黒川文雄のエンタメ異人伝  vol. 6

Interview

乙女ゲーム生みの親 襟川惠子氏(下)波瀾万丈を越えて革新的VR、その先へ

乙女ゲーム生みの親 襟川惠子氏(下)波瀾万丈を越えて革新的VR、その先へ

テクモとの経営統合は緩やかな統合

2009年にテクモとの合併がありましたよね。今までの御社を見ていますと、コーエーという会社は恵子さんと陽一さんのお子さんのように思えるんですよね。すごく優しく手厚く、ときに厳しく育てられて、ここまで大きくなったと。テクモとの合併はそこにある種の違う文化が入ってきた時代だったと思うんですけど、どのように受け止められていましたか。

襟川恵子 いきなり全部一緒に統合するのはやめました。コーエーのいいところである開発エンジンなどは共有化しながら、テクモのいいところを伸ばしていこうということで経営統合しました。ですが、企業文化も社風もまったく違いましたから最初はなかなか難しかったですね。うまく交通整理できたので、今はまったく問題はありません。

今は本当に一丸となっておられますよね。e-Sportsはじめ、いろんな意味で相乗効果が出ていると思います。

襟川恵子 そうですね、いい出会いだったと思います。e-Sportsの方も私が理事長としてAMD(注10)で協議会を立ち上げまして、国際的に大きく遅れをとった分の巻き返しを図ります。

注10)襟川恵子氏が理事長を務める一般社団法人デジタルメディア協会の略称

エンタメを目指す女性、若手クリエイターへのメッセージ

最後に、エンタテインメントの世界を目指す女性や若手のクリエイターにアドバイスをいただけますか。

襟川恵子 自分が楽しいと思えるもの……こういうものが欲しいとか、こういう風にしたいということを突き詰めてほしいです。
これは主観ですよね。そうしたら、今度はお客様の立場として、今の市場などと照らし合わせて客観的な立場から、その市場があるのか、売れるのか、だれをターゲットにするかということをシミュレーションしてみると良いですね。
その上で「これはこういう風にしたい」、「これをやるんだ」としっかり心に強く決めて、行動したら、必ずそのようになります。
だから、自分で強く思ったことは実行することです。
世の中には素晴らしいことがたくさんあって、チャンスはいくらでもありますから、もっともっと若い人に活躍して欲しいなと思います。
若い人はDNAも進化していて、賢くて、大きな可能性を秘めていますから。

撮影 / 北岡一浩 取材協力 / 仁志睦

著者プロフィール:黒川文雄【インタビュー取材】

くろかわ・ふみお
1960年、東京都生まれ。音楽ビジネス、ギャガにて映画・映像ビジネス、セガ、デジキューブ、コナミDEにてゲームソフトビジネス、デックスエンタテインメント、NHN Japan(現LINE・NHN PlayArt)にてオンラインゲームコンテンツ、そしてブシロードにてカードゲームビジネスなどエンタテインメントビジネスとコンテンツの表と裏を知りつくすメディアコンテンツ研究家。コラム執筆家。アドバイザー・顧問。黒川メディアコンテンツ研究所・所長。株式会社ジェミニエンタテインメント代表。
黒川塾主宰。ゲームコンテンツ、映像コンテンツなどプロデュース作多数。

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