LIVE SHUTTLE  vol. 178

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RED WARRIORS 唯一無二、正真正銘のロックンロールバンドの宴に酔う。30周年記念ライブ、8年ぶりワンマン 

RED WARRIORS 唯一無二、正真正銘のロックンロールバンドの宴に酔う。30周年記念ライブ、8年ぶりワンマン 

『RED WARRIORS 30th Anniversary「king’s Rock’n Roll」』
2017年7月15日 大宮ソニックシティホール

伝説のバンドのひとつ、RED WARRIORSの8年ぶりとなるワンマン・ライブ、デビュー30周年記念公演『RED WARRIORS 30th Anniversary「king’s Rock’n Roll」』を、大宮ソニックシティホールで観た。

RED WARRIORS は1986年にデビューして89年に解散。正確には30周年は昨年だったのだが、ボーカルのダイアモンド☆ユカイのミュージカル公演のスケジュールと合わず、今年の開催となった。

そんな経緯もあって、今年はRED WARRIORSの音源の再発ラッシュ。コロムビアと徳間ジャパンからそれぞれベストが出たのだが、僕は3月に再リリースされた『FIRE DROPS』(1997年)を改めて聴いてみて驚いた。解散後、メンバーはそれぞれの活動の中で成長し、バンドとしての成熟がはっきりと見て取れた。それをリアルタイムで理解できなかった自分を悔いた。

その後、再発『FIRE DROPS』のライナーノーツを書くことになり、ダイアモンド☆ユカイ、木暮“shake(シャケ)”武彦、小川清史の3人にそれぞれインタビューした。ユカイは「shakeの歌を表現できる人間は、俺以外にいないんだよ」と語り、shakeは「怒りとかケモノ的な感情を持った有機的な音楽を歌えるとしたら、ユカイくんしかないと思った」述べ、kiyoshiは「きっと一回、解散しないと『FIRE DROPS』はできなかったと思う」と言い切った。

これだけ自分たちを客観視できるようになったバンドが、復活ライブを行なうのだ。間違いなく凄いものになる。待ちに待った記念ライブの日がやってきた。

オープニングアクトの氣志團のパフォーマンスは、先輩バンドに対する愛とリスペクトに満ちていた。キラーチューンの「喧嘩上等」、「One Night Carnival」で盛り上げた後、オーディエンスに「“この人たち、何なの?”って思ってるでしょ?(笑) 後進の育成を大事にしてるRED WARRIORSだったら、ワンオクとかセカオワ、呼べたでしょ。こっち側だとしてもゴールデンボンバーでしょ」と綾小路翔が語りかけ、自虐ギャグで笑わせる。

「でも、あのRED WARRIORSが俺たちを選んだ。きっと何かあるはずだ。(コンピュータを使わずに)楽器だけで鳴らす氣志團は、RED WARRIORSの後継者になると宣言します。俺たちはアウトレットで売られるようなB級品だから、“三井アウト・レット・ウォーリアーズ”さ!」と言って、「バラとワイン」のパロディを歌ってみせ、その最中にバラを客席に投げ入れる。その卓越したユーモアセンスと、純情なロックバンド愛に、会場から大きな拍手が贈られたのだった。

充分に会場が温まったところで、いよいよRED WARRIORSの出番だ。ステージの背後には“RED WARRIORS 30th Anniversary「king’s Rock’n Roll」”の文字が浮かんでいる。ミラーボールが回る中、shakeとkiyoshi、サポート・キーボードの三国義貴、ドラムスの西川貴博が位置に着く。「ウォー!!」という歓声の中、shakeが黒いボディのストラトキャスターをギャリーンと鳴らし、「king’s Rock’n Roll」のイントロが始まると、歓声が一段と高まる。そこにゴールドのスーツをまとったユカイが、独特のステップを踏みながら現われた。オーディエンスにハンドクラップをうながし、マイクスタンドを蹴り上げて煽る。これがRED WARRIORSのマナーだ。ユカイのボーカルに、shakeのギターが鋭く絡むスタイルは健在だ。終わると、とんでもない大歓声が上がった。それはそのまま、待ちわびたファンたちの叫びの大きさだった。

続いては粋なブギーの「バラとワイン」。ユカイの歌に、shakeとkiyoshiが追っかけコーラスを付ける。やはり本物(!)は色気が違う。すると、さっき氣志團がまいたバラが、客席から次々にステージに投げ入れられる。この恒例の光景が、ファンにとってどれだけ嬉しいことなのかは、想像に難くない。会場を埋めたオーディエンスの誰もが笑顔になっている。このゴージャスな雰囲気が、80年代のバンドブームの中でRED WARRIORSを唯一無二の存在に押し上げたのだ。

「Wild and Vain」では一転して、ハードな面をさらけ出す。shakeのソリッドなギター・リフと、西川のへヴィーなドラムが、バンドのロックサイドの魅力を打ち出す。この曲あたりから演奏のギアが上がって、パワフルなサウンドが会場を動かしていく。ユカイとshakeが1本のマイクに身を寄せ合ってシャウトすると、色気が飛び散るところがRED WARRIORSの強味だ。硬派でいながらゴージャスなロックを、当然のようにアピールするパフォーマンスに、僕はロックバンドの貫禄を感じたのだった。

軽快なシャッフルのリズムの「Old Fashioned Ave.」で、ユカイはカズーでソロを取る。「Monkey Dancin’」ではマラカスを振って、芝居っ気たっぷりに踊る。ユカイのシアトリカル(演劇的)な魅力が楽しめた。

この2曲はRED WARRIORSの人気を決定付けたセカンド・アルバム『CASINO DRIVE』からのナンバーだが、次の「John」も同じアルバムからの曲。ユカイの敬愛するジョン・レノンを歌った曲で、ユカイはアコースティック・ギターを抱えてイントロ代わりに「イマジン」の一節を歌い出すと、会場から「ホーッ!」と声が上がる。「John」が始まると、shakeがスラード・ギターで思い入れたっぷりにユカイの歌に寄り添う。僕はこの曲に、RED WARRIORSの成熟を最も感じたのだった。

セッション色の濃い「野生の風」では、kiyoshiがエフェクトをかけた音色でパンチの効いたベース・ソロを決める。それに絡むユカイのブルースハープ(ハーモニカ)が、バンド感のあるサウンドにシブさを加えていた。

「サンキュー、大宮ソニック! 満員御礼、嬉しい限りですよ。何を隠そうRED WARRIORSは、正真正銘さいたまで生まれたバンド。3年半ぐらいで解散して、その後、何度か再結成を繰り返して、30年目でまた再結成しました。いつまでやるんだろうね(笑)・・・30年やるといろいろあります。みんなも年取るわけだよね。RED WARRIORSみたいな正真正銘のバカなバンドは、日本にいません」とユカイ。そのプライドを賭けて歌った「Back to life」がグッときた。

♪世界中が悲しみに包まれても できる事は笑い飛ばす事だけ♪と歌うこの曲は、再結成した2002年に発表された。shakeの手になるリリックは、世界が危機にさらされた21世紀初頭の雰囲気を、RED WARRIORSらしいタッチで描く。途中、ユカイが語る。「戦争ってヤツはまだまだ続くのかい? ほんとにやんなっちゃうぜ。だけどここには俺たちのロックンロールがあるぜ・・・あったんだ。バカでけっこう。ロックンロールは死なない。RED WARRIORSを愛してくれたみんな、サンキュー!」。

この痛切なメッセージソングの後に、向こう見ずなロックンロール「Foolish Gambler」を持ってくるところが、このバンドらしい。ボロボロになっても途切れないバンドマンの友情を描くこの歌は、まさにRED WARRIORSのためにある。どの曲もオーディエンスがバンドと一緒に歌っていたが、特にこの曲での会場の声は大きかった。

ラストチューンは初期の名曲「CASINO DRIVE」。♪イカサマ野郎にゃ負けやしねえぜ♪というリリックは、背水の陣で臨んだデビューの頃のメンバーの気負いの象徴だ。バンドブームに火が着いて、売れ線狙いのポップ一辺倒なバンドを次々にデビューさせる当時の音楽業界に、怒りを込めて叩きつけた傑作だ。ケツの青さを承知で歌うユカイと、演奏するshakeとkiyoshiに、永い年月を乗り越えてきたたくましさがにじむ。その思いを共有するオーディエンスがいてこその説得力があった。ユカイはステージドリンクを口に含んでは、オーディエンスに噴きかける。最後はペットボトルを客席に投げ入れて、ライブの本編は終わった。

アンコールに現われたshakeが、しばらくフリーでギターを掻き鳴らす。やがて美しいコード進行を弾き出すと、オーディエンスが次の曲に気付いて大きな歓声を上げる。そこにユカイがすっと登場して「ルシアン・ヒルの上で」を歌い出した。

僕の背中を、鮮烈な思いが突き抜ける。「Back to life」のメッセージと、「Foolish Gambler」の友情と、「CASINO DRIVE」の怒りに満たされていた耳に、♪Good-Bye 俺達の小さな傷あとと かなうはずのない夢に乾杯さ♪という甘く切ないリリックが突き刺さる。若い頃に特有のヒロイズムが、時間をかけて豊かなセンチメンタリズムに醸成されていた。その深い味わいに、ソニックシティに集まった人々が一瞬にして酔わされたのだった。

続くロック・ナンバー「Wild Cherry」で、shakeは以前、愛用していたギターを持つ。ピックアップが1個しか付いておらず、すべてをピックのタッチだけでコントロールする、名手shakeのトレードマークとも言えるギターだ。昔と変わらぬエッジーなギター・サウンドに包まれて、オーディエンスも大合唱で参加する。80年代のRED WARRIORSがフラッシュバックするシーンとなった。

再度のアンコールで、kiyoshiはベースを抱えて「ありがとう」と短く挨拶。shakeはアコギを持って「サンキュー!」。ユカイはウクレレを手にしている。ラストソングは、明るいアコースティック・サウンドの「It’s All Right」だった。レイドバックした演奏で、仲間同士が楽しく盛り上がって、アニバーサリー・ライブは終了した。

ユカイが「We are RED WARRIORS!」とコールすると、会場が拍手で応える。「このステージで引退するはずだったけど、9月2日、中野サンプラザで追加公演をやることになりました。ロックンロールを盛り上げようぜ!」とさらにユカイがコメントしたので、場内は騒然。ファンにとっては嬉しい“オマケ”となった。

この夏、木暮“shake”武彦は、噂のピンク・フロイド再現バンド「原始神母」と自身のソロバンド「木暮“shake”武彦 with Big Mountain Blue」でもフジロックに参戦する。

秋にはダイアモンド☆ユカイが、ソロとしてのオールタイム・ベストを出す。ゴージャスで、シャープで、ユーモラスで、シリアスなバンド“RED WARRIORS”は、きっと今後も唯一無二の存在であり続けるのだろう。

文 / 平山雄一 撮影 / 森島興一

『RED WARRIORS 30th Anniversary「king’s Rock’n Roll」』
2017年7月15日 大宮ソニックシティホール

セットリスト
1. King’s Rock’n’ Roll
2. バラとワイン
3. Wild and Vain
4. Old Fashioned Avenue. 
5. Monkey Dancin’
6. John
7. Shakin’ Funky Night
8. 野生の風
9. Lady Blue
10. Royal Straight Flush R&R
11. Back to Life
12. Foolish Gambler
13. CASINO DRIVE
<アンコール >
14. ルシアン・ヒルの上で
15. Wild Cherry
16. It’s All right

ライブ情報

RED WARRIORS 30th Anniversary『King’s Rock’n Roll』FINAL
9月2日(土)中野サンプラザ

ダイアモンド☆ユカイ ソロライブ「SING MY SOUL」
10月14日(土) Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
*レッドウォーリアーズからRespectまでチェロとヴァイオリンの響きにのせて 極玉のソングスを唄う
1st 16:00~ 『引き語リストは秋に唄う』
2nd 19:00~ 『ヨーロピアンソウル』
イープラスにて8月10日〜チケット販売予定!!
【主催・お問い合わせ】サンミュージックプロダクション
TEL 03-3354-8501
http://www.sunmusic.org/profile/diamondyukai.html


RED WARRIORS(レッドウォーリアーズ)

1985年に元レベッカのギター“shake”こと木暮武彦とヴォーカル・ダイアモンド☆ユカイを中心に結成。1986年10月にコロムビアよりメジャー・デビュー。ストレートでブルージーなロックを掲げて音楽シーンで頭角を現し、1988年には日本武道館と西武球場でライブを行うが、1989年に解散。1996年に再結成し、武道館ライブを行い、その後も断続的にCDリリースやコンサートを行うが、2013年に活動休止。2015年再び集結し、2017年7月にデビュー30周年となる記念ライブを大宮ソニックシティ 大ホールにて開催。
現在のメンバーは木暮“shake(シャケ)”武彦、ダイアモンド☆ユカイ、ベース小川清史の3名。

公式SNS
https://www.facebook.com/redwarriorsofficial/
https://twitter.com/redwarriors30th

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