Report

日本人が頂点に! 世界最大の格闘ゲーム大会 EVO 2017 総括

日本人が頂点に! 世界最大の格闘ゲーム大会 EVO 2017 総括

全世界で最大の規模を誇る格闘ゲームの祭典“EVO”(Evolution Championship Series)が、2017年7月14日から16日(現地時間)にかけてアメリカ・ラスベガスで開催された。

eスポーツ(※1)の祭典として、確固たる地位を築いている本大会。今年は、種目となった9タイトルのうち、3タイトルで日本人選手が優勝を勝ち取った。特に、参加人数が今大会中最多であった『ストリートファイターV』(以下、『ストV』)部門における“ときど選手”の優勝は、日本を含めた世界中に、日本のプロゲーマーの存在を強くアピールした。

本稿では、昨今盛り上がりを見せているeスポーツ業界の動向と、EVOの持つ魅力を再確認しつつ、大会の様子をリポートしていく。

取材 / 文 辻良太郎

※1  eスポーツ……エレクトロニックスポーツの略。コンピュータゲームで対戦することを競技、スポーツと捉える場合の呼称。現在、世界的に競技人口が増加しており、企業をスポンサーに付けたプロゲーマーも続々と登場している。


eスポーツ業界の発展とEVOの進化

EVOはアメリカ・ラスベガスで毎年開催されている世界最大規模の格闘ゲーム大会。その年の人気タイトルを複数選出し、3日間に渡るトーナメントを経て、それぞれのタイトルで世界チャンピオンを決定する。まさに、格闘ゲームの祭典と呼ぶに相応しいイベントだ。

▲EVO2017最終日の会場は、12000人を収容できるホテル・マンダレイベイのイベントセンター。ボクシングのタイトルマッチなどを開催している“格闘技のメッカ”ともいえる場所だ

EVOは、世間からのeスポーツに対する関心の高まりを象徴するように、年々、規模がスケールアップしている。2012年大会は、のべ5000人が参加。2015年以降は、のべ10000人以上が参加するようになり、ますます大規模な大会へと進化を続けている。

また、EVOの会場には物販コーナーや企業ブースなどがあり、大会に参加しない人でも記念品の購入や、新作の試遊などで楽しめるように配慮されている。一般の人でも会場に足を運びやすいのは、EVOの特徴のひとつだ。

▲物販コーナーではさまざまなグッズが販売されており、選手も一般客も利用できる

さらに、アメリカでは、最大手のスポーツ専門チャンネル“ESPN”がEVOの試合の様子をテレビ中継するなど、eスポーツが一般層にも広く浸透している。

そういった背景があり、普段は格闘ゲームの大会に参加しないプレイヤーも、EVOにはお祭り感覚で参加しやすくなっているのだ。それがEVO自体の発展にもつながり、好循環を生んでいるといえる。

新規ユーザーの関心を引きやすいという面で、メーカー側もEVOへの出展には積極的だ。EVOで自社タイトルの賞金に追加出資して大会を盛り上げるなど、メーカーも大会作りに貢献している。

日本の格闘ゲームが多数採用

今大会でトーナメントタイトルとして選出されたのは、以下の9タイトル。ほとんどが日本産の格闘ゲームとなっている。

今年のEVOは、選出された9タイトルのうち、『Injustice 2』以外の8タイトルが日本のゲームメーカーの開発したタイトルとなっている。EVOのトーナメントタイトルとして選出されるということは、アメリカでその作品の人気が高いことを表しており、日本の格闘ゲームが海外でも評価されていることが伺える。

なかでも『ストリートファイター』シリーズは、毎年、最多の参加者数を誇る人気タイトルだ。日本のプレイヤーが強豪として知られていたシリーズだったが、近年ではアメリカを中心に海外のプロプレイヤーが続々と登場し、世界中で覇を競い合うタイトルとなっている。それだけに他タイトルよりも競技レベルが高まり、全世界の強豪が一堂に会するEVOの舞台は、『ストリートファイター』のプレイヤーにとって特別な大会だ。プロ、アマ問わず、EVOで勝ち進むことに焦点を合わせて練習を積んでくるプレイヤーも少なくない。

▲参加選手が多いため、予選は同時並行で行われる。観戦は自由で、選手との距離も近い。有名プレイヤーと交流する機会もある

発売して16年経った現在でもEVOのトーナメントタイトルとして選ばれ続ける『大乱闘 スマッシュブラザーズDX』も特異な存在だ。日本発のゲームでありながらアメリカで長く愛されており、今年のEVOでも、参加選手は新作の『大乱闘 スマッシュブラザーズ for Wii U』とほぼ同数。決勝トーナメントでは会場を震わせるほどの歓声が上がり、大きな盛り上がりを見せていた。