黒川文雄のエンタメ異人伝  vol. 6

Interview

乙女ゲーム生みの親 襟川惠子氏(中)大反対?夫シブサワ・コウとの結婚

乙女ゲーム生みの親 襟川惠子氏(中)大反対?夫シブサワ・コウとの結婚

親戚たちから大反対された結婚

なるほど、そういう経緯だったんですね。では、当初、結婚対象としては……

襟川恵子 全然、対象ではありませんでした。だって2歳年下で幼い感じでしたから。それに、私は別に付き合っていた人がいたんです。 その人のことは最初は全然好きではなかったんですけど、いつも傍にきて離れなかったんですよ。もう見るからにイヤで、鳥肌が立つから「カマキリ」ってあだ名をつけていたくらいです。それでも、付き合うようになり、結婚してくれとか言われると、不思議なもので「まあ、それでもいいか~」とか思ってしまうんです。女性は順応性があるんですね(笑)

そんな男性がいたのですか。ちなみにその方とはどうなったんですか?

襟川恵子 歌手の方と結婚しましたよ。その後、離婚しちゃいましたけどね……(笑)。友人から聞いたのですが「オレ、B型の女には縁がないんだよ」とこぼしていたそうです。

何と言ったらいいか、、、すごい話ですね。

襟川恵子 その後その人は音楽の仕事につき、襟川が仕事を依頼しちゃったことがありましてね。しばらくして、その人から私に手紙が届いたので、びっくりしちゃって、現場の社員に「何でこんなところに仕事を出すんだ!」って怒ったんですよ。そうしたら「社長(襟川陽一氏)が決めて、しかもしっかり値切って」って(笑)。その後は仕事をお願いしなかったようですね。

すごいですね。こんな話を聞いてしまって大丈夫かな?

襟川恵子 面白いでしょう?(大笑)

では、どういうきっかけで、陽一さんとお付き合いするようになったんでしょうか。

襟川恵子 夜中の2時頃に私の仕事が一段落して、階段に腰掛けていたら、襟川がへらへらとほろ酔い加減で帰ってきましてね。「一杯飲みに行きませんか」って誘われました。それまで何回も誘っていたらしいんですけど、「ダメ、彼と今ケンカしているから」とか言って、いつも断っていたらしいんです。彼は当時はバンドをやっていましたから、私にパーティー券を買ってもらいたいんだろうな、と思っていました。
でも、そのときは絵の仕事がなかなか終わらないし、一杯飲みに行くのもいいなって思ったんです。それで、襟川の慶應の同級生がすぐ近くでバーテンをやっているというので、じゃあちょっと行こうと。それが、きっかけですね。

そういうことだったのですか。人生って面白いですね。

襟川恵子 ホントにねえ、分からないですよね。

結婚を反対されたりしませんでしたか?

襟川恵子 大反対されました。私は母が一人っ子で父が二人兄弟で叔父には子供がいません。ですから親族一同はお婿様が良いと思っていました。また、母の従兄が襟川の実家と仕事の関係があり、生活環境がまるで違うので、私が嫁として勤まらないと反対されました。私は私で、嫁として彼の実家で専業主婦になる気はまったくありませんでした。

そうだったんですか。

襟川恵子 襟川との結婚条件は仕事を続けることでした。あちらのご両親にしてみれば、気にいらない嫁でしょうね。大事な跡継ぎ息子の嫁が生意気な不良女で。

新婚旅行で行った「リド」で

思い出深い「リド」にはその後もよく行っている

大変だったんですね。

襟川恵子 祖母には年下と結婚したら損をするからダメだとも言われました。損なんかしないんですけどね。でも、確かに年上のほうが面倒見はいいですね。

ほら、荷物を持ったりとか気をつかってくれるじゃないですか。若い頃の襟川は全然そういうことに気が回らなかったですから。それで、ある一般社団の専務理事に襟川が怒られたことがありました。「こんなデカい体をしているのに、何で恵子さんに荷物を全部持たせているんだ。いい、オレが持ってやるっ。ふざんけな!」って(笑)。


最終回となる次回は、苦難を乗り越えてなお、乙女ゲームを生み出し、VRセンスなどの革新的な開発を続け、さらに前に進む襟川恵子氏の今を語っていただきます。


続きは第3回インタビューへ
(7月25日(火)公開予定)

著者プロフィール:黒川文雄【インタビュー取材】

くろかわ・ふみお
1960年、東京都生まれ。音楽ビジネス、ギャガにて映画・映像ビジネス、セガ、デジキューブ、コナミDEにてゲームソフトビジネス、デックスエンタテインメント、NHN Japan(現LINE・NHN PlayArt)にてオンラインゲームコンテンツ、そしてブシロードにてカードゲームビジネスなどエンタテインメントビジネスとコンテンツの表と裏を知りつくすメディアコンテンツ研究家。コラム執筆家。アドバイザー・顧問。黒川メディアコンテンツ研究所・所長。株式会社ジェミニエンタテインメント代表。
黒川塾主宰。ゲームコンテンツ、映像コンテンツなどプロデュース作多数。

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