黒川文雄のエンタメ異人伝  vol. 4

Interview

FF生みの親、坂口氏(下)ゲーム開発、再び。見つからないものを、見つけるために。

FF生みの親、坂口氏(下)ゲーム開発、再び。見つからないものを、見つけるために。

去年もビットサミット(注24)でお会いしましたし、ニコ生もやられています。すごく新しいモノに対して果敢に取り組んでいますよね。やはり、自分を時代にアジャストしていくみたいなところがあるんでしょうか?

坂口 いやいや、負けず嫌いなだけですよ。だから『テラバトル』をやったわけで、やる以上は作り手も含めて、みんなハッピーにさせてあげたいし。そうすると、自然とそんな情報に向かっていくじゃないですか。今だとやっぱり30代のスマホ系の会社の経営者と会うのが一番面白いですね。むかしのスクウェアを思い出します。

注24)京都にて開催されているインディーゲームのイベント。写真は2016年の『テラバトル』ブース

積極的ですね。

坂口 彼らの話がまた目からウロコっていうか、「そうなってんの、今?」みたいな。そうなると興味っていうか、「何で俺はそんなことも知らないんだ」となるじゃないですか。で、分かろうとするんだったら、やっぱり実体験してみないとなって。
年齢的に自分が完全な(若い)素のユーザーになりきるってのは、ちょっと難しいですけど、なんとか体験を通して、肌で感じたいなと。
たとえば、ユーザーが自分で発信したい、もしくは発信できる時代ですから、それを体験するには、やっぱり「生主になってみるか」とか(笑)
時代の流れってありますよね。多分、ゲームの中身もその流れに乗らないといけないんですよ。ただ、単純に「流れに乗る」「時代を取り込む」ってのは違うかなとも思う。だから実体験して、咀嚼して、自身の中に同化させた上で、今まで通りものづくりをすれば、自然と今の時代も取り込んだものに近づけるんじゃないかなって思います。

常に新しいものを取り入れて、それを発信、提案する姿勢には頭が下がります。では、最後にクリエイティブな世界を目指す若い人たちにお言葉をいただけますか。

(写真 植松伸夫氏とともに)

坂口 「あきらめずに」ですかね。モノづくりって最初から気持ちいいところにはいけないじゃないですか。なかなか自分で納得するものにならないから、やりかたが間違ってると思いがちですよね。でも 「あきらめずに」いやになるくらい試行錯誤を繰り返してるうちにピタっとくる瞬間が必ずきます。それまで最初にそれをやろうと思った「想い」とか「理想」とかを捨てずに、あえて同じ位置や考え方であきらめずにやったほうがいいかなって思います。


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撮影 / 北岡一浩 取材協力 / 仁志睦

著者プロフィール:黒川文雄【インタビュー取材】

くろかわ・ふみお
1960年、東京都生まれ。音楽ビジネス、ギャガにて映画・映像ビジネス、セガ、デジキューブ、コナミDEにてゲームソフトビジネス、デックスエンタテインメント、NHN Japan(現LINE・NHN PlayArt)にてオンラインゲームコンテンツ、そしてブシロードにてカードゲームビジネスなどエンタテインメントビジネスとコンテンツの表と裏を知りつくすメディアコンテンツ研究家。コラム執筆家。アドバイザー・顧問。黒川メディアコンテンツ研究所・所長。株式会社ジェミニエンタテインメント代表。
黒川塾主宰。ゲームコンテンツ、映像コンテンツなどプロデュース作多数。

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