黒川文雄のエンタメ異人伝  vol. 5

Interview

ドラクエ堀井雄二氏(中)ゆう帝、ミヤ王、キム皇、鳥嶋和彦、鳥山明、導かれし者たち

ドラクエ堀井雄二氏(中)ゆう帝、ミヤ王、キム皇、鳥嶋和彦、鳥山明、導かれし者たち

音楽、映画、ゲームなどを総称するエンタテインメントは、人類の歴史とともに生まれ、時代に愛され、変化と進化を遂げてきました。 そこには、それらを創り、育て、成熟へ導いた情熱に溢れた人々がいます。この偉人であり、異人たちにフォーカスしインタビュー形式で紹介するエンタメ異人伝。

今回のゲストは、『ドラゴンクエスト』シリーズの生みの親であり、2017年7月29日にPlayStation 4・ニンテンドー3DSにて発売予定の『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』を手掛けるゲームデザイナー堀井雄二氏です。

※本記事は3回にわたってお届けするインタビューの第2回です。第1回(上)はこちら

インタビュー取材・文 / 黒川文雄


ゲーム作りのキッカケとPC-6001

ゲームをするようになったきっかけというのはどのあたりになりますか?

堀井 大学生のときはやる側で『ブロックくずし』とか『スペースインベーダー』とかをやっていました。そのあたりはやっていたので、コンピューター自体面白いなと思っていました。それで、27歳くらいのときに、お正月に新聞でマイコン特集をやっていたんですよ。「これからはマイコンだ」みたいな記事。その中にハーレクイン・ロマンス(注5)のプロット(注6)をマイコンで作っているとかいう記事があって。ちょうどマンガの原作とか、いろんな読書コーナーとかやっていたんで、じゃあマイコンを買ったらいろんなことができるなと思って買ったんですよ。それがPC-6001(注7)です。

注5)女性向け大衆恋愛小説を出版しているカナダのレーベル書籍。
注6)小説などを制作する際に用いる物語の筋。ストーリーの要約。
注7)1981年にNECより発売されたパソコン。独特の形状をしたオレンジ色のポップなキーボードが特徴で「パピコン」の愛称で人気を呼んだ。

それで、占いのゲームをお作りになったんですよね。超当たるけど、実はプログラムに友達の特性とか、あらかじめ調べて入力してあったという。

堀井 もともと得意だったので、すぐにプログラムを覚えちゃったんですよ。それで、イタズラ好きなんで、何をしたら驚くかなあと思って「占いがいいな」と。INPUT文とPRINT文(注8)だけでプログラムを組んで、こっちの知っていることを全部文章であらかじめ打っておいたわけです。で、生年月日とか名前とか入力させると、それが表示されるみたいな。ハハハ。

注8)どちらもBASIC(当時、使用されていたプログラミング言語)のコマンド。

それは占いの体験者もびっくりしますよ…。「コンピューターってすごい!」ってなりますよね。

堀井 こんなことまで分かるんだってね。だからイタズラですよ、ただの・・・(笑)。

そういうことがお好きなんですか? 人を驚かせるというか、楽しませるというか。

堀井 そうですね。イタズラ好きでしたね。

面白いですね。占いの次に、ゴルフゲームを作られたと聞いているんですけど、それもご自身で全部ですか?

堀井 そうですね。でも、遊びですよ。プログラムを覚えたんで、それが楽しくて。

どういう方法でプログラムの勉強をされたんですか?

堀井 PC-6001に『みんなで使おうBASIC』っていう本がついてきたんですよ。それでBASICを覚えて。でも、BASICは実行がけっこう遅いんです。だから今度は『Z80マシン語入門』っていう16進数のプログラムの本を買ってきて、それを覚えて。アセンブラ(プログラミング言語のひとつ)とかもやりましたね。

普通は本職じゃないとなかなかそこまでやらないですよね。そのモチベーションはどこからきていたんですか?

堀井 遊びだからできたんだと思いますよ。仕事だとツラいです(大笑)。遊びだから楽しいんです。プログラムにしても何にしても仕事でやると大変ですけど、道楽でやっているときって楽しいんですよ。

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