Interview

内田真礼 新作は真礼とデート気分な恋愛ソング。素の部分を開放したという心境を訊く

内田真礼 新作は真礼とデート気分な恋愛ソング。素の部分を開放したという心境を訊く

2014年、シングル「創傷イノセンス」で鮮烈なデビューを飾り、今年2月には、国立代々木競技場第一体育館でのワンマン2デイズ公演を大成功させた声優アーティスト・内田真礼。本業の声優活動では、TVアニメ『中二病でも恋がしたい!』で大ブレイクし、『アイドルマスター シンデレラガールズ』を筆頭に、人気と実力を兼ね備えた若手女性声優の代表格として、数多くのアニメ作品で魅力をふりまいている。そんな内田真礼が、アーティストデビュー丸3年を迎えて今年6月21日、5枚目となるニューシングル「+INTERSECT+」をリリースした。『中二病でも恋がしたい!』時代からの朋友である、アニソンアーティスト・ZAQと声優・上坂すみれを迎えた「+INTERSECT+」。彼女と友人たちとの出会いと友情、ファンへの愛をめいっぱい詰め込んだ意欲作について、たっぷりと語ってもらった。

取材・文 / 阿部美香


「+INTERSECT+」は、私の素の部分を開放するものにしたかったんです

今年の春でアーティストデビューから丸3年が経ちましたね。

はい。この3年間はいろんなことがあったので、1年目、2年目が遠い過去な感じがします。なので、まだ3年か!というのが正直ところで(苦笑)。最初の頃は、ライブで1曲歌うだけでも疲労していた私が、今年2月の代々木第一体育館のセカンドライブでは、20曲歌いきれるだけの体力もつきました。「3年経つと、人間ここまで変わるんだな」と自分でも驚くくらい変化があって、すごく濃密な3年間を過ごさせてもらったなぁと、感慨深いですね。

声優アーティストの方に話を伺うと、みなさん最初は「役ではなく、自分自身としてどう歌えばいいのか?」に悩まれたという方が多いんです。内田さんはいかがでしたか?

そう、私もそうでした。最初はどうしても、私が演じたキャラクターの声として聴いてくださる歌と、私本来の声や歌をどこで差を付けようかと、ずっと悩んでいました。でも、去年の2月に中野サンプラザでファーストライブをやらせていただいた時に、「ライブで歌うの、メッチャ楽しい!」と吹っ切れたんです。気持ちがすごくラクになったし、歌い方にも「私はこう歌いたいんだ」という気持ちを、もっと乗せられるようになりました。

プレッシャーなく、心から音楽を楽しめるまで、けっこう時間がかかりましたね。

そうですね。それまではアニソンフェスに出ても、納得いくパフォーマンスができなくて悔しい想いもしたし、反省することばかりで。そもそも、ステージに上がって、どこを見て歌えばいいのかも分からなかったんですよ。自分に自信がないから、客席じゃなく、遠い上のほうを見ちゃったりして(笑)。

ライブは楽しいけど、全部、ひとりで背負い込んでいた感覚があったんですかね?

そうなんです。それがなくなったのが、今年2月のセカンドライブ。サポートをしてくれている真礼バンド、舞台監督、スタッフさんたちが、後ろにいてくれるんだ!という安心感を感じられて、気持ちに余裕ができたんです。だから、何千人というたくさんのお客さんにも、素直な気持ちで向き合うことができました。

もう、遠い目はしないぞと(笑)。

そう! 虚空を見つめていた私が!(笑)とくにフェスだと、みんな違うアーティストTシャツを着ていらっしゃるから、例え私に手を振ってくれていても、私のことなんかホントは観てないだろうって思ったりもしていて。

「どうせ私なんか……」と。

そうなんです。一度、フェスのMCで「今日は、敵地に来てるみたい」と言ったこともあったし(苦笑)。でも、私が歌でやるべきことは、ワンマンのようなホームじゃない場所を、アウェイじゃなくすること。今は、「私のファンじゃない方たちも、みんな取り込んじゃえ!」と思えるようになりました。

それがこの3年間で確立した、声優アーティスト・内田真礼としてのアイデンティティなんでしょうね。それが今年はさらに大きく膨らんでいる気がします。今年1月にミニアルバム『Drive-in Theater』をリリースされましたが、その時のインタビューを拝見したら、自分自身を詰め込んだ『Drive-in Theater』は2016年の集大成。2017年はもっと自分を開放していきたいとおっしゃっていたのが印象的でした。その意味でも、2017年の初シングルとなる「+INTERSECT+」には、アーティストとしての新たな想いが、詰め込まれたんじゃないですか?

はい、そうだと思います。『Drive-in Theater』は一言でいうと、私の名詞代わりの1枚でした。「内田真礼はこういう人です!」と、みなさんに知ってもらえるように、“私の好き”をめいっぱい詰め込みました。だから「+INTERSECT+」は、私の素の部分を開放するものにしたかったんです。「今、私が歌いたいものはこれ」、「私は今こういう気持ちなの」というのを、ZAQさんに伝えて作詞・作曲してもらったので、すごく内田真礼っぽいものにできたなと思っています。

例えばどういうことでしょう、内田真礼っぽさって?

うーん……ウソがつけないとか(笑)。初対面の人にも分かってしまうくらい、どんな気持ちでいるかが、ストレートに顔に出ちゃうんです、私。だからこそ、格好つけず、恥ずかしがらずにすべてを表に出すことが、自分らしいカラーなんだなと、最近とくに思うようになりました。

最近? 何かきっかけがあったんですか?

やっぱり、『Drive-in Theater』を作ったからですね。思い切って、自分の好きなものをモチーフに曲を作ってもらったので、「こんなに自分を出して大丈夫なのかな?」と悩みながらセカンドライブにも臨んだんですけど、結果、みんなが素の私を受け入れてくれて、好きなことを好きと言うとか、自分らしいと思うものをみんなに聴いてもらうことが、大事なんだなって分かりました。だから私も、27歳の内田真礼の全部を見せることが、音楽をやる上で、自分が今できる最大のことだと思っています。

ということは、「+INTERSECT+」の歌詞には、内田さん自身のことが描かれているんですか?

ですね! もちろん、私を知らない方には恋愛ソングとして聴いてもらえる一面もあるんですけど、ZAQさんと私が出会って、これからも一緒に頑張っていこうという、私たちの関係も描いているダブルミーニング的な曲になっています

いつか実現したいなぁと思っていた夢が、一気に叶った幸せなシングル

ZAQさんと内田さんの出会いといえば、内田さんが小鳥遊六花役で出演された『中二病でも恋がしたい!』ですね。ZAQさんが作詞・作曲されたエンディングテーマ「INSIDE IDENTITY」を、ユニット“Black Raison d’être”として歌ったのが最初?

はい、もう5年くらい前になりますね。ZAQさんは、レコーディング中ずっと、「六花ちゃんかわいい!」って言っていました(笑)。それは今でも変わらなくて、私が内田真礼として一緒にレコーディングをしていても、「真礼ちゃんかわいい!」ってずっと言ってくれるんですよ。同世代の友人というよりも……すごく彼氏っぽい(笑)。今回、私の音楽に作家として参加してもらうことになって、初めてふたりだけで食事に行ったんですけど、一緒に写真撮ってもZAQさんが男前すぎて、カップルがデートしている写真みたいに見えるんですよ、あははっ!

そんなふたりが、アニメ作品を離れてアーティスト同士としてコラボレーションするのは、今回が初めて。『中二病でも恋がしたい!』時代からのファンにとっては、ついに!という喜びがありますね。

そうなんです。今までもZAQさんにラブコールは送ってきたんですけど、なかなかタイミングが合わなくて実現しなかったんです。しかも今回は、カップリングの「魔女になりたい姫と姫になりたい魔女のラプソディー feat.上坂すみれ」もZAQさんが作ってくれた曲。『中二病でも恋がしたい!』で一緒だった上坂すみれちゃんと、今度は私の歌でコラボできて、ますます「ついに!」感を感じてもらえると思うんです。“INTERSECT”には“交差”という意味があるんですけど、まさに私とZAQさんと上坂すみれちゃん3人の想いが交差して、いつか実現したいなぁと思っていた夢が、一気に叶った幸せなシングルになりました。

夢が交差する……いい言葉ですね。

さっきもちょっとお話したんですけど、「+INTERSECT+」の歌詞がまさにそれなんです。ZAQさんと私の音楽活動は、しばらくの間平行線をたどってきたけど、そんなふたりがこの機会を得て、再び出会って、道が交差したことを喜べる曲にしたかったです。そして、ZAQさんすごい!ってさらに思ったのが、タイトルの書き方で。