Interview

大原櫻子が舞台『Little Voice』でモンローやピアフの名曲を!

大原櫻子が舞台『Little Voice』でモンローやピアフの名曲を!

先ほど、エディット・ピアフを歌ってるシーンを見せてもらいましたが、普段の大原さんの歌い方とはまったく違っていてびっくりしました。

ほんとですか? 自分では自分がどういうふうに歌っているのかわからないんですけど、ピアフを歌うと、人生から這い上がっていくぜっていう曲だからなのか、一瞬で体がズシンと重くなるんですよね。稽古が終わったあとに椅子に座っていても、テーブルとか座面に手を置いて体を支えながらじゃないと喋れなくて……。

今も、両手をテーブルにつけて、上半身を支えるようにしてますね(笑)。

そうなんですよ。彼女が普段、ずっと何かにしがみついているからなのか。べつに肉体的にそんなに疲れているわけではないんですけど、最近は、家に帰ってからもボーッとしちゃって。そのくらい、今回は重たいんですよね。まだ全然役が体に入っているわけじゃないのに、歌うだけでこんなになっちゃうんだと思って。逆に入ってしまえば、抜き方もわかるので、イエーイってラクにできるんですけど。まだ自分に無理やり刷り込ませいてる最中なので、ちょっと大変だなって思っています。

歌に関してはこれまでもいろんな歌い方をしてきましたよね。映画の中でも役柄として歌い、大原櫻子として2枚のアルバムを出し、ミュージカルも経験してます。それぞれ何か違いを感じてます?

大原櫻子としては自分の歌いやすいところで歌っていて、『The Love Busg』のときは役づくりよりも先に、ミュージカルの発声法を教えてもらって、ミュージカルの歌い方を習得した。『わたしは真悟』のときは逆に、役づくりオンリーで、ボイトレがまったくなくて、最初に「幼い女の子の役で、小さい女の子は音程が取れないから、音程を取らないでね」「あと、ビブラートをやめてくれ」って言われて。その頃、歌活動でのレコーディングもあったんですけど、なんだかヘタになっちゃっていて(笑)。

あはははは。6枚目のシングル「ひらり」をリリースしてました。

そうなんですよ。レコーディングの最初に音程が取れないし、「ビブラートってどうやっていたっけ?」ってなっちゃって(笑)。舞台が始まると、どうしても舞台が第一になってしまうところがあって。だから、今回も終わったときに「大原櫻子の歌ってなんだっけ?」になりそうで怖いなって思います(笑)。

(笑)今回は特に誰の歌い方に苦戦してますか?

マリリン・モンローが一番難しいですね。内面的な部分だと思うんですけど。きっと、潜在的にある女性フェロモンが足りないんでしょうね、私に(笑)。

滲み出る色っぽさですかね。

しかも、彼女はすべてがかわいい歌い方なわけではなくて、くどく歌ってみたりもしているんですよ。ちゃんと聴くと、ひとりの人間に全然違う面があるのがわかるんです。かわいさもあるし、柔らかさもあれば、はっきりしている性格が出るところもある。マリリン・モンローが一番、激しいのかもしれないですね。「すげえな、マリリン・モンロー!」って感じています(笑)。いろんな色があって、一番難しいですね。

声質的にはビリー・ホリディのほうが遠いのかなと思ってました。

ビリー・ホリディは、これは私の感覚的な表現なんですけど、おばさんみたいに、ありったけの力を抜いて歌う感じでやっています。マリリン・モンローはそれだけでない、今まで使ってない声帯を使っている感じがしますね。

歌唱以外のドラマ部分はどうなりそうですか?

意外と笑えると思います! 特に、安蘭さんが。

そうなんですか? 映画(※舞台『Little Voice リトル・ヴォイス』は1992年にロンドンで初演、1998年にマーク・ハーマン監督により映画化されている)は笑うところはなかったですよ。

ないじゃないですか? でも、この舞台は結構、面白いです。私もシビアというか、ズドンと重くて、歌うところだけ華やかになるのかなと思っていたら、だいぶ笑っているな、みたいな。しかも、クスクスじゃなくて、「いやいやいや〜」って笑っちゃうところがあるので、普通に笑って楽しめる舞台にもなると思います。わかりやすいし、くだらないところもある。それらは全部、安蘭さんが担っているので。ホントに尊敬していますね。

初のストレートプレイの稽古に関して印象に残っているのは?

レコードの使い方が難しいですね。舞台でここまでリアルな日常の芝居をしたことがないんですよ。今までは虫だったり、小さい子供だったりしたので(笑)、その役になりきれば良かった。でも、今回は等身大すぎるというか、例えば、“ただ寝てる”というシーンとか、何もしないっていう難しさを感じていますね。日澤さんには「本番中に寝ないでね」って言われています。

(笑)これから完成に向けて何か楽しみにしてることはありますか?

いっぱいありますね。芝居に関しては、私は重たい部分担当で、面白い要素は安蘭さんにお任せして。あとは、照明も音楽もすごく恵まれた環境でできると思うので、今からすごく楽しみですね。お話としては少ないけど、ビリーとの関係も楽しみですね。1シーンだけでキュンとするような、ロミジュリみたいなピュアさが出たらいいなって思っています。

この舞台の経験がまた音楽活動にも影響を与えますかね。

めちゃくちゃ返ってくると思います。今まででナンバー1くらいに持ち帰れるんじゃないですか。芝居をやっている周りの方々からの影響もそうだし、音楽的なところもそうだし。女優業、アーティスト業、両方とも進歩できる作品だと思いますね。でも、自分のことよりも作品のことを考えるのが一番だと思うので、今は大原櫻子にはどっかに行ってもらって(笑)。とにかく、この作品をよくできるように頑張りたいなと思っています。

楽しみにしております。最後に、リトル・ヴォイスのように、櫻子さんの人生において、心の支えになった曲を教えてください。

いっぱいあるな〜。人生を切り拓いた曲は、映画のオーディションで歌った美空ひばりさんの「愛燦燦」なんですけど。聴くとすごく頑張れるというか、心を前向きにしてくれる曲は、中島みゆきさんの「ファイト」ですね。あの歌詞は素晴らしいなって思います。聴くのはもちろん、自分でちょっと口ずさんだだけでも、本当に元気が出るんですよね。最近は、槇原敬之さんがカバーしたバージョンもあるので、ちょっと落ち込んだときによく聴いています。

Little Voice リトル・ヴォイス

2017年5月15日(月)〜5月28日(日) 天王洲 銀河劇場
2017年6月3日(土)・6月4日(日) 富山県民会館 大ホール
2017年6月24日(土) 北九州ソレイユホール

STORY
英国北部の田舎町に住む〈リトル・ヴォイス〉。リトル・ヴォイスとは、消え入りそうな小声でしか話さない娘に、母親〈マリー〉が付けたニックネーム。家に引きこもり、人と会うこともない彼女の唯一の楽しみは、父親の形見の古いレコードを聴くことだった。一方、マリーは、酒と男が大好きで、奔放に遊び回っていた。ある日、マリーが新しい恋人〈レイ〉を家に連れてくる。うだつの上がらない芸能プロモーターであるレイは、たまたま耳にしたリトル・ヴォイスの歌声に魅了される。そんな彼女の支えとなるのが、青年〈ビリー〉。そして、レイがリトル・ヴォイスを売り出そうと画策し始めるが……。

【作】ジム・カートライト
【演出】日澤雄介(劇団チョコレートケーキ)
【出演】大原櫻子 安蘭けい 山本涼介 池谷のぶえ 鳥山昌克 高橋和也
【主催】ホリプロ/フジパシフィックミュージック
【企画制作】ホリプロ

オフィシャルサイト

大原櫻子

1996年生まれ、東京都出身。2013年に映画『カノジョは嘘を愛しすぎてる』全国ヒロインオーディションで5,000人の中から抜擢され、スクリーン&CD同時デビューを果たす。2014年、女優として日本映画批評家大賞 新人賞、シンガーとして第56回輝く!日本レコード大賞 新人賞を受賞。フジテレビ系月9ドラマ『恋仲』(15)、『好きな人がいること』(16)へ出演。2016年に地球ゴージャスプロデュース『The Love Bugs』で初舞台。2015年末にはNHK『紅白歌合戦』への出場も果たしている。最新作は、映画『チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』主題歌、挿入歌を含むシングル『ひらり』。

オフィシャルサイト

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