Interview

「乗るならマックィーン」奥田民生が『カーズ』愛と日本版エンドソング誕生秘話を語る

「乗るならマックィーン」奥田民生が『カーズ』愛と日本版エンドソング誕生秘話を語る

大人気シリーズの最新作で、大人ゴコロにも響く衝撃の感動のストーリー展開が大きな話題を呼んでいる『カーズ/クロスロード』。そのラストを飾る日本版エンドソングに、車好きで知られ、車にまつわる名曲をいくつも送り出してきた奥田民生が描き下ろした新曲「エンジン」が起用された。本作の製作総指揮を務めるジョン・ラセターも絶賛するこの楽曲の制作秘話や、『カーズ』シリーズ(06・11・17)について、そして車に対する深い想いなどを奥田民生に聞いた。

取材・文 / 大谷弦 撮影 / キムラタカヒロ


奥田さんは幼少の頃から車好きだったとか?

奥田 親戚の家がモータースをやっていて、小さい頃、よくそこに預けられたので、その影響が一番大きいですね。
まだおんぶしてもらってるくらいの年齢だったんですけど、近づいてくる車の音で「ルーチェが来た!」とか、わかってたらしくて。
まぁ、そこは広島の山の中のほうで、外車はあまり通らないですから、車の種類が限られていたからだと思いますけどね。

それは車に詳しいのもありますけど、耳がすごくいいですよね。

奥田 ですかね(笑)。でも、その頃から車のカタログとかを絵本がわりに見ていましたし、日本車なら全部わかりました。そのモータースで働いている人たちが、当時の「コスモスポーツ」とかに乗ってたので、そういうスポーツカーも身近にあったんですよね。

車好きの奥田さんにとって、『カーズ』シリーズはどんな印象でしたか?

奥田 『カーズ』は最初から好きでしたね。昔よく観たアニメで、話と話の間に車が喋るアニメをやってたんですよ。それが好きだったので、『カーズ』を最初に観たときも、面白かったし、すごく懐かしさも感じたんです。『カーズ』は1作目からストーリーも奥深かったし、子ども向けの映画だとは全然思わなかったですね。

今作の主題歌に起用された「エンジン」はどのように制作されましたか?

奥田 映画のプロットを見せていただいて、雰囲気を頭に入れてから作らせていただきました。
今回のストーリーも、比較的、大人の考え方をした話ですし、スピードのあるレースシーンもたくさん出てきますけど、そうじゃなくて普段の道を走っているようなイメージの方が合うのかなと思って曲を作りました。
レースとレースの間、移動中というか旅をしているような場面、エンジンの回転を上げているんじゃなくて、クルージングというか、落ち着いて走っているイメージですね。

普段の楽曲作りと映画の主題歌を作るときは、アプローチが違ったりするんですか?

奥田 今回はこの映画用に、ストーリーを踏まえて考えましたけど、何もないところから作るときもありますし、状況によって作り方は違いますね。もちろん映画をイメージして作るっていうのは、それが良いと言っていただけるかは別として、作りやすいと言ったら作りやすいです。

今回の楽曲のタイトルは「エンジン」ということなんですが、このタイトルには何か思い入れがあるのでしょうか?

奥田 車の音っていうと、やっぱりエンジンですよね。サスペンションの音って言ってもね、あんまりしないほうがいいですし(笑)。
アメ車のV8のエンジン音とかが好きなんです。それこそ、子どもの頃にカタログを見ると、やっぱり一番馬力のある車を「おぉ~」って思うじゃないですか。
ハイパフォーマンスエンジンにはやっぱり憧れがあったから、自分で車を買えるようになると、どうしてもエンジンがゴツい方を選びがちですよね。そんなに走ってどうするんだって話ですけど。
普段はスピードを出さないので、「いざとなったら早いんだぞ」って言っているだけっていう(笑)。

好きなエンジンの音を集めて聴いたりとかは?

奥田 ないです、ないです(笑)。くるりの岸田(繁)の電車みたいな、そういう趣味はないですね。

今回の『カーズ/クロスロード』は、大人にも沁みるようなストーリーでした。

奥田 最初の『カーズ』も、大人が観ても感動できる深い映画だと思っていましたけど、今回はさらに人生的な話が強くなっているんで、これを面白いと思う子どもはシブい子どもじゃないかと思いましたね(笑)。

〈スモーキー〉など、〈マックィーン〉よりもベテラン世代の車も登場します。

奥田 あれはシブいですよね。でも〈マックィーン〉も好きなんですよ。グラマーだし。買うなら、というか、自分で乗るなら〈マックィーン〉ですね。

実際のカーレースをご覧になったりしますか?

 

奥田 そんなにしょっちゅうではないですけど、見るときはあります。

それを踏まえて、今作のレースシーンはいかがでしたか?

奥田 実写よりも良いですよね。もちろん絵なんですけど、そういうことも忘れます。実際ではあり得ないアングルというか、レースでそこにカメラがいたらいけないとこからの描写とかもありますからね。そういう意味でも、実写より迫力があるし、スゴかったです。

エンディングでご自身の曲が流れたときは、どんなご気分でしたか?

奥田 率直な感想として、クレジットがすごく長い(笑)。
何人いるんだろうって思いながら観てたんですけど、最初は違う曲なので、「俺の曲が流れないんじゃないか」って一瞬思いましたね。
でも、エンディングがあって、クレジットを眺めて、興奮していた気持ちが落ち着いてきたところで「エンジン」が流れはじめるので、曲調とかも合ってるし、悪くないなって思いました。

今回、『カーズ/クロスロード』の日本版エンドソングを担当されるなど、映画絡みのトピックが増えていますね。

奥田 そうなんですよね。でも、そんなに映画に詳しくないもので、こういう取材で「映画とは?」みたいな質問をされたらどうしようってビビってるんですけどね……(笑)。たまたまだと思うんですが、ちょっと戸惑ってます。

劇場でご自身の曲が流れるというのは感慨深かったりしますか?

奥田 それはありますね。特に『カーズ』は本当に好きな作品なので、オファーをいただいたときから嬉しかったですし、逆に適当にやっちゃいけないなっていうプレッシャーも少しありました。頑張ったつもりなので、映画館で聴いていただけると嬉しいですね。

奥田民生

1965年生まれ、広島県出身。1987年にユニコーンでメジャーデビュー。
1994年にシングル「愛のために」で本格的にソロ活動をスタートさせる。「イージュー★ライダー」「さすらい」などヒットを飛ばし、井上陽水とのコラボレーションや、PUFFY、木村カエラのプロデュースを手掛けるなど、その才能を発揮。弾き語りスタイルの“ひとり股旅”、ひとりレコーディングライブ“ひとりカンタビレ”など活動形態は多彩。
世界的なミュージシャンであるスティーヴ・ジョーダンらとの“The Verbs”、岸田繁(くるり)、伊藤大地と結成したスリーピースバンド“サンフジンズ”のメンバーとしても活動している。2015年にレーベル“ラーメンカレーミュージックレコード”を立ち上げた。
2017年7月12日には、本作の日本版エンドソング「エンジン」がリリースされる。

オフィシャルサイトhttp://okudatamio.jp/
ソニーミュージック オフィシャルサイト
http://www.sonymusic.co.jp/artist/TamioOkuda/

映画『カーズ/クロスロード』

2017年7月15日公開

華々しく活躍してきた天才レーサーの〈マックィーン〉は、これからも走り続けると信じていた。しかし、彼を待ち受けていたのは、最新テクノロジーを限界まで追求した〈ストーム〉を始めとする新たな世代の台頭と、レース人生を揺るがす衝撃的な大クラッシュだった……。
夢の続きか、それとも新たな道か? 思いがけない挫折を経験した〈マックィーン〉は、親友の〈メーター〉や恋人〈サリー〉たち仲間に支えられ、新たな相棒〈クルーズ〉とともに、“人生の岐路”(クロスロード)に立ち、運命の決断を迫られる――。

予告編

日本版エンドソング:奥田民生「エンジン」PV

【製作総指揮】ジョン・ラセター
【監督】ブライアン・フィー
【脚本】ボブ・ピーターソン
【声の出演】
オーウェン・ウィルソン、クリステラ・アロンツォ、アーミー・ハマー、ネイサン・フィリオン、クリス・クーパー、ケリー・ワシントン、リー・デラリア
【声の出演(日本版)】
土田大、松岡茉優、藤森慎吾、戸田恵子、パンツェッタ・ジローラモ、赤坂泰彦、福澤朗、山口智充
【音楽】ランディ・ニューマン
【配給】ウォルト・ディズニー・ジャパン

オフィシャルサイトhttp://www.disney.co.jp/movie/cars-crossroad.html

©2017 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

リリース情報

奥田民生
シングル「エンジン」

2017年7月12日発売
RCMR-6 ¥1,500(+税)

※初回仕様盤にはステッカー封入
収録曲
1:エンジン [4:31]
2:ENGINE ※「エンジン」英語詞バージョン

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