LIVE SHUTTLE  vol. 136

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ザ・クロマニヨンズ、全部ロックンロールな圧巻のパフォーマンス!

ザ・クロマニヨンズ、全部ロックンロールな圧巻のパフォーマンス!

昨年11月にスタートし半年に渡って全国を回ったツアー「BIMBOROLL2016-2017」が、残すところ1カ所となった4月19日。かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホールは、ロックンロールの熱気で埋め尽くされた。

長いツアーがどれほどバンドを鍛えていくか、毎年のようにザ・クロマニヨンズを見ていればよくわかるのだが、そのことに毎年のように驚かされ感動する。この日もそうだった。このツアーではお約束になった、「El Bimbo」をバックに謎のマジシャンが披露する手品を前振りにステージに現れた4人。ヒロトが「ロックンロール!」と叫ぶと同時に「おれ今日バイク」で走りだす。十分に手入れがされたバイクは絶好調で走り続け、ヒロトは歌いながらハンドルを回してエンジンを吹かすポーズをする。順番に「おれ今日バイク!」と叫ぶ彼らは今日も楽しそうだ。「光線銃」で掌を銃にしながら「マキシマム」でハイウェイをぶっ飛ばす。そんな彼らを追い越したのは「デトマソ・パンテーラ」。スーパーカーの走りを思わせるヘヴィメタリックなサウンドがめちゃめちゃかっこいい曲だが、マーシーがインタビューで「パンがテラッとしてる」と言ったのを思い出し、聴くたび笑ってしまうのだが聴くたびに格好よくて圧倒される。

甲本ヒロト

一息入れたヒロトが「上から読んでもかつしか、下から読んでもかつしか……」どう反応していいか皆が困っていると、

「面白くなかったですか。MCは料金に入っていませんので、最後まで演奏を楽しんでってくれ!」

気持ちを取り直すように、マーシーの歪んだギターで始まった「ハードロック」は、硬質な「デトマソ~」の熱を受け継いだ。カツジのバスドラムが響く中、ヒロトのハープとハードロックらしからぬポップなコーラスがいい味を出す。続けてヒロトのハープがご機嫌な「もれている」はオーディエンスも一緒になったコーラスが盛り上がり、「モーリー・モーリー」になだれ込んだ。この夜まで55回、重ねてきたステージでどの曲も存分に練り上げられて体に馴染み、呼吸するように続いていく。

真島昌利

新曲が続いたところでカツジのシンバルがちょいと空気を変えた「スピードとナイフ」はヒロトは歌いながらステップを踏み、コビーの太いベースが響いた「ムーンベイビー」では「アイ・ラヴ・ユー!」「カモン・ベイビー!」と、ヒロトとマーシーがシャウトし合う。こんなラヴソングはザ・クロマニヨンズならではだ。 「ありがとう」と言った後でヒロトが、にやにやしながら客席を指差し、「タコ社長?さくら?ひろし?」と訊いていき「葛飾なので葛飾ネタでふざけてみました」と笑わせた。葛飾といえば「フーテンの寅さん」の舞台。こんなジョークもツアーだから飛び出すのだろう。

そして後半戦へ突入する前に、ヒロトが言った。

「またアルバムの曲をやります。全部やっても30分ぐらいなので他のアルバムからもやります。何をやっても全部ロックンロール。みんな自分の手に入れたその場所で最高の時間を過ごしてください。俺らも最高に楽しく過ごすから!」

どっしりしたビートとまろやかなコーラスが印象的な「ナイアガラ」、ゆったりしたレゲエが心地いい「焼芋」で少し落ち着いたところで、小気味いいギターリフが「誰がために」へと続けると、背景が星空のように光る照明に変わった。かっちりしたビートに乗って歌いながら、ヒロトが「マーシー!」と指すと渋いギターソロを気持ちよさそうにマーシーが弾いた。歌が進み、「バーボン、ズブロッカ、焼酎」と酒が並ぶとヒロトは飲む真似をして酔ったように足をもつらせたが、ドラムのキックに合わせて「ピート」をオーディエンスとともに呼び出すと、腕をピート・タウンゼントのウィンドミル奏法ばりにブンブン回してみせた。

十分に温まったところでヒロトはマーシー、コビー、カツジに「行くぜ!」と声をかけ、ハープを鳴らす。ここまでを上回る熱が吹き出し「ペテン師ロック」が走りだし、「エルビス(仮)」「突撃ロック」「エイトビート」と畳み掛けるように演奏していく。ギターだけで歌い出した「雷雨決行」では掌を双眼鏡のようにして見渡し、「今日は最高!」と「ギリギリガガンガン」に突入した。そして、『BIMBOROLL』でもラストを飾る「大体そう」で高揚感と安心感が入り混じる、おおらかな空気で本編を締めくくった。

小林勝

桐田勝治

アンコールの中、再度4人が登場。ヒロトはTシャツをパンツ代わりにはいただけの格好で神妙に、

「今日はロックンロールのためだけに、この場所提供してくれました。葛飾、ありがとう。もう少しやりましょう、あとひと暴れ、ふた暴れ、行くぞ!」

一瞬のつむじ風のようなパンク・チューン「笹塚夜定食」にコーラスが楽しい「タリホー」、ラストは大コーラスになった「ナンバーワン野郎!」。

「ありがとう、楽しかった!またやりたい、またやらせてください、ロックンロール!」とヒロトが最後に叫んだ。いつも彼が言う言葉だが、いつもうなづきたくなる。マーシーが「またね」と手を振ったあと、今までならそのままステージをあとにする4人が並んで立ち、ステージの右、左、そして中央と移動しながら笑顔で会場を見渡した。高い2階席やバルコニーも見遣る彼らに、オーディエンスも手を振り楽しんだ気持ちを伝えていた。言葉はなくても4人と会話したようなフィナーレだった。

取材・文 / 今井智子 写真 / 柴田恵理

ザ・クロマニヨンズ『BIMBOROLL2016-2017』
2017/04/19(水)かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール セットリスト

01.おれ今日バイク
02.光線銃
03.マキシマム
04.デトマソパンテーラを見た
05.ハードロック
06.もれている
07.モーリー・モーリー
08.スピードとナイフ
09.ムーンベイビー
10.ナイアガラ
11.焼芋
12.誰がために
13.ピート
14.ペテン師ロック
15.エルビス(仮)
16.突撃ロック
17.エイトビート
18.雷雨決行
19.ギリギリガガンガン
20.大体そう
EN1.笹塚夜定食
EN2.タリホー
EN3.ナンバーワン野郎!

ザ・クロマニヨンズ

2006年7月23日 13時41分「FM802 MEET THE WORLD BEAT 2006」にて、甲本ヒロトVo.  真島昌利G. 小林勝B.(nil) 桐田勝治Dr.(Gargoyle)のメンバーでザ・クロマニヨンズ出現!その後、シングル15枚、アルバム9枚、アナログ盤25枚、映像4作をリリース。
ツアー、大型ロックイベント出演を重ね、11月2日には待望のニューアルバム「BIMBOROLL」をリリースし、11月17日から、56本に渡る全国ツアー「ザ・クロマニヨンズTOUR BIMBOROLL 2016-2017」を大成功に終えた。
オフィシャルサイトhttp://www.cro-magnons.net/

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