「Girl A」をリリース、オリコンウィークリーシングル初登場3位を獲得。7月には2度目の日本武道館単独公演を成功させ、全国各地の音楽フェスに数多く出演しヘッドライナーも務める。またMUSE・PRIMAL SCREAM・KASABIAN等の海外アーティスト来日公演のサポートアクトや、アメリカの“SXSW”、イギリスの“THE GREAT ESCAPE”への出演、台湾でのワンマンライブを行っており、オーストラリアSBSラジオのレギュラー番組を担当するなど、海外を視野に入れた活動を続けている。2016年3月30日LIVE DVD&Blu-ray「[Alexandros]live at Makuhari Messe “大変美味しゅうございました”」発売。4月には2016年第一弾となるDouble A Side Single「NEW WALL / I want u to love me」発売。8月に発売したシングル「Swan」はドラマ・映画・CMのトリプルタイアップが付いたシングルとなり、スマッシュヒットを飛ばした。11月には6枚目のフルアルバムとなる「EXIST」をリリースし、オリコンウィークリーチャートで初登場1位を獲得。2017年2月にはCMタイアップで話題となった14th Single「SNOW SOUND/今まで君が泣いた分取り戻そう」をリリースし話題となる。
オフィシャルサイトhttps://alexandros.jp/

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