Interview

go!go!vanillasのロックンロールに夢中!彼らの進化が鮮やかに鳴る最新作『FOOLs』

go!go!vanillasのロックンロールに夢中!彼らの進化が鮮やかに鳴る最新作『FOOLs』

ストレイテナーのホリエアツシをプロデューサーに迎えた今年1月発表のシングル「おはようカルチャー」は、今にして思えば、4人組バンド、go!go!vanillasが変化の季節を迎えたことを高らかに伝えるファンファーレだった。そして5月にリリースされたシングル「平成ペイン」を経て、揺るぎないロックンロールスピリットを多彩な楽曲に反映させた3枚目の新作アルバム『FOOLs』は、誰もがそう感じるに違いない、バンドの目覚ましい進化がヴィヴィッドに描き出されている。ここに収録されているバリエーション豊かな全13曲はgo!go!vanillasとリスナーをどこに誘うのか──。メンバー4人に話をうかがった。

取材・文 / 小野田雄


なるべくタイプの異なる曲を並べたいという意識。一曲一曲細かいところまで追求して完成度を高めていく

go!go!vanillasが大きな進化を遂げた新作アルバム『FOOLs』。その変化の兆し、意志はいつ頃芽生えたんでしょうか?

牧 達弥 音楽を始めた頃からの理想像みたいな、そういう意味では最初から思い描いていたことだったと思います。いろんな可能性、好きな音楽のジャンルがたくさんあるなかで、言ってしまえば、そのバンドそのものがひとつのジャンルだったりもするので、音楽に携わる以上はgo!go!vanillasというジャンルのカラーをさらに色濃くするために、ずっとトライしてきたことではあるんですよ。シングル「おはようカルチャー」でストレイテナーのホリエ(アツシ)さんをプロデューサーに迎えて、外からの刺激をもらったことで、これまでできなかったことが形になり、理解も深まったり。そういう追求は今も変わらず続けているんですけど、今回の『FOOLs』では、その受けた刺激を自分たちに還元してきたバンドサウンドとして作品にしっかり落とし込むことができたなって思います。

go!go!vanillasの主軸であるロックンロールと、多彩な作風に転じた今作の変化というのは意識のうえでどう折り合いがついているんですか?

 ロックンロールをジャンルとして捉えるのか、それとも精神的なものなのか……例えばイギリスのロックバンド、プライマル・スクリームやブラーがそうですけど、時代の流れとそれに伴って変化していく音楽嗜好を拒絶せず、むしろ積極的に肯定して自分たちの作品に落とし込んでいくバンドが、僕は好きだったりして。つまり、僕にとってのロックンロールは、人に驚きや衝撃を与える音楽の作り手、そのスピリットなんです。そのうえで結成当時は、僕の原体験である、ひとつのフォーマットとしてのロックンロールを形にすることから始めて、その後いろんな経験をするなかで「こういう新しい景色を見たい」というさらなる次への欲望が芽生えていって。そうなったときに、お客さんと同じ目線の安心できる音楽を提示し続けるよりも、僕らは次のステップを見せることでお客さんにワクワクしてもらいたかったんです。

牧達弥(vocal, guitar)

今回は「サウンドエスケープ」や「バイバイカラー」、「グッドドギー」のようなダンスミュージック色が色濃い曲をはじめとして、リズムアプローチが多彩ですよね。

ジェットセイヤ そうですね。前作の『Kameleon Lights』もそうですし、この作品に至るまでにいろいろ試してきたからこそ、自分としては自然にプレイできたんじゃないかなって思っているんですけどね。

長谷川プリティ敬祐 いままで開けたことがなかった引き出しを開けた曲もあったし、持ってるスキルはそのままに曲の捉え方を変えて臨んだ曲もあったし、様々なアプローチがプレイにも反映されていると思います。

長谷川プリティ敬祐(bass)

柳沢(進太郎)くんのギターも「サクラサク」のようなロックンロールから「ラッキースター」のようなソウル、ファンクまで、いろんなプレイスタイルを聴かせています。

柳沢進太郎 試してみたり、勉強したり、それこそ、70年代ハードロックのギタリストをイメージしたり。それはプレイだけじゃなく、いままでにない新しい響きを模索しました。中には、僕が作ったものの、自分ではギターを弾かず、牧さんがプレイした「ストレンジャー」のような曲もあります。この曲は、もともと2000年代のオルタナティブロックをイメージしてたんですけど、牧さんが持ってきたギターフレーズが全部ハードロックっぽいものだったので、それを面白がって、2つの要素を合体させて作り上げました。

5月リリースの先行シングル「平成ペイン」もファストなロックンロールと南国気分の涼しげなスティールドラムの組み合わせが実にユニークでしたね。

 それこそ「おはようカルチャー」を作ったあとの曲だったので、4人の楽器以外の音を入れたほうが、今のバンドのムードが伝わるんじゃないかと思いましたし、世界観も広がるんじゃないかなって。自分はワールドミュージックで用いられている民族楽器の音が好きだったりして、これまでにもバンジョーを入れてみたり、ほかの若いバンドが使ってない珍しい楽器を用いたりしているし、「平成ペイン」では、いつか使ってみたいと思っていたスティールドラムをようやく入れることができて、それによってバンドの表現の幅を見せられたんじゃないかなって思います。

ジェットセイヤ(drums)

制作に臨むにあたって、アルバム全体のイメージやコンセプトはありましたか?

 曲の雰囲気や歌詞もしかり、なるべくタイプの異なる曲を並べたいという意識はありましたけど、アルバム一枚のコンセプトはこれといってなくて。一曲一曲細かいところまで追求して完成度を高めていこうと思って、シングル曲以上に細部にこだわった箇所も多々あって。ただアイデアを盛り込むだけじゃなく、計算したアレンジですっきり聴かせられるようになったところは、バンドとしての成長だと思います。今回のアルバムでは、スタジオに入る前にパソコンを用いて自宅でアレンジを詰めるようになった影響も大きいですね。

曲で言うと、「ラッキースター」はポップソウルを土台に、ロックンロールなピアノやジャズのスウィング感が含まれていたり、アイデアが満載ですよね。

 この曲はバンドにとって新しい表現を切り開いた手応えがありますね。これまでのバンドサウンドだけでは見えなかった世界観が、ピアノを入れることで一気に広がりましたし、アイデアを盛り込みつつもシンプルに響く曲だと思います。

進太郎 僕は「ナイトピクニック」が一番好きなんですよ、「これ、ギターなの?」っていうフレーズが入っていたりして。今回のアルバムは録音したのはいいけれど、ライヴでの再現が難しいアレンジがすごく多いので、ステージで演奏するのが楽しみです。

柳沢進太郎(guitar)

プリティとセイヤくんのお気に入りは?

プリティ 僕は「グッドドギー」かな。この曲は音が詰まってなくて、空間にゆとりがあるからこそ、自分で出す音がいい音なのかどうかがはっきり出てしまうタイプの曲なんです。だけど、ここではシンプルな演奏でいい音を追求できたんですよね。

セイヤ ドラマーとしてはやってることはシンプルなんですけど、焼きそばを作るみたいに(笑)激しく叩いている「ストレンジャー」が聴きどころかな。両手両足の使い方は相当すごいことになってます。でも、このアルバムにはいろんなビートが入っていて、いろんなドラマーがリズムを刻んでいるような……というか、叩いているのは全部自分なんですけど(笑)。

そうした4人それぞれの充実もおおいにある、と。ただ、そうはいっても、いきなり見知らぬ土地に連れていかれたら迷ってしまうわけで、変化したバンドが辿り着いた場所に聴き手を誘うガイドも必要ですよね。

 「おはようカルチャー」のミュージックビデオは、リスナーをいきなりファンタジックな世界に連れていくというような内容だったんですけど(笑)、このアルバムではバンドの変化を形にしつつ、リスナーを誘うためのガイドラインは強く意識しました。go!go!vanillasのもとに集まるお客さんの中には、いろんな音楽を聴く人もいれば、普段、全然音楽を聴かないけど、go!go!vanillasだけは聴くっていう人もいるので、僕らが先走って「ついてこいよ」って言っても、怖かったりわからなかったりしてついてこられないこともある。だから、半歩前くらいに立って、お客さんと一緒に徐々に前に進んでいきたい。そういう意味ではアルバムの流れも、これまでの作風に通じる前半から進化したgo!go!vanillasの世界が広がる後半へとお客さんを誘う、そんな作品になっていると思いますね。

しかし、この作品をライヴではどう再現、発展させるのか。

 制作の時点では、ライヴでやったら面白そうなものということは考えていたんですけど、実際にライヴで表現する大変さは度外視したんですよ。だって、そのことを考え始めたら、作品に制限が出てきちゃいますからね。ただ、アルバムが完成した今、これから始まるアルバム曲のリハーサルが恐ろしくもあり、同時に楽しみでもあり(笑)。9月から始まるツアーは乞うご期待ということで!

go!go!vanillas「FOOLs PARTY」

7月26日(水) 渋谷WWW X(SOLD OUT!)

go!go!vanillas「FOOLs」Tour 2017

9月9日(土) 横浜 Bay Hall
9月10日(日) 水戸 LIGHT HOUSE
9月16日(土) 熊谷 HEAVEN’S ROCK VJ-1
9月17日(日) 高崎 club FLEEZ
9月23日(土) 神戸 Chicken George
9月24日(日) 滋賀 U-STONE
9月28日(木) 浜松 窓枠
9月30日(土) 長野 CLUB JUNK BOX

10月1日(日) 金沢 EIGHT HALL
10月6日(金) 仙台 Rensa
10月8日(日) 秋田 Club SWINDLE
10月9日(月・祝) 盛岡 Club Change WAVE
10月21日(土) 高松 MONSTER
10月22日(日) 高知 X-pt.
10月26日(木) 米子 laughs
10月28日(土) 広島 CLUB QUATTRO
10月29日(日) 岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
11月9日(木) 宮崎 SR BOX
11月11日(土) 熊本 B.9 V1
11月12日(日) 福岡 DRUM LOGOS
11月18日(土) 札幌 PENNY LANE 24
11月19日(日) 札幌 PENNY LANE 24
11月25日(土) Zepp Nagoya
11月26日(日) Zepp Osaka Bayside
12月2日(土) Zepp Tokyo

go!go!vanillas(ゴー!ゴー!バニラズ)

牧達弥(vocal, guitar)、長谷川プリティ敬祐(bass)、ジェットセイヤ(drums)、柳沢進太郎(guitar)。2013年に7inchシングル「人間讃歌/アクロス ザ ユニバーシティ」をインディーズリリース。2014年11月にアルバム『Magic Number』でメジャーデビュー。2015年9月に柳沢を新ギタリストに迎える。2016年7月にTHE BAWDIESとのスプリットシングル「Rockin’ Zombies」を発表。2017年は、1月にシングル「おはようカルチャー」をリリース後、対バンツアー&ワンマンツアーを敢行し、5月にシングル「平成ペイン」、7月に二ューアルバム『FOOLs』をリリース。9月より全国ツアーを開催。

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