Interview

KNOCK OUT MONKEY ライブの臨場感溢れるアルバムと予定調和を排除したツアーの醍醐味を訊く

KNOCK OUT MONKEY ライブの臨場感溢れるアルバムと予定調和を排除したツアーの醍醐味を訊く

ラウドロック、ヒップホップ、レゲエ、ヒップホップなどを自由に混ぜ合わせたバンドサウンド、直接的なメッセージとエモーショナルな歌を共存させたボーカルによって、バンドシーンで熱狂的な支持を獲得しているKNOCK OUT MONKEYが3rdフルアルバム「HELIX」を完成させた。シングル「Do it」を含む本作は、ライブに重点を置いた2016年のモードがダイレクトに反映された、生々しく攻撃的なアッパーチューンを中心にしたアルバムに仕上がっている。

取材・文 / 森朋之


作っていくうちに「バラード的な曲は要らないな」って思ったんですよね(w-shun)

3rdアルバム「HELIX」が完成しました。ライブの臨場感が真っ直ぐに伝わってくるような作品だと感じましたが、みなさんの手応えはどうですか?

w-shun 制作前は特に何も意識していなかったんですけど、出来上がってみると確かにライブのテンションが出てるのかなって思いますね。シングルの「Do it」が出て、そこからトントンと進んでいったんですが、ずっとライブもやっていたし、個人的にもオラついたことをやりたかったのかなと。

”オラオラ!”と攻めるようなテンションというか。

w-shun そうですね。作っていくうちに「バラード的な曲は要らないな」って思ったんですよね。いつもは「メロウな曲もあったほうがいい」ってバランスを考えたりするんだけど、今回はそれもなくて。夏にリリースするのも久々だし、元気がいいアルバムのほうがいいだろうなって。

亜太 去年は申年ということで、とにかくライブをやりまくった1年だったんですよ。申年になった瞬間、申年が終わる瞬間もライブをやってたし、1年で2回ツアーをやって。今回のアルバムに関しても、ライブで感じた熱量をそのまま作品に還元できたと思います。暑苦しいくらい手応えがありますね(笑)。

ナオミチ 曲を作った時期はけっこうバラバラなんですけど、素直にやりたい曲を選んでいったら、こういう雰囲気のアルバムになって。やっぱりライブをやりまくったことが大きかったんだと思いますね。収録されている11曲を頭からやれば、1本のライブとして成り立つような感じもあるし。

アレンジからレコーディングまで、ぜんぶ自分たちだけでやり切った曲も入ってるんですよ(dEnkA)

確かにセットリストみたいですよね。めちゃくちゃアッパーな曲ばっかりですけど(笑)。

ナオミチ 実際はやらないですけどね(笑)。

w-shun まだ慣れてないから、どこで息継ぎしてらいいかわらからないし、メンバーも手元ばっかり見てるやろうな(笑)。

dEnkA そうやな(笑)。今回のアルバムはアレンジからレコーディングまで、ぜんぶ自分たちだけでやり切った曲も入ってるんですよ。「1:48」「Dog」「Reverse thinking」がそうなんですけど、やっぱり他の曲とはちょっと雰囲気が違うんですよね。荒いわけではないんだけど、突っ切ってる感じがあって。特に「Dog」はそうですね。こういうタテノリの曲は今までもあったけど…。

ダイナミズムや勢いが倍増してますよね。

w-shun 「Dog」は「Do it」が出来た直後に作り始めたんですよね。「Do it」はメンバーもスタッフも「すごい曲が出来た」という手応えがあったから、「Dog」もそれに負けないような曲にしたくて。それを自分たちだけやり切るのはすごく高いハードルだったけど、だからこそやる必要があるんじゃないかなと。セルフプロデュースもやってみたかったんですよね、前から。「1:48」「Dog」「Reverse thinking」にはいままで得た経験値をしっかり活かせていると思うし、自信にもなりましたね。プリプロのやり方もこのアルバムのタイミングで変わったんですよ。スタジオで音を出しながら作るだけじゃなくて、その音源をそれぞれ持ち帰って、自分達のプロツールスを使ってアレンジを考えるようになって。全員がひとりで曲と向き合うようになったというか。

それぞれのフレーズをじっくり見つめ直す時間を作ったわけですね。

w-shun そうですね。スタジオを予約して、4人で楽器持って集まるのもいいんですけど、それだけでは時間が足りないので。

亜太 曲を作る段階からパソコンを使って、構成をガラッと変えたりしていて。その音源を持ち返って、ひとりで続きをやるっていう。

dEnkA ずっと作業していて、気付いたら次の日の昼くらいになってたり(笑)。とにかく、出来ることはぜんぶ試してみたかったんです。スタジオで偶然生まれるカッコ良さもあるけど、せっかくこういう環境があるんだから、とことん突き詰めたいと思って。途中、ギター弾くのがイヤになったりしましたけどね(笑)。

方法が増えるのはいいことですよね。緻密に組み立てるのもいいだろうし、スタジオでセッションする良さもあるだろうから。

w-shun さっきも話に出てた「1:48」はまさにスタジオだけで作ったんです。「小難しいことをやらずに、バカみたいな曲を作ろう」って(笑)。ちょっとでもややこしいことをやったら「それは違う! ペナルティ1!」って言いながら。

「何がやりたいの?」って聞かれたら「バンドがやりたい」っていう一言に尽きる(w-shun)

アルバムタイトルの「HELIX」は“螺旋”という意味ですが、どうしてこの言葉を選んだんですか?

w-shun 今回のアルバムはヤンチャな曲が多くて、アマチュアの頃、インディーズ時代の感覚に近いなと思って。昔は知識も何もなかったし、ただやりたいことをやってるだけだったんですけど、いまはいろんなことを経験して、身に着けたうえでシンプルなことをやっていて。その感じが螺旋状の階段を上ってるようなイメージにつながったんですよね。“SPIRAL”も螺旋なんだけど、“HELIX”には頂点があるんです。螺旋を登っていって、いちばん最後に頂点があるっていう。音楽はずっと残るけど、人には寿命があるから、バンドもいつかはなくなるじゃないですか。

意地でもやり続けることで知ったこと、出会った人、見ることができた景色があって(亜太)

バンドをやることで生かされてるなって感じるんですよ(ナオミチ)

頂点に達するということは、そこで終わりがくるということでもあると。

w-shun はい。もちろん、いまはまだ上がってる途中ですけどね。メジャーという環境にいることで、技術的なことも知識も身に付くし、経験値も上がって。そうやって成長できるのがおもしろいんですよね。ただ、モードやマインドはまったく変わってないんです。「何がやりたいの?」って聞かれたら「バンドがやりたい」っていう一言に尽きるので。始めたときからそれがわかっていたのは、すごく大きいと思うんですよね。バンドを結成したときがスタートであり、ゴールでもあるっていう。あとはこれをずっと続けたいってだけですね。

亜太 “継続は力なり”じゃないけど、意地でもやり続けることで知ったこと、出会った人、見ることができた景色があって。それが自分たちの自信や糧になってるんですよね。止まっちゃったら全部が終わるので、とにかく続けていきたいし、そのためにはどうしたらいいかも考えるっていうことだと思います。

ナオミチ バンドをやることで生かされてるなって感じるんですよ。たとえば納得できないライブをやってしまったら、ずっと気分が晴れなかったり。逆にいいライブをやれたときは、しばらく機嫌よく過ごせますからね。

w-shun そうやな。

ナオミチ これはメンバーによっても感覚が違うと思うけど、バンドとお客さんがドーン!とぶつかり合って、すごいところまで行けることがあって。その瞬間を経験すると「あれをもう一度味わいたい」って中毒みたいな感じになるんですよ。だから、絶対にやめられないですね。バンドがなかったら全部がダメになるだろうし、部屋の掃除とかも出来なくなると思います(笑)。

dEnkAさんはどうですか? バンドに対するモチベーションって、やっぱり一貫してます?

dEnkA 僕は意外と神経質なので(笑)、時期によって少しずつ変わってますけどね。ギターを始めた頃は「ギタリストって、すごい人なんだ」って思ってたんですよ。「ギタリストは世界でいちばん偉い」くらいに捉えてたから、自分もそういう存在にならないといけないと思い込んでいて。

ナオミチ すごいな(笑)。

dEnkA それがストレスになってたんですけど、いまはもっと素直にやってますね。ギタリストというよりも、自分自身としてギターを弾いてるというか、自然体でやれてるので。いまのほうが楽しいですね、僕は。

ライブのときは「次がある」とはまったく思ってなくて(w-shun)

自由度が上がっているのかもしれないですね。アルバムをリリースするたびに激しさを増しているような印象もあるし。

w-shun ライブもさらにヤンチャになってますからね。たまに「前はここまで激しく動いてなかったよな」って思ったりするんですよ(笑)。ライブの基礎体力も付いてきてるし、以前よりも動けるようになってるんですよね。ライブは生ものっていうけど、バンドも生ものだと思うんです。いつ何があるかわからないし、ライブのときは「次がある」とはまったく思ってなくて。後悔しないようなライブをやろうと思ったら、必然的に激しくなっていくっていう。それが自分たちの本質なんだと思いますね。

現在は全国ツアー「KNOCK OUT MONEKY TOUR 2017“HELIX”」の真っ最中。アルバムの新曲が加わることで、ライブ自体も変化しそうですね。

w-shun 自分たちが得意なことを思い切りやってる曲ばっかりだから、すごく自然にやれてますね。それがお客さんにも伝わって、相乗効果が生まれてるというか。新しいアルバムのツアーですけど、先が読めないツアーにしたいんですよ。決まったセットリストではなくて、「今日はどうなるかわからない」というライブを続けたいなと。

予定調和を避けたいと。

w-shun 自分自身がワクワクを欲してるんでしょうね。ドキドキできないと、ぜんぜんおもしろくないので。

その他のKNOCK OUT MONEKYの作品はこちらへ

ライブ情報

http://knockoutmonkey.com/tour2017/

KNOCK OUT MONEKY

神戸で結成されたライブハウスを遊び場とする4人組ロックバンド。ラウド、レゲエ、ヒップホップ、メタル、エモ…、 様々なジャンルの要素を取り込んだ激しくもキャッチーなサウンドと、変幻自在に表情を変える曲展開、日本語に重きを 置いたリリックを感情剥き出しに咆哮するヴォーカル…。圧巻のライブパフォーマンスで各地のオーディエンスを狂喜乱舞させている。

2012 年、シングル「HOPE」、ミニアルバム『0 → Future』を立て続けにタワーレコード限定でリリース。MANAFEST(CANADA)との共演、ANDREW W.K.(U.S.A.)の東京公演サポートアクトへの抜擢など、海外アーティストとの共演も重ね、全国のロックリスナーの間でじわじわと話題を呼び、PUNKSPRING、JOIN ALIVE、SUMMER SONIC、RADIO CRAZY等、各地のフェス・イベントに出演し、噂が噂を呼ぶ。

2013年、全国流通となるミニアルバム『reality & liberty』をリリース。PUNKSPRING、Ozzfest Japan、TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL、JOIN ALIVE、SUMMER SONIC、MONSTER baSHなど各地の大型フェス・イベントに出演。10 月には1stシングル「Paint it Out!!!!」でメジャーデビューを果たし、直後に行われた大阪 BIGCAT、渋谷CLUB QUATTROでのワンマンを大成功させる。12月にはZEBRAHEADのジャパンツアーにゲストアクトとして抜擢され東名阪の全公演に帯同。年末には2年連続となるRADIO CRAZY、初出場となるCOUNTDOWN JAPANの2大フェスに出演。

2014年2月、1stアルバム『INPUT ∝ OUTPUT』をリリースし、そのアルバムを携えて4月~6月にかけて初の全国ワンマンツアーを敢行、7月には地元関西のなんばHatchで追加公演を行い大成功を収める。夏には2ヶ月連続シングルリリース、ROCK IN JAPAN FES.、RISING SUN ROCK FESTIVALへの出演、秋にもシングルリリースとFACE THE MUSIC!、日本初開催のKNOTFEST JAPAN出演、年末にはMERRY ROCK PARADE、ポルノ超特急、COUNTDOWN JAPANとリリースとライブに両軸を置きながら駆け抜ける。

2015年1月には2枚目のフルアルバム『Mr. Foundation』をリリース。同月から5月にかけて2度目の全国ワンマンツアー開催。ツアーファイナルを新木場スタジオコーストで行う。
2016年1月、前年の新木場スタジオコーストのLIVE DVDを収録したミニアルバム『RAISE A FIST』をリリース。
同月から4月まで全国ツアー開催。秋にも全国7箇所をまわるツアーを開催。11月には5th SIngle「Do it」 リリース。12月、「COUNTDOWN JAPAN 16/17」出演。
2017年、5月から12月にかけて全国ツアー開催。
7月にはメジャー3枚目となるフルアルバム『HELIX』をリリースする。
神戸から全国へ、猿が暴れ出す。

オフィシャルサイトhttp://knockoutmonkey.com/