LIVE SHUTTLE  vol. 140

Report

BRADIOツアーファイナル。巨大なダンスホールと化した会場でメジャーデビュー決定を発表

BRADIOツアーファイナル。巨大なダンスホールと化した会場でメジャーデビュー決定を発表

BRADIO FREEDOM tour 2017
2017年4月30日 中野サンプラザ

3月に赤坂ブリッツからスタートした“FREEDOM tour 2017”もいよいよファイナル。初のホール・ワンマンとなる中野サンプラザでのライブを観た。

昨年末にリリースした最新アルバム『FREEDOM』は、ファンク・ミュージックを突き詰めることでファンクの枠を打ち破った傑作だった。その勢いのままに、今回のツアー・ファイナルでは椅子付きのホールを選択。踊って楽しいバンドとして主にオール・スタンディング会場でのライブを積み重ねてきたBRADIOが、これまでとは異なるスタイルのライブに挑戦しようというのだ。それは彼らの音楽性が拡大してきていることに関係がある。去年の6月に発売された「ギフト」は、じっくり聴かせる初のバラード・シングルで、バンドがホールへ進出することを予感させた。もちろん今回、バラードを歌うためにホールでライブを行なうわけではないが、グッド・メロディを連発してきたバンドが、幅広い層に支持されるキッカケになるライブとして注目のパフォーマンスになった。

開演を告げたのは、BRADIOのフロントマン真行寺貴秋(vo)の「今夜だけのダンスホール。間もなくパーティタイムの始まりだ!」という影アナだった。サンプラザを埋めたオーディエンスが大歓声で応える。登場したのは、真行寺、大山聡一(g&vo)、酒井亮輔(b&vo)、田邊有希(dr&vo)の4人のメンバーの他、キーボード1人、ブラスが3人、女性コーラスが2人の大編成バンドだ。真行寺はステージ中央の“お立ち台”に駆け上がって、観客のハンド・クラップを誘う。

1曲目は「彼女ハリケーン」。ブラスが効果的に使われていて、“かわいいワガママ彼女”を描き出す。さすがに広い会場に少し気負っているのか、演奏が前のめりになる。それを止めたのは、「HOTELエイリアン」での酒井の安定したベースだった。落ち着きを取り戻した真行寺が、右手の拳を突き上げてオーディエンスを煽る。大山もいつものアクションで小気味の良いリズム・カッティングを見せる。田邊のキックもステディなビートを刻む。

「みんな、ファンキーしてるかい? ハッピーしてるかい? ファンピーを届けに来たぜ。最長のツアーも12本目、夢のサンプラにやって来ました!」と真行寺が叫ぶ。その後、大山、酒井、田邊が短く挨拶する。さらにキーボードなど、他のミュージシャンを紹介。開始早々にメンバー紹介を終えてしまうという異例の展開となった。それは同時に、これからたっぷり音楽を楽しんでもらおうという宣言でもあった。

クールな「Super Wonderful」、真行寺と女性コーラス2人のアカペラのイントロが印象的な「Overnight Superstar」、メンバーのみで座って演奏する“ルームBRADIO”では、デリケートなアンサンブルをしっかりと聴かせる。

真行寺が思いを込めて歌った「思い通りにならない世界」が素晴らしかった。シビアな歌詞から、BRADIOがハッピーな世界観だけで成り立ってはいないことが伝わってくる。ボーカリストとしての器量もさることながら、真行寺の持つ“詩人”としての才能が明らかになる。

また“ルームBRADIO”誕生のモチベーションになったという「Ride On Time」は、非常に洗練された“内面的ソウル”といった佳曲で、椅子から立ち上がって歌う真行寺の本気が見えて感動的だった。

ルーパー(簡単にループが作れるエフェクター)を使った酒井を初め、各メンバーのソロ・コーナーがあったり、ライブの要所要所に“BRADIOならではのホール・ライブ”を模索するチャレンジが続く。真行寺が「ここでライブができるのも、みんなに出会えたのも、全部、かあちゃんのお陰かな」と言って歌った名曲「ギフト」は、やはりホールがよく似合う。ストリングスに包まれた♪どんな時も 味方でいてくれる あなたの元に 生まれたから♪というリリックが、BRADIOのアナザーサイドを確かに象徴していた。

終盤は得意の盛り上がりコーナー。「Golden Liar」からBRADIOのポップ・サイドが爆発。「Revolution」ではステージから消えた真行寺が客席から現われるというイリュージョンが飛び出す。盛りだくさん過ぎて、いっぱいいっぱいになったところで、キラーチューン「スパイシーマドンナ」がオーディエンスに襲いかかる。ステップ指導を受けたオーディエンスは、メンバーたちと心を合わせて踊る、踊る。本編ラストは「Back To The Funk」。「ギフト」の次にシングル発売になった曲で、バラードでペースチェンジしたBRADIOが、自分たちの基本を再確認したナンバーだ。大山・田邊・酒井のリズム・アンサンブルがえげつないほどカッコいい。サンプラザはBRADIOの思惑どおり、巨大なダンスホールと化したのだった。

アンコールの1曲目は「All I Need Is You」。明るいポップナンバーで、ブラスを含めたミュージシャンたちがソロを取る。

大山が、「最高の環境で音楽をやらせてもらっていることを、実感できるツアーでした」とファンとスタッフに感謝を述べる。最後の曲は「Colors」。アルバム『FREEDOM』は「All I Need Is You」、そして「Colors」で締めくくられる。その2曲がアンコールを占め、メンバーは思いのたけをぶつける。「Colors」は途中で3拍子になり、オーディエンスを交えた大合唱になる。そこにはひと回り大きくなったBRADIOがいた。

曲が終わると、ライブDVDの発売とメジャーデビュー決定のニュースがオーディエンスに伝えられ、会場が大いに沸く。これからも快進撃は、まだまだ続く。このホール・ライブのチャレンジは、BRADIOの大躍進の始まりに過ぎない。

文 / 平山雄一 撮影 / 木場ヨシヒト

BRADIO FREEDOM tour 2017
2017年4月30日 中野サンプラザ
セットリスト

1.彼女ハリケーン

2.Flyers
3.HOTEL エイリアン
4.Super Wonderful
5.-Freedom-
6.Step In Time
7.Overnight Superstar
8.蝙蝠
9.You Make Me Feel Brand New
10.思い通りにならない世界
11.Ride On Time
12.KAMISAMA
13.Get Money
14.ギフト
15.Playback
16.Golden Liar
17.Revolution
18.スパイシーマドンナ
19.Back To The Funk
En-1.All I Need Is You
En-2.Colors

その他のBRADIOの作品はこちらへ

BRADIO

真行寺貴秋(Vo)、大山聡一(G)、酒井亮輔(B)、田邊有希(Dr)、4人組ロックバンド。
~Break the Rule And Do Image On~
日常の世界(Rule)に、素敵な時間・空間のイメージを加え(Do Image On)、良き変化(Break)を。
「日常に彩りを加えるエンターテインメント」をコンセプトに結成された4人組ロックバンド。’17年には、週刊漫画ゴラク連載中の人気漫画『ミナミの帝王』を実写化した、千原ジュニア主演ドラマ『新・ミナミの帝王』主題歌 「Get Money」、200 万人もの観光客が訪れる北海道の冬の風物詩であるさっぽろ雪まつりの“雪のHTB広場テーマソング”として、「Colors」を書き下ろしを収録した2ndアルバム『FREEDOM』をリリース。楽曲ごとに異なるサウンドを鳴らすドラムンベースを軸に、さらに熱唱&ファルセットを使い分ける個性の強さが魅力のヴォーカリスト真行寺の歌声で見に来たFUNKY PARTY PEOPLEを虜にするエンターテイナー集団BRADIO。

オフィシャルサイトhttp://bradio.jp

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