Interview

藤井フミヤ・尚之によるユニット“F-BLOOD”9年ぶりのアルバム! 遊び心いっぱいの仕上がりを2人に訊く

藤井フミヤ・尚之によるユニット“F-BLOOD”9年ぶりのアルバム! 遊び心いっぱいの仕上がりを2人に訊く

なんと9年ぶりとなるF-BLOODのニューアルバム『POP ’N’ROLL』が、藤井兄弟から届いた。藤井兄弟とは、いわずと知れた藤井フミヤ&尚之のポップ・ブラザーズ。兄弟ならではのハーモニー・サウンドを武器に、ソロでもグループでもない音楽で独特のポジションを築いてきた。
キャリアを考えれば、新作はシブい歌モノやじっくり聴かせるバラードが中心の作品になるかと思いきや、『POP ’N’ROLL』はそのタイトルどおり、J-POP&J-ROCKのオリジネーターらしくポップなロックンロールが12曲、ズラリと並ぶ。サウンドの要は、フミヤの前作『大人ロック』を手掛けたプロデューサーの大島賢治で、遊び心いっぱいのアイデアを惜しみなく提供している。
「一体、どこにそんな元気があるわけ?」と思わずストレートに問いかけたくなる気持ちを、グッと押さえて2人にぶっちゃけインタビューしてみた。

取材・文 / 平山雄一 撮影 / 森崎純子


身体の中に入ってるわけだから、わりとすんなり作れるもんだなあっていう

9年ぶりのアルバムですね。

フミヤ そう、9年ぶり。気が付いたら9年経ってた。それも、周りから言われて初めて気付いたって感じ。

これまで、F-BLOODをやろうとは思ってたんですか? それとも、本当に忘れてたの?(笑)

フミヤ ずっと、やろうと思ってましたよ(笑)。

尚之 ただ、タイミングがなかなかなくて。

フミヤ これを逃すと25周年とか30周年になるじゃないですか。30周年になると、自分らもちょっと危ういもんねえ(笑)。だから、「あ、これは今、やっといたほうがいいな」と思って。

尚之 「じゃ、とにかく曲作っとくわ」みたいな感じで。

フミヤ 最終的にサウンド・プロデューサーの大島くんとやるってことになった。最初はもうちょっと渋いロック、のんびりやれるロックみたいなのを考えていたんだけど。

尚之 まあ年齢も考えてね。

いやいや、今回は曲もアレンジも派手だよね。しかも12曲も入ってることにビックリした(笑)。

フミヤ そう!(笑)。だって大島くんだから、明るく派手なロックンロールで行こうぜっていうことになって、渋めっていう考えは捨てた。もう、最後になるかもしれないから、こういう若くて派手なものをやろうって。

あはは、最後って!

フミヤ 大島くんありきで立てたコンセプトですね。前作の『大人ロック』をやって、その流れで「大島くん、F-BLOODもやらない?」みたいな(笑)。『大人ロック』をやったことによって、俺は若返った。その前のアルバム『Ants』は、ちょっと暗い哲学チックなロックだったから、「もう、そんな難しいことは言わない」みたいな(笑)感じもあり。F-BLOODも、もうちょっと若返ろうかなと思って。

全部、大島くんのせいですか?!(笑)。それにしたって、12曲入りは張り切ってるよね。

尚之 だってポップなアルバムにしようと思ったら、1曲が必然的に短くなるじゃないですか(笑)。短いから、たくさん入れようと。この手のポップな感じの曲っていうのは、普通に4分以内。それが10曲ぐらいだと、なんか少なく感じてしまう時代だから。

でも尚ちゃんはついこの前、自分のアルバム『foot of the Tower』を出したばっかりじゃないですか。

尚之 大丈夫、大丈夫! 自分のと並行して書いてたんですよ。

「年齢的にも派手なものは最後になりそう」っていうところを、もうちょっと話してください(笑)。

フミヤ いやいや(笑)。要は、アルバムを作ると、ライブでパフォーマンスもやらなきゃいけないじゃないですか。

そうかあ!

フミヤ うん。この派手な楽曲をライブでやれるかと。で、まあ、まだギリギリ動けるんじゃねえかと思って。

30周年になると、ちょっと怪しいかなって(笑)。

フミヤ うん、60歳超えるからね。

尚之 「おっさん、無理してんじゃね?」って(笑)。

ははは!

フミヤ ミック・ジャガーを見たら、65歳ぐらいまではやれそうだけど。

尚之 でもね、思ったんですよ。今回のポップな曲って、無理くり作ったわけじゃない。結局、自分たちはそういうもので育ってきたから、身体の中に入ってるわけだから、わりとすんなり作れるもんだなあっていう。

ああ、こういうポップなものがね。

尚之 そうそう。「出来る」っていう言い方も変ですけど、「全然普通にやれるもんだなあ」みたいなところもあって。でもこれは、そういうポップなところを経験した人間じゃないと、逆に作れないのかもしれないなって。

そうかもしれないね。

フミヤ で、今はロックンロールの「ロック」じゃなくて、「ロール」の部分が難しいと思うんですよね。今の若いバンドたちは、この「ロール」の部分があんまりないよね。「ロックバンド」と言いながら、あんまりグルーブしない(苦笑)。

四つ打ちの曲ばっかりだからね。

フミヤ そうそう。四つ打ちばっかな上に、プラトニックな感じの愛ばっか歌ってるからね(苦笑)。

そうだね(苦笑)。草食系ばっかりかも。

尚之 ダイナミックなラブソングが少ないよね(笑)。

若い人に聴いてほしいっていう気持ちもあった。だって若い子は英語好きだなと思って(笑)

1曲目の「ROCK BAR」は、アルバム全体が、とあるロックバーで起こった出来事みたいなふうにも考えられる感じの歌ですね。しかも♪快楽のNever land♪っていう“肉食系”の言葉が入ってる。

フミヤ そう。だから歌詞の内容も含め、これが1曲目だろうなあと。

尚之 しかも、これが最初にできた。それこそ、大島くんとやるって決まる前に書いてた。

フミヤ 歌詞ももうスパッと書きましたね。

尚之 めちゃくちゃ早かったんじゃない?

フミヤ うん。ものすごい速さで書いた。他の曲の歌詞も、ほとんど悩まないで書けた。今回はねえ、珍しく歌詞に英語をめっちゃ多用したんですよ。俺、若い人に聴いてほしいっていう気持ちもあった。だって若い子は英語好きだなと思って(笑)。

(一同笑い)

ははは! 単純!

フミヤ 単純だけど(笑)。今、けっこうそういう曲が多いでしょ。それと、ロックンロールは英語のノリがいいよねと思って。そんな難しい英語は使ってないから、聞き流しCDみたいに、移動とか掃除しながらとか、そういう感じで聴いてもらえばいいかなと思ってたんで。だから韻の踏み方とか、すごく気にして書いてます。

2曲目の「Want Chu」は、いきなり尚ちゃんのリードボーカルだね。

尚之 今まではおとなしめの曲ばっかりを歌ってたんで、歌ったことがないタイプの歌をちょっとやってみようかなって。

フミヤ 「こういうロックンロールも歌っとけば?」みたいな。

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