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歌舞伎が2.5次元に!? これぞエンターテインメント。必見の『スーパー歌舞伎II(セカンド)「ワンピース」』

歌舞伎が2.5次元に!? これぞエンターテインメント。必見の『スーパー歌舞伎II(セカンド)「ワンピース」』

まったく新しいエンターテインメントの誕生だ。

全世界的な人気を誇る大ヒットコミックとして、またテレビや映画のアニメとして展開されてきた「ワンピース」が、新たに日本の伝統芸能の歌舞伎として生まれ変わった。歌舞伎の様式美とスピード・スペクタクル・ストーリーの3要素を加えた現代劇を融合した「スーパー歌舞伎」、さらにこれにマンガ、アニメをベースとした舞台芸術のニューウェイブである「2.5次元」の要素を加え、さらなる進化を遂げた、これまでにないエンターテインメント『スーパー歌舞伎II(セカンド)「ワンピース」』だ。

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引幕もワンピース仕様。開演をより待ち遠しいものにしてくる

 

10月6日、東京・新橋演舞場において、『スーパー歌舞伎II「ワンピース」』の舞台稽古が公開され、主演・演出を務める市川猿之助さんが会見を行った。

猿之助さんは舞台の仕上がり具合について「マンガ、アニメをそのままやらない。歌舞伎なりの、わたしたちがやるとこうなります、ということです。(私の)ルフィの姿にしても、(原作では)Tシャツと半ズボンなので、歌舞伎の絢爛さがないものを、登場場面で着替えるようにしました」とした。また、ルフィの特殊能力、ゴムゴムの技などをどのように表現したかという質問に「非常にアナログ。歌舞伎はバカバカしいもので、そこが売りです」とし、「スーパー歌舞伎のすべてを注ぎ込みました。おかげで大道具はこの1週間は家に帰っていません」と、その演出に大いに期待させた。

また、歌舞伎ファンからの批判もあるのにやった理由は? との質問には「なんといってもおもしろいから。賛否両論あってこそ本物。(原作者の)尾田さんからお声をかけていただいたということもありました」と答えた。若手が多く出演していることについて「自分も若手をつもりでいるのですが。すばらしい。歌舞伎は安泰です。ここから羽ばたいていただきたい」とした。海外での公演の予定は? との質問には「行きたいです。どうすればいいですか?」と即答し、海外進出の可能性を滲ませた。

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ルフィ役の市川猿之助さん。ワンピースファンはこれだけ見て、判断しないでいただきたい。ぜひ、見てから判断してほしい

 

本公演では「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載中のマンガ「ONE PIECE」のコミックス51~60巻で描かれているマリンフォード頂上戦争のストーリーを舞台とした「頂上戦争編」。セリフにしてもアクションにしても現代劇として楽しめると同時に、そここに歌舞伎らしい演出が散りばめられており、これまで歌舞伎に縁のなかった人でも、すんなり入り込める演出が楽しい。

主人公のモンキー・D・ルフィを演じる市川猿之助さんは、ハンコック、シャンクスの一人三役を演じる。早着替えなど、特にルフィとハンコックが同時に舞台上に出現する際のまるで魔術のような演出は必見。猿之助さんのコメントにもあったように、ゴムゴムの技の演出は斬新かつバカバカしくも楽しい。そして、圧巻の宙乗りも見逃せない。

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もう説明は入りません。ただただ圧巻の宙乗り

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ルフィのゴムゴムの〜の演出のひとつ。バカバカしい方の演出はぜひ劇場で!

他の配役も二役三役は当たり前で、ロロノア・ゾロとスクアード、それにボン・クレーを見事に演じ分けた坂東巳之助さんのオカマが乗り移ったかのような怪演には心の底から感動する。サンジとイナズマのイケメン二役を演じた中村隼人さんの滝でのイナズマの立廻りは水しぶきがかかるを忘れて、思わず身を乗り出してしまった。市川右近さんが演じた白ひげの壮絶な最期はまるで弁慶のよう。客演のエース役の福士誠治さんは徹頭徹尾、イケメンのまま演じ、浅野和之さんの変態ハイレグ姿のイワンコフは、巳之助さんのボン・クレーとともに忘れらないトラウマになりそう。

これこそ、まさに百聞は一見にしかず。歌舞伎ファンもワンピースファンも、食わず嫌いは損です!

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イナズマ(中村隼人)とボン・クレー(坂東巳之助)が滝での立廻り。もの凄い量の水にビビります

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中央のハイレグがイワンコフ。演じるのは名優・浅野和之さん。本当に怪演にして快演。

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清々しいまでにイケメンで通したエース役の福士誠治さん。ルフィ(猿之助)との花道での見得は必見

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市川右近さん演じる白ひげ。まるで弁慶。こういうのは歌舞伎ならではの演出ですね

取材・執筆 / チバヒデトシ