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【レポート・写真追加】松岡広大「絶対成功!」佐藤流司「一番好きなエピソード」と太鼓判。ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~ ゲネプロ

【レポート・写真追加】松岡広大「絶対成功!」佐藤流司「一番好きなエピソード」と太鼓判。ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~ ゲネプロ

ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~暁の調べ~が5月19日(金)よりAiiA 2.5 Theater Tokyoにて開幕した。原作は、全世界で累計発行部数2億部超のウルトラヒットコミック『NARUTO-ナルト-』。2015年3月に舞台化を果たし、興奮冷めやらぬまま翌年再演。国内のみならずワールドツアーも敢行し、世界中を熱狂させた。
そんなビッグタイトルがいよいよ待望の新作を初お披露目。さらに進化したライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」の世界をここにレポートする。

新作始動! 謎のキャラクター・サイが加わり、第七班は波乱の様子……?

まずは前作未見の読者に向けて、改めて簡単にライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」の世界を紹介しよう。

主人公は、木ノ葉隠れの里出身の忍者・うずまきナルト(松岡広大)。落ちこぼれながら正義感と負けん気は人一倍強いナルトが、「写輪眼(しゃりんがん)」という特有の術を有する「うちは一族」の末裔・うちはサスケ(佐藤流司)や紅一点のくの一・春野サクラ(伊藤優衣)ら第七班の仲間と共に、数々の任務をこなしながら、忍として成長し、友情を育む姿を描いたバトルアクションだ。

単細胞のうずまきナルトと、一匹狼のうちはサスケ。最初は反目し合うふたりも、戦いの中で徐々に心を通わせ、認め合うように。一方で、驚異的なスピードで成長を遂げるナルトに対し、サスケは次第に複雑な劣等感を抱くようになる。また、サスケは実の兄によって両親と一族を皆殺しにされた過去を持っていた。兄への復讐心に燃えるサスケは、より強大な力を求め、里を抜け、大蛇丸(悠未ひろ)のもとへ。ナルトは何とかサスケを連れ戻そうと戦いに挑むが、激闘の末、敗北。サスケ奪還を誓い、もっと強くなるために修行の旅へと出た――

ここまでが、前作のストーリー。本作は、修行を終えたナルトが再び第七班に戻ってくるところから幕を開ける。

まず注目しておきたいのが、本作から新たに加わるキャスト陣。まずは、抜け忍となったサスケの補充要員として加わるサイ(北村諒)だ。人間らしい感情を持たないサイは、サクラに対して堂々「ブス」呼ばわりするなど、加入早々、波乱のタネに。自分たちを小馬鹿にしたようなサイの態度に、ナルトも納得がいかない様子だ。しかも単独で大蛇丸やサスケと接点を持つなど、その行動は真意不明。敵か、味方か。謎めいたサイに、ナルトらは疑念を募らせる。

この掴み所のないサイと、北村のミステリアスな雰囲気が絶妙にマッチ。気性の荒いナルト&サクラとの凸凹ぶりも抜群で、そのユーモラスな掛け合いは重い展開の続く本作で貴重な陽だまりのような時間に。特に、サクラに殴られたシーンでは、頬に手を当て並ぶナルトとサイの姿はとってもキュート。怪我で隊を離れたはたけカカシ(君沢ユウキ)の代わりとして加わったヤマト(藤田玲)と共に、新生・第七班のチームワークが徐々に深まっていく。 

そして最注目なのは、やはりうちはイタチ役・良知真次だ。ミュージカル『ブラック メリーポピンズ』やミュージカル『ダンス・オブ・ヴァンパイア』など、日頃から数々の大舞台で研鑽(けんさん)を積む有力株が、その実力と貫録を惜しげもなく発揮。最大の壁として立ちはだかる。普段は意志の読めない鋼の瞳も、サスケを前にすると感情あらわに。悪鬼のごとく目を見開き、深紅の写輪眼を妖しく光らせる。イタチの存在が大きければ大きいほど、サスケの苦悩も際立ち、クライマックスまで強力なモーターとなって物語を推進した。

歌で綴る死闘の数々。良知、悠未ら実力者の歌声に、松岡、佐藤らが立ち向かう

サブタイトルの「暁の調べ」という言葉通り、本作のキーとなるのが“音楽”だ。前作はトランポリンやエアリアル、LEDコスチュームなど趣向を凝らしたギミックの数々で、バトルシーンや忍術を表したが、本作ではキャラクターの内面描写に重きを置き、その表現手段として歌と楽器の生演奏が最大活用されている。

この歌唱面で圧倒的な存在感を放ったのは、やはりうちはイタチ役の良知真次と、大蛇丸役の悠未ひろだろう。男性らしい重厚感と繊細な心のひだまですくいとる奥行きを持った良知の歌声。そして禍々しさと伸びやかさを兼ね備えた悠未の歌声が、音楽面でのグレードを上げる。

バトルシーンでは、多彩な音楽にプロジェクションマッピングが融合し、迫力も倍増。アンサンブルを使ったダイナミックなステージングも印象的で、特にサスケと大蛇丸の対決場面は圧巻だ。大蛇丸の特徴である夥しい数の蛇を使った忍術を、アンサンブルがよく訓練された動きで表現。さらに、不気味なプロジェクションマッピングと布を使った演出で、実写では不可と思われた「不屍転生」の術も完璧に再現した。

不老不死のための「器」としてサスケを囲い続けた大蛇丸。そして、兄への復讐のために大蛇丸を利用してきたサスケ。歪んだ師弟関係に、ピリオドを打つときが来る。息もつかせぬ攻防の連続に、最後は観客も打ちのめされたような感覚を味わうことだろう。

本作のハイライトは、サスケとイタチの因縁の兄弟関係。ここでは、数々のギミックをできる限り排し、むしろ佐藤と良知というふたりの俳優のぶつかり合いに焦点が置かれたような印象を受けた。その皮肉な宿命が、なんとも物悲しい。衝撃と慟哭のラストまで、固唾を吞んで見守りたい。

前作ではクールな表向きとは裏腹に、兄への憎悪、自らの無力さに対する失望など、内面は人間らしい葛藤で溢れていたサスケだが、本作ではクールを超越して、冷徹冷酷。ナルトら旧友と久々の再会を果たしたときも、まったく人間的な表情は見せなかった。そんな復讐鬼と化したうちはサスケの魅力を、佐藤が抑制の効いた演技でしっかりと立たせる。再演からわずか1年だが、男としての色気が格段に上がった様子で、持ち前の意志の強そうな瞳が一層鮮烈に映えていた。