LIVE SHUTTLE  vol. 169

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ポルカドットスティングレイ チケットを瞬殺で売り切った話題のツアー、新作2曲を披露のサプライズ!

ポルカドットスティングレイ チケットを瞬殺で売り切った話題のツアー、新作2曲を披露のサプライズ!

ポルカドットスティングレイ 2017 TOUR 大正義
2017年6月22日 渋谷WWW X

今年上半期で、最も急上昇しているバンドのひとつ“ポルカドットスティングレイ”。4月にリリースした1stミニアルバム『大正義』を掲げた“ポルカドットスティングレイ 2017 TOUR 大正義”は、追加公演の東京キネマ倶楽部(7月13日)まで、すべて即日ソールドアウト。そこで6月22日、ファイナルになるはずだった渋谷 WWW Xでのライブに駆けつけた。

フロアでは超満員のオーディエンスが、雫(Vo. & Gt.)、エジマハルシ(Gt.)、ウエムラユウキ(Ba.)、ミツヤスカズマ(Dr.)の4人のメンバーを待ち受ける。

雫は作詞・作曲はもちろん、MVの監督やシナリオ、CDジャケット・デザインも手掛けるバンドの要で、飽くことのない表現衝動の持ち主だ。ライブでもギターを掻き鳴らしながら歌って、表情もパフォーマンスもインスピレーションに富んでいる。

エジマは印象的なフレーズを奏でるギタリストで、彼のイントロを聴いただけでオーディエンスは歓声を上げる。ベースのウエムラはベーシックなフレーズだけでなく、歌に彩りを与える役割も担う。ドラムのミツヤスは、とにかくパワフル。切れのいいビートで、雫の歌の背中を押す。

チケットを瞬殺で売り切った勢いそのままに、メンバーが現われただけでフロアは大騒ぎ。ドカンと始まったライブで、まず耳に飛び込んできたのは、雫のハスキーな声だった。ささやくように歌うときもあれば、がなりたてるときもある。押し技と引き技を、よく心得ている。その第一の目的は、メロディを伝えること。雫はそれを絶対に外さない。

エジマは、ハスキーな雫の声と対照的に、クリアなトーンのギターで勝負する。素早いフレーズが得意で、オーディエンスの耳をかっさらう。あるいはドライブ感を増幅させる。メンバーの中で最もアクティブに音を繰り出す。

エジマの弾く「テレキャスター・ストライプ」のイントロで、予想通りオーディエンスの歓声が上がった。間髪入れずに雫が「飛べ~!」と叫ぶ。オーディエンスが一斉にジャンプを始めると、WWW Xの床が揺れる、揺れる。2016年に発表された「テレキャスター・ストライプ」のMVが話題となり、ポルカドットスティングレイは注目される存在になった。コインランドリーを舞台にしたこのMVは、雫が監督している。が、ライブで聴くこの曲は別モノだった。

雫がストレートに歌うAメロにエジマがギターで突っ込みを入れたり、ウエムラのチョッパー・ベースだけでボーカルを支えるシーンでは、MVよりも音が強烈に飛び込んでくる。それ以上に、この曲でオーディエンスが歌うパートの、雫の“指導”が面白かった。ガンガン歌わせているのに、「全然、聴こえねぇなぁ」とうそぶく態度は、大物感たっぷり。このバンド、やはりかなりの“ライブ巧者”だ。

それにしてもポルカドットスティングレイにとってMVは、ライブと並んで大きな武器だ。この日のエポックは、完成したばかりの「シンクロニシカ」のMVの初お披露目だった。「数日前に撮影して、さっきまで編集してました。このMVも、いつものように展開が目まぐるしい。でも繰り返し見てもらえば、小ネタがいっぱい入ってるからね」と雫は楽しそうに語る。お披露目が終わると、メンバー全員がMVと同じ“幽霊コスプレ”をして現われたのには驚かされた。しかも、「和服で楽器弾くのはヤバい!」(笑)。

MVばかりでなく、ポルカドットスティングレイはアレンジも展開が目まぐるしい。スウィングするシャッフル・ビートや、爆発的に盛り上がるミツヤスの4つ打ちに乗って、メロディと歌詞がめくるめく押し寄せてくる。特に「エレクトリック・パブリック」では振り付けをリードする“セイイエスマン”(SAY YESマン)が登場して、オーディエンス全員が振り付けでバンドの熱演に応える。途中、雫から「ギター・ヒーロー!」と紹介されたエジマがギター・ソロを取る間、雫は髪を振り乱してサイドギターに徹する。真正面からオーディエンスとぶつかり合うバンドの姿がまぶしかった。

この日はもうひとつトピックがあった。ポルカドットスティングレイはなんと新曲を2曲用意していた。そのうちの1曲は、ラブ・ソング。雫が「恋愛の歌は得意じゃない。だって4分間、ずっと同じこと言ってなきゃいけない。うだうだ歌ってるくらいなら、途中で別れちゃえばいいのにと思ってしまう」と言うと、会場から笑い声が上がる。さらに「バラードはダルい」と言ったから、大笑いになった。それでも雫は「恋愛ソングはヒットするということで、直球の恋愛ソングを書いてきました。心して聴くがよい!」と歌ってみせた。どんな歌かは、お楽しみに。

もうひとつの新曲では「我々、ポルカドットスティングレイが、もっと大きな箱でワンマンをやれるように、これからもよろしくね。何年か先に、新時代を先導するバンドになります」と雫が宣言して、得意のアップテンポの曲を歌ったのだった。これまた、どんな歌かはお楽しみに。

最後まで、めくるめく展開の曲をバンドは高いテンションのまま演奏し、雫はたくさんの種類の声を使い分けながら歌い切った。全部で14曲。持てる限りの力を出し切って、バンドがガチでシーンに挑んだライブだった。

文 / 平山雄一

ライブ情報

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ポルカドットスティングレイ

雫(Vo.& Gt.)、エジマハルシ(Gt.)、ウエムラユウキ(Ba.)、ミツヤスカズマ(Dr.)。
福岡を拠点に2015年活動開始。活動歴が他アーティストと比較しても短い中、それを感じさせないバンド・アンサンブル、既に教祖的存在感、早耳のリスナー、メディアの投稿から引火し、現在までバズりあげる。代表曲は、YouTubeの視聴回数400万回を超えた「テレキャスターストライプ」。Vo.&Gt.の雫が生み出すリスナー心理を考えたソングライティングとセルフプロデュースに対する認識と表現の仕方から、「何かを企む超常ハイカラギターロックバンド」と称される。

オフィシャルサイトhttps://polkadotstingray-official.jimdo.com

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