Interview

「セラミュー」や仲間への感謝をこめて――セーラー5戦士が最終章にかける想いを熱く語りあう

「セラミュー」や仲間への感謝をこめて――セーラー5戦士が最終章にかける想いを熱く語りあう

原作ファンを魅了した「セラミュー」がついに最終章を迎える。9月8日(金)から開幕のミュージカル「美少女戦士セーラームーン」-Le Mouvement Final-は、2013年から続く本シリーズの集大成。シリーズ最多のセーラー戦士が集結し、華麗な戦いを繰り広げる。
注目のセーラー5戦士を演じるのは、〈セーラームーン/月野うさぎ〉役の野本ほたる、〈セーラーマーキュリー/水野亜美〉役の竹内 夢、〈セーラーマーズ/火野レイ〉役の小林かれん、〈セーラージュピター/木野まこと〉役の楓、〈セーラーヴィーナス/愛野美奈子〉役の長谷川里桃の5人。役づくりにかける想いから気になる舞台裏まで、元気いっぱいの5人のガールズトークをお届けする。

取材・文 / 横川良明 撮影 / 相馬ミナ


みんなから役名で呼ばれると、より役に近づけた気がした

前作から新セーラー5戦士として登場したみなさんですが、この「セラミュー」の世界をつくる上で大変だったことや印象的だったことを教えてください。

野本ほたる もうすべてが大変でした! 中でもひとつ挙げるとすれば、やっぱり殺陣ですね。みんな本格的な殺陣をやるのは初めてで、基礎も何もまったくわからないところからのスタート。最初のうちはどう受け身をとっていいのかもわからなくて、怪我をするんじゃないかとヒヤヒヤしながら練習していました。

野本ほたる

 おかげでみんな腰が引けちゃってるっていう(笑)。

野本 そう! みんなキックが控えめで(笑)。はじめのうちは練習のたびに「怖い!」って声をあげてました。

竹内夢 こうやって振り返ってみてふっと浮かんでくるのが、初日の1週間前のこと。演出の平光(琢也)さんが私たち5人の関係性をすごく大事にしていて、素の状態でもちゃんとセーラー5戦士でいられるように、役名で呼び合おうって提案されたんです。それがすごく印象的で、みんなで「ほたる…じゃない、うさぎちゃん!」って呼び合っていました。

野本 あったね。最初はなかなか難しくて。「里桃…違う! 美奈ちゃん!」みたいな(笑)。

長谷川里桃 そうそう。言い慣れてないからみんなちょっとキレ気味で(笑)。

竹内 でも、そうやって「亜美ちゃん」って呼ばれると、私は〈亜美ちゃん〉なんだって実感が沸いてくるというか。自然と返事も〈亜美ちゃん〉らしい口調になるのが何だか不思議で面白かったです。

小林かれん 私は前回が初舞台初ミュージカルで、もう右も左もわからない状態だったんですね。でも、ほたるを見たら同い年なのにしっかりしてて。すごいなあって尊敬の目で見ていました。

野本 私ね、かれんちゃんのことで今でも覚えてることがあるの。稽古のとき、「上手(かみて)に行って!」って言われて、かれんちゃんが全力で下手(しもて)に走っていったことがあって(笑)。

竹内夢

竹内 ちなみに質問だけど、舞台に立ったときに右手側はどっち?

小林 えっと……… 上手?

竹内 ……逆です!(笑)

野本 文字通り右も左もわからない状態だったっていう(笑)。

小林 そんな何もわからない私たちにいろんなことを教えてくれたのがほたるだった。そういう芯の強いところが、〈セーラームーン〉に似ていますね。

 私が大変だったのはダンスかな。前作は特にソロで踊るよりも戦士全員で踊るものが多くて。人数が多いから立ち位置がなかなか覚えられなかったんです。それぞれ1番2番3番と番号を振ってあるんですけど、必ずしもその通りの位置を常にとれるわけでもなくて。1.25とか、すごく微妙な立ち位置につかなきゃいけない振りもたくさんあった。それを覚えて移動してっていうのがすごく大変でした。

竹内 しかもメンバーや会場によって1つの曲に5つくらいバージョンがあったりもして。

野本 会場によっては場ミリ(立ち位置をスムーズに把握するために目印として使うテープのこと)もないこともあって。

 そういうときは劇場の椅子の列で覚えたり、床のタイルを目印にしたり。真っ暗で何も見えないときは歩幅で覚えたりしていました。

長谷川 私は、前回の公演では原作があるものを扱うプレッシャーを常に感じていました。それぞれの役がどんな人生を辿ってきたのか理解を深めていないと、言いにくい台詞があって。ゼロから自分でつくり出すのではなく、もともとあるキャラクターを演じることに対してのプレッシャーは、すごく大きかったです。

小林かれん

生身の人間だからできる、私たちのセーラー戦士

じゃあ、ぜひそれぞれ役を演じる上で気をつけたことや難しかったことなどを教えてください。

長谷川 最初は、〈美奈子ちゃん〉のことを明るい暴走少女みたいだなって思っていたんです。でも、そういう漠然としたイメージで台本を読んでいると、〈セーラーヴィーナス〉になった後やシリアスなシーンで腑に落ちないところがいくつも出てきて。そのときに、単なる明るい暴走少女っていうだけじゃないことに気がつきました。そこから改めて原作を読み直したり、アニメを見返したりして。特にヴィーナスの場合は、Vちゃん(『コードネームはセーラーV』)時代のこともしっかりと理解しておくことが重要で。どちらかというと、私は〈美奈子ちゃん〉よりも〈セーラーヴィーナス〉を演じる方が難しかった気がします。

小林 〈レイちゃん〉は5人の中でも冷静で大人。私は〈レイちゃん〉のようなクールな女の子とは全然タイプが違うので、すごく難しかったです。仕草ひとつとっても、私は普段から身振り手振りが多いんですけど、〈レイちゃん〉は絶対私みたいにバタバタはしない。ちょっとした佇まいにも小林かれんっぽさが出ないように気をつけました。

野本 私は〈セーラームーン〉より〈月野うさぎ〉を演じる方が難しかったかなぁ。と言うのも、〈うさぎちゃん〉って感情がコロコロ変わるんですけど、あれはあくまでアニメだから成立するキャラクターであって。生身の人間が同じようにやると、わざとらしく見えてしまう。そのバランスをとるのがすごく難しかったです。

竹内 私は〈亜美ちゃん〉を演じる上で、真っ先に「IQ300って何?」という壁にぶつかりました。だって、周りにもいないじゃないですか、IQ300もある人って(笑)。

野本 うん。何考えてるか想像つかないもん(笑)。

竹内 そこをどうやって嘘がないように見せるかは苦労しました。ちょっとした仕草や立ち居振る舞いに凜とした空気を出そうとか。あと、〈亜美ちゃん〉はしっかりしているんですけど、たまに全然フォローにもなってないような天然な発言をポロッとするんですよ。そういうピュアな部分としっかり者の部分をどう上手く成立させるかという点はかなり意識しました。

 私は〈まこちゃん〉と違って普段はあまり感情を表に出さないタイプなんですね。どちらかというと冷たく見られることの方が多いし、〈まこちゃん〉の持つ包容力や優しさは私にはない部分。そこを稽古に入ってすぐ平光さんに指摘されました。そこからは、なるべく意識して周りを見たり、優しい気持ちで相手に接するようにしたりして、普段の私からちょっとずつ〈まこちゃん〉に近づいていけるよう努力をしていったという感じですね。

北海道公演では、美味しいものをいっぱい食べました!

前回は各地へツアーでめぐりましたが、その中での思い出などあれば教えてください。

竹内 北海道公演があったんですけど、私、地元が北海道なんですよ。

野本 そう。で、夢ちゃんのおじいちゃんとおばあちゃんがやっているゴハン屋さんにみんなで食べに行ったよね。

長谷川 あと嬉しかったのが、お昼ご飯が毎回ケータリングで。

野本 あれはすごく美味しかった!

 ちょうど北海道に行く前に、お昼はどんなのだろうって話してたんだよね。

長谷川 うん! 東京公演はいつもお弁当で、それもすごく美味しかったんですけど、どうしても温かくはなくて。でも、北海道のお昼はいつもケータリングの人が来てくれたから、温かいものが食べられて本当に幸せだった!

野本 またそこのケータリングのお兄さんがすごくカッコよくて。

長谷川 爽やかだったー!

野本 「お兄さんのケータリングならいくらでも完食します!」みたいな(笑)。

小林 あと、朝からお刺身を食べに行ったよね。

長谷川 行った! 市場みたいなところに。

野本 私、ソフトクリーム食べに行った。

長谷川 行ったね! あ、里桃、ヤバい、食べてばっかり(笑)。

とにかく花より団子なツアーだったんですね。

野本 はい! 大満足でした(笑)。

長谷川里桃

では、最終章に向けて、それぞれ意気込みを。

長谷川 私の人生は、「セラミュー」に出会って変わりました。だから、最終章は今までの恩返しをするつもりで私たちの集大成を見せたいです。私の中にある「セラミュー」への感謝、仲間への感謝、そして何よりお客さんへの感謝をこめて突っ走っていきたいと思います!

 最終章ということで、お客さんの中にも終わってしまうことへの寂しい気持ちがあると思います。その寂しさを吹き飛ばすくらい楽しい作品をつくることが私たちの目標。そのためにもこれからの稽古をみんなで一緒に頑張っていきたいです。

小林 前回の公演の後、「もっと〈レイちゃん〉に近づけたんじゃないかな」とか、「もっとみんなのことを支えられたんじゃないかな」とか、振り返って気づいたことがいっぱいあった。この最終章では一切後悔がないように、全身全霊をこめて努力を重ねていきたいです。

竹内 2013年の公演から松浦雅さん、小山百代さんがつないできてくれたバトンがあって、今の私がいる。先輩たちから託された想いを決して無駄にしないように、私らしい強くて迫力のある〈セーラーマーキュリー〉を演じられたらいいなと思います。

野本 この「セラミュー」もついに最終章。そして『美少女戦士セーラームーン』も今年で25周年という記念の年です。そんなメモリアルイヤーにふさわしい公演にできるよう、みんなで力を合わせて頑張っていきます。みなさんの想像を超えるものをお届けするつもりなので、ぜひ楽しみにしていてください!

左から 楓、竹内夢、野本ほたる、小林かれん、長谷川里桃

野本ほたる/セーラームーン 月野うさぎ

2月20日、東京都生まれ。砂岡事務所所属。主な出演作にミュージカル「モモ」、「POST」、舞台「アンネ」、「カラフル」など数多くの舞台に出演。テレビ東京「はっけんたいけんだいすき!しまじろう」、映画「歩いても歩いても」(是枝裕和監督)、「告白」(中島哲也監督)など、舞台や映像と幅広く活躍している。

竹内夢/セーラーマーキュリー 水野亜美

10月15日、北海道生まれ。テアトルアカデミー所属。数々のライブに出演しつつ高校進学を機に上京、本格的に芸能活動を開始する。CX『No.1歌姫決定戦』セミファイナリストとして、審査員より高い評価を得る。舞台『カードファイト!!ヴァンガード』では主人公の妹役を演じた。その他、大塚製薬『ポカリスエット×甲子園』スチールなど。

小林かれん/セーラーマーズ 火野レイ

3月23日、東京都生まれ。アヴィラ所属。2011年にデビュー。特技は3歳から始めているバレエ。2014、2015年度「ENDLESS」イメージガール。主な出演作はCM「ゆめタウン」「ポカリスエット〜エール篇〜」、テレビ朝日「仮面ライダーゴースト」など。

楓/セーラージュピター 木野まこと

2月23日、愛知県生まれ。センスアップ所属。初舞台は、昨年のミュージカル「美少女戦士セーラームーン」-Amour Eternal-。その他、舞台出演作は、PREMIUM 3D MUSICAL『英雄伝説閃の軌跡』。また、モデルとしても様々な媒体などで活躍中。

長谷川里桃/セーラーヴィーナス 愛野美奈子

11月24日、静岡県生まれ。研音所属。2013年から雑誌やイベントに出演。主な出演作は、日本テレビ系スペシャルドラマ「黒崎くんの言いなりになんてならない」(2015)、朝日放送「僕と私の、ひらパー姉さん」(2016)、映画「チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜」(2017)、CM「沖電気工業(株)」など。

ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」-Le Mouvement Final- (ル ムヴマン フィナール)

【東京公演】9月8日(金)~18日(月・祝)
AiiA 2.5 Theater Tokyo
【名古屋公演】9月23日(土・祝)、24日(日)
アイプラザ豊橋
【大阪公演】9月29日(金)~10月1日(日)
梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

【出演】
セーラームーン/月野うさぎ:野本ほたる
セーラーマーキュリー/水野亜美:竹内 夢
セーラーマーズ/火野レイ:小林かれん
セーラージュピター/木野まこと:楓
セーラーヴィーナス/愛野美奈子:長谷川里桃

補足情報を見る
セーラーウラヌス/天王はるか:汐月しゅう
セーラーネプチューン/海王みちる:藤岡沙也香
セーラープルート/冥王せつな:石井美絵子
セーラーサターン/土萠ほたる:未来
セーラーちびムーン/ちびうさ:神田愛莉
セーラースターファイター/星野 光:春川芽生
セーラースターメイカー/大気 光:立道梨緒奈
セーラースターヒーラー/夜天 光:松田彩希
火球皇女:岡村麻未
セーラーギャラクシア:五十鈴ココ
セーラーアイアンマウス:青木志穏
セーラーティンにゃんこ:橋垣美佑
セーラーアルーミナムセイレーン:小林由佳
セーラーレッドクロウ:悠斗イリヤ
シャドウ・ギャラクティカ:
椎原夕加里 肥田野好美 匂坂あゆ美 長澤綾乃
ちびちび(Wキャスト):山口陽愛
ちびちび(Wキャスト):新津ちせ
セーラーコスモス:大久保聡美
タキシード仮面/地場衛:大和悠河

ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」公式サイト
http://sailormoon-official.com/musical/
期間限定「美少女戦士セーラームーン」25 周年特設サイト
http://www.sailormoon-official.com/25th/
「美少女戦士セーラームーン」25 周年プロジェクトオフィシャルサイト
http://sailormoon-official.com/

©武内直子・PNP/ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」製作委員会2017