LIVE SHUTTLE  vol. 160

Report

【音楽×アニメ】のライブイベント「MUSIC THEATER 2017」が予感させたアニソンの更なる躍進

【音楽×アニメ】のライブイベント「MUSIC THEATER 2017」が予感させたアニソンの更なる躍進

去る5月27、28日の2日間、ソニーミュージックによる音楽とアニメのコラボレーションをテーマとした大型ライブイベント「MUSIC THEATER 2017」がさいたまスーパーアリーナで開催された。両日ともに20組ものアーティストが出演し、アニメにまつわる楽曲を次々と披露。しかもステージ上のスクリーンにはその楽曲が起用されたアニメ作品の映像が映し出されるという演出で多くのアニメファン、音楽ファンを歓喜させる内容となっていた。

トップバッターはLiSA。「魔法科高校の劣等生」オープニングテーマだった「Rising Hope」で勢いよくイベントの幕開けを飾る。アニメとの親和性の高さを見せつけつつも、彼女が歌う楽曲は純度の高いロックでもある。だからこそ、アニメファンのみならず、音楽ファンにも熱く支持されている。その存在は言わば、アニメシーンと音楽シーンの橋渡しを担うものであるだろうし、そこにある垣根をぶち壊す役目をも持っているのは明白。それは、このイベント自体に込められた大きなテーマや意義に通ずるものだったようにも思う。

LiSA

美しいソプラノボイスでオペラを想起させる世界を展開したELISA、アコギをガシガシとかき鳴らしながら激情をほとばらせたシンガーソングライター・さユり、三月のパンタシアは逆光となる照明の中、伸びやかなボーカルを響かせた。劇伴作家として高い人気を誇る澤野弘之は自らのボーカルプロジェクト・SawanoHiroyuki[nZk]として出演し、3人の女性ボーカルをフィーチャ-して澤野らしい独自のサウンドを披露。声優としても長いキャリアを持つ戸松遥は、シンガーとしてハッピーなパフォーマンスで会場を大きく湧かせる……と、間髪入れずに登場する様々なアーティストたちはわずかな持ち時間の中で、独自の音楽性、独自の表現方法をしっかりと叩きつけてくる。そのめくるめく時間に身をゆだねていると、アニメと音楽のかかわりにはもはや“アニソン”という言葉ではひとくくりにできないほどの奥深い世界を感じることができたし、アニメシーンの隆盛の理由の一端を鮮烈に感じさせられたような気がした。

ELISA

さユり

SawanoHiroyuki[nZk]

戸松遥

前半ラストは、デビュー15年目に突入したFLOW。純然たるロックバンドとしてデビューした彼らはいつしかアニメとのかかわりの中で、バンドとしての新たな可能性と、活動フィールドの広がりを手に入れた。そのキャリアと自信に裏打ちされたパフォーマンスは有無を言わせずに会場をひとつにまとめあげていく。

FLOW

休憩を挟んでの後半戦、一発目に登場したシドもまたアニメシーンとクロスオーバーしながら軽やかに活動をしている印象。会場に巻き起こる男性ファンからの大歓声に対し、ボーカルのマオは「普段と違って太い声が(笑)。野郎大好き! やる気出た!」と嬉しそう。アニメへの愛情を注いで楽曲を生み出しているアーティストに対して、アニメファンは分け隔てなくエールを送るし、純粋にその音楽を認め、愛し尽くしている。そのやり取りが心地よい。

シド

その後もバラエティに富んだアーティストが息つく暇もなく登場。花道の先に用意されたセンターステージにてピアノをバックに圧倒的なボーカルを聴かせてくれたAimer、人気声優3人によるユニット・TrySailはキュートでポジティブな魅力に溢れた歌とダンスでで割れんばかりの大歓声を巻き起こす。GARNiDELiAとのコラボ曲を含め、息の合ったパフォーマンスを見せたのはClariS。そして、壮大なスケールを描き出す荘厳なハーモニーで唯一無二の世界観を構築したKalafinaでイベントは幕を閉じる……かに思われた。ここまでで発表されていたすべての出演者が歌い終えていたわけだが、ラストにシークレットアーティストが控えていた――それがT.M.Revolution!

Aimer

TrySail

Kalafina

T.M.Revolution

突然の“アニキ”の登場に、大きく湧きあがるオーディエンス。「INVOKE-インヴォーク-」や「ignited-イグナイテッド-」など、アニメファンのみならずともトリコになったであろうキラーチューンの数々が圧巻の歌声で会場に放たれていく。それによりイベントは最高のクライマックスを迎えたわけだが、それ以上に印象だったのは彼が真摯に伝えた“アニソン”への熱い思いだった。

「音とアニメがひとつになって新しいものを生み出す――その始まりが2002年の『機動戦士ガンダムSEED』からでした。僕らの思いを真摯に受け止め、楽しみ、愛してくれるみんながいたから今があります。」

「僕は96年にデビューしました。20年前、アニメのヒットソングではTVに出られませんでした。ふざけんなよ! 気持ちが入っている作品に優劣なんてつけるな! でも、ここにいるみんながいたからここまで僕らは続けてこられたし、たくさんのアーティストが生まれたんだと思います。」

T.M.Revolution

“アニソン”はヲタクのものというイメージを持ち、軽んじている人もいまだにいるのかもしれない。そんな人にこそ、現在の“アニソン”がどんな状況になっているのかをリアルに体感してもらいたいと心から思った。そこにはシビアな耳を持って本当にいい音楽だけを受け取ろうとしているファンたちがいるし、その期待を上回る楽曲を作り、アニメ映像との融合で新しい世界を切り開こうとしているアーティストたちが無数にいるのだ。そんなことを明確に提示した「MUSIC THEATER」というイベントは大成功だったと思う。これからも“アニメ×音楽”による最高の体験を世に伝えていくべく、定期的な開催を激しく期待したい。

取材・文 / もりひでゆき

MUSIC THEATER 2017
@さいたまスーパーアリーナ 2017年5月28日 セットリスト

【LiSA】
Rising Hope
crossing field
Rally Go Round
Catch the Moment
【雨宮天】
Skyreach
【GARNiDELiA】
ambiguous
griletto
約束 -promis code-
【ELISA】
REALISM
EONIAN-イオニアン-
【高垣彩陽】
君がいる場所
Rebirth-day
【さユり】
平行線
ミカヅキ
【三月のパンタシア】
はじまりの速度
フェアリーテイル
【SawanoHiroyuki[nZk]】
Into the sky
aLIEz
gravitywall
【戸松遥】
courage
Girls, Be Ambitious.
Q&Aリサイタル
【FLOW】
DAYS
WORLD END
GO!!!
風ノ唄
【シド】
モノクロのキス
硝子の瞳

【綾野ましろ】
NEWLOOK
ideal white
【Aimer】
Brave Shine
StarRingChild
【CHiCO with HoneyWorks】
アイのシナリオ
今日もサクラ舞う暁に
【EGOIST】
KABANERI OF THE IRON FORTRESS
【春奈るな】
Overfly
ステラブリーズ
Ripple Effect
【TrySail】
High Free Spirits
whiz
adrenaline!!!
【ClariS × GARNiDELiA】
clever
【ClariS】
ヒトリゴト
コネクト
【Kalafina】
<overture> 〜 Magia
heavenly blue
アレルヤ
One Light
【T.M.Revolution】
INVOKE -インヴォーク-
ignited-イグナイテッドー
vestige -ヴェスティージ-
HEART OF SWORD ~夜明け前~

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