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爆笑の祭り!港カヲル(グループ魂)生誕46周年ライブ映像化。超豪華なゲスト陣も登場

爆笑の祭り!港カヲル(グループ魂)生誕46周年ライブ映像化。超豪華なゲスト陣も登場

グループ魂のメインMCを務める“永遠の46歳”、港カヲル(皆川猿時)がついに本物の46歳に! それを記念して2017年1月25日に初のソロアルバム『俺でいいのかい~港カヲル、歌いすぎる~』をリリース。さらに誕生日の2月1日に東京国際フォーラム ホールAで開催されたソロライブ〈港カヲル 人間生活46周年コンサート 〜演奏・グループ魂〜〉がついに映像化! 7月5日にDVD&Blu-ray『「港カヲル 人間生活46周年コンサート 〜演奏・グループ魂〜」(東京国際フォーラム)』としてリリースされる。(LIVE CD『「港カヲル 人間生活46周年コンサート 〜演奏・グループ魂〜」(東京大阪いいとこ録り)』も同時発売)
グループ魂、総合司会の谷原章介のほか、ゴスペラーズ、綾小路 翔、私立恵比寿中学、ラバーガール、向井秀徳、あっちゃん(ニューロティカ)といった豪華なゲスト陣も登場、3時間以上におよぶ港カヲル一世一代の大舞台をリアルに体感できる本作の発売を記念して、この前代未聞のステージの中身を完全レポートします!

取材・文 / 森朋之


全力でふざけまくり、最終的になぜかジーンとしてしまう、港カヲルとグループ魂の真骨頂と言うべきイベント

オープニングは「Happy Birthday to You」の歌。ステージに最初に登場したのは、この日46歳になった港カヲルとゴスペラーズ。まずはソウルフルなハーモニーでゴスペラーズが「ハッピーバースデイカヲルさん」と歌い上げ、笑いと歓声と拍手が起こる。

“審査員席”にはグループ魂の破壊(阿部サダヲ)、暴動(宮藤官九郎)、バイト君(村杉蝉之介)、小園(小園竜一)、石鹸(三宅弘城)、遅刻(富澤タク)、そして、港カヲルのご親族のみなさんの姿が。

続いて名曲「ひとり」をカヲルのメインボーカルで披露。ゴスペラーズの完璧すぎるコーラスをバックにカヲルが「たった一つのこと約束したんだ」と熱唱すると、どよめきと大爆笑が同時に発生。一生懸命に歌えば歌うほど笑いの渦を巻き起こしてしまうカヲル、恐るべし。というか、この仕事を引き受けたゴスペラーズのみなさんがスゴすぎる(笑)。

素晴らしいというかもったいない。ゴスペラーズの無駄遣い

ここで総合司会の谷原章介が登場。「素晴らしいというかもったいないというか、こんなゴスペラーズの無駄遣いは初めて見ましたね」とねぎらいつつ、“審査員”を紹介。審査員の「このコンサート、まちがいなく赤字ですね」(破壊)、「すでにゴスペラーズさんで泣きそうな気持ちです。カヲルさんに負けないように頑張っていただきたいと思います」(石鹸)、「普段どおりに頑張っていただければ」(皆川父)というありがたい言葉を頂戴したあとは、GLAYの大ヒット曲「HOWEVER」を独唱。「カラオケかよ!」という満員の観客からのツッコミをものともせず、やはり堂々と歌い上げるカヲル。曲が進むにつれて失笑は爆笑に変わり、サビでは手拍子も。国内外の有名アーティストの名演が繰り広げられてきた東京国際フォーラム ホールAでこんな場面を観るのは初めてである、当たり前だけど。

港カヲル「章ちゃん(谷原)とはずいぶん古いんだよ。15年前くらい前かな」
谷原章介「先輩とはいろんなところに行きました。笹塚での熱い夜とかね」

という軽妙なトークを挟み、カヲルが50秒で紋付き袴に着替えたあと、「港カヲル 夜のお悩み相談」のコーナーへ。

バイト君(村杉蝉之介)からの「妻の趣味がわからなくて、記念日などに何をプレゼントしていいかわからない」という質問には「りこん」、お笑いコンビ“ラバーガール”の飛永翼の「アパートの壁が薄くて、隣りの夜の営みの声が聞こえる。妻と子供がいるので気まずい」の質問に対しては、「その場合、最終的に女性はイクんですか?」(港)、「それはわからないですけど、最終的に男が高笑いするんです」(飛永)、「逆にこっちから聞かせるというのはどうですか?」(谷原)という興味深いやり取りをしながら、最終的にはやっぱり「りこん」と一刀両断するカヲル。さすが、46年間の人間生活の重みが感じられる名回答である。

アイドルと46歳のおじさんが全力でパフォーマンス

再びカヲルが45秒で女子高校生に着替えている間に「女子力発電おじさん〜私立恵比寿中学に迷いこんだ港カヲル〜」を提供したヒャダインからのお祝いコメントが流れ、学園コントのコーナー「私立恵比寿中学におじさんが紛れ込んだそうだ!」へ。出演者はカヲルのほか、先生役の破壊、生徒役の綾小路 翔、私立恵比寿中学、ラバーガール、石鹸。

柏木ひなたとカヲルが入れ替わってしまい、ひなたに恋心を抱く綾小路が混乱するという(まるでグループ魂の名曲「High School」のような)設定なのだが、カヲルがエビ中に「汗がすごい」「寄らないで」とイヤがられたり、幽体離脱のシーンで軽くフライングを披露しているうちにドタバタの展開に。

谷原に「今ので終わりですか? あの尺(約25分)を使って、今のがオチですか!?」と突っ込まれながら、エビ中とカヲルによる「女子力発電おじさん〜私立恵比寿中学に迷いこんだ港カヲル」へ。

ジェットコースターのようにアップダウンを繰り返すサウンドと「わかったよ、おじさん、手の甲でなら触っていいよ」「本当に?」というセリフがひとつになったこの曲を、アイドルと46歳のおじさんが全力でパフォーマンスするという超レアなシーンが実現。「生きろ!生きろ!生きろ!生きろ!」「ろうりゅ!ろうりゅ!ろうりゅ!ろうりゅ!」というサビのフレーズではエビ中のメンバーに合わせて観客もタオルを振り回し、楽しい一体感が生まれる。「おお、やっとライブらしくなってきた!」と思ったら、調子に乗ったカヲルがエビ中のメンバーに触ろうとし、「どさくさに紛れすぎだよ!」(廣田あいか)と注意されてしまうのだった。

彦摩呂のお祝いVTRを挟み、ハーフタイムショー。ここではカヲルとグループ魂のメンバーが楽曲「彦摩呂」をBGMにして“ダブルダッチ”(2本の縄跳びを使ったパフォーマンス)に挑戦。ターナー(縄を回す人)が巧みに回す縄を軽やかに飛び越えたり、高速で連続ジャンプしたり、体操が得意な石鹸が側転したり。アラフィフのメンバーによる華麗なパフォーマンスに客席からも「おお!」という声が上がる。なぜダブルダッチをやることになったのかはわからないが、「どうしてココにそんな情熱を注ぐの??」というパワーもまた、グループ魂の面白さの理由なのだ。エビ中とのコラボ、ダブルダッチが続いてバテ気味のカヲルさんも大奮闘!

2度目の「お悩み相談のコーナー」では、ノーメイクの“あっちゃん(ニューロティカ)”の「市議会選挙に出たいのだが、コネも金もない」という相談にカヲルは「来世で頑張って」とアドバイスを送り、第1部の出演者全員による「南部ダイバー」の合唱で前半は終了した。

さらに、この日のソロライブのためだけに制作されたショートムービー『東京午前三時 港カヲル物語』が上映される。松尾スズキ作詞による「東京午前三時」の世界を細川徹が監督・脚本で映像化したこの作品は、大人計画総出演的な豪華な仕上がり。ハードボイルドとコメディとエロが混然一体となったストーリーも最高。会場限定で公開されたこのショートムービーがノーカットで収録されているのも、本作の大きな見どころだ。

破壊「正直、付き合い切れねえよ、このコンサート」

第2部はもちろん、グループ魂のライブ。いつものファンファーレとともにまずは港カヲルがステージに登場。「女は膝がはずれるとドスケベになる。なぜなら、“早く入れて!”って言うから!」という口上、そして「こんばんは! 永遠の46歳、港カヲルです!」という挨拶に対し、この日最も大きな歓声が巻き起こる。

ゲストミュージシャンの念仏(ASA-CHANG)のパーカッション、暴動の軽やかなギターカッティングとともに「おっぱい元気?」のコール&レスポンスからオープニングナンバー「俺でいいのかい」へ。ムーディーかつアダルトなカヲルの歌声、破壊の「Say! おっぱい元気!」というコーラスが絡み合い、グルーヴィーな笑いが生み出される。やっぱり最高だな、グループ魂。

続いて「モテる努力をしないでモテたい節」「くるま売りたいな」というグループ魂らしいパンキッシュ&コミカルなアッパーチューンを連発したあと、最初のMCへ。

破壊「あいつ、今いないから言うけどさ(カヲルは着替え中)、正直、付き合い切れねえよ、このコンサート」
暴動「ソロコンサートでも、あいつ、段取りどおり(着替えのために)ハケるんだね(笑)。俺、第1部、よく考えたら、縄跳びしかしてねえよ」
バイト君「ダブルダッチです! 練習中、僕がぼんやりしてたせいで、石鹸さんが肉離れを起こしたのも、今となっては笑い話だよね」
破壊「(スリッパでバイト君の頭を叩き)それ、つい最近の話!」

という「グループ魂のテーマ」の漫談ネタを入れつつ、女性警官姿になったカヲルとともに「職務質問」。ブラックミュージックとロックを融合したサウンドに破壊、バイト君、カヲルがキレキレのダンスを披露。

“オモシロ”と“カッコいい”が押し寄せる、魂ならではのステージ

破壊、カヲルが「この野郎、今日こそやってやるよ!」といがみ合いならデュエットする新曲「Be my ライバル〜カヲルが破壊に噛み付いた〜」には遅番(少路勇介)、研修(上川周作)のホーンセクションが参加し、さらに厚みのあるグルーヴが生まれる。

疾走感溢れるファンキーナンバー「さかなクン」の演奏も、めちゃくちゃタイト(ライブでは暴動が「初めてうまくいったんじゃない?」と言ってました)。“オモシロ”と“カッコいい”がガンガン押し寄せる、グループ魂ならではのステージが展開されていく。

ライブ中盤も多彩なネタがたっぷり。腕まくりのスーツ姿に着替えたカヲルが「カルロス・トシミです」とボーカルをとり、全身を細かく揺らしながら歌うモノマネ混じりのパフォーマンスを披露した「君は1000%」(1986オメガトライブ)。マリリン・マンソンのTシャツを着た佐藤涼子(大人計画・演出部)のお祝いVTR、そして「佐藤涼子クイズ」(「私、佐藤涼子が無人島にひとつ持って行くとしたら、ずばり何でしょうか?」)からの佐藤涼子の働きぶりを称えた「佐藤涼子〜おかげさまで20年〜」(←曲のタイトルです)、ヘビィなロックチューン「でんでん」、ニューロティカのあっちゃんとともに“年を取ってもパンクロックやるぜ!”という意気込みを放ちまくる「I was PUNK!! 〜グループ魂にあっちゃん( NEW ROTE’KA)は?」。爆笑しながら体を揺らしまくるオーディエンスもめちゃくちゃ楽しそうだ。

ライブはいよいよ後半戦。まずは「ランニング・ショット」(柴田恭兵)のカバー。ユージ(『あぶない刑事』の柴田恭平)のコスプレで登場したカヲルは「東京の女は横浜と違ってブスばっかりだぜ。好感度が下がるって? 関係ないねっ!」と叫び、バックステージに向かって「出て来いよ、タカ!」と呼ぶ。

登場したのはもちろん舘ひろし……ではなく、「ランニング・ショット」のリアレンジを担当した向井秀徳。『あぶない刑事』に扮したカヲルと向井が拳銃を撃ちまくりながらクールかつシャープにアレンジされた「ランニング・ショット」を歌うシーンは、この日のライブのハイライトのひとつ。カッコよすぎました、ホントに。

「下品なのが足りてないよね。うちの親戚がいるからって、みなさん遠慮してませんか? あれやりましょうよ。セックスの手前のやつ」というカヲルのリクエストで「押忍!てまん部」へ。破壊は「“て!”といったら手を上のほうに、“まん!”と言ったら手をマ○コに持っていって!」とブチかまし、「お手本は皆川家のみなさん!(審査員席の皆川母に向かって)お母さん! やろうよ!」と言い放つ(カヲルさん、さすがに苦笑)。

そして、「カヲルさん、おめでとうございます! 今日はありがとうございます!」(破壊)とラストは「君にジュースを買ってあげる♡」。客席に入って女性客に「ジュースを買ってあげるよ。何がいい?」と話しかけるカヲルの声は完全にガラガラ。港カヲル46歳、まさに全身全霊のステージであった。

港カヲル46歳、まさに全身全霊のステージ

アンコールは「中村屋華左右衛門」から(ツカミは「港カヲルくん、46歳の誕生日おめでとう! たくさんの人にお祝いコメントもらってねえ。でも、中には断った人もいるんでしょうね」「KABA.ちゃん!」「荒川良々!」)。続く「カチカチ」ではカヲルが「俺には夢がある…カチカチの朝立ち ひっさげて 朝イチのスーパーひたちで 田舎に帰ろう」というラップを繰り出し、さらに会場を盛り上げる。そのまま出演者全員で「いわきアンモナイト音頭」を歌い、最後のお祝いVTRは皆川猿時。“46歳の誕生日を迎えた皆川猿時”から“永遠の46歳、港カヲル”へ向けた決意のコメントに大きな拍手が送られた。

ステージにはカヲルのお子さん2人(S太郎&なまず)がお面を被って登場、親子3人で「カヲルの子守唄」を歌う。下ネタ混じりの歌詞を歌う父の隣りでかわいくコーラスする2人の姿に思わずホッコリ。そのままカヲルは布団に入り、おやすみに。ライブはエンディングを迎えた。

港カヲルを中心にライブ、コントなどを含めた濃密な内容が繰り広げられた〈港カヲル 人間生活46周年コンサート〜演奏・グループ魂〜〉。全力でふざけまくり、最終的になぜかジーンとしてしまう、港カヲルとグループ魂の真骨頂と言うべきイベントをぜひ、この作品でじっくりと味わって欲しい。

LIVE CD
『「実録!港カヲル 人間生活46周年コンサート ~演奏・グループ魂~」(東京大阪いいとこ録り)』

2017年7月5日発売
KSCL-2935 ¥3,000(税別)
〈収録〉
01. [港カヲル口上](東京)
02. 俺でいいのかい(東京)

03. モテる努力をしないでモテたい節(大阪)
04. くるま売りたいな(大阪)
05. [メンバー挨拶](大阪)
06. 職務質問(東京)
07. [カヲルと破壊](東京)
08. Be my ライバル〜カヲルが破壊に噛み付いた〜(東京)
09. [石鹸は俺のこと見てるから]
10. さかなクン(東京)
11. 欧陽菲菲(大阪)
12. [カルロス トシミ登場]
13. 君は1000% with レイざーラモンRG(大阪)
14. 佐藤涼子〜おかげさまで20年〜(東京)
15. でんでん(東京)
16. ランニング・ショット with 向井秀徳(東京)
17. High School(大阪)
18. アイラブユー(大阪)
19. ペニスJAPAN(大阪)
20. 君にジュースを買ってあげる♡(東京)
21. カチカチ(東京)
22. いわきアンモナイト音頭(東京)
23. カヲルの子守唄 with 破壊&バイト君(大阪)

完全生産限定BOX
『「港カヲル 人間生活46周年コンサート ~演奏・グループ魂~」(全部乗せ限定BOX)』

2017年7月5日発売
Blu-ray+CD+特典映像DVD KSXL-243~245 ¥9,800(税別)
2DVD+CD+特典映像DVD KSBL-6279~6282 ¥9,000(税別)
【BOXのみ特典映像DVD】
「情熱皆川大陸 最終章 ~これからも46歳~」
※第一部は副音声で港カヲル、破壊、暴動によるコメンタリーを収録

グループ魂

破壊(vocal / 阿部サダヲ)、暴動(guitar / 宮藤官九郎)、バイト君(大道具 / 村杉蝉之介)、小園(bass / 小園竜一)、石鹸(drum / 三宅弘城)、遅刻(guitar / 富澤タク)、港カヲル(46歳 / 皆川猿時)。1995年結成。1999年に1stアルバム『GROPPER』を発表。2005年にNHK紅白歌合戦に出場、2011年には初の日本武道館公演も実現。
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