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「まどか☆マギカ」だけじゃない! ほんわか、ゆるゆるな「蒼樹うめ」の世界

「まどか☆マギカ」だけじゃない! ほんわか、ゆるゆるな「蒼樹うめ」の世界

“蒼樹うめ” という名前にすぐにピンとこなくとも、この絵を見てすぐに「まどか☆マギカ」というキーワードが浮かんだ人はなかなかのアニメ好き? 蒼樹うめさんは、マンガ『ひだまりスケッチ』の作者、『魔法少女まどか☆マギカ』シリーズのキャラクター原案で、マンガやアニメ、イラストの世界で知らない人はいない漫画家・イラストレーターだ。その蒼樹うめさんの初の個展『蒼樹うめ展』が上野の森美術館で10月12日まで開催中だ。

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上野の森美術館の壁面に設置された「蒼樹うめ展」の巨大なキービジュアル

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蒼樹うめさん直筆のゆるゆるなあいさつ文

本展会場は5つの章で構成されており、「ひだまりスケッチ」や「魔法少女まどか☆マギカ」などの数多くの原画に加え、さまざまな形で“蒼樹うめ”その人を伝えるさまざまな工夫が展開している。

この展覧会、どこか他の展覧会と違うと思ったら、その雰囲気だ。なんだかガールフレンドとか妹の部屋にでも入り込んでしまったような、ほんわかしつつも、なんかドキドキする感じ。はじめから最後まで展示されているのは、蒼樹うめさんがこれまで描いてきた“どこにでもいる女の子から、神さまになった女の子まで”(キャッチコピーより)だし、「ひだまり荘」の部屋や、蒼樹さんの作業デスクまであるので、当たり前といえば当たり前か。

それでも、この全体に通じるほんわかムードの秘密は、作品の脇など、そこここに書きこまれた蒼樹さんご本人による吹き出しのためかも。開幕直前に会場を訪れた蒼樹さんがライブドローイングで披露してくれた作品など、徹底して、作家の息遣い、愛が感じられる展覧会もなかなかない。そういった意味では、蒼樹うめファンにとって、この上なく幸せな空間となっている。

「第1章 蒼樹うめとは」では、絵日記など子ども時代に描いた作品など、漫画家・蒼樹うめ以前の蒼樹うめに触れることができる。「第2章 『ひだまりスケッチ』の世界」では、2004年より『まんがタイムきららキャラット』(芳文社)で連載され、2007年にテレビアニメとなった「ひだまりスケッチ」の世界が数多くの原画を中心に展開している。さらに主人公・ゆのたちが住むひだまり荘をマンガの絵をそのまま立体に展開して部屋を再現。実際にマンガの中に紛れ込んだ感覚を楽しむことができる。また、蒼樹さん本人が歌う、「ゆのの絵描き歌」が楽しめるコーナーや蒼樹さん本人が描く様子を鑑賞できるコーナーもあって、まるで蒼樹さん本人に案内してもらっているようだ。

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こんな原画が山のように展示されています

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ひだまり荘の再現コーナー。バスルームはなぜか御簾のむこう

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「ゆのの絵描き歌」はなんと歌は蒼樹うめさんご本人。ぜひ、一緒に描いてみてっ!

「第3章 原稿の部屋」の目玉はなんといっても、蒼樹さん本人の作業デスクを再現したコーナー。実際に仕事に使っているタブレットやデスクに何気なく置かれたまどか☆マギカのフィギュア、さらにティッシュケースやゴミ箱と、漫画家・蒼樹うめの姿が目に浮かぶようだ。

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蒼樹うめさんのデスクを再現

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ラフスケッチや走り書きのようなものまで、壁面に所狭しと貼られている

「第4章 キャラクター原案『魔法少女まどか☆マギカ』」は、未公開の初期設定をはじめ「まどか☆マギカ」のさまざまな原画やイラスト、タペストリー、キャラクターのモールなどを展示。蒼樹さんの書き込み(キャプション)もたくさんで、蒼樹さんの描いたキャラクターがアニメのキャラクターへとさらなる進化を遂げた経緯をうかがい知ることができる。とりわけ、蒼樹さんが、アニメスタッフの仕事に敬意を表しているキャプションなど、ここでしか見ることができない貴重なものも。最後の「第5章 『蒼樹うめ』の仕事」では、その他の作品や、主宰する同人サークルのイラストなど、さまざまな蒼樹うめ作品が集められている。

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第4章は「魔法少女まどか☆マギカ」

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大きなタペストリーに書き込まれた蒼樹うめさんの書き込みに注目!

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「まどか☆マギカの集合絵は難しくて苦労した」というエピソードが絵の脇に書き込まれています。この吹き出しの書き込みはどれも必見!

蒼樹うめ展オフィシャルサイト http://www.umeten.jp/