Interview

vivid undress MV注目度急上昇中の5人組が初のセルフ・プロデュース作に込めた思いとは?

vivid undress MV注目度急上昇中の5人組が初のセルフ・プロデュース作に込めた思いとは?

vivid undressの最新作が届く。昨年5月にリリースした前作『Prevail』からの楽曲のMVが注目を集め始めた矢先、突然のマネージメント閉鎖というアクシデントに見舞われたが、その危機を乗り越え、自らのレーベル「MONOLITHIC RECORDINGS」から今回の新作をリリースすることを実現する過程で、バンドはさらにたくましく、また自らが進むべき方向性をより明確にしたようだ。
ここでは、その新作ミニアルバム『ENDLESS』の制作をメンバー全員に振り返ってもらうとともに、大きな手応えを感じているバンドの現在を語ってもらった。

取材・文 / 兼田達矢


“もっとライブが見たい”と思ってもらえるような楽曲を作りたいという気持ちが強かったですね

kiila(vo,g)

まず、今回の資料に「前作から1年以内にどうしても新たな音源を届けたいという気持ちだけで動き出した」と書かれていますが、それは当時のバンドの状況に手応えを感じていたからだろうと思います。それは、どんな感触だったんですか。

rio YouTubeにMVを何曲かアップしてるんですが、そのなかで前作に収録されていた曲がものすごく見られるようになってきたんです。

「シーラカンスダンス」ですか。

rio そうですね。それに伴って、「YouTube見て、初めてライブに来ました」というお客さんがけっこう増えてきたんです。そういう人たちからはやっぱり「次のはいつ?」という話が出るし、そういう状況のなかで自分たちとしても活動が止まってしまってしまうのは納得がいかなかったし、1年以上空いてしまったらヤバイという感覚もあったし。だから、すごく環境が変わっても次を作ろうということになったのは、もちろん自分たちの意思もありましたけど、ライブを見に来てくれた人たちの後押しもあったんですよね。

そうして出来上がった新作『ENDLESS』の手応えは?

yu-ya 前作はプロデューサーの方の意見も取り入れて、その時点での最高のものを作れたと思ったんですが、今回環境が変わってプロデューサーというような立場の人もいないなかで、どういう曲を作っていこうかという指針を考えるのは自分たちしかいなかったわけですから、そういう意味での難しさがありました。そういうことを「これがいいんじゃないか」「あれがいいんじゃないか」というふうにみんなで考え合って乗り越えていくうちに、この5人で作ったというバンド感が表れてきて、いままでのなかでも一番いい作品になったと思っています。

「これがいいんじゃないか」「あれがいいんじゃないか」というやりとりのベースには、この作品、およびここから始まっていくバンドのキャリアの方向についてのそれぞれの考えがあっただろうと思うんですが、そこについてはどんなことを意識していたんでしょうか。

ウツミ これまでの作品を振り返ると、けっこう買ってもらってて、YouTubeの再生回数もけっこうあがってたのに…、例えば30万回見てもらえてるのに、“なんでライブにはこれだけしかお客さんが来ないの? ライブが良くないからだな”とわたしは思ってたんです。セット・リストを組んでても、ライブ映えする曲というか、ライブをやるなかで成長していってライブで盛り上がる感じに落とし込めたという曲があまりないなという気がしてたので、わたしとしては“もっとライブが見たい”と思ってもらえるような楽曲を作りたいという気持ちが強かったですね。だから、前作はミドルテンポの曲が中心だったんですけど、今回はもうちょっとテンポの速いほうに重心を移そうというイメージのなかで作っていった感じがしています。

syunn(b)

syunn 今回は初めてセルフ・プロデュースの作品だったので、最初にイメージの共有ということでみんなで話し合ったんですけど、そのときにいまウツミが言ってくれたような話になったんです。その「ライブを見据えて」ということを最後までずっとすごく意識して、楽器やる人だったらマネしたくなるようなフレーズとか、歌詞とかメロディも一緒に歌いたくなるような、そういうことをずっと考えてましたね。

kiila わたしはメンバー5人のエゴがすごく詰まった作品だなと思っていて、わたしで言えば、歌詞と歌の部分で自分がやりたいことを全部やらせてもらった感じがしてるんです。他のメンバーが「歌モノにしたい」ということで、わたしが歌いやすいようにとか、いろんなことをすごく考えてくれた上で、それぞれに自分が立つこともやってるアルバムになったと思うし。その結果として、やってる演奏自体は前よりももっと難しくなってるんですけど、でも聴きやすくなったという反応が多くて、だから他の誰もやってないようなことを自分たちはやれてるなという自信がありますね。

同じようなことを感じている人に向けて何か伝えられたらいいなという思いで作ってます。“自分は生きづらく思ってたよ、でも生きたいよ”って

yu-ya(g)

具体的に、曲作りはどういうふうに進めていったんですか。

yu-ya 例えば1曲目の「My Real」は原型になったものが2年前くらいからあったんです。それはギターを弾きながら鼻歌で1コーラス歌ったようなものなんですが、それをまず録ってもらってみんなで聴いて、順番に「これに合う感じのベースを入れてみて」「ドラムやってみて」「ピアノ弾いてみて」というふうに録っていって、とりあえず1コーラス分バンド・サウンドを完成させるんです。それを聴きながら、その先をどう展開させていくか、みんなで話し合いながら進めていくというパターンが多かったですね。

kiilaさんの話では「みんなから歌モノにしたいという話があった」ということでしたが、“歌モノ”とは言っても歌が主でバンドの音が従というような単純なバランスにはなっていないですよね。

syunn まずサビのメロが一番重要だと思ってますから、サビの部分ではみんなそんなにややこしいことはやっていないんですけど、それ以外のAメロ、Bメロ、それに間奏ではそれぞれに好きなことをやってるというか、歌とそれ以外の音が横並びでありたいという感覚があるんですよね。でも、みんなが好きなことをやっていいというわけではもちろんなくて、そこから引き算で考えていって全体を考えるというやり方なんです。

ウツミ 歌が素晴らしかったら、バンドがどんなことをやっても聴く人はみんな歌しか聴いてないと思うんです(笑)。それでいいと思うし。逆に言えば、ボーカルがダメだったら、演奏をどんなにうまく調整しても歌モノにはならないと思うんですよね。だから、強い歌があれば、それは歌モノということだと思います。

なるほど。歌詞は、どのタイミングで作るんですか。

kiila 今回はわたしが作曲した曲は1曲だけなんですけど、わたしの曲では歌詞も同時進行で、yu-yaやrioさんが1コーラス持って来てくれた曲についてはそこにまず仮の歌詞を充てるんです。メロディから降りてくる歌詞というか、曲のイメージに合ったその時の自分の気持ちや曲を聴いた時に浮かぶ映像を言葉にするというような感じです。

歌詞の内容についても、メンバーからダメだしがあったりするんですか。

syunn それは、基本的にrioさんがやりますね。

どういうところをチェックするんですか。

rio メロディにはまりが悪いと感じるところを言ったり、言いたいことを聞いて、それが伝わりづらい感じだったら「こうしてみたら?」と言ってみたり。「すっごくいいね」としか言わないこともあるし(笑)。kiilaちゃんが全部歌詞を作ってくるからこそ、客観的になって見れるんですよね。その上で、kiilaちゃんの世界観がしっかり出てることが大事だと思ってるし、特に今回は完全にセルフ・プロデュースだから、まずは言いたいことを全部言っちゃいないよという感じでした。

kiila 曲によって言いたいことはバラバラだから、その曲を作ってる時に言いたいことをそこに詰め込むという感じですね。

今回の6曲の歌詞を読むと、生きづらさみたいなことは基本的なテーマとしてあるのかなというふうに感じます。

kiila それは今作だけではなくて、最初に曲を作り始めた時からわたしはそういう曲しか作ってなくて、でもそういうことを感じてるのは自分だけじゃないと思うし、それに生まれたからには生きていかなきゃならないじゃないですか。だから、同じようなことを感じている人に向けて何か伝えられたらいいなという思いで作ってますね。“自分は生きづらく思ってたよ、でも生きたいよ”って。