フロム・ソフトウェアのアクションRPGが死ぬほど面白い理由  vol. 1

Report

『ダークソウルⅢ』 死ねば死ぬほど面白い死にゲーの魅力

『ダークソウルⅢ』 死ねば死ぬほど面白い死にゲーの魅力

『デモンズソウル』(ソニー・インタラクティブ・エンタテインメント/2009年)が発売されて以降、『ダークソウル』シリーズや『ブラッドボーン』(ソニー・インタラクティブ・エンタテインメント/2015年)など、フロム・ソフトウェアが作り出すアクションRPGは世界中のゲーマーを虜にしている。どの作品もゲームアワードを多数受賞しており、新たなアクションRPGの金字塔として確たる地位を築いたと言っても過言ではない。

2017年4月20日には、最新作『ダークソウルⅢ』に追加マップなどのダウンロードコンテンツを加えたオールインワンパッケージ『DARK SOULS III THE FIRE FADES EDITION』が発売され、新たにプレイを始めたという人も多いだろう。もはや多くのゲーマーにとって“フロム・ソフトウェア製アクションRPG=期待作”という等式は言うまでもないが、本稿では改めてその完成度の高さと、集大成とも呼べる『ダークソウルⅢ』の魅力をお届けする。”死にゲー”という尋常じゃない言葉の後、このタイトルを聞いたことはあるがプレイしたことはないという人は、ぜひ本稿をきっかけに興味を持ってほしい。各作品のファンである人も、本記事を通して「そうそう、そこが面白いんだ!」と改めてその優れたゲーム性を再確認してほしい。

文 / 村田征二朗


挑戦と挫折の果てにあるクリアの快感

2009年に発売された『デモンズソウル』が世界で100万本以上を売り上げたことを皮切りに、2011年に発売された『ダークソウル』はシリーズ累計売上が1000万本を優に超え、2015年に発売された『ブラッドボーン』も200万本以上の売り上げを記録するなど、フロム・ソフトウェアが世に送り出したこれらのアクションRPGは世界中のゲーマーから高い評価を得ています。

ざっくりと説明すれば、『ダークソウル』シリーズは剣と鎧、魔法や魔物が溢れる西洋ファンタジーの世界でチャンバラアクションをくり広げながら魔物を狩っていく、かなり硬派なアクションRPGです。

▲画像は『ダークソウルⅢ』より。体力や装備品を示すアイコン、そしてゲーム全体のビジュアルはまさに硬派そのもの

『デモンズソウル』や初代『ダークソウル』、『ブラッドボーン』や『ダークソウルⅢ』のディレクターであり、現在フロム・ソフトウェアの代表取締役社長でもある宮崎英高氏は、最新作である『ダークソウルⅢ』で『ダークソウル』シリーズが完結すると語っており、『ダークソウルⅢ』のゲーム性や遊び応えはまさにシリーズの集大成とも呼べます。

アクション自体の面白さはもちろん、フロム・ソフトウェアが手がけたアクションRPGにおける最大の醍醐味は、試行錯誤の果てにボスを倒すなどの目的を果たしたときに得られる大きな“達成感”にあります。舞台がより近代的になった『ブラッドボーン』は、変形する武器や銃を用いたスピーディなアクションが『デモンズソウル』や『ダークソウル』シリーズとは違った興奮を提供していますが、達成感が最大の魅力であるという点は共通しています。

そういった達成感を生み出す源となっているのが、“死にゲー”とまで呼ばれる難度の高さです。どの作品においても、それはもう面白いくらいにバンバン死ねます。ボス戦はもちろんのこと、そこに至るまでのダンジョン探索、ザコ敵との戦いですら、プレイヤーは数えきれないほど命を落とすことになるのです。『ダークソウルⅡ』では全世界のプレイヤーがどれだけ死亡したか、その累計回数を見ることができたのですが、なんと発売から10日もしないうちに世界での死亡回数が1億回を突破したほど、と言えば、未プレイの方にもその死にゲーっぷりが想像できるかと思います。しかしいくら死んでもゲームオーバーになることはありません。ゲームオーバーがあるとすれば、それはプレイヤーの心が完全に砕け折れてしまったときでしょう。

▲よほどの腕前でもなければ、ゲームをクリアするまでに100回以上は見るであろう死亡画面。シリーズをプレイしていると逆に愛着すら湧いてきます

ここまで難しさを強調すると、「それって、バランスが崩壊してるク○ゲーなんじゃ?」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。むしろ、何度も何度も死に、その果てに何とかクリアできる、という絶妙にシビアな難度設定こそが魅力なのです。ここで重要なのは、その難しさが敵の妙な強さや操作性の悪さといった理不尽なものではない、ということです。

『デモンズソウル』、『ブラッドボーン』、そして『ダークソウル』シリーズは全般的に、死亡する理由が “プレイヤー自身の判断ミス、操作ミス”だと感じられる作りになっており、「こんなのクリアできるか!」よりも「しまった!」や「あそこでこう動けばよかった!」といった感想を抱くようになっているので、どれだけ死んでも再挑戦したくなってしまうのです。

▲接近戦が苦手なら、遠くからひたすら矢を撃ちまくるという攻略法もあり。「勝てばよかろうなのだ!」というやつです

ボスに何回も何十回も負け続けるとさすがに頭を抱えたくなるものですが、ひょんなきっかけから相手の隙や弱点が見つかることもあり、突破口を発見したときの逆転感がまた大きな興奮を呼ぶのです(ただしそこで調子に乗ると死にますが)。

ゲーム全体を通して、この“難関に挑み、挫折し、試行錯誤の果てに突破する”というプロセスをくり返していくことになるのですが、ひとつひとつの難関に挑戦する際のひりつくような緊張感、そしてクリアしたときに得られる、大きな、非常に大きな達成感にはかなりの中毒性があります。苦戦したボスを倒した瞬間の、まさに“達成”した、“やってやった!”という感覚は、スポーツなどで新記録を出したかのような充足感にも近く、一度味わってしまえば病みつきになることは間違いなしなのです!

▲チュートリアルと言えどボスとの戦闘はかなりのスリルです。ボスの体力が残り少しになったからと言って攻め急ぐと……

▲身を以て“「あと一撃!」の焦りが死を招く”というありがたい教訓を学ぶことに。ボス戦では油断も焦りも禁物です

『ダークソウルⅢ』でも、このハードかつ絶妙な難度設定は美しいと言えるまでの完成度を見せています。とくに、初代『ダークソウル』や『ダークソウルⅡ』で豊富だった武器や防具は本作でもかなりの数があるうえに、敵の持っている武器や身に着けている防具が手に入ることも多く、装備の使い分けがより一層楽しめるようになっています。試行錯誤の面白さはシリーズ随一と言ってもいいでしょう。ゲームに遊ばされるのではなく、“自分でゲームを遊んでクリアする”という快感をこのうえなく味わえるこの神ゲー、遊ばずにおくには惜しすぎます!

vol.1
vol.2