LIVE SHUTTLE  vol. 166

Report

miwa、アリーナツアー最終日に「スプラッシュ!」。水の循環=感情をめぐる世界を美しく具現化

miwa、アリーナツアー最終日に「スプラッシュ!」。水の循環=感情をめぐる世界を美しく具現化

人体の60パーセントは水でできていると言われている。人が流した涙や汗は蒸発して雲になり、恵みの雨として森や林に降り注ぎ、やがて川を流れ、海に渡り、飲み水や蒸気として、私たちの心と体を潤してくれる。また、コップを2つ用意し、同じ水を入れる。1つのコップには美しい言葉を語りかけ、もう1つのコップには汚い言葉を投げかける。すると、前者はきれいな結晶を保ったままで、後者は結晶の形が崩れ、水も濁るという。体内の水には、美しい言葉、音の波動を聞かせたい──。

取材・文 / 永堀アツオ


“SPLASH☆WORLD”は今日で完結。“循環”……今の気持ちがまた次のツアーやライブに繋がっていけばいいな

miwaにとって、ここまでコンセプチュアルなツアーは初めてだろう。もちろん、前回のツアー〈miwa“ballad collection”tour 2016〜graduation〜〉も“バラードを歌うツアー”という明確なテーマがあったが、それはあくまでもバラードコレクション『miwa ballad collection〜graduation〜』というアルバムがあってこそのテーマであった。

しかし、今回のツアーは発想の順番が違う。「ライブで水を使った演出がしたい」という想いが発端となり、「水が気体、液体、固体と形を変えて循環していくように、人の喜びや悲しみといった感情も循環する」という想いを込めた5枚目のアルバム『SPLASH☆WORLD』を制作し、楽曲だけでなく、アートワークでも『SPLASH☆WORLD』の世界観を表現。水にまつわる世界が描かれたジャケットには6人のmiwaが存在しており、そのイメージをより明確に伝えるためにビジュアルブックまで作られた。すべての矢印はキャリア初の全国アリーナツアー〈miwa ARENA tour 2017“SPLASH☆WORLD”〉に向かっており、その中でも、さいたまスーパーアリーナ公演でこそ、彼女がずっとやりたいと念願していた表現が具現化できたのではないかと思う。

また、アルバムにはタイトル曲でもある「SPLASH」と「泣恋」の2曲がそれぞれ“動”と“静”を表し、対の形を成していた。波と雨の音が入った「SPLASH」はタイトルどおりに水しぶきで、心の中に溜まった感情を発散するアップテンポのナンバー。一方、雫の音から始まる「泣恋」は、愛しすぎて溢れる涙を歌ったバラードで、ライブはこの曲からスタートした。ひと言ひと言を丁寧に、聴き手の胸の中に置いていくように優しく歌う。その声には慈しみが溢れており、まるで水の女神のような荘厳さも感じた。歌い終えた彼女が手を広げると、巨大なスクリーンに虹がかかり、「シャンランラン」「Princess」「君に出会えたから」と明るい気持ちにさせてくれる盛り上げ曲を続けた。

ここで彼女はステージを降り、マイクを片手に観客と直接、会話を楽しみながら、小川が流れる丘が設置されたセンターステージに移動。そこには本物の水が循環しており、耳を澄ませば、水が流れる音が聴こえる環境で、スコット&リバースとコラボした後悔の曲である「変わらぬ想い」などをアコースティックセットで披露。リラックスしたムードのなかで、時折り聴こえる水の流れる音も曲の一部になっており、癒しの効果をもたらしてくれた。

「めぐろ川」「サヨナラ」「夜空。」という失恋ソングを続けたブロックでいつかの思い出を振り返り、見つめ直す機会を与えてくれた彼女は、映画『君と100回目の恋』の劇中で着ていた赤いワンピースに着替え、ポニーテール姿で登場。「今日はmiwaではなく、葵海(あおい)として陸(りく)に捧げたいと思います」と語り、劇中歌「アイオクリ」と主題歌「君と100回目の恋」を感情豊かに歌い上げた。役名に“海”という言葉が入ってるのも偶然ではないだろう。そして、水や想いをめぐる冒険の旅はエンディングに向けて次第に高められていった。

特筆すべきはやはり、さいたまスーパーアリーナ公演でのみ使われた、「SPLASH」での水の演出だろう。地方公演ではスコット&リバースや内澤崇仁(androp)、ハジ→、坂口健太郎、MC.wakaことオードリー若林正恭などがスペシャルゲストとして登場し、観客を喜ばせたが、それは、この演出がたまアリでしかできないからだったのではないかと思う。

その「SPLASH」で、まず、ステージ上部から滝のように水が流れ出し、ステージ全体を覆いつくすような水のカーテンが作られた。さらに、miwaはリフターに乗り込み、約10メートルの高さにまで上昇。彼女の「湧き上がるまま!」というフレーズに合わせて、今度はステージ下から噴水が勢いよく噴き出し、まばゆい光と映像を組み合わせた幻想的な演出で水のリズムを表現し、「喜び悲しみもすべて 溢れ出す水のように 解き放したい」という歌詞に込めた想いを具現化してみせた。さらに、彼女の「スプラッシュ!」という掛け声を合図に水はさらに天井高くまで、まさに“湧き上がり”、観客を驚かせるとともに、感情を思い切り開放させてくれた。たまアリ2デイズ公演以外の巨大な半円のLED装置を使った演出も素晴らしかったのだが、120トンの水を使用したという噴水はここでしか味わえない、圧倒的な迫力と感動をもたらしてくれた。

最後にmiwaは、「“SPLASH☆WORLD”は今日で完結です。今日からはみんなの心でどんどん育てていって欲しいです。これからもみんなと一緒に、何年も何十年も、数え切れないくらいの季節を越えて、一緒に音楽を楽しみましょう。“循環”ということで、今の気持ちがまた次のツアーやライブに繋がっていけばいいなと思います」と語った。

ミラーボールに照らされた光がハートに見えるなか、最後に、めぐる季節や水、想いを越えて共に歩んでいきたいというメッセージを込めたバラード「あなたがここにいて抱きしめることができたなら」を歌い、水=感情の旅はゴールを迎えた。

アンコールでは「優しさとは何だろう?」という問いかけをテーマにした新曲「シャイニー」を披露し、「360°」や「ストレスフリー」ではトロッコに乗って、観客と一緒にタオルを回しながら場内を回り、汗とストレスを発散。「いろんな人と繋がってきた曲です」と語り、「結-ゆい-」を観客全員で大合唱し、全22曲、約3時間に及んだ、自身初のさいたまスーパーアリーナでのライブを締め括り、全国6ヵ所9公演で約7万5千人を動員したコンセプチュアルなツアーを終えた。

会場を出ると、外は雨が降っていた。傘を差しながら、再び、「泣恋」に、水にまつわるあれこれに、想いをめぐらせた方も多かったのではないかと思う。

miwa ARENA tour 2017 “SPLASH☆WORLD” 2017.6.18@さいたまスーパーアリーナ SET LIST

M01. 泣恋
M02. シャンランラン
M03. Princess

M04. 君に出会えたから
M05. 変わらぬ想い
M06. コットンの季節
M07. Chasing hearts
M08. めぐろ川
M09. サヨナラ
M10. 夜空。
M11. アイオクリ
M12. 君と100回目の恋
M13. ATTENTION
M14. Faith
M15. B.O.Y
M16. ヒカリへ
M17. SPLASH
M18. あなたがここにいて抱きしめることができるなら
EN01. シャイニー
EN02. 360°
EN03. ストレスフリー
EN04. 結-ゆい-

リリース情報

SINGLE「シャイニー」

2017年5月24日発売
初回生産限定盤(CD+DVD) SRCL-9408〜9 ¥1,500(税別)
通常盤(CD) SRCL-9410 ¥1,200(税別)

〈CD〉
01. シャイニー
02. 絶対あの場所に
03. 結-ゆい-(Sound Inn “S” ver.)
04. シャイニー(Instrumental)
〈初回生産限定盤DVD〉
シャイニー(ビデオクリップ+メイキング)

miwa(ミワ)

1990年6月15日生まれ。15歳の頃よりオリジナル曲を作り始める。2010年3月にシングル「don’t cry anymore」でデビュー。2012年には初の日本武道館公演を、2015年には女性アーティストでは史上初となる「ギター1本弾き語り・日本武道館公演2DAYS」を実現。2013年にはNHK『紅白歌合戦』に初出場、現在まで4年連続で出場を果たしている。2016年、「NHK全国学校音楽コンクール課題曲」(中学校の部)の作詞曲を担当(「結-ゆい-」)。

オフィシャルサイト

miwaファンクラブライブinfomation
miwa -39 live tour- “yaneura-no-neko 2017″

詳細はファンクラブサイトをご覧ください。

<ファンクラブ抽選予約受付>
6月18日(日)20:00~7月10日(月)23:59
今回のチケット先行抽選予約はすでにご入会済みの方及び、6月30日(金)までにご入会手続きを済まされた方が対象となります。

<公演日程>
11月11日(土)
北海道 Zepp Sapporo(開場:17:00
 / 開演:18:00)
11月17日(金)
愛知県 Zepp Nagoya(開場:18:00
 / 開演:19:00)
11月19日(日)
大阪府 Zepp Namba(開場:16:00
 / 開演:17:00)
11月22日(水)
福岡県 DRUM LOGOS(開場:18:00
 / 開演:19:00)
11月29日(水)
東京都 Zepp Tokyo(開場:18:00
 / 開演:19:00)
11月30日(木)
東京都 Zepp Tokyo(開場:18:00
 / 開演:19:00)

<チケット料金>
¥5,800(1F全自由・グッズ付・整理番号付・税込・ドリンク代別途¥500必要)【6才以上チケット必要。5才以下入場不可】
¥6,800(2F指定・来場者限定非売グッズ付・税込・ドリンク代別途¥500必要)【4才以上チケット必要。3才以下もお席が必要な場合はチケット必要】※福岡公演は設定なし。
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