Interview

赤い公園が届けてくれた「いつだって青春」という想いがつまった魂の1曲!

赤い公園が届けてくれた「いつだって青春」という想いがつまった魂の1曲!

2017年2月、4月、6月でのリリースのトリを飾る赤い公園のニュー・シングル「journey」が発売された。2017年第1弾は、和テイストも持った痛快な楽曲「闇夜に提灯」、第2弾は、赤い公園としては異例とも言える、今世紀最大の“きゅん”を詰め込んだ「恋と嘘」と異なるタイプの楽曲をドロップし、幅広い音楽性と完成度の高さを披露してきた。
そのトリを飾る「journey」は、この曲のキーになる佐藤千明の叫びから始まるミディアムロックチューン。大切なものは何なんかを考えさせられる、連続リリースのトリにふさわしい楽曲になっている。
魂がこもった楽曲が完成した経緯について、津野米咲に話を訊いた。いつだって青春のど真ん中ということを感じてほしい。

取材・文 / 山田邦子 撮影 / 荻原大志


ずーっと旅の途中というか、いっちょまえになりきらず、とにかく進め!

“にー、しー、ろーでシングル出します!!”ということで、2月の「闇夜に提灯」、4月の「恋と嘘」に続く「journey」が完成しました。シングル3枚って結構な作業量ですよね。

とりあえず「アルバム作りたいよね」っていうのがいつも最初にあるんですけど、私、長距離苦手なんですよ。短距離走だったら…と思ったんだけど、さすがに3枚って、マジ調子乗ってました(笑)。やってもやっても出来上がっていかない!みたいな感じ、初めて味わいました(笑)。

お察しします(笑)。

特に今回の「journey」に関しては、シングルで行こうってなるまでにアレンジの面でかなりの段階を経てるんですよ。納得いくまでみんなでスタジオでやってみて、それでもさらに変更して、歌詞も変えたりして。でもメンバー全員これはいい形で出したいっていうのが強かったから、意地になって頑張ったんです。

意地になるほどこだわったこの曲には、どんな思いが込められてるんでしょう。

この曲を作った私達だけじゃなく、聴いてくれる人達ひとりひとりも含め、ちゃんと若いままいられたらいいなあとかではなく、精神的にヤングを貫こうぜって。青春っていうものはひとりひとり違うと思うけど、これをやったら正解だっていう「正解」を持ってしまわずに、ずーっと旅の途中というか、いっちょまえになりきらず、なったつもりにならず、とにかく進め!っていうメッセージを込めたんです。

それは、何かきっかけがあって?

ずーっとやってくれてる、うちの楽器テックのマツムラタダシさんって人がいるんですよ。ちょっとおかしな、浅草で昼から飲まれてるような方なんですけど(笑)、そのタダシさんがいつも「死ぬまでヤング!」って言うんです。タダシさんの中でしか流行ってないんだけど(笑)、私はそれがすごく好きで。その口グセが、ヒントになったんです。

実際歌詞にも使われている重要なフレーズですけど、津野さん的にはどう引っかかったんでしょうか。

タダシさんが言う「死ぬまでヤングでいようぜ!」って、私が(カップリングの)「いっちょまえ」に書いたようなことに聞こえるんですよ。つまり、いっちょまえになったと思ってんじゃねーぞ、バーカ!って。
いつもそう言われて「なんだソレ!」って笑い飛ばしてるけど、本当はすごく背筋が伸びるというか。たしかに失うものなんてまだまだ全然ないはずじゃないかって、リセットされるんですよね。だから、そういう曲になったらいいなと思ったんです。これ、全然優しい歌じゃないんですよ。自分に対しての説教みたいなところもあるし。ありのままの旅というもの、青春というもの、自分が感じているままのものを詰め込んでるんです。
サビの2行目で「掴んだつもりのふわふわのglory」ってあるんですけど、<掴みに行くのがjourneyだけど、掴んだつもりになったらいけないな>ってこともすごく思った。ハムスターがガラガラガラ〜ってずーっと回ってるじゃないですか。あんな感じ。ずーっと終わらないんだって思ったら、あぁ、ずっと青春なんだって気がついたんです。

なるほど。

でもこれは結構前からの、自分の指針みたいな感じでもあるんですよね。こういう考え方って。人の正解を追いかけて行くよりも、あなたにしか出来ないことがあるんちゃうん?って。この哲学に則って日々生きてるというか、今までの赤い公園の曲も、この哲学に則って作られている感じがするんですよね。どんどん大人になっていって、考え方も変わっていくかもしれないけど、赤い公園というバンドをやっている上でいちばん真ん中にあるものかなって。

しかし「死ぬまでヤング」って、よくよく考えるとすごい言葉ですよ。

ヤングって直訳すると「若い」だけど、向こうでは<若者>って言葉はないらしいですね。大人と子供の間の<若者>って。

日本独自の解釈?

みたいですよ。子供を子供扱いしないとか、学校卒業した段階から大人だとか、そういう考え方みたいだから。

じゃあこの日本では、大人でもなく子供でもない、曖昧な数年間が設けられてるってことなんですね。

ってことですよね。でも結構そこにロマンが詰まってたりするじゃないですか。日本の映画作品とかでもその年代をフィーチャーしたものが多いし。そうやって、ヤングについて考えたんですね。いわゆるヤングって渋谷の若者達みたいな感じだけど、そもそもはもっと精神的なものに使うのかなって。だからおじいちゃんに対しても「ヤングだね」みたいなことを言うんだろうし、色とか絵を見ても「ヤング」って言葉がひょっとしたら使われるんじゃないかなって。本来はね。これは、そういう意味での「ヤング」なんです。