黒川文雄のエンタメ異人伝  vol. 5

Interview

ドラクエ堀井雄二氏(中)ゆう帝、ミヤ王、キム皇、鳥嶋和彦、鳥山明、導かれし者たち

ドラクエ堀井雄二氏(中)ゆう帝、ミヤ王、キム皇、鳥嶋和彦、鳥山明、導かれし者たち

ゲーム・ホビープログラムコンテスト入賞

その後、エニックスさん(現スクウェア・エニックス)の「ゲーム・ホビープログラムコンテスト」で『ラブマッチテニス』が入賞されましたね。かなり作り込まないとそのレベルまではいかないと思うのですが、ご自身としてはいかがでしたか?

堀井 PC-6001で作ったんですけどメモリが32KBくらいしかないので、たいしたものは組めないんですよ。それで、対戦相手にフキダシでいろいろセリフを言わせることにしたんです。セリフはマンガで書いていて、そのあたりは、お手の物だったんで。そういったキャラクター性を持たせたところがウケたんだと思います。

でも、それは画期的なことですよね。当時はそういうフキダシがあってキャラがセリフを言うゲームはほとんどなかったですから。ほかにこだわったことはありますか。

堀井 コンピューターって実はミスをしないようにするのは簡単で、逆にどうミスさせるかのところでけっこう悩みましたね。そこで人間くささが出るんですよ。

そこまで考えられていたとは驚きです。そのあとRPGよりも分かりやすいものを先に世に出していこうということで、いよいよ『ポートピア連続殺人事件』に。

堀井 アドベンチャーゲームというものがあるということは知っていたんですよ。ただ、アドベンチャーゲームって作っても自分では謎解きができない。ネタは全部知っているわけですから、やってもつまんない。でも、たまたま『ラブマッチテニス』が売れて、エニックスから次を作ってくれという話がきたんです。商品化できるということは、人にやってもらえるということじゃないですか。じゃあアドベンチャーゲームを作ろうと。

なるほど、そうだったんですね。

堀井 当時はマンガの原作をしていて、コンピューター上でストーリーを作ってみようと思ったのが『ポートピア連続殺人事件』だったんですが、ゲームにするとなると容量がない。短い中でどうやったら人が一番驚くだろうって考えたのがあの犯人なんですよ。「犯人はヤス」っていう。アハハハ、これもイタズラですね。

でも、ゲーム史に残る名言のひとつですよね。今でも語り継がれていることに関して何か思われていることはありますか?

堀井 いや、ありがたいですね、うれしいです。作った甲斐があったなって。

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