Review

B’zという生命は、またも燃える。再始動を飾る新作リリース!

B’zという生命は、またも燃える。再始動を飾る新作リリース!

“戻るために遠くに行く”ということがある。

戻るべき場所をはっきりさせるために“戻る”という行為を自らに課し、その行為を遂行するために、敢えて自分を遠くに位置させるのである。判りやすい例で言うなら、「旅に出ること」があげられるだろう。戻るべき=帰るべき家(のようなところ)が“あらかじめ与えられた家”ではなく、本当に意識上に戻りたい場所として思えるかどうか? それは、遠く離れてみないとわからない。僕は日本人であるから、地球上で日本の真裏と言えばブラジルあたりの南アメリカとなるけれども、ペルー共和国に行った時は、特に「早く日本に戻らなければいけない」とは思わなかった。だが、日本からの距離はさほどではないけれど、インドのアンダマン諸島に行った時は、「ここに居てはいけない、戻らなければいけない」と意識した。それは交通上のアクセスがむずかしいということだけではなく、「このように美しい光景を見続けてはいけない」というような、自分に対するある種、戒め的なジャッジメントだったのだろう。その判定がよかったのか悪かったのかは別にして、ひとつ言えることは、戻るという行為を明確にしたのは事実である。

 2015年3月13日、B’z LIVE-GYM 2015 -EPIC NIGHT-の壱岐文化ホールにて「Las Vegas」の音を身体に受け止めている時は、我が人生において最高部類に属する多幸感に包まれた。♪あいつらと飲んでのは 気持ちいいし 何も問題もない〜と稲葉浩志さんが歌ってくれることで、「その、あいつらに、僕も含まれていたらいいな」と思った。だが、アンダマン諸島で意識した「このように美しい光景を見続けてはいけない」なる想念と似たものが、松本孝弘さんにも稲葉さんにもあったのかもしれない。

 その後の、2人のソロ活動は、周知の通り。

 松本さんは単独活動からダニエル・ホーさんとのアルバム制作に向かい、稲葉さんはスティーヴィー・サラスさんとのアルバム制作へと至った。

 本稿を読み進めている読者諸氏には、おおよその見当がついているだろう。そう、松本さんと稲葉さんがB’zという戻るべき場所に戻ってきたCDがリリースされたのである。

 「声明」は、簡潔にして高難度なドラム・ソロからスタートする。新しいミュージシャンたちと共に演りながら、松本さんはTAK TONEのトーン・コントロールを“華麗に制御”している。そして、レニー・カストロ氏の卓越したパーカッションにより、つい踊りたくなってしまうB’zの原味をより強くしていると思うのは、僕だけではあるまい。

以前「歌詞にはならないような言葉を探している」と発言した稲葉さんのリリックは、「声明」から生命へ、生命から清明へ、そして、清明から姓名へという連関という名の循環を指し示している。

私見では「声明」という音楽シングル・タイトルは、かつてないであろう。

 「Still Alive」は、松本さんのオリエンタル・メロディを“高速&ロック”に仕上げた、B’zの戻るべき場所を判らしめるナンバー。松本さんのギター・ソロに懐かしくも新しい「TONE=風潮」を感じる。

 他の2曲「世界はあなたの色になる」と「フキアレナサイ」も、今回1枚のCDに収録されたことで、途切れないB’zの時間軸をもつかめるだろう。CDになることで、自分の手元にしっかりある感覚を見つけることは、古い音楽ファンのみならず、とても大事なことだろうと思うのである。

 文 / 佐伯明

ライブ情報

B’z LIVE-GYM 2017-2018の開催決定!

12月14日(木) 北海道立総合体育センター 北海きたえーる
12月16日(土) 北海道立総合体育センター 北海きたえーる
12月17日(日) 北海道立総合体育センター 北海きたえーる
12月23日(土・祝) 福岡ヤフオク!ドーム
12月24日(日) 福岡ヤフオク!ドーム
12月30日(土) ナゴヤドーム
12月31日(日) ナゴヤドーム
1月7日(日) 東京ドーム
1月8日(月・祝) 東京ドーム
1月13日(土) さいたまスーパーアリーナ
1月14日(日) さいたまスーパーアリーナ
1月20日(土) サンドーム福井
1月21日(日) サンドーム福井
1月27日(土) 宮城 セキスイハイムスーパーアリーナ
1月28日(日) 宮城 セキスイハイムスーパーアリーナ
2月1日(木) 京セラドーム大阪
2月3日(土) 京セラドーム大阪
2月4日(日) 京セラドーム大阪

B’z

TAK MATSUMOTO / 松本孝弘 ギター及び作曲、プロデュースを担当 3月27日生まれ 大阪府出身
KOSHI INABA / 稲葉浩志 ヴォーカル及び作詞を担当 9月23日生まれ 岡山県出身
http://www.bz-vermillion.com/biography/

オフィシャルサイトhttp://www.bz-vermillion.com/