Interview

GLAY 進化と深化が詰まった約2年8か月ぶりのアルバムで魅せたものとは? 4人に語ってもらった 

GLAY 進化と深化が詰まった約2年8か月ぶりのアルバムで魅せたものとは? 4人に語ってもらった 

GLAYの約2年8か月ぶりのニューアルバム『SUMMERDELICS』は、メンバーとガップリ四つで作品を作り上げた名プロデューサー亀田誠治をして、「ロックの新しい扉を開いた一枚」と言わしめる程、アグレッシブかつ良質なロックナンバーが詰まった一枚だ。その迸るエネルギーからは、GLAYの進化と深化を感じさせてくれる。さらに、4人と濃密な時間を過ごした亀田氏は「自分たちがこれは面白い、これはすごい、これは良い曲、新しいGLAYになれているのか、懐かしいGLAYをちゃんと見つめているのか、色々な基準があると思いますが、その自分たち超えという感覚を、メンバーと僕、スタッフのみなさんと共有できているということが、すごく大きいと思います。僕も自分超えをしたということだと思います」と、GLAYのヒット作りの方程式、バンドとしての強さを目の当たりにして、大いに刺激を受けたようだ。
「キャリア20年を超え、45歳を迎えた4人が、本気で楽しんで作っている姿を見せたかった」とTAKUROが言うように、一人ひとりのカラーが色濃く出て、ある意味でサイケデリック=混沌としたこの新作で、4人が伝えたかった事、感じた事を語ってもらった。

取材 / 文 田中久勝


バンドのしなやかな進化、成長、成熟を目指しました(TAKURO)

前作『MUSIC LIFE』から約2年8か月、ようやくニューアルバム『SUMMERDELICS』が完成しました。

TAKURO 全体としては、それぞれのソングライターとしての明確な違いを感じました。『GLAY EXPO 2014 TOHOKU 20th Anniversary』以降、メンバーにはシングル曲になるものを書いて欲しいとリクエストしてきて、「G4」シリーズで、それが形になったのと同時に、HISASHIの才能、彼が持っているGLAYの中ではある意味王道にはなり得ないニッチやダークな世界と、そのキャラを世の中に伝えていかなければいけないと思っていました。
そのふたつがここ最近のGLAYのテーマであり、今回のアルバムの大きな柱になっています。そして「シン・ゾンビ」のような曲もGLAYではありという事を同時に伝えることによって、バンドのしなやかな進化、成長、成熟を目指しました。

TERU 最近の個人的なテーマだった“ガムシャラ感”を、どう出せばいいのかという事を考えながらレコーディングに臨みました。若いアーティストの歌を聴くと、勢い一発で歌って、例えば声がしゃがれていても、ピッチが多少緩くてもOKな部分、つまり情熱で歌っている部分が、凄くキラキラして聴こえてきて。
俺もデビューして5~6年はあまり技術とか気にせずに、これが俺達なんだという感じですごくガムシャラに歌っていた気がします。そのガムシャラ感を、どう出せばいいのかを考えながら今回はレコーディングに臨みました。もちろん自分の年齢や一緒に年を重ねてきたファンの人達との距離感とも向き合って、今までにはない感覚で歌いました。

JIRO 先行してシングルとして発売していたものが多い事もあって、新鮮さという部分でどう聴いてもらえるのか少し不安でしたが、でもそれぞれの個性が強くなっていて、一つひとつの音が強力になっている感じがします。これまではTAKUROの曲を軸に、その周りの広がりをいかに見せていくかという感じが強かったと思いますが、今回は作品ごとに一人ひとりが行きたい方向性がしっかりしているというか。

「彼女はゾンビ」もアルバムに入れてもいいけど、何か手を加えないと、そのままではつまらないと思って(HISASHI)

「シン・ゾンビ」を始め、「デストピア」「超音速デスティニー」「微熱Ⓐgirlサマー」と全く色が違うHISASHIさんの曲が4曲収録されていて、特に1曲目がデジタルロック「シン・ゾンビ」で、最初から最後までそのインパクトたるや、凄まじいものがあります。

HISASHI 色々な事をやりすぎて自分のやりたい方向が麻痺してしまって(笑)。原曲の「彼女はゾンビ」が、割と出落ち感のある曲だったので、最初はアルバムに入れるかどうか悩みました。僕は昔から基本的に過去の曲には全く興味がなくて。だから新しい作品を作っている時が一番楽しくて、「彼女はゾンビ」もアルバムに入れてもいいけど、何か手を加えないと、そのままではつまらないと思って、最初は歌詞を変えるだけにしました。
個人的には重い意味のある曲の歌詞が変わるのは好きではないのですが、この曲は違うバージョンと捉えて、ガラッと変えてみようと思って。トリッキーな曲でもあったので、それが許される幅もあると思い、ギターも録り直したり。そういう意味ではレコーディングの面白さというか、可能性がこの曲には詰まっています。

TAKURO そのやりたい事に対する真っすぐさ、情熱とか、彼の想い自体がすごくポピュラリティを持っていて、キャッチーだと思います。だから俺は絶対「シン・ゾンビ」がアルバムの一曲目じゃないとダメだと思いました。

こうじゃなきゃいけない”という固定概念を取り払いたいと、常々思っていて(JIRO)

「シン・ゾンビ」は言葉が持つリズムがすごく気持ちよくて、トリッキーな曲ですが、でもやっぱりGLAYなんですよね。

HISASHI やっぱりTERUのボーカル力のなせる業で、よく疑問もなく、この歌詞を歌えるなという(笑)。これはどういうテーマなのか、理解しなくていいのかというくらい、本当にちゃんと歌ってくれるんですよね。
それと、長くTAKUROの曲をやってきた事もあるし、自分の言葉に対するギターの置き方、音符の長さとかを含めて、そのバンドの音だなと思います。ギタリストによってそれぞれ癖があって、歌詞の譜割の置き方はやはりコンポーザーそれぞれの味だと思います。オタ芸のコールを入れたり、声優さんに登場してもらったりしましたが、それを寛大な心で許してくれたプロデューサーの亀田誠治さん含め、メンバーには感謝です。

TERU 歌詞に“歌わせられている感”はあるかもしれません(笑)。言葉の意味がわからないけど、とにかく“凄い”という感じがあって(笑)。「GLAYもここまで来たか」と、みんな驚くと思います。でもそれだけ自由に音楽ができているという事は、素晴らしいと思います。ただ、自由すぎると、普通は誰かが止めると思うんですよね(笑)。でもそれがみんなの許容範囲内というところが、やっぱりGLAYは凄いと思います。

JIRO  そう来るかという驚きがありました。規格外というか、“こうじゃなきゃいけない”というのを、“そんなことないんじゃない”って提示してくれているなと思って。僕たちはもうすぐデビュー25周年を迎えますが、“こうじゃなきゃいけない”という固定概念を取り払いたいと、常々思っていて。元々ある曲の歌詞違いというのも面白いからいいじゃん、というその発想が素晴らしいと思います。

佐久間正英さんという天才プロデューサーから色々な事を学び、さらに亀田誠治さんという天才プロデューサーからも、新しいやり方を学べている(TERU)

今回は、『MUSIC LIFE』に続いて、巨匠・亀田誠治さんとガップリ四つに組んで作り上げました。この事もバンドにとって、メンバーにとって、そしてこのアルバムの大きなトピックスだと思います。

TAKURO 今回は音楽プロデューサーではなく、総合プロデューサーとしてお願いをして、メンバーの曲を全て託して、今のGLAYを客観的に見た時に、前作との違いも含めてどんな曲が必要なのか、GLAYと世の中をつなげてもらった感覚です。

TERU 自分達が飽きずに、新鮮な気持ちでレコーディングに取り組めているのは、佐久間正英さんという天才プロデューサーから色々な事を学び、さらに亀田誠治さんという天才プロデューサーからも、新しいやり方を学べているからに他ならないと思っています。今回は曲がある程度完成すると、亀田さんが「一旦僕に預けて下さい」と言って、音の構築や、コード感に対してのギターのアプローチとか、すごく緻密に計算されたものを作り上げて戻してくれ、各パートがそこからさらに練り上げていくという作業でした。

JIRO  メンバーそれぞれの個性を活かしてくれました。亀田さんが「JIRO君の曲、これもいいと思うけど、こっちのロックンロールの方がいいからこっちで行こう」と言ってくれたり、本当に“5人目のメンバー”として、一緒に作業できました。同じベーシストとしても、ものすごく刺激を受けました。

「シン・ゾンビ」が皆さんから印象に残った曲として挙がっていますが、他の曲も是非!(笑)

TAKURO 「SUMMERDELICS」はJIROの曲で、この歌詞を書いている時に、1970年にカナダで行われた、ジャニス・ジョプリンやグレイトフル・デッド達が、列車に乗ってカナダ各地でライヴをやる「フェスティバル・エクスプレス」というフェスのドキュメント映画を観ていて。列車の中でミュージシャン達は酒やドラッグに浸りながら、毎日音楽をとことん楽しむという、まだ“SUMMER OF LOVE”の空気が残っていて、そういう音楽旅団的なストーリーの曲が欲しかったんです。

TERU チャレンジだったのは「聖者のいない町」ですね。デモを聴いた時点でTAKUROがソロツアーで経験した事や、70年代の音楽に注目している事が伝わってきたので、自分でもピンク・フロイドとか70年代の音楽を聴いて、TAKUROの想いに応えたいと思いました。“行ききっている”自分で臨めるのかどうか、そこがポイントでした。そしてTAKUROが「コーラスを一切入れない」と言ってきて…(笑)。

TAKURO 今回はメロディに対してハモリを付けるという、TERUの必殺の黄金律を繰り出すのはやめましょうと。フィジカルなボーカリストであって欲しいので、ボーカルは一本で行きましょう、ダビングは認めませんと言いました。結局、聴き手が歌にグッと引き込まればいいので、それが美しい曲であれ、激しい曲であれ、目の前にある感情の揺さぶりに惹かれる事は変わらないので、この曲だけはそうしたいと言いました。。

JIRO 自分の曲ですが、「lifetime」です。僕はファンレターもライヴ後のアンケートも必ず全部目を通していて、そうするとファンの方の年齢層も生活や生き方まで見えてきます。一人ひとりが、色々な思いを抱えてライヴに来てくれたり、GLAYの音楽を聴いてくれているという事に改めて感動して、その想いにどう応えてあげられるのかという事を深く考えるようになって、書きました。今まではTAKUROに歌詞を託して、自分で書いた歌詞が変わっても全然気にしませんでしたが、この曲に関しては全て自分で書きたいと強く思いました。

HISAHI 「微熱Ⓐgirlサマー」は自分を褒めたいですね。これはCMソングで、第1クールはTERUの曲([BLEEZE])で、今回は僕が任されて、あまり自分の中にはない感じの色ですが、頑張って世界観を作りました。故郷の北海道の夏は短くて、文化祭があったり、恋をしたり、誰かと喧嘩したり、キラッと輝く一瞬に色々なドラマがあって、だから夏休みの終わりはすごく淋しかった事を覚えていて、そんな事を思い出しながら書きました。

TAKURO TAKUROメロディに慣れてしまっている人には、一刻も早く忘れていただいて、俺がたまに書いた時にありがたいって思って欲しいくらいです(笑)。もう俺は殿堂入りでいいんじゃないですかね(笑)。

メンバー一人ひとりが、今バンドに感じている瑞々しさみたいなものを、失わないでいてくれる事が大切です(TAKURO)

最後に、TAKUROさんにお聞きしたいのですが、GLAYのリーダーとして、間もなく迎える25周年、そして来るべき30周年はどういう状況で迎えたいと考えていらっしゃいますか?

TAKURO 40周年まではさすがに見えませんが(笑)、25周年はもちろんですが、30周年も具体的な画が見えていて、そこから逆算して実現できるようにもう動いています。でもまずメンバー一人ひとりが、今バンドに感じている瑞々しさみたいなものを、失わないでいてくれる事が大切です。でもたぶんちょっと老ける位で、全員あまり変わらないと思います(笑)。音楽性が劇的に変化する事もないだろうし、俺的にはやっぱり言葉とメロディを追及して、それを大好きなバンドサウンドとどう融合させるか、どこまでもいっても馴染みが悪いであろう美しいメロディとハードなギターと日本語、それと派手なビジュアルと演出を、多少の不自由さを与えつつ、どうGLAYというジャンルの中にはめ込むか。たぶんそれを30周年の時もやっていると思います。

その他のGLAYの作品はこちらへ

ライブ情報

ニューアルバム『SUMMERDELICS』を引っ提げ、2017年秋に全23公演23万人を動員する大型アリーナツアー開催決定!!

GLAY ARENA TOUR 2017″SUMMERDELICS”
詳細はhttp://www.glay.co.jp/live/

GLAY

1994年にメジャーデビューし、2014年に20周年を迎えたロックバンド。
2016年1月にリリースした53枚目のシングル「G4・IV」が オリコン・ウィークリーチャート1位を獲得し、TOP10入りは1996年「グロリアス」以来、21年連続、歴代同率1位。
同シングルを含んだタイアップ曲満載のニューアルバム「SUMMERDELICS」を2017年夏にリリースする。
また9月末からは「GLAY ARENA TOUR 2017“SUMMERDELICS”」と題した全23公演23万人を動員する大型アリーナツアーを開催。そして2018年3月には台湾・台北アリーナ公演も決定。

オフィシャルサイトhttp://www.glay.co.jp/