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イマ見ておくべき旬の海外ドラマはコレだ!『スキャンダル』

イマ見ておくべき旬の海外ドラマはコレだ!『スキャンダル』

海外ドラマ、アレもコレも見たいけどタイトルが沢山ありすぎてどれを見ればいいのか悩ましい・・・」 そんなあなたのために、海外ドラマ評論家の3人(今祥枝さん、池田敏さん、 幕田千宏さん)が、テーマにそったイチオシ海外ドラマ作品をセレクト。第一回のテーマは“イマ見ておくべき旬の海外ドラマはコレだ!”を、お送りします。

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© 2014 ABC Studios.

旬の女優がホワイトハウスの元報道官を演じる

 イマ見ておくべき旬の海外ドラマとして幕田千宏さん(映画・海外ドラマライター)が選んだのは、『スキャンダル』。『スキャンダル』というタイトルどおり、依頼人のスキャンダラスなトラブルを元ホワイトハウス広報担当のオリヴィア・ポープが解決していくサスペンスドラマだ。

ホワイトハウスの報道官を務めたエリート中のエリートのオリヴィア

大統領の選挙参謀、ホワイトハウスの報道官を務めたエリート中のエリートのオリヴィア。今はスキャンダル対策のプロだが、本人もスキャンダルの火種を持っている……。© 2014 ABC Studios.

本国アメリカでは、ABCで2012年より放送が開始して大人気を獲得し、すでにシーズン5の制作も決定している。その人気の理由のひとつは、主人公オリヴィアを演じたケリー・ワシントンにある。2013年にはPEOPLE誌の「世界で最も美しい女性」の第2位に選ばれ、2014年にはTIME誌の「世界で最も影響力のある100人」にも選出された、まさに旬の人。

ケリーは『Ray/レイ』『ジャンゴ 繋がれざる者』など、様々な話題作で活躍してきた女優だが、2012年の大統領選挙のときにはバラク・オバマに対する応援スピーチを行ったこともあり、そうした点も含めて、本作の主人公にふさわしい存在だと言える。

ケリー以外のキャストは、フィッツジェラルド・グラント大統領役に『ラストサムライ』などのトニー・ゴールドウィン、大統領の部下のサイラス・ビーン役に『LOST』や『プリズン・ブレイク』にも出演しているジェフ・ペリーなど。幕田さんが「みんな腹黒い」というキャラクターを演じるにふさわしい、実力派の役者陣が集結したのだ。

スキャンダル対策のプロは大統領の不倫相手だった…

 フィッツジェラルド・グラント大統領の選挙参謀をつとめ、ホワイトハウスでは報道官として活躍したオリヴィア・ポープ。彼女は今、ホワイトハウスを離れ、「オリヴィア・ポープ&アソシエイツ」という会社を設立し、依頼人のさまざまなトラブルを解決する“フィクサー”をビジネスとしていた。

フィッツジェラルドとメリーの大統領夫妻。メディア上では理想の夫婦として紹介されているが、夫婦仲はよくない。

フィッツジェラルドとメリーの大統領夫妻。メディア上では理想の夫婦として紹介されているが、夫婦仲はよくない。© 2014 ABC Studios.

オリヴィアのもとには「スーツを着た剣闘士(グラディエーター)」とも言える、スゴ腕のスタッフがそろっている。

ハリソン・ライトはオリヴィアの右腕的存在の弁護士で、彼女の頼みごとを何でもこなす。アビー・ウェランは調査担当で、オリヴィアによって夫のDVから救われた過去を持つ。

ハックはオリヴィアに絶対の忠誠を誓うハッカー。元CIA工作員で機械やITに強いだけでなく、戦闘能力も高い。

スティーヴン・フィンチは有能だが、女癖がいいとは言えない弁護士で、オリヴィアからは恋人との交際についても助言をもらっている。そして、シーズン1の第1話では新人弁護士のクイン・パーキンスが事務所に新メンバーとして加わる。

事務所に持ち込まれる依頼は、政界や財界のセレブのスキャンダラスなトラブルの解決。盗撮されてセックステープが流出した政治家をマスコミ対策なども含めてサポートしたり、訪米中だった南米の独裁者の妻が夫を嫌って逃げようとするのを手助けしたり、愛人とのベッドの中で腹上死した宗教家の死亡の真相を隠したりと、オリヴィアはあらゆるトラブルに挑んでいく。

彼女の依頼人には、ホワイトハウス、つまりグラント大統領も含まれているが、実はオリヴィアは広報官時代に大統領と不倫関係にあった。しかも、大統領はファーストレディのメリーとの関係がうまくいっていなくて、いまだにオリヴィアのことが忘れられず、彼女も彼を強く拒むことができない。彼女自身もいつスキャンダルに巻き込まれるかわからない、危うい立場だったのだ……。

現実の要素も盛り込んだ、濃いキャラ&ストーリー

 あらすじを読んでいただければわかるように、ストーリーの重要なところに恋愛要素が絡んでいて、そこも本作の魅力のひとつ。グラント大統領は、オリヴィアの昔の恋人に嫉妬するし、グラントの妻であるメリーは目的のためには自分のお腹の中の赤ちゃんさえも利用する強烈な性格の策略家なので、オリヴィアの不倫三角関係はかなりドロドロしていて、それだけに視聴者は目が離せない。

オリヴィア・ポープとフィッツジェラルド・グラント大統領

オリヴィア・ポープとフィッツジェラルド・グラント大統領。オリヴィアがホワイトハウスで働いていたころ、ふたりは不倫の関係だった。© 2014 ABC Studios.

また、幕田さんが「実際に起きた事件をエグくして取り入れている」と語るように、現実のさまざまな要素が作品に反映されている。例えば、オリヴィアには、ジョージ・ブッシュ元大統領(89〜93年に就任していた、父ブッシュのほう)の下で報道官を務めていたジュディ・スミスという実在の人物のモデルがいる。

また、大統領の不倫と言えばクリントン大統領とモニカ・ルインスキーの名前を思い出す人も多いだろうが(モニカの名前も作品中に登場する)、ジュディ・スミスは民間で危機管理コンサルタントを務めていた際は、モニカ・ルインスキーの手助けをしたこともあるのだ。

そして、『スキャンダル』においても、モニカ・ルインスキー的なキャラクターが登場し、しかも現実のモニカ以上に過酷な運命をたどることになる。その彼女の行動が本作の全体を流れるストーリーの発端になっている。

なお、ジュディ・スミスは本作に共同エグゼクティブ・プロデューサーとしてクレジットされている。彼女のホワイトハウス報道官と危機管理コンサルタントとしての経験が本作のストーリーに大きな影響を与えているのは、間違いないだろう。

ホワイトハウスを離れたオリヴィアが民間で設立した会社のメンバー。すご腕の精鋭ばかりだが、全員クセの強い人物で秘密や問題も抱えている。

ホワイトハウスを離れたオリヴィアが民間で設立した会社のメンバー。すご腕の精鋭ばかりだが、全員クセの強い人物で秘密や問題も抱えている。© 2014 ABC Studios.

このようにストーリーも非常に魅力的だが、登場人物たちもそれに負けず劣らず魅力たっぷり。例えば、大統領首席補佐官のサイラスもかなり腹黒い人物だが、オリヴィアの理解者のような存在だった彼がある場面で見せる隠された一面には驚かされた人も多いことだろう。

サイラスだけでなく、秘密や問題を抱えたキャラクターばかりで、地味な新人としか思えなかったクインのシーズン2で明らかになる正体も衝撃的だ。

『スキャンダル』の魅力には、ストーリーやキャラクターだけでなく、セレブの知られざる生活の裏側をのぞき見するような楽しさや、オリヴィアのファッションをチェックするといった楽しさもある。いろんな幅広い楽しみ方ができるドラマなのは間違いないので、少しでも気になったあなたにはぜひチェックしていただきたい!

海外ドラマ
スキャンダル SCANDAL

ジャンル:サスペンス
制作国/制作年:アメリカ/2012年〜
制作会社:ABCスタジオ

主要キャスト・スタッフ
出演:ケリー・ワシントン、コロンバス・ショート、ダービー・スタンチフィールド、ケイティ・ロウズ、ヘンリー・イアン・キュージック、トニー・ゴールドウィン、ジェフ・ペリー、ベラミー・ヤング
企画・製作総指揮:ションダ・ライムズ


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スキャンダル SCANDAL

© 2014 ABC Studios.