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中村優一、北川尚弥、遊馬晃祐らが斬りまくる!真田十勇士の絆を描く戦国ファンタジー『BRAVE10』開幕

中村優一、北川尚弥、遊馬晃祐らが斬りまくる!真田十勇士の絆を描く戦国ファンタジー『BRAVE10』開幕

原作の『BRAVE10』は、霜月かいりの大ヒット漫画。物語は、歴史上もっとも有名な関ヶ原の戦いの1年前を時代背景に、真田十勇士たちの活躍を描く斬撃や忍術ありの壮大でファンタジックなストーリー。連載終了後も根強い人気を誇り、続編やスピンオフが連載されるなど幅広いファンを獲得している。十勇士のひとり霧隠才蔵を主人公に、個性的な仲間との出会い、ライバルとの戦いを通して、彼が成長する姿が描かれる。
ここでは、6月28日に行われたゲネプロから、キャストから感じた体当たりの熱演をレポートしたい。


「お前なら大丈夫。」建前ではない言葉が勇気をくれる

教えて欲しい。なぜ誰も「お前なら大丈夫」と声高に言えなくなってしまったのか? あらゆることが混沌として誰も自信を持てない時代だから? だが、真田十勇士たちは高らかに宣言する。「大丈夫……」と間を置いて「お前は仲間だから。だって……」。続けられる「お前を信じているから」。友情の交歓。結ばれる強い絆。乗り越えたストラグルの後にやってくる圧倒的な解放のフィーリング。それが舞台『BRAVE10』のすべてだ。
時は、天下分け目の戦いの1年前の戦国時代。豊臣秀吉が逝去し、徳川家康の時代へと傾こうとしていたが、「戦」は後を絶たず、摩訶不思議な忍術や武器が国を支配している世界。摩利支天として名を馳せた伊賀忍者・霧隠才蔵(中村優一)は、出雲からとある事情で家康の刺客に追われる伊佐那海(磯部花凛)を詳しい事情もわからぬまま助けることになり2人は出会う。そこから運命の糸をたぐり寄せるように次々と仲間が現れる。

上田(現在の長野県周辺)の忍頭を務める体術に長けた猿飛佐助(北川尚弥)に戦闘をしかけられ、当主の真田幸村(伊万里有)、右目に不思議な能力を宿す小姓の海野六郎(宮城紘大)に巡り会う。上田城には、幸村を襲撃したが返り討ちにされて居候する氷の忍術を使うアナスタシア(護あさな)、さらに鉄砲の名手の筧十蔵(鷲尾修斗)もいた。
伊佐那海の事情を知った真田幸村は、もう一度、出雲に出向くことを説く。彼女が執拗に徳川家から追われていることの真相を探ろうとするのだ。そして、才蔵、案内役として伊佐那海、十蔵は旅に出る。しかし、旅の途中で、盗賊として風の忍術と鎌の使い手、由利鎌之助(櫻井圭登)と戦う羽目になり、彼らはなんとか出雲に辿りつくのだが、そこはすでに焼き払われ廃墟になっていた。そして、伊佐那海を妹だというシスコン怪力男の三好清海(新井將)とも諍いを起こしながら才蔵の周りに由利や三好といった仲間が集っていく。

最大の困難は、徳川家に使える伊賀忍者で才蔵の最大のライバル服部半蔵(遊馬晃祐)が出雲に姿を見せることだ。そこに漁夫の利を狙う奥州の昇り龍の伊達政宗(小坂涼太郎)と護衛として二代目石川五右衛門(立道梨緒奈)が現れ事態は竜巻のように急展開する。

一方、真田幸村たちは、才蔵たちのピンチを知ると旅立ち、火薬使いの弁丸(篠原立)と出会う。さらには、出雲で三好清海との小競り合いで愛銃「紗綾)をへし折られ、新しい銃を探していた十蔵は、雷の術と槍の使い手、湖賊の根津甚八(小波津亜廉)と契りを交わし幸村に紹介する。ここに真田十勇士が集結する。

舞台終盤、真田幸村は真の目的を語る。天下統一のために、光・闇・草・水・氷・金・風・土・火・雷の属性を持つ10人の仲間が必要だということ。伊佐那海のかんざしにつけられている不思議な力をもつ奇魂(くしみたま)の真実を明らかにする。その力を求めて、服部半蔵や伊達政宗らが再び合間見え、争いがクライマックスになると、悲しい結末が見えてくるのだが……。

圧倒されるのが大群衆での殺陣だ。才蔵の縦横無尽に舞台を動き回る剣さばきは、重厚な剣の重さも感じさせない見事なものだった。佐助のアクロバティックな体術も見逃せない。アナスタシアのサーベルさばきは本物のフェンシングを見ているような迫力のある突きの連続だ。服部半蔵の短い両刀を使い、バレエのフェッテのようにクルクル回りながら十勇士達をきりきり舞いさせる殺陣も目を離せないスペクタクルを生んでくれる。さらに颯爽と敵を扇子でいなす幸村の力強さが目をみはる。

殺陣ではないが、出雲の焼き払われた鳥居の前で、舞い踊る伊佐那海の姿も清らかで美しい。悲しさ以上に、困難を乗り切ろうとする勇気を与えてくれる舞いだ。

また、『BRAVE10』での見どころは彼らの必殺技だろう。才蔵の「天唾返し」や「瞬光」、アナスタシアの「永久凍土(ヴェーチナ・ミョールズヌチ)」、鎌之助の「一目連」、根津甚八の「霹靂咆哮」が、シルクスクリーンに映し出され、迫力ある映像と精巧な武器の相乗効果で、ダイナミックに再現されていた。そして何より、才蔵を苦しめることになる服部半蔵の「火生三昧」の映像と絞りあげられた体躯の遊馬晃祐の決めポーズのかっこよさ。

彼らの個性的なキャラクターは一ヶ月半の厳しい稽古で見事に演技に反映されていて、誰を追いかけていても飽きさせることがない。彼らが入り乱れ、戦いの果てに、光の力を持つ才蔵が繰り出す必殺技のカタルシスは計り知れないものがあった。

十勇士達はことあるごとに「大丈夫」と言う。それは建前の「大丈夫」ではない。仲間の力を信じ、背中を押してくれる、強さと優しさのようなものを感じさせる勇気に溢れる言葉。そんなセリフが随所に飛び交い、仲間が互いの心技体を高めあい、そして新たな旅に出向く。観終わった後に涙を流すのも、仲間と肩を組んで笑い合うのも良いだろう。客席で見守っている原作ファンのみならず、これほどあらゆる観客の心を高揚させる舞台は他にないはずだから。

体感したことのない感動を味わうために、さあ、観劇に来らん!

囲み取材では、中村優一、伊万里有、宮城紘大、小坂涼太郎、遊馬晃祐が登壇した。
主演の中村優一は「原作は大人気漫画ですから、かなりプレッシャーでした。ただ、俳優人生の中で一番体を動かしているので、その熱量で重圧をはねのけたいと思います」と場を緊張させるほど熱弁すると、伊万里有は「女性好きの役なのでその感じが出せたらいいな」と十勇士のリーダー役らしく手綱を緩めて笑いに変える。宮城紘大も「この衣装みてください。スリットの入ったお尻の部分。いかにダイエットするかの勝負でしたね。際どいところに刮目せよ」とさらりと笑いを誘った。小坂涼太郎も「刀も長い、裾も長い、髪も長い、おまけに背も長い(笑)」と場を和ませ、遊馬晃祐は「かっこいい衣装に負けないエネルギーを出してキャラクターを演じたいと思います」と語った。

一方、役の見どころを問われ中村は「基本的にツンツンしていますがヒロインの伊佐那海に対しては優しさを出すところが魅力的だと思います」とした上で、「舞台は照明も音楽も映像も盛りだくさんで、客席も含めホール全部を使って『BRAVE10』を見せます」と改めて意気込みを語った。伊万里は「人を束ねる人間味がある役で、噛めば噛むほど味が出ますよ」と目を細めた。宮城は「幸村に命を捧げるキャラクター。クールですが心に熱いものがある」と伊万里とうなずき合っていた。小坂は「戦いも人に任せる余裕がある男なので少ない殺陣の中でその余裕を感じてもらえれば」と中村を見ながら「優一さんの殺陣の量がすごいです」と改めて座長に敬意を表していた。遊馬は「今まで演じたことのない敵役です」と答え一同から「へー」と驚かれると「稽古から大変でしたが最強の敵を演じたいと思います」と語り、最後に中村が「一ヶ月半稽古してきたすべてをみなさんにぶつけたいと思います」と締めくくった。

取材・文・撮影 / 竹下力

舞台「BRAVE10」

【東京公演】2017年6月28日(水)〜7月2日(日)全労済ホール/スペース・ゼロ

【原作】霜月かいり「BRAVE10」(KADOKAWA刊)
【脚本・演出・映像】ヨリコ ジュン

【出演】
霧隠才蔵 役/中村優一 伊佐那海 役/磯部花凛 真田幸村 役/伊万里有 海野六郎 役/宮城紘大 アナスタシア 役/護あさな 由利鎌之助 役/櫻井圭登 猿飛佐助 役/北川尚弥 筧十蔵 役/鷲尾修斗 三好清海 役/新井將 弁丸 役/篠原立 根津甚八 役/小波津亜廉 石川五右衛門 役/立道梨緒奈 伊達政宗 役/小坂涼太郎 服部半蔵 役/遊馬晃祐

【主催】©︎霜月かいり・KADOKAWA/2017舞台「BRAVE10」製作委員会

オフィシャルサイトhttp://wup-e.com/brave10-stage/index.html

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BRAVE×10=EXPLOSION!! 風雲を呼び、乱世を沸騰させる強者たち。伊賀忍者・霧隠才蔵、甲賀忍者・猿飛佐助、出雲の巫女・伊佐那海―――。選ばれし10人が真田幸村のもとに集結したとき、天下無敵の軍団が誕生する!!

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