Interview

『メサイア ―悠久乃刻―』井澤勇貴と杉江大志が卒業ミッション。葛藤の末に示す生き様とは――

『メサイア ―悠久乃刻―』井澤勇貴と杉江大志が卒業ミッション。葛藤の末に示す生き様とは――

警察省警備局特別公安五係――通称“サクラ”。その育成のための特殊機関・チャーチを舞台に、過酷な戦いに身を置くサクラ候補生たちの友情を描いた『メサイア』シリーズが、またひとつ壮大なクライマックスを迎えようとしている。
“メサイア”とはミッション成功のためだけに暗躍する孤独なスパイ・“サクラ”が唯一心を許せる魂の片割れのこと。これまで歴代の名コンビが“メサイア”として共に闘い、絆を育んできた。
シリーズ最新作の舞台『メサイア ―悠久乃刻―』では、井澤勇貴演じる〈有賀涼〉と、杉江大志演じる〈加々美いつき〉がついに卒業ミッションに挑む。ふたりにくだされたミッションは、暗殺――。はたして〈有賀〉と〈加々美〉は無事にチャーチを卒業できるのだろうか。

取材・文 / 横川良明 撮影 / 冨田望
衣装協力 / 株式会社クレヨン、H>FRACTAL


ずっと勇貴の背中を追いかけてきた

いよいよ卒業ミッションのときが来ました。まずは改めて『メサイア』という作品がおふたりにとってどんなものなのかというところからお話しいただけますか。

井澤勇貴 僕にとってはどの作品も自分がお腹を痛めて考えた役なので、どれがいちばん心に残ったとか、どれがいちばん楽しかったとか、そんなふうに順位付けすることはほとんどしないんですけど、それでもこの『メサイア』という作品だけは別ですね。ほぼ3年、『メサイア』という作品に向き合ってきたので、すごく思い入れは強いです。もし『メサイア』をやってなかったら、今ごろ何をやってるんだろうって考えることもあるくらい、自分にとって分岐点になった作品。『メサイア』は僕の代表作だと思っています。

杉江大志

杉江大志 僕はデビューして間もない頃にこの『メサイア』という作品に参加させていただいて。まだ演じるということがどういうことかわからないなりに〈加々美いつき〉という役を一生懸命演じてきました。だから、作品の中での〈加々美〉の成長と僕の成長がすごくリンクしているような感じがするんですよね。ひとつひとつの作品に対して、その都度自分にできる精一杯で演じてきた僕がいて。同じように〈加々美〉も精一杯生きてきた。その成長が作品の中にしっかりと刻みこまれている。言わば、『メサイア』は僕の成長記録ですね。

〈有賀〉には〈間宮〉(染谷俊之)という“メサイア”がいて。その後、新たに〈加々美〉と組むことになりました。おふたりの出会いの頃からのお話を聞かせてください。

井澤 大志と初めて会ったのは、映画(『深紅ノ章』)の撮影でした。ただ、当時はドラマ(『影青ノ章』)と映画の撮影時期が近かったから、〈有賀〉である僕の立場もすごく微妙で。ドラマでは〈間宮〉、映画では〈加々美〉が“メサイア”だったから、なかなかきちんと大志と話をする機会もなかったんですよ。その後、『鋼ノ章』があったんですけど、そのときも“メサイア”はまだ〈間宮〉だから、大志との接点はそこまでなくて。“メサイア”としての関係性を本格的に意識しはじめたのは、やっぱり前作の『暁乃刻』からかな。そこからいろいろ話すようになって、今は現場でもいつも隣同士だし、公私共々に「相方」という感じです。
僕自身、杉江大志という人柄に助けられているところがたくさんあって。僕は現場に入ると自分のことに集中して、なかなか周りに意識が及ばないんですけど、大志は逆でいつもきちんと周りを見ている。自分のできないことを補ってくれるからこそ一緒にいてすごくいやすいし、本当大好きです。

杉江 やめてよ~(照)。でも、僕にとって勇貴は、役者としても、『メサイア』という作品の中でも先輩で。早く肩を並べられるようになりたいという気持ちがあったから、そう言ってもらえるのはすごく嬉しい。勇貴はこの『メサイア』という作品をずっと背負ってきて、現場でも作品を引っ張るということを誰より背中で示してくれていた。それは勇貴にしかできないことだと思う。お互いのいいところと悪いところを補い合えるという意味でも、僕らふたりのバランスってすごくいい。役としても、人としても、信頼の置けるパートナーですね。

井澤 大志にそう言ってもらえるのは、俺もすごく嬉しいなあ。

杉江 前までは早く追いつかなきゃって必死で。それこそ『鋼ノ章』の頃は、ただ勇貴の背中を見ているだけだった。やっと肩を並べるようになったと思えたのは、やっぱり『暁乃刻』からかな。それも勇貴のために何かしようと意識しているわけではなく、たまたま気づいたことをやっているだけで、それがちょうどいいバランスになっているところが、僕らの関係の良さなんだと思う。