LIVE SHUTTLE  vol. 148

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Mrs.GREEN APPLE 成長し続けるバンドのさらなる輝かしき未来を感じさせたツアー・ファイナル

Mrs.GREEN APPLE 成長し続けるバンドのさらなる輝かしき未来を感じさせたツアー・ファイナル

Mrs.GREEN APPLE MGA MEET YOU TOUR
2017年5月19日@東京国際フォーラムホール A

新しい時代を切り拓いているバンドのみずみずしいエネルギーが炸裂するステージだった。3月1日にスタートして、19カ所、20公演を回るツアーのファイナルとなるのがこの国際フォーラムだ。おそらく彼らは1ステージごとの経験を着実に自分たちの血肉としてきたのではないだろう。勢いあふれるステージであると同時に、歌をしっかり届けること、観客を楽しませることを見事に両立させて、彼らはエンターテインメントとしての完成度の高いステージを展開していた。

大森元貴(vocal、guitar)、若井滉斗(guitar)、髙野清宗(bass)、藤澤涼架(keyboard)、山中綾華(drums)がステージに姿を現すと、大きな歓声が起こった。その声のトーンが高い。客席の平均年齢はかなり若そうだ。オープニングSEが始まり、聞き覚えのあるビートが鳴り響くと、会場内からハンドクラップが起こった。「東京、会いたかったか? 楽しむ準備はできていますか? 最高の1日にしよう」と大森が叫んで始まったのは「Just a Friend」だった。演奏が始まった瞬間から会場内に親密な空気が漂っていく。観客も一緒に歌い、飛び跳ねている。1曲目でステージと客席の距離が一気に縮まっていく。続いての「HeLLo」でもシンガロングが起こっていた。ただ聴くだけじゃなく、ともに参加する体験型のライブ。「アンゼンパイ」のイントロのリフをキーボードの藤澤が奏でると、大きな歓声が起こった。大森が飛び跳ねながら歌っている。大森だけじゃない。若井も髙野も藤澤もジャンプし、走っている。藤澤は光る靴を履いていたのだが、その光があちこちへ移動する。こんなにも運動量の多いキーボーディストはそうはいないだろう。

力強いハンドクラップと熱烈なコール&レスポンスの中で演奏されたのは「Lion」だった。力強くて温かい演奏に観客がダイレクトに反応している。メンバーの思いまでもが真っ直ぐ届いているということだろう。バンドサウンド全開の「おもちゃの兵隊」、繊細な歌声と演奏によって、叙情あふれる世界が出現していった映画「ポエトリーエンジェル」の主題歌「soFt-dRink」、エモーショナルな歌声とスケールの大きな演奏が印象的な「鯨の唄」などなど、バンドの豊かな表現力を堪能できるナンバーが繰り出されていく。

「自由に楽しんでほしいなと思います」と大森。観客が若いだけに、時には客席をリードしながら、開放感あふれる自由で楽しい空間を作るべく、メンバー全員が心がけていることも伝わってくる。起伏とメリハリのある構成も見事だった

大森と藤澤のふたりだけでしっとりと演奏されたのは「我逢人」だ。大森のファルセットまじりの優しく語りかけるような歌声と藤澤の優美なキーボードがじわじわと染みこんでくる。さらに「ホールなのでスペシャルな感じで5人でもアコースティックでやっていいですか?」という大森の発言に続いて、残りのメンバーも再登場して、アコースティック編成で「Hug」も披露された。若井と髙野はアコギを弾き、山中はカホンを叩いている。ゆったりとしたテンポのウォーミーな演奏で、音そのもので観客をハグしていくかのようだった。

「好きに踊って」という言葉で始まった「VIP」からはバンドも観客もさらにスイッチが入って、熱狂的なパーティー空間が出現して、会場内が揺れていく。『うブ』では大森も藤澤も踊りまくり。まだ音源化されていない新曲なのに、会場内が大盛り上がりとなったのは「WHOO WHOO WHOO」だ。大森が若井と肩を組んで歌っている。キーボードも弾けるダンサーと表現したくなったのは藤澤だ。髙野も飛び跳ねながら躍動感あふれるグルーブを作り出している。山中がエネルギッシュなビートを刻んでいる。最新シングル「どこかで日は昇る」のカップリング曲「スマイロブドリーマ」では疾走感あふれる演奏が気持ち良かった。最新のナンバーたちがライブにおける強力な武器となっているところにも、バンドの成長が表れている。

山中のドラムで始まった「Speaking」では大きな声でのシンガロングとハンドクラップが起こった。熱狂がさらなる熱狂を呼び、感動がさらなる感動をもたらしていく。まだ5月なのに会場内が真夏と化したのは「サママ・フェスティバル」だった。客席の中に大きなビーチボール型の風船が舞っている。大森が浮き輪を付けて歌っている。さらにシンガロングの連続で「In the Morning」へ。本編最後のナンバーは「JOURNEY」。聴く人々のまなざしを未来へと向けていくようなパワーを備えた歌と演奏が素晴らしかった。

アンコールを求める拍手の中で、この日が24歳の誕生日だった藤澤に対して、♪Happy Birthday to You♪のシンガロングが起こり、メンバーが登場して、バンドの4人と観客とが一緒に♪Happy Birthday to You♪を歌って、藤澤を祝福する場面も。そのアンコールでは最新シングル「どこかで日は昇る」も披露された。内省的な深みを備えた歌声とヒューマンな演奏が魅力的だ。

「3月から20本回って、長かったし、いろんなことがありました。今日という日を迎えられて、うれしいです。いろんなことを思い出したり、いろんなことを気付いたりするツアーでした。みんなと一緒にこういう空間を作れて幸せです。終わりにしたくないなあ。幸せでした」と大森。この国際フォーラムでもバンドが成長し続けているその瞬間の輝きをステージと客席が一体となって共有していた。アンコール最後の曲「庶機の唄」は藤澤のフルートをフィーチャーしての演奏。観客もともに歌って、ハッピーな空間が出現していく。バンドだけが先に進んでいくのではなくて、観客も一緒に楽しいところへと連れていくような包容力を備えた演奏が見事だった。会場内に漂っていた一体感は連帯感と呼びたくなるようなより強固な絆へと変化していると感じた。さらなる輝かしき未来へ。バンドは着実に、そして力強く、リスナーとともに歩み続けている。

取材・文 / 長谷川誠
撮影 / Hajime Kamiiisaka

MGA MEET YOU TOUR
2017年5月19日 東京国際フォーラム ホールA

セットリスト

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1.Just a Friend
2.HeLLo
3.アンゼンパイ
4.Lion
5.おもちゃの兵隊
6.ツキマシテハ
7.絶世生物
8.soFt-dRink
9.Oz
10.鯨の唄
11.我逢人
12.Hug
13.VIP
14.うブ
15.WHOO WHOO WHOO
16.スマイロブドリーマ
17.SwitCh
18.Speaking
19.サママ・フェスティバル!
20.In the Morning
21.JOURNEY
En-1.StaRt
En-2.どこかで日は昇る
En-3.庶幾の唄

Mrs. GREEN APPLE

2013年4月にバンド結成。Vo./Gt.大森元貴(当時・若干16歳)が発信する楽曲の作品性の高さ、その歌声が女子中高生を中心に広まる。
2015年7月にEMI Recordsからミニアルバム「Variety」でメジャーデビュー。
2017年1月にセルフタイトルの2ndフルアルバム「Mrs. GREEN APPLE」をリリース。オリコン初登場9位にランクイン。3月からは自身最大規模のワンマンツアー「MGA MEET YOU TOUR」を敢行し、ツアーファイナルの東京国際フォーラムホールA公演をSOLD OUTさせた。5月には4thシングル「どこかで日は昇る」をリリース。7月にはデビュー2周年企画「ゼンジン未到とロワジール」を東京・大阪の野外音楽堂2会場にて開催。圧倒的な成長スピードで、いま最も勢いのある新世代バンド。

オフィシャルサイトhttps://mrsgreenapple.com

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