黒選!メディアコンテンツ研究家・黒川文雄がテーマで選ぶ 3+1  vol. 11

Column

今話題のVRアクティビティを体感せよ!!

今話題のVRアクティビティを体感せよ!!

バーチャルリアリティの歴史はゲームの進化とともにある

音楽、映画、ゲームなどのエンタテインメントは人間の五感の「聴覚」、「視覚」を通じて訴求するものです。そして、長らく、エンタテインメントやクリエイティブには、残りの「触覚」「嗅覚」「味覚」が足りなかったことに気づかされます。

しかし、バーチャルリアリティ(以下:VR)デバイスの急速な普及で、Oculus Touch(オキュラス・タッチ)、HTC VIVEコントローラなどの開発が進み触覚もリアルに再現されつつあります。また嗅覚は4D映画の上映などですでに取り入れられ、コーエーテクモ社によるアーケード向けゲーム筐体「VR SENCSE」等によって再現できるようになってきました。

ビデオゲームの歴史はおよそ40年ほどですが、開発に関わるクリエイターやプレイヤーにとっては、ビデオゲームの中に実際に入って(もしくは没入して)自由にプレイすることが最終的な欲求であり、目標であったのではないでしょうか?

今回の黒選コラムは、そのビデオゲームの中に没入する感覚を実現するVRの最新レポートを体験とともに御案内します。

ではどうぞ!


ナムコとセガの熾烈な開発競争の記憶が蘇る!

1988年、ナムコ(現在のバンダイナムコ)の開発により、世界初リアルタイム3次元コンピュータグラフィックス(以下:3DCG)が表示可能な「システム21」という新ゲーム開発基盤を開発し「ウイニングラン」がアーケード(ゲームセンター)で稼働しました。

この「ウイニングラン」からゲーム業界の3DCGの開発競争が始まったと言っても過言ではないでしょう…。

そして、1992年にはセガ・エンタープライゼス(現在のセガゲームス)から、3DCGがリアルタイムで表示可能なゲーム基板「MODEL1」がリリースされ、「バーチャレーシング」がアーケードで稼働しました。

両社の3DCG開発技術の進歩は目覚ましく、ソフト開発においても独特のアプローチを持って立て続けにリリースされます。そのひとつが1993年セガから発売された「バーチャファイター」です。

それまで、ドライブゲーム、つまりレーシングマシンなどの固体物が主体だった3DCGゲームが、ついに人間のモデルを模して、高度な対戦格闘ゲームを繰り広げる事に成功しました。

対するナムコは1994年に「鉄拳」をリリース。「システム11」というプレイステーション互換の新ゲーム開発基盤で、それまでの無機質でカクカクとしたポリゴン表示から、テクスチャーマッピングにより、リアルな人物表現が可能な対戦格闘ゲームを開発しました。

ポリゴン格闘ゲームでは一歩先ゆくセガからは、同じ1994年に最先端ハード「MODEL2」へアップグレードした「バーチャファイター2」が登場。こちらもテクスチャーマッピングの実装、更に多くの細やかなポリゴン表示が可能となって、プレイヤーたちを驚かせました。

さらにセガとナムコの戦いは、アーケード施設にまで及び、1992年にナムコからは、「ナムコ・ワンダーエッグ」という屋内型テーマパークが完成。「ギャラクシアン3」などプレイヤーの度肝を抜く新体験のアトラクションが遊べました。

セガも1996年に「東京ジョイポリス」を完成させます。メガ・バイザー・ディスプレイというHMD(ヘッドマウントディスプレイ)を装着してシューティングゲームで戦う「VR-1」など、VR時代を模索したゲームが遊べました。

(写真セガ・VR-1)

この両社の熾烈なVR開発の戦いから、20年以上の月日が流れた2017年、再び両社が熾烈な戦いを始めようとしています。

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