フロム・ソフトウェアのアクションRPGが死ぬほど面白い理由  vol. 3

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『ダークソウルⅢ』 激ムズなのに超絶面白い3つの理由

『ダークソウルⅢ』 激ムズなのに超絶面白い3つの理由

これまでの記事で紹介してきたように、ハードな難度設定の先にある大きな達成感、プレイヤー間にゆるいつながりを生み出すネットワーク要素などで、アクションRPGというジャンルを語るうえで欠かすことができない存在となっている『ダークソウル』シリーズ。

本稿では、『ダークソウル』のハードさと達成感の大きな源であるアクション性の高さ、そして本シリーズを単なるアクションゲームに留めないRPG要素の魅力を追求していく。高度なアクション性と、しっかりしたRPG性を備えた本シリーズは、アクションRPG界におけるエポックメイキングな存在であるとすら言えるだろう。

文 / 村田征二朗


思うように動かせるがゆえの自己責任性

『ダークソウル』シリーズは何が面白いのか、と言えば、本稿の第1回でもお伝えした通り、最大の魅力はそのハードさを突き詰めた難度設定に挑んでいく試行錯誤、そしてそれを克服したときの達成感の大きさです。筆者のゲーム人生は20余年とベテランゲーマーに比べればまだまだですが、筆者がプレイしてきたアクションRPGの中ではぶっちぎりで一番難しいと断言できる本シリーズ。なかでも『ダークソウルⅢ』は難度が高く、本当に心が折れそうになるほどハードですが、その難しさを面白いと感じることができるのは、操作すること自体が楽しいからです。

移動や攻撃、回避などのアクションを行った際の操作感が軽すぎず、かと言ってもっさりと重すぎもしない『ダークソウル』シリーズのアクションは操作していてストレスも少なく、“自分で操作している感”がかなり強いのがポイントです。自分の思うように動かすことができるからこそ、敵に負けてしまったときも操作性を言い訳にすることはできず、「つぎに挑戦するときはどう動けばいいか?」と前向きな発想が生まれやすくなっています。また、なんとなく動かしていたらなんとなく勝てた、となるのは最序盤のザコ戦程度なもので、ゲームを少し進めると、もう適当な戦いかたでは通用しなくなってきます。

▲序盤の敵とは思えない的確な防御と、こちらのガードを崩す強烈な攻撃で“ザコ敵=弱い”という固定概念を粉々に破壊してくれる“ロスリック騎士”

自分で相手の動きをしっかりと見て、敵の攻撃を盾で受け止めたり、あるいは移動やローリングで回避したりしつつ、こちらの攻撃を適切に行うことで勝利を掴む、というのが戦闘の基本であり、それを完璧にこなすのが理想的です。攻撃を仕掛ける際も適当に武器を振るのではなく、短剣はモーションが速い代わりに攻撃範囲も狭く一撃あたりのダメージも小さい、大剣などの大型武器は振りが遅いぶん攻撃範囲と威力に長けるなど、自分が使用する武器の特徴を把握しておくことが重要です。また、こちらの攻撃を当てるとすぐにひるむような敵は積極的に攻め、盾を持った敵やひるみにくい相手に対しては、敵の攻撃を待ってからその隙を突いていくなど、相手ごとに適した立ち回りを身に付けていくことも攻略の肝となります。各武器のモーション把握や、敵に対する立ち回りの習得といった、ゲーム内では表示されないプレイヤー自身の経験が蓄積されていくことが『ダークソウル』シリーズにおける最大の成長要素であり、それを体感できるのが本シリーズの魅力なのです。

▲なんとなくではなく自分で考えて動かすからこそ、強敵を倒したときの達成感がひと際大きくなるのです

また、戦闘で高揚感が得られるのは何も勝利した瞬間だけではなく、敵の攻撃をギリギリで回避したときなども脳内にドーパミンやアドレナリンなどが溢れ出します。とくにボスや巨大な敵の攻撃はまともに受ければ一撃でHPが5割以上持っていかれることも珍しくなく、一撃一撃のプレッシャーがとんでもないのです。戦いの中で相手がくり出す攻撃のリズムやタイミングを覚え、その合間を縫ってこちらの攻撃を浴びせていく緊張感は、動きが速すぎもせず遅すぎもしない絶妙なスピードのアクションだからこそ味わえる感覚です。

▲回避行動のローリングには一瞬の無敵時間があり、これを敵の攻撃に合わせて出すことができるかが生死を分けます

攻撃や回避、盾による防御といった各種アクションでスタミナを消費し、攻撃に熱中するあまり回避に使うスタミナが残っていない、といった状況に陥って敵の攻撃を受けざるを得なくなってしまうこともあります。そういった状況を避けるためにも、戦闘中のスタミナ管理は回避、行動と並んでかなり重要になってきます。スタミナによる行動の制限があるおかげで、「敵の攻撃を回避してから一気に畳みかけたい……、しかしスタミナが足りない!」というジレンマのようなものが発生します。この適度な行動制限のおかげで、でたらめに攻撃を繰り返してごり押しでクリア、というようなプレイは難しくなっており、“敵の動きを見て、考えて動く”というプレイヤーの能動性がより大きくなっているのです。

▲画面左上にある緑色のゲージで示されるのがスタミナ。敵の動きを見ながらスタミナも管理する、と言うと大変に思えますが、経験を重ねれば意外に感覚的にできてしまいます

加えて、本作のアクションを語るうえで外すことができないのは、敵の攻撃を弾き返して隙を作り出す“パリィ”と、敵がパリィでひるんだ後などの限定的な状況で発動できる“致命の一撃”です。パリィ直後や、相手の背後から攻撃を仕掛けた場合に発動する致命の一撃は、かなり与ダメージが高く、ザコ敵であれば一撃で倒すことも珍しくありません。

▲致命の一撃は与ダメージが大きいだけでなく、カメラ演出のおかげもあって爽快感はかなりのものです

パリィと致命の一撃があることで、単純に正面から敵に向かって行って攻撃を仕掛けていくだけではなく、相手に気づかれないように背後から忍び寄って致命の一撃を決めたり、敵の攻撃に合わせてパリィを決めて一気に逆転を狙ったりと、アクションもバリエーションに富んだものとなっています。パリィは成功すれば大ダメージにつなげることができますが、タイミングを間違えればもろに攻撃を食らうことになり、このハイリスクハイリターンなところが戦闘の緊張感をさらに高めてくれます。

▲ザコだけでなく、敵によってはボス相手でもパリィでひるませることは可能。ボス戦でパリィを狙う際のスリルは格別のものです

複雑な操作を要求するわけではないものの、しっかりと相手の動きを見て、自分のスタミナを管理しながら戦う必要のある本作のアクションは、シンプルでありながら非常に骨太で歯ごたえがあります。「最近のゲームはちょっと手ぬるいぜ」、という人は『ダークソウル』シリーズに挑戦してみれば、そのハードなゲーム性に血がたぎること間違いなしです!

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