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異色の格ゲー『ギルティギア』、ストーリーモードがすごすぎる

異色の格ゲー『ギルティギア』、ストーリーモードがすごすぎる

1998年にアークシステムワークスから発売されたプレイステーション用対戦格闘ゲーム『ギルティギア』。それ以降もアーケード、コンシューマーで進化を続けてきた『ギルティギア』シリーズは、アメリカで開催されている世界最大規模の格闘ゲーム大会“Evolution Championship Series”、通称“EVO”にもたびたび登場するなど、世界的にも高い人気を誇っている。

そして2017年5月25日、シリーズ最新作である『GUILTY GEAR Xrd REV 2(ギルティギア イグザード レヴツー)』(以下、『ギルティギア レヴ2』)のコンシューマー版がリリースされた。本稿では、格闘ゲームながらアドベンチャーゲームばりのボリュームを誇る本作のストーリー、初心者にも懇切丁寧に気を配ったシステムや各種モードで格闘ゲーム人口を拡大しようとしている本作の魅力を追求していく。

文 / 村田征二朗


格ゲーなのに劇場版アニメさながらのストーリー!

格闘ゲーム、ときには“対戦”格闘ゲームとも称されるそのジャンル名通り、このタイプのゲームではコンピューターとの対戦はもとより、プレイヤー同士の真剣勝負こそが醍醐味であり、実力が近い者同士で戦ったときの興奮は他のジャンルを寄せ付けないものがあります。しかし一方で、ゲームごとのシステムやキャラクターごとの動かしかた、さらには対戦相手が使うキャラクターに対する対策など、上達するために身に付けるべき項目が多く、それまで格闘ゲームを遊んだ経験のないプレイヤーにとってはハードルの高いイメージがあることも事実です。

しかし、それでもキャラクターの魅力に惹かれて「下手だけど格闘ゲームが好き!」という方もいることでしょう。かくいう筆者も、ゲームセンターで乱入されればほぼ確実に負け、そもそもコンピューターと連続で戦っていく、本作で言うところのエピソードモード(俗に言うアーケードモード)でも、コンティニューなしでクリアすることが難しいほどのへっぽこな腕前です。ですが、格闘ゲーム、とくに『ギルティギア』シリーズのキャラクターたちはビジュアルも設定も、その動きも非常に心惹かれるものがあり、下手の横好きではありますが、勝てなくとも遊びたくなってしまうのです。

▲ハードどころかノーマル設定でもコンピューターに負ける程度の腕前なのですが、そんな筆者でも遊びたくなってしまう魅力が『ギルティギア』シリーズにはあります

本作のキャラクターたちの魅力については次回の記事で語っていきますが、今回お伝えしたいのは『ギルティギア レヴ2』が持つ格闘ゲームとは別の一面。もはや本作をアドベンチャーゲームと読んでしまえるほど本格的なストーリーモード、これがすごいのです。

格闘ゲームのストーリーモードと言えば、アーケードモードで戦闘の合間にキャラクターの立ち絵を並べた会話デモが追加される、といったものを想像しますが、本作のストーリーモードはそのイメージを軽く超えており、もう1本のゲームが入っていると言っても過言ではないボリューム、クオリティとなっています。

▲ストーリーモードはなんと5時間以上ものボリューム! おまけとしてではなく、ガッツリと堪能できます。好きなタイミングでセーブできる見やすさもポイント

まず特筆すべきは、格闘ゲームでありながら、ストーリー中にプレイヤーが戦う必要が一切ないという点です。物語上でキャラクター同士が戦う場面はありますが、だからと言ってそこで格闘ゲームが始まるのではなく、あくまでアニメーションでの戦闘を眺めることになります。

このため、従来のアーケードモードをベースにしたストーリーモードにありがちだった、「敵に勝てなくてストーリーの続きが見られない!」という弱小プレイヤーの悲劇や、「余裕で圧勝したのにボコボコにされたことになっている……」という戦闘結果とストーリー展開との乖離も発生せず、純粋に物語を楽しむことができます。

▲格闘ゲームにありがちな“キャラクターを戦わせるための物語”ではなく、“人とは何か”といった壮大なテーマも含んだ骨太な物語が展開するのも魅力的です

また、キャラクターのセリフやナレーションなどはすべてフルボイスで読み上げられるうえに、テキストもオートで進むようになっており、ストーリーモードでは戦闘をする必要がないどころか、ほぼ操作をする必要がありません。まるで劇場版のアニメ作品を見ているかのように物語を鑑賞できるのです。そういう意味では、もはやストーリーモードというよりも、“シアターモード”と呼ぶのが相応しいでしょう。

近年、RPGやアクションゲームで長いムービーが挿入されると、「おいおい、早くゲームを遊ばせてくれよ」と思うことは少なくありません。ここでの問題は、ゲーム中に操作できない時間が挿入され、ゲームプレイを一時的に取り上げられてしまうことにあります。その点、本作のストーリーモードは、格闘ゲーム部分から完全に独立した作りになっているという、その思いきりがまたすばらしいのです。エピソードモードやオンライン対戦の合間に休憩がてら眺めるのもいいですし、空いた時間を使って一気見するのもいいでしょう。プレイヤーが楽しみたいときに自由に楽しむことができるという見やすさ、それも本作のストーリーモードの大きな魅力なのです。